漬物や煮物など様々な料理に合う大根。今回はそんな大根を使った副菜レシピをご紹介します。サラダや漬物、炒め物、揚げ物、煮物など大根はいろんな使い方ができます。もう一品加えたい時などにぜひ参考にしてください。
大根の原産地は諸説ありますが、野生種が地中海沿岸地方に多く、最古の栽培記録がエジプトにあることから、地中海沿岸が主な原産地域だとする説が有力だと言われています。エジプトでは紀元前から栽培されており、日本には奈良時代に伝わり、江戸時代には栽培が始まったと考えられています。
近年大根は千葉県や北海道、青森県、鹿児島県、神奈川県などで主に栽培されています。
出典:令和3年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量(農林水産省)
大根の旬は10月〜3月頃の秋、冬です。秋〜冬に収穫される旬の大根は、寒さで甘みが増していると言われています。
ちなみに、春の七草である「すずしろ」は大根のことを指します。春の七草といいますが、実際には冬(1月7日)に、七草粥として食べる風習があります。
大根の旬は、品種や栽培地域などによって若干異なる場合があります。
大根の可食部(根)100gあたりのエネルギー(熱量)は15kcalです。他の野菜と比べると、じゃがいもは59kcal、トマトは20kcal、ほうれん草は18kcalですので、野菜の中でも特にカロリーが低いことがわかります。
大根の特筆すべき栄養は酵素です。大根には、アミラーゼやプロテアーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、グリコシダーゼ、ベルオキシダーゼなど数種類の消化酵素が含まれています。アミラーゼ(別名ジアスターゼ)はでんぷんを分解する酵素で、食べ物の消化をサポートし、さらに胸焼けや胃もたれを防ぐ効果があります。プロテアーゼはたんぱく質を、リパーゼは脂質を分解する作用があるといわれています。これらの消化酵素は大根をすりおろした方が作用しやすくなります。
出典:食品成分データベース(文部科学省)
大根の栄養素の観点からみると、大根は生で食べるのが一番よいと言われています。
大根の根に含まれるアミラーゼ(酵素)は熱に弱いため、栄養を活かすなら生で食べるのがベストです。さらにビタミンCやカリウムも水溶性であるため、茹でることで水に溶け出してしまいます。熱を通す場合は、スープなどにして汁ごと食べる方がいいでしょう。
アミラーゼとは
アミラーゼはでんぷん(糖質)を分解する酵素の総称で、ジアスターゼとも呼ばれます。でんぷんはそのままでは体内に吸収できないので、糖に分解する必要があります。それをアミラーゼが助けてくれます。アミラーゼは唾液にも含まれており、食べ物の消化や吸収を助けるため、胃腸の負担を軽くします。
大根を料理に使用する際、皮を剥くことがありますが、実は皮と皮のすぐ下に一番栄養があると言われています。したがって、皮ごと食べるのが◎。ただし、煮物など味を染み込ませたい料理の場合は皮を剥いて、皮だけを他の料理に使用するとよいでしょう。
大根をすりおろす際は、皮ごとすりおろすのがおすすめ。また、大根おろしの汁にも大根の栄養が含まれていますので、捨てないようにしましょう。汁ごと一緒に食べるようにしてください。
大根の根は部位によって辛さや甘さ、食感が異なるため、料理によって使い分けるのが◎。
大根の上部(上部)は、大根の部位の中で最も甘みが強く、水分が多いのが特徴です。みずみずしくシャキシャキとした食感を楽しむことができます。大根の上部(首部)はサラダや野菜スティックなど生で食べるのに適しています。
大根の中心部は甘みと辛みのバランスがちょうどよいのが特徴です。ややかための食感なので、おでんや豚汁などの加熱料理に使用すると柔らかくなって食べやすくなります。
大根の下部(先端)は最も辛みが強く水分は少ない部位です。漬物や薬味、大根おろしに適しています。ただし辛いのが苦手な方は、大根の上部(首部)を大根おろしにするのがおすすめです。
最初に、和風の副菜レシピをご紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

生の大根のシャキシャキ食感が美味しいひと品です。
このレシピでは豆乳マヨネーズ(卵不使用)を使用しています。従来のマヨネーズと比べるとあっさりした味わいです。
こちらのレシピは、えのきとしめじのなめたけのレシピを使っています。ご飯のお供にもおすすめです。
なめたけの大根サラダのレシピはこちら

淡泊な野菜に、しらすのほどよい塩けがよく合うひと品です。
オクラには可食部100gあたり5.0gの食物繊維が含まれています。これは食物繊維が多いイメージのごぼうの約2倍の量です!
大根の辛み成分であるイソチオシアネートは、すりおろすことで細胞壁を壊され生成されます。また、大根の皮の周囲にはビタミンCなどの栄養が多く含まれているので、皮ごと食べることすりおろすのが◎。おろし汁にも栄養たっぷりです。
オクラと長芋のおろしあえのレシピはこちら

あまり揚げ物のイメージがない大根ですが、唐揚げにすると大変美味しいです。
このレシピでは、衣に片栗粉を使用しています。片栗粉で揚げると小麦粉と比べて、サクっとした食感に仕上がります。
大根は汁けをしっかりとり、片栗粉は薄くまぶしましょう。
大根の唐揚げのレシピはこちら

揚げた大根は外はサクサク、中はジューシー。海苔の風味がクセになるひと品です。
揚げ油には、高温でも酸化しづらいオリーブオイルや米油がおすすめです。また、たねには小麦粉の代わりに米粉と片栗粉を使用しています。
たねを落としたら、上下を返すまで触らずに揚げましょう。
大根とのりのかき揚げのレシピはこちら

味のしみた大根の煮物です。大根と調味料を並べて煮るだけで簡単にできるひと品です。
このレシピでは、てんさい糖を使って甘みをつけています。てんさい糖を使うことでまろやかな甘さに仕上がり、コクも増します。てんさい糖には普通の砂糖(白砂糖)よりもミネラル類が豊富に含まれているのが特徴です。ミネラル類は、美容や健康に効果的です。
大根は下茹ですることで味が染み込みやすくなります。
大根の煮物のレシピはこちら

ごまをたっぷり加えて風味よく仕上げたひと品です。
ごまには強い抗酸化作用があるビタミンEが含まれています。ねりごまとすりごまを使用することで、よりごまの風味が際立ちます。
大根は下茹ですることで味が染み込みやすくなります。ねりごまは使う前にしっかりと混ぜてから使用しましょう。
大根のごま煮のレシピはこちら

味噌の味が大根にしみこんだひと品です。大根と調味料を鍋で煮るだけの簡単レシピです。
大豆の発酵食品である味噌には、たんぱく質が多く含まれています。大根のビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのを助ける役割がありますので、一緒に食べると◎。コラーゲンには美肌効果が期待できます。
大根は下茹ですることで味が染み込みやすくなります。
大根のみそ煮のレシピはこちら

食材は大根とさつま揚げの2つのみ。シンプルに仕上げた煮物です。
さつま揚げの主原料となっている白身魚にはたんぱく質が含まれています。大根に含まれているビタミンCが、たんぱく質によるコラーゲン生成に必要不可欠なため、美肌効果が期待できます。
大根に竹串を刺し、スーッと通ったらさつま揚げと調味料を加えましょう。
大根とさつま揚げの煮物のレシピはこちら

簡単に作れる大根の漬け物です。
このレシピではごま油を使用しています。ごま油には、悪玉コレステロール値を抑えるリノール酸や抗酸化物質のオレイン酸などが豊富に含まれています。
冷蔵庫で30分ほど寝かすと食べ頃になります。
大根の漬け物のレシピはこちら

甘酒を使った、べったら風の漬物です。
甘酒は、お米の甘みと酸味があるのが特徴です。炭水化物が主成分で、その他ビタミンB1やB2、ナイアシンなども少量含まれています。本レシピでは砂糖不使用の米糀のものを使用しています。
大根は、茹でたら熱いうちに漬け込みましょう。剥いた皮は漬け物やきんぴらなどに活用できます。
大根の甘酒漬けのレシピはこちら

調理で出た大根の皮を無駄にせず、漬物にしました。
酢には疲労回復や血糖値の上昇を抑えるのに効果的なクエン酸や、血行を良くしたり免疫力向上の効果が期待できるアミノ酸などが含まれています。酢には他にもミネラルの吸収や胃酸の分泌を高め消化を促進するなどの働きもあります。
おでんなどで出た大根の皮を無駄にせず使い作りました。
大根の皮の漬け物のレシピはこちら

煮物などを作る際に不要となる大根の皮を無駄なく使ってきんぴらに仕上げました。
一般的な醤油では、製造過程で小麦が使用されていますが、本レシピでは小麦を使用していないグルテンフリーの醤油を使用しています。
汁けがほとんどなくなるまで、しっかり炒めましょう。
大根の皮のきんぴらのレシピはこちら
次に、大根を使った洋風の副菜レシピをご紹介します。

サラダ感覚で食べられるひと品です。もう一品追加したい時などにおすすめです。
りんごはカリウムや食物繊維が多く含まれ、さらに有機酸やビタミン類も含まれます。りんごの皮にも栄養が含まれますので、皮ごと使用するのがおすすめです。
レモンは絞りたてを使い、フレッシュな食感を楽しみましょう。
大根のマリネのレシピはこちら

付け合わせに、箸休めにも大活躍のひと品です。
赤唐辛子とローリエを加えることで風味良く仕上がります。
ファスナー付き保存袋で漬ければ、ピクルス液が少量でも味がよく行き渡ります。
大根とカリフラワーのピクルスのレシピはこちら

レモンと豆乳マヨネーズでさっぱりと味付けしたツナと大根のサラダです。
このレシピでは、大根の皮は剥かずにそのまま使っています。皮に含まれる栄養を取り逃がすことなく使え、時短にもなりゴミも出ません。
レモン果汁は絞りたてを使うと美味しいです。
ツナの大根サラダのレシピはこちら

程よく塩けが効いた大根とレモンで甘みが際立ったりんごが美味しいひと品です。
このレシピではオメガ3が豊富に含まれているえごま油を使用しています。オメガ3は血流改善やコレステロール値の低下、アレルギー抑制など幅広い効果が期待されています。クセがないので使いやすいのですが、熱には弱いので加熱料理には☓。
旬の時期にみずみずしい大根と甘いりんごで召し上がりください。
りんごと大根のサラダのレシピはこちら

サクサクとした衣とみずみずしい大根がマッチしたひと品です。
このレシピでは、衣として米粉と片栗粉を使用しています。小麦粉よりもカリッと仕上げることができます。
衣はまんべんなくまぶし、最後に火を強めてからりと仕上げましょう。
大根フライのレシピはこちら

中までほくほくで美味しい大根ステーキです。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
大根は柔らかくなるまで下茹でしましょう。
大根ステーキのレシピはこちら

大根のペペロンチーノです。
このレシピではニンニクを使用しています。ニンニクの香り成分である硫化アリルには、血栓の生成予防、血中コレステロールの増加抑制などの効能が期待できます。
大根は皮ごと使うのがポイントです。時短になりゴミも出ません。栄養も効率よく摂取できるので◎。
大根のガーリック炒めのレシピはこちら

まいたけとバターしょうゆの風味が美味いひと品です。
まいたけには、きのこ類の中でも特に免疫力アップに役立つβ-グルカンという成分が豊富です。
まいたけはしんなりし、つやが出たら手早く調理しましょう。
大根とまいたけのバターしょうゆ炒めのレシピはこちら
大根を使った汁物などのレシピをご紹介します。

基本の豚汁のレシピです。
豚肉にもたんぱく質が豊富なので、上でも説明したように、たんぱく質がコラーゲンになるために必要なビタミンCが含まれる大根と相性抜群です。また、豚肉はビタミンB1も豊富なので、疲労回復の効果も期待できます。
火の通りにくい具材から順に炒めるのがポイントです。肉の臭みや野菜の渋みを除くために、アクはしっかり取りましょう。
豚汁のレシピはこちら
里いも入り豚汁のレシピはこちらでご紹介しています。

ピリッとした辛さがクセになる大根のキムチです。
こちらのレシピでは生姜を使っています。生姜の辛み成分であるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンには、新陳代謝を上げる作用が期待できます。
りんごは皮ごとすりおろしましょう。一晩浸けると食べ頃になります。
大根キムチのレシピはこちら
最後に大根の葉を使ったレシピをご紹介します。大根の葉は、実は根の部分よりも栄養が豊富な緑黄色野菜です!

実は大根の白い部分よりも栄養価が高い大根の葉。そんな大根の葉を使ったふりかけです。ご飯のおともにぜひ。
ちりめんじゃこはたんぱく質が豊富です。大豆の約1.2倍で、カロリーは半分。カルシウムやビタミンDも豊富です。
ごま油と組み合わせることで、大根の葉特有の青臭さや苦味がやわらぎます。
大根葉のふりかけのレシピはこちら

ひき肉と一緒にスパイシーに炒めたひと品です。
ご飯やオムレツなどのトッピングとしておすすめです。
汁けがなくなるまで炒めましょう。
大根葉のカレーそぼろのレシピはこちら

大根葉に卵を加えて立派なひと品に!
ツナには脂質とたんぱく質が豊富に含まれています。ビタミン・ミネラル類ではビタミンKとナイアシンの成分が比較的多いです。ビタミンKは血液を凝固させる働きを持つ脂溶性ビタミンです。 ナイアシンはビタミンB群エネルギーの代謝に関与するビタミンです。
調味料を加えたら、汁けをしっかりとばしましょう。
大根葉とツナの卵炒めのレシピはこちら
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