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大根の旬はいつ?味や栄養の特徴は?おすすめの食べ方とレシピを紹介

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大根の旬はいつ?味や栄養の特徴は?おすすめの食べ方とレシピを紹介

春の七草のひとつ「すずしろ」として知られています。旬の大根は甘みがあってみずみずしく、やわらかいのが特徴です。


大根の旬について

旬は冬

一般的に言われる「旬」とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。

大根には様々な品種がありますが、一般的な品種である青首大根は10〜3月頃に旬を迎えます。この時期に採れる大根は、主に千葉県や北海道、神奈川県などで栽培されています。

大根は1年中スーパーで手に入れることができる野菜です。季節に応じて産地や品種を変えて栽培されているので、1年を通して食べることができるのです。春に収穫される春大根の旬は4〜7月、夏に収穫される夏大根の旬は7〜10月です。暑い夏の時期は、夏でも比較的涼しい北海道産で栽培された大根が出回ります。

旬の大根の味の特徴

10〜3月の旬の時期に採れる大根(秋冬大根)は、寒さで実がしまっており、甘みが増しているのが特徴です。秋冬大根は、煮物にぴったりの食材です。

一方で旬以外の大根(春大根、夏大根)は、水分量が多く辛みが強いと言われています。そのため、大根おろしや漬物、サラダなどに適しています。

生産地と収穫量

大根の主な生産地は千葉県、北海道、青森県、鹿児島県、神奈川県です。令和3年度の地域別の収穫量は下記の通りです。

  • 千葉県(147,500トン)

  • 北海道(143,200トン)

  • 青森県(114,400トン)

  • 鹿児島県(92,500トン)

  • 神奈川県(74,100トン)

大根の旬である10月〜3月頃に出荷される秋冬だいこんは、主に千葉県や鹿児島県、神奈川県などで生産されています。この時期寒さが増す北海道や青森では、生産量が落ち、鹿児島県や宮崎県など暖かい地域での生産が盛んになります。令和3年度の秋冬だいこんの収穫量は下記の通りです。

  • 千葉県(88,800トン)

  • 鹿児島県(78,200トン)

  • 神奈川県(69,600トン)

  • 宮崎県(67,400トン)

  • 新潟県(47,400トン)

出典:令和3年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量(農林水産省)

新鮮な大根の選び方

青首大根

ここでは、もっとも多く出回っている青首大根を元に、新鮮な大根の見分け方をご紹介していきます。

青首の部分の色が濃い

青首大根の名の通り、大根の上の方が緑色になっています。これは、生育中に地表に伸びた部分で、太陽光が当たることによって葉緑体が増えるため、緑色になっています。しっかりと太陽の光を浴びて育った大根ほど、上の方が濃い緑色になります。

ただし、白首大根などの大根品種によっては、太陽光にあたっても緑色にならないものもあります。白くても美味しくいただけますので、そこまで気にする必要はありません。

白い部分は真っ白な色をしている

私たちが食べているのは大根の「実」ではなく「根」です。この根の皮の部分が真っ白な色をしているものほど新鮮です。くすんだ白(淡い黄色)のような色をしている大根は、収穫から時間が経過しており、鮮度が落ちていることを示しています。

品種によって、外の皮が白ではないものもあります。例えば赤大根などは外の皮が赤いですし、黒大根の皮は黒色をしています。

ハリとツヤがある

皮が白いだけでなく、ハリとツヤがあることも重要なポイントです。収穫したての大根は水分を多く含むため、根全体にハリやツヤ、弾力があります。

時間の経過とともに水分が抜けてしまい、皮がシワシワになっていきます。購入時はみずみずしい大根を選ぶようにしましょう。

ひげ根の毛穴が浅くて少なく、まっすぐ並んでいる

上記でご紹介したように、私たちは肥大した「根」を食べています。「根」なので、ひげ根がつくことがありますが、新鮮な大根はひげ根の毛穴が浅く、数も少ないです。

また、ひげ根が真っ直ぐ並んでいるのも特徴です。ひげ根の位置が不揃いのものは、生育中にストレスにより辛みが強くなってしまうと言われています。

葉がみずみずしく放射状に広がっている

大根の葉がついた状態で販売されている場合、葉の状態もしっかりと確認をしましょう。

新鮮な大根の葉はみずみずしく、放射状に広がっています。これは葉にまだ水分が残っていることを示しており、鮮度が落ちると葉の水分が抜けしおれてきてしまいます。

新鮮な大根を購入すれば、葉も料理に使用することができて◎。食材を無駄にすることなく、大根を丸ごと美味しく食べることができます。

葉の茎の断面に空洞ができていないもの(空洞があれば高確率でスが入っている)

大根の葉が切り落とされている場合、葉の断面をよく確認してみてください。

葉の茎の断面に空洞ができていないものを選ぶようにしましょう。茎に空洞があるものは、かなりの確率で大根の根にも空洞(ス)が入っている恐れがあります。

スが入っている大根は腐っているわけではないため食べること自体はできますが、大根本来の甘みや辛みなどを楽しむことが難しいので、極力スが入っていない大根を選ぶのがベストです。

カットした断面が変色しておらずみずみずしい

すでにカットされている大根を購入する場合は、カットされた断面をよく確認します。

新鮮な大根(カットしたての大根)の断面はみずみずしく、真っ白で変色もないはずです。カットされてから時間が経っているものは、断面が乾燥しています。食感や味が変わってしまいますので、できるだけ断面がみずみずしい大根を選ぶようにしましょう。

断面に「ス」が入っていない

カット大根の断面に空洞がないものが◎。「ス」が入っているものは、食感や味が変わってしまっている可能性が高いです。新鮮な大根を美味しくいただくには、スが入っていないものを購入するとよいでしょう。

大根の品種・種類

大根には100種類以上の品種があると言われています。そしてそれらは、西洋大根、中国大根、日本大根のように栽培の歴史などによる分類がなされたり、形や味、見た目などの特徴によって分類されることもあります。ここでは、数ある大根の中でも特に名が知られている大根をピックアップして、詳しく解説します。★大根の品種によって旬の時期や栽培地が異なります。

<大根の分類方法>

・栽培の歴史、形態的・生態的特性による分類

 − 西洋大根

 − 中国大根

 − 日本大根


・形や味、見た目などによる分類

 − 丸系:形が丸い品種。(聖護院大根など)

 − 辛み系:特に辛みが強い品種。サイズは小ぶりで水分が少なく肉質はかため。(ねずみ大根など)

 − 白首系:首が白い品種。肉質はきめ細かく煮崩れしにくい。(練馬大根、三浦大根など)

青首大根

スーパーなどでよく見かける、一般に多く出回っている品種です。宮重(みやしげ)という品種を元に、複数品種がつくられています。大根の上の部分が緑色をしていることからこの名が付きました。土から出ていた部分が淡い緑色、土に埋もれていた部分が白色になっています。青首大根の主な旬は10月〜3月頃ですが、品種や生産地を変えることで1年間生産されており、いつでも購入可能になっています。

青首大根は、水分が多いためみずみずしく、加熱料理はもちろん、生食でも美味しく食べることができます。ただし、旬以外の時期の青首大根は辛みが強い傾向があります。

聖護院大根

聖護院大根(しょうごいんだいこん)は、京野菜で伝統野菜に指定されている丸い形をした大根です。大きいものだと2キロ以上にもなる大型の丸大根で、聖護院大根の旬は11月〜2月頃です。

もともとは従来の大根のように長い形をした品種でしたが、聖護院で栽培されるうちに丸い形になったと言われています。土が浅く深く根を伸ばすことが困難だったため、環境に適して丸くなったとされています。現在では京都以外の地域でも栽培されています。

一般的な大根である青首大根との違いは形だけではありません。大根特有の臭さや辛みが少なく、甘みがあり、肉質がとても柔らかいのにもかかわらず煮崩れしづらいです。生食でも美味しく食べられます。

間引き大根(葉大根)

間引き大根とは、品種ではありませんが、名の通り間引き(大根を大きく育てるため、密集している芽を引き抜くこと)のために採られた大根です。若採りされた間引き大根はまだ実も葉も小ぶりですが、美味しく食べることができます。基本的には葉を食べることから「葉大根」や「もみ菜」とも呼ばれています。間引き大根は、一般的な大根の旬(10月〜3月)よりも早い段階で直売所などで販売されます。

葉を刻んでサラダなどの生食の他、漬物、炒め物にして食べることができます。

練馬大根

練馬大根は、白首大根の一種です。江戸時代から東京都練馬区周辺で栽培されていたことから、この名がつきました。江戸時代当初の練馬周辺の土壌は大根の栽培に適していたことから大根栽培が盛んになっていたそうです。練馬大根の旬は11月〜1月頃です。

白首系の大根は、青首系の大根とは異なり、中央部分に膨らみがあります。長いものでは1メートルの長さにもなります。肉質は緻密で水分が少なく実が引き締まっているのが特徴です。水分が少ないため乾きやすく、主にたくあん漬け用として使われることが多いです。

三浦大根

三浦大根は、白首大根の一種です。神奈川県三浦半島で作られた大根で、1925年(大正14年)に出荷が始まったと言われています。青首大根とは異なり、生産量が少なく、希少な品種です。三浦大根の旬は12月〜3月頃です。

練馬大根と同様に根の中心部分が一番膨らみ、首の部分と先端部分は細くなっています。長さは60センチ程度、重さは大きいもので7キロほどにもなります。肉質は緻密で、首の部分はかたさがありカリッとした歯ごたえを、中心〜先端部分は水分が多く柔らかい食感を楽しめます。先端部分の方がやや辛みが強いのも特徴です。

辛味大根

辛味大根とは、名の通り辛みが強い大根の総称です。ねずみ大根や親田辛味大根、辛いね大根、伊吹大根などの品種が分類されます。一般的な大根と比べると小ぶりで、11月〜2月頃に旬を迎えます。

主に大根おろし用で使われることが多いです。水分が少なくかつ辛みが強いため、すりおろして食べるのに適しています。

大根の辛み成分「イソチオシアネート」について

イソチオシアネートは、辛味成分の1つです。主に辛味となっているのがアリルイソチオシアネートというイソチオシアネートの一種です。アリルイソチオシアネートは大根やキャベツなどのアブラナ科の野菜に含まれており、ツンとした辛みを持つ野菜が多いです。大根をすりおろすことで起きる化学反応でも生じるため、大根おろしは辛味が強くなります。ただ加熱することで辛味が低下します。でもこれは抗酸化作用が強くなっている証拠です。


また、辛味だけでなく苦味の原因にもなります。これは虫を寄せ付けないためであり、有害なわけではありません。

紅芯大根

紅芯大根は、中国系大根一種です。直径10センチほどの丸大根で、見た目はカブに似ています。特徴的なのは大根の色で、皮は白や淡い緑色、中身が鮮やかな赤色をしています。中国では祝い事などで食べられる縁起の良い野菜です。紅芯大根の旬は11月頃です。

辛みが少なく食感がパリッとしている(水分が少ない)ため、加熱料理よりも生食に向いている品種です。鮮やかな色を生かして、甘酢漬けなどの漬物にすると美味しくいただけます。

桜島大根

桜島大根は、鹿児島県の伝統野菜で、かつては桜島の特産品であったことからこの名が付けられました。鹿児島県では「島大根」と呼ぶこともあります。最大の特徴はその大きさで、重さは通常でも6キロ前後、大きなものは30キロ以上にもなり、ギネスブックに世界最大の大根として認定されています。桜島大根の旬は12月〜3月頃です。

一般的な大根(青首大根)よりも肉質が緻密で繊維が少なく甘みがあります。煮物などの加熱料理はもちろん、大根など生食にも向いている品種です。

ラディッシュ

ラディッシュは、明治以降にヨーロッパから伝来したと言われています。サイズが小さく(2〜4センチほど)、大根のミニ版です。種蒔きから収穫までが20日程度であることから「二十日大根」とも呼ばれます。ラディッシュの旬は3月〜11月頃です。

ラディッシュには様々な品種がありますが、皮が赤やピンク、白で、中は白であることが多いです。形は丸形や長丸形など様々です。主に生食剥きで、サラダやピクルスなどにすると美味しく食べることができます。

旬の大根の栄養素・成分

野菜全般は旬の時期は露地栽培が多く、たくさん日光を浴びることから、β-カロテン(ビタミンA)やビタミンCの含有量が増える傾向にあります。ここでは、大根に含まれる主な栄養素を解説します。大根の栄養と効能についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています

大根の根の栄養・成分

消化酵素

大根の根に含まれる栄養素で特筆すべきなのが消化酵素です。大根には、下記の消化酵素が含まれています。

  • アミラーゼ(別名ジアスターゼ)

  • プロテアーゼ

  • グリコシダーゼ

  • アミダーゼ

  • オキシダーゼ

  • カタラーゼ

  • ベルオキシダーゼ

アミラーゼはでんぷん(糖質)を分解する酵素の総称で、ジアスターゼとも呼ばれます。でんぷんはそのままでは体内に吸収できないので、糖に分解する必要があります。それをアミラーゼが助けてくれます。消化液のひとつである唾液にも含まれています。食べ物の消化や吸収を助けるため、胃腸の負担を軽くします。そのため胃もたれや胸焼け、食欲不振などの改善に役立つと言われています。

プロテアーゼやリパーゼ、オキシダーゼ、グリコシダーゼなどの消化酵素が含まれています。プロテアーゼはたんぱく質を、リパーゼは脂質を分解する作用があると言われています。

消化酵素はすりおろして食べる方が作用しやすくなります。

カリウム

カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。そのため、高血圧の予防になるミネラルの一つです。また心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。

また、カリウムは水に溶けやすい性質がありますが、大根などの根菜類は比較的損失が少なくなっています。ただ葉菜類は茹でると50%以上が失われてしまうのでスープなどにして汁ごと食べることがおすすめです。ただしナトリウムを摂りすぎないよう薄味にしましょう。

食物繊維

食物繊維もそこまで多くはありませんが、大根はたくさん食べられることを考慮すると、食物繊維の大切な供給源といえます。また、大根の食物繊維は不溶性食物繊維の方が多いですが水溶性食物繊維も含まれています。

水溶性は水に溶解する性質を持っており、水溶性食物繊維は水に溶けるととろとろ・ネバネバして糖質の消化や吸収を穏やかにする作用があります。不溶性は液体に溶解しない性質を持っており、不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。

大根の葉の栄養・成分

ビタミンC

ビタミンCは根にも含まれていますが、葉の含有量は根の2倍以上です。ほうれん草と比較してビタミンCが1.5倍も含まれています。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。

さらに、ビタミンCの抗酸化力はトップクラスですので、細胞を酸化から守り老化や生活習慣病の予防にもなります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。また、ビタミンCは抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。

多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。また喫煙者はビタミンCの消費が激しいので、一般成人の2倍は摂ることをおすすめします。

β-カロテン

大根の根には全く含まれていないβ-カロテンが、ほうれん草と同じくらい豊富に含まれています。β-カロテンは体内で必要の量だけビタミンAに変換される成分です。

β-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内に発生した活性酸素を除去します。活性酸素は本来ウイルスと闘うなど健康維持に大切ですが、増えすぎると害を及ぼし、老化の促進などに繋がります。活性酸素はストレスや紫外線、不規則な生活習慣や加工食品、また喫煙などによって増加しすぎると言われています。

ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。

大根の保存方法

大根の正しい保存方法をご紹介します。

常温保存

丸ごと1本であれば常温での保存が可能です。常温で大根を保存した場合の保存期間目安は約1〜2ヶ月です。

丸ごと1本

丸ごと新聞紙に包み立てて常温保存している大根

大根の葉は切り落としておきます。葉元から1cmほど根を含めて切り落とし、切り落とした葉は別の方法で保存します。葉を切り落としたら、乾燥防止のために切り口(根の部分)にラップをします。全体を新聞紙で包んで、段ボールなどに入れ立てて直射日光の当たらない冷暗所で保存します。

大根に限らず野菜全体に言えることなのですが、育った環境と同じように保存することで、ストレスを感じることなく鮮度を保って保存することが可能になります。

カットした大根は常温保存はNG。下記でご紹介する、常温以外の方法で保存するようにしましょう。

ちなみに、切り落とした大根の葉にも栄養素がたくさん含まれていますので、捨てずに根とは別々に保存して調理に使いましょう。大根の葉の保存方法についてはこちらの記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

冷蔵保存

丸ごと1本でも室温が高ければ常温ではなく冷蔵保存がおすすめです。また、カットした大根は季節問わず常に冷蔵で保存します。

丸ごと1本

丸ごと新聞紙に包み冷蔵保存する大根

大根丸ごと1本を冷蔵で保存する場合も、常温保存時と同じように、葉を切り落とし、切り口にラップをします。大根全体を新聞紙で包み、野菜室で保存します。できれば立てて保存するのがベストです。

丸ごと1本を冷蔵保存する場合、約2週間ほど保存することができます。

カット

カットしポリ袋に入れて冷蔵保存する大根

丸ごと1本の大根をカットしてから保存することも可能です。また、使いかけの大根や、カットされた状態で購入した大根もこの方法で冷蔵保存します。

大根を切り分ける際は、部位ごとに味や食感が異なるため、3等分(頭・中間・先端)にカットするのがおすすめです。カットしたら全体をラップもしくはキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて口を閉じ、野菜室で立てて保存します。

カットした大根は、傷みが早いので、約1週間ほどを目安に食べきるようにしましょう。また、キッチンペーパーが湿ってきたら都度取り替えるようにしましょう。

乱切り・いちょう切りなど

乱切りしてジッパー付きポリ袋で冷蔵保存する大根

料理に合わせて乱切りやいちょう切りなどお好みの大きさにカットしてから冷蔵することも可能です。

カットした大根は冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。2〜3日を目安に使い切るようにしましょう。

皮は捨てずに保存

カットしジッパー付きポリ袋で冷蔵保存する大根の皮

皮を剥いてカットする場合、剥いた皮は捨てずに別に保存しましょう。大根の皮はきんぴら漬物などにして食べると美味しいですよ。

冷凍保存

大根は冷凍で保存することもできます。冷凍保存期間の目安は約1ヶ月です。丸ごと1本冷凍するのは大きすぎるので、カットしてから保存するようにしましょう。

カットして生のまま冷凍するのもOKですが、解凍後の食感が変わりやすいので、すりおろしたり茹でたり、下味をつけてから保存するのがおすすめです。

すりおろし

すりおとしてジッパー付きポリ袋で冷凍保存する大根

大根の土などの汚れを落とし、皮つきのまますりおろします。軽く水けをきって冷凍用保存袋に平らになるように入れて冷凍庫へ。水分が多いので、急速冷凍機能を使って短時間で凍らせるのがポイントです。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイを使って冷凍しましょう。

保存袋以外に、製氷器やアルミカップに入れて冷凍するのも◎です。すりおろしにすれば、解凍後の食感が変わりにくいです。大根おろしとして食べる場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。

茹でて

カットし茹でてジッパー付きポリ袋で冷凍保存する大根

冷凍する前に茹でたり蒸気に当てて加熱処理することを「ブランチング」と言いますが、野菜はブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。生のまま冷凍するよりも、食感がスカスカになりづらいです。

大根の皮を剥いて薄めのいちょう切りにし、固めに茹でます。粗熱が摂れたら冷凍用保存袋に入れて急速冷凍。剥いた皮は別に冷凍保存し、調理に使用しましょう(皮の冷凍保存方法はこのあとご紹介します)。

すでに火が通っているので、調理時間が短くて済みます。凍ったまま調理に使用してOKです。

下味をつけて

カットし下味をつけてジッパー付きポリ袋で冷凍保存する大根

冷凍する前に塩と砂糖をふっておくと、大根が筋っぽくならず、解凍後に味が染み込みやすくなります。

大根の皮を剥いてお好みの大きさ(細きりや輪切りなど)にし、冷凍用保存袋に入れます。そこに塩と砂糖をそれぞれ少々ふって袋ごともんでなじませます。空気を抜いて密封し冷凍庫で保存します。

凍ったまま料理に使用しましょう。

調理(だし煮)

カットしだしで煮てジッパー付きポリ袋で冷凍保存する大根

だしで煮てから冷凍するのもおすすめです。

1cmほどの輪切りにし鍋に入れ、ひたひたになるくらいのだし汁を加えます。そこに昆布1枚(5cmほど)を入れ15〜20分ほど煮ます。粗熱が取れたら、だし汁ごと保存袋に入れ冷凍します。

煮てから冷凍した大根は、凍ったままおでんや煮物などに加えて味を染み込ませましょう。なお、炒めてから冷凍するのもOKです。

大根のおすすめの食べ方

上の方は甘く、下の方は辛みがある

大根の部位別の特徴

一般的な大根は、大根の部位によって味や食感が違います。

青首大根を例に挙げると、首の部分(上)は甘みが強く、先端部分(下)は辛みが強い傾向があります。これらの特徴を活かし、料理に合わせて部分を使い分けるのがおすすめです。

例えば、首の部分は炒めものやサラダに、先端部分(下)は大根おろしやマリネとして食べると◎。真ん中の部分はみずみずしく柔らかいため、おでんなどの煮物に向いています。

ちなみに、おでんや煮物の具材として大根を使用する際は、下茹ですることで大根特有のニオイを抜くことができます。大根臭さの正体は「メチルカブダン」という硫黄を含んだ化合物です。下茹ですることで水に溶け出すので、煮物の他の具材にニオイが移るのを防ぐことが可能になります。

大根の部位別の特徴は下記の記事で詳しく解説してます。あわせてご覧ください。

根は生で食べるのがベスト

大根の根に含まれるアミラーゼが熱に弱いため、栄養を活かすなら生で食べるのがベストです。さらに、ビタミンCやカリウムも水溶性であるため、茹でることで水に溶け出してしまいます。

サラダや酢漬け、大根おろしなどで食べるのが◎。熱を通す場合は、スープなどにして汁ごと食べる方がいいでしょう。

根は皮ごとすりおろし、汁ごと食べる

大根は皮ごと食べるのがおすすめです。

辛み成分であるイソチオシアネートは、すりおろすことで細胞壁を壊され生成されます。また、大根の皮の周囲にはビタミンCなどの栄養が多く含まれているので、皮ごと食べることで効率よく栄養を摂ることが可能になります。

また、大根おろしの汁は捨てないようにしましょう。この水分にも栄養が含まれています。

大根の葉は油で加熱

上記でご紹介したように、大根の葉にはβ-カロテンが豊富に含まれています。β−カロテンは体内でビタミンAになりますが、体内で吸収されにくいと言われています。このβカロテンの吸収率をアップしてくれるのが油です。炒めものなどにして油と一緒に食べることをおすすめします。

さらに、大根の葉にはビタミンKも含まれていますが、ビタミンKも脂溶性なので、油炒めや良質な油を使ったドレッシングで油と一緒に食べる調理法が◎。

アク抜きにはお米のとぎ汁を使う

大根のアク抜きは必須ではありませんが、アク抜きをすることでえぐみや苦味を取り除くことができます。味をしっかりと染み込ませたい煮物を作る際はアク抜きをするのがおすすめです。

大根のアク抜きにおすすめなのがお米のとぎ汁です。お米のとぎ汁に含まれる成分が、大根から出るアクを包み込み、またお米のでんぷんと大根のジアスターゼ(消化酵素)が反応して糖となり、甘みが増す効果が期待できます。

とぎ汁ではなく、スプーン1杯程度のお米を入れて(ティーバッグ入れても◎)大根と一緒に煮るのもOKです。また、お米以外では片栗粉を使ってアク抜きをすることもできます。その場合は、小さじ1程度の片栗粉を加えて大根と一緒に茹でます。

旬の大根が美味しいレシピ

旬の大根は実がしまり、ほどよい歯ごたえがあり、甘みが強いのが特徴です。旬の大根には、この甘味を活かしたシンプルなレシピがおすすめです。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

大根ステーキ

大根ステーキ

中までほくほくで美味しい大根ステーキです。

このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。

大根は柔らかくなるまで下茹でしましょう。

大根ステーキのレシピはこちら

大根の唐揚げ

大根の唐揚げ

あまり揚げ物のイメージがない大根ですが、唐揚げにすると大変美味しいです。

このレシピでは、衣に片栗粉を使用しています。片栗粉で揚げると小麦粉と比べて、サクっとした食感に仕上がります。

大根は汁けをしっかりとり、片栗粉は薄くまぶしましょう。

大根の唐揚げのレシピはこちら

唐揚げのみぞれがけ

唐揚げのみぞれがけ

ご飯が進むひと品です。揚げた鶏肉とすりおろし大根を和えるだけの簡単レシピです。

大根の辛み成分であるイソチオシアネートは、すりおろすことで細胞壁を壊され生成されます。また、大根の皮の周囲にはビタミンCなどの栄養が多く含まれているので、皮ごと食べることすりおろすのが◎。おろし汁にも栄養たっぷりです。

つけ汁を捨ててから片栗粉をうすくまぶすことでカラッと揚がります。

唐揚げのみぞれがけのレシピはこちら