人参は副菜や主菜、主食など様々な料理に活用できる食材です。今回は和風のレシピをまとめてご紹介します。和え物や炒め物、汁物、揚げ物、煮物など様々な料理をご紹介していますのでぜひ参考にしてください。
人参の原産地はアフガニスタンで、トルコを経てヨーロッパに伝わった西洋種と、アジア東方に伝わった東洋種があります。日本には江戸時代に東洋種が伝わり、西洋種が入ってきたのは明治以降といわれています。現在日本で流通しているのはほとんどが西洋種です。
令和3年のにんじんの主な生産地は北海道、千葉県、徳島県、青森県、長崎県などです。生産地1位は北海道(収穫量201,600トン)で、全国の3分の1の量にもなります。
出典:野菜生産出荷統計(総務省統計局)
人参の旬は秋〜冬です。冬場の人参の方が糖度が高く実も柔らかいのが特徴。生で食べる場合は旬の時期に販売されている人参にしましょう。
一般的にいわれる「旬」とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。
野菜は一般的に旬の方が栄養価が高いとされます。旬の時期にはハウス栽培ではなく露地栽培がされ太陽の多く当たることで、特にβ-カロテンやビタミンCの含有量が多くなるためです。
人参の栄養素はなんといってもβ-カロテン(ビタミンA)です。人参のオレンジ色はβ-カロテンの色です。
β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなります。また抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用が期待できます。亜鉛が補酵素に入ると、β-カロテンがレチナールへ、さらにレチナールにナイアシンが結合することで体内に作用します。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。
β−カロテン以外にはα−カロテンや葉酸、食物繊維、カリウムなどの栄養素も含まれています。人参の栄養に関してはこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
β-カロテンは皮のすぐ下に最も多く含まれています。その量なんと中心部の2.5倍です。ポリフェノールも中心部の4倍多く含まれています。無農薬のものなどはなるべく皮ごと食べるようにしましょう。むく場合もなるべく薄くむくようにしましょう。皮は正式には「内鞘(ないしょう)細胞」と呼ばれ、可食部の一部です。
「傷んだ人参を切ったら、中がスカスカだった」という経験がある方も多いかと思います。実際、人参の中心部は時間が経つと栄養が抜けて、食物繊維のみの状態になっていきます。
そのため、皮ごと輪切り、乱切りなどが無駄なく栄養を摂ることができます。
β-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップ。これは細胞内で溶解して、吸収されやすくなるからです。そのため、加熱料理がおすすめです。ただし、高温での加熱が長いと一部が壊れてしまうので、火を通す時間は短時間にするといいでしょう。
さらに、脂溶性なので野菜炒めなど油を使うことでβ-カロテンの吸収率が6倍にもなります。人参は炒め物などで調理し、積極的に油と一緒に摂りましょう。また鶏肉などと一緒に食べれば、鶏肉の脂質でβ-カロテンの吸収率が高まります。β-カロテンの吸収率が高くなれば、動脈硬化の改善や美肌効果にも繋がります。また、人参を生食する場合でも、油が入ったドレッシングと合わせるだけでそのまま食べるより4倍の吸収率になります。
β-カロテンは細かくするほど増えます。また、大きく切った人参よりもすりおろした方がβ-カロテンの吸収率もアップするため、人参を皮つきのまますりおろすといいでしょう。
すりおろした人参はポタージュや、野菜スープやドレッシングにできます。また、オムレツやハンバーグに混ぜてもおいしいですよ。人参嫌いな子供にもおすすめです。
生の人参に含まれる酵素「アスコルビナーゼ」はビタミンCを破壊するというのが定説でしたが、実際には酸化させるだけで、酸化したビタミンCは体内で還元され通常のビタミンCと同じ働きをするといわれています。
この酵素は細かくすることで活性化します。すりおろしのドレッシングやジュースなどで使うとき、ビタミンCの酸化が心配な方は、酢をかけるか、50℃以上で加熱すると酵素の働きを止めることができます。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
まずはじめに、人参を使った和風の副菜レシピをご紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
人参と卵で作る沖縄の家庭料理の人参しりしりです。
人参には、卵に含まれるたんぱく質がコラーゲンになるのに必要な栄養素であるビタミンCが含まれています。コラーゲンには美肌効果が期待できます。
ちなみに「しりしり」は人参をすりおろす際の音を表現する沖縄の方言といわれています。
人参しりしりのレシピはこちら
甘辛に仕上げたきんぴらは、ご飯のお供におすすめの簡単副菜です。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
最後に酢を加え、人参の甘さを引き出しましょう。
さつま揚げと人参のきんぴらのレシピはこちら
Filyではこのレシピの他に、えのきと人参のきんぴらやさつま芋と人参のきんぴら、ツナと人参のきんぴら、きんぴらごぼうなど様々なきんぴらレシピをご紹介しています。
黒酢にメープルシロップを足してコクがアップ。人参のシャキシャキ食感が美味。
このレシピ玄米を使った米黒酢を使用しています。
二日ほど漬け込むと、味が馴染んで美味しく仕上がります。数回揺すって、まんべんなく漬け込みましょう。
人参の黒酢しょうゆ漬けのレシピはこちら
人参の甘みが際立つかき揚げです。塩をふってシンプルな味付けでお楽しみください。
揚げ油には発煙が高いオリーブオイルを使用しています。
人参を入れたら、触らずに2〜3分揚げましょう。
人参かき揚げのレシピはこちら
れんこんのシャキシャキとした食感を楽しめるひと品です。
れんこんは変色しやすいですが、酢につけることで変色を防ぐことができます。
れんこんと人参の甘酢漬けのレシピはこちら
れんこんはすりおろして揚げると、もちもちとした食感が楽しめます。
れんこんは食物繊維が豊富で、整腸作用が期待できます。
れんこんと人参をこした汁で、すりおろし汁が作れます。
れんこんと人参のおろし揚げのレシピはこちら
揚げることでどんな野菜も甘くなり美味しくいただけます。彩りも◎で、おもてなし料理としてもおすすめです。
ししとうにはビタミンCが含まれていますので、美肌効果や疲労回復が期待できます。
れんこんは酢水につけることで、変色を防ぎます。
三色素揚げのレシピはこちら
うまみたっぷりのウスターソースで味付けした一皿。ごはんがよく進みます。
ケチャップに使われているトマトのリコピンは加熱することで細胞壁が壊れるため、吸収率が2〜3倍ほどアップするといわれています。また、加熱することで旨味成分「グアニル酸」が増加するので、旨みもアップします。
人参とししとうのソース炒めのレシピはこちら
ちくわのうまみで人参の甘みを引き出します。シンプルで飽きがこないひと品。
ちくわの原料となっている白身魚には、たんぱく質が含まれています。
直径20cmの小さめのフライパンを使いましょう。
ちくわと人参の煮物のレシピはこちら
ガーリックみそ味で人参が食べやすいひと品です。
にんにくの香り成分である硫化アリルには、血栓の生成予防、血中コレステロールの増加抑制などの効能が期待できます。
えのきと人参のみそ炒めのレシピはこちら
切り干し大根の歯ごたえをハリハリ漬けで!
大根には、アミラーゼやプロテアーゼなど数種類の消化酵素が含まれています。アミラーゼ(別名ジアスターゼ)はでんぷんを分解する酵素で、食べ物の消化をサポートし、さらに胸焼けや胃もたれを防ぐ効果があります。プロテアーゼはたんぱく質を分解する作用があるといわれています。
切り干し大根は水で戻さず、歯ごたえを楽しみましょう。
切り干し大根のはりはり漬けのレシピはこちら
具材はひじき・人参・油揚げのみのシンプルな煮物です。
このレシピでは、てんさい糖を使って甘みをつけています。てんさい糖を使うことでまろやかな甘さに仕上がり、コクも増します。てんさい糖には普通の砂糖(白砂糖)よりもミネラル類が豊富に含まれているのが特徴です。ミネラル類は、美容や健康に効果的です。
芽ひじきはたっぷりの水を使って戻すのがポイントです。ふっくらと柔らかく戻りますよ。
ひじきの煮物のレシピはこちら
こちらのレシピ以外に、めんつゆで作るひじきの煮物や大豆入りのひじきのの煮物、こんにゃく入りのひじきの煮物のレシピもご紹介しています。
れんこんと人参をこした汁で作るみそ汁です。
れんこんはすりおろすことで酵素(アミラーゼ)が活性化し、疲労回復効果がアップします。
れんこんと人参のおろし揚げででた汁を使ったみそスープです。
すりおろし汁のみそスープのレシピはこちら
次にご紹介するのは、人参を使った和風の主菜レシピです。
人参を1本使ったヘルシーそぼろです。
人参に含まれるビタミンCは、鶏肉に含まれるたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。コラーゲンには美肌効果が期待できます。
水分がほとんどなくなるまで、しっかり炒めましょう。
人参とりそぼろのレシピはこちら
すりおろした人参の甘酸っぱいソースをチキンにのせたひと皿です。
玉ねぎに含まれる硫化アリルには血栓の生成を防ぐ効果が期待できます。
キッチンペーパーは2枚重ねて使い、丁寧に玉ねぎを絞りましょう。
チキンの人参ソースのレシピはこちら
鶏肉のうまみが人参に移って美味しい一品に仕上がります。
人参に含まれるβ-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップ。これは細胞内で溶解して、吸収されやすくなるからです。そのため、加熱料理がおすすめです。さらに、β−カロテンは脂溶性なので、鶏肉と一緒に食べることで鶏肉の脂質でβ−カロテンの吸収率が高まります。
煮汁が少なくなってきたら、鍋をゆすり照りよくからめて仕上げましょう。
鶏肉と人参のいり煮のレシピはこちら
和食の定番、肉じゃがのレシピをご紹介します。野菜の甘みが楽しめる一品です。ご飯のおかずとしてお楽しみください。
てんさい糖を使うことで、まろやかな甘さに仕上がり、コクも増します。
落としぶたを使うことで短時間で食材に味が染み込みます。また、食材の煮崩れ防止にもなります。落としぶたはアルミホイルやクッキングシートを鍋より一回り小さいサイズに切り、中央に穴を開けて作れます。
肉じゃがのレシピはこちら
こちらのレシピよりもさらに簡単に作れる肉じゃがや、めんつゆで作る肉じゃが、電子レンジで作る肉じゃがのレシピもご紹介しています。
和食の定番料理である筑前煮です。野菜たっぷりで食べごたえのある一品です。
このレシピでは干ししいたけの戻し汁を使うのがポイントです。しいたけの風味が増し、美味しくいただけます。
根菜は皮に栄養があるので皮ごと調理しています。生ゴミも減るので一石二鳥です。
筑前煮のレシピはこちら
食材の種類が少ないシンプルな筑前煮のレシピもご紹介していますのでぜひ参考にしてください。
フライパンで簡単手作りがんも!できたてをあつあつのあんとお召し上がりください。
豆腐の原料である大豆には大豆イソフラボンが含まれており、美肌効果などが期待されています。
木綿豆腐(1丁)は電子レンジ(600W)で2分ほど加熱することで、簡単に水切りできます。
焼きがんものレシピはこちら
すりおろした人参をたっぷり使ったハンバーグです。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
人参は皮ごとすりおろすことで栄養を効率よく摂取することができます。
人参おろしのチキンハンバーグのレシピはこちら
すりおろした人参を使った米粉のお好み焼きです。
このレシピでは、小麦粉の代わりに米粉を使用しています。グルテンフリーのお好み焼きです。
人参おろしのお好み焼きのレシピはこちら
最後に、人参を使った和風の主食レシピをご紹介します。ご飯や麺と合わせて美味しく召し上がることができます。
すりおろした人参の甘みが美味しい人参ごはんです。
このレシピでは昆布を使用しています。昆布にはカルシウムやカリウム、鉄などのミネラルが豊富に含まれています。また、食物繊維(水溶性食物繊維)も豊富なので、腸内環境改善の作用も期待できます。
人参ごはんのレシピはこちら
ささみと人参の玄米炊き込みご飯です。ささみからあっさりダシが出て美味。
玄米にはビタミンB1が豊富に含まれています。疲労回復が期待できます。
粗熱が取れてから鶏肉を割くとふんわりとします。
人参ささみ玄米ご飯のレシピはこちら
だしがきいた、ほっとなごむ美味しさです。
こちらのレシピでは人参やごぼう、こんにゃく、油揚げ、干ししいたけなど様々な具材を使用しています。ごぼうには食物繊維(不溶性食物繊維と水溶性食物繊維ともに)が多く含まれていますので、腸内環境を整えたり、血糖値の上昇速度を緩やかにしてくれることが期待できます。
具材は細かく切ることで味のなじみがよくなります。
五目玄米ご飯のレシピはこちら
シーフードミックスととりがらで作るお手軽焼きうどんです。
こちらのレシピでは、玄米でできたうどん(生麺)を使用しています。グルテンフリーで美味しくいただけますよ。
うどんはお好みの硬さに茹でましょう。
シーフード焼きうどんのレシピはこちら
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