寒い冬に旬を迎える大根。大きいものは一度に食べきることが難しいですよね。今回は、大根の保存方法と保存期間を解説していきます。乾燥に弱いため、新聞紙やキッチンペーパー、ラップでしっかりと包んでから保存するのがポイントです。カットした大根の保存も可。大根を使った作り置きレシピも合わせてご紹介しています。
大根は乾燥に弱い食材です。保存の最適温度は0〜1℃、湿度は95〜100%と言われています。最適な環境で保存すれば最大3ヶ月ほど保存することが可能です。
大根の水分含有量はなんと95%!ほとんどが水で構成されており、水分が蒸発してしまうと食感や味が劣ってしまいます。自宅で保存する場合は新聞紙やラップ、キッチンペーパーで包み(丸ごと保存する場合)、カットした大根は保存袋や密閉容器に入れて空気を遮断してから保存するようにしましょう。
出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)
大根を調理する際、皮を捨ててしまう方がいますが、もったいないです!大根の皮や皮の周囲にはビタミンCなどの栄養が多く含まれています。煮物など味を染み込ませたい料理以外は、皮ごと食べるのがおすすめです。煮物料理を作る際に剥いた皮は、きんぴらや漬物など別の料理にして食べるのが◎。
また、大根の葉は捨ててしまう方が多いですが、葉は根の部分よりも栄養価が高いので捨てるのはもったいない!ほうれん草と比べるとビタミンCとカルシウムが約5倍も含まれています。ふりかけなどにして食べると美味しいですよ。
大根を保存する際、葉と根は分けて保存するのがおすすめです。葉をつけた状態で保存してしまうと、葉が根の栄養を吸収してしまうためです。
購入したらすぐに根と葉を切り分け、別々に保存しましょう。大根の葉の保存方法はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
一般的な大根は、大根の部位によって味や食感が異なることが多いです。青首大根を例に挙げると、首の部分(上)は甘みが強く固めで、先端部分(下)は辛みが強い傾向があります。これらの特徴を活かし、料理に合わせて部分を使い分けるのがおすすめです。
例えば、首の部分は炒めものやサラダに、先端部分(下)は大根おろしやマリネとして食べると◎。真ん中の部分はみずみずしく柔らかいため、おでんなどの煮物に向いています。
ちなみに、おでんや煮物の具材として大根を使用する際は、下茹ですることで大根特有のニオイを抜くことができます。大根臭さの正体は「メチルカブダン」という硫黄を含んだ化合物です。下茹ですることで水に溶け出すので、煮物の他の具材にニオイが移るのを防ぐことが可能になります。
当たり前ですが、新鮮な大根を購入する方が、より長く美味しく保存することができます。新鮮な大根には下記のような特徴がありますので、購入時の参考にしてください。
青首の部分の色が濃い
白い部分は真っ白な色をしている
ハリとツヤがある
ひげ根の毛穴が浅くて少なく、まっすぐ並んでいる
ずっしりとした重みがある
しっかりとした固さがある
葉がみずみずしく放射状に広がっている
葉の茎の断面に空洞ができていない
カット断面が変色しておらずみずみずしい(カット大根の場合)
カット断面にスが入っていない(カット大根の場合)
丸ごとであれば常温での保存が可能です。
大根の葉は切り落としておきます。葉元から1cmほど根を含めて切り落とし、切り落とした葉は別の方法で保存します。葉を切り落としたら、乾燥防止のために切り口(根の部分)にラップをします。全体を新聞紙で包んで、段ボールなどに入れ立てて直射日光の当たらない冷暗所で保存します。
大根に限らず野菜全体に言えることなのですが、育った環境と同じように保存することで、ストレスを感じることなく鮮度を保って保存することが可能になります。
冬場の冷暗所であれば約1ヶ月保存することができます。冬場であっても保存している部屋に暖房をつける場合は保存期間が短くなるので注意しましょう。
カットした大根は常温保存はNG。下記でご紹介する、常温以外の方法で保存するようにしましょう。
土がついた状態の大根は、土の中で保存するのが◎。
葉の部分を切り落とし(付け根からではなく、葉先を切り落としておく)、深さ20〜30cmほどに掘った穴の中に斜めに寝かせて土をかけて保存する方法です。この方法で保存すれば、2〜3ヶ月ほど保存することが可能です。家庭菜園をしている方にはぜひおすすめです。
ただし、スーパーなどで売られている土がついていない大根はこの方法では保存することができません。
積雪がある地域であれば、大根を雪に埋めて保存するのもおすすめです。
昔から雪国では大根や人参などをこの方法で保存していました。雪の下は温度が一定に保たれ適度な水分もあるため、長期保存が可能になります。
丸ごと1本でも室温が高ければ常温ではなく冷蔵保存がおすすめです。カットした大根は時季を問わず冷蔵保存します。
丸ごと保存する場合は、保存環境によっては常温の方が長持ちします。カットした場合は常温保存ができないので、冷蔵で保存します。
大根丸ごと1本を冷蔵で保存する場合も、常温保存時と同じように、葉を切り落とし、切り口にラップをします。大根全体を新聞紙で包み、野菜室で保存します。できれば立てて保存するのがベストです。
丸ごと1本を冷蔵保存する場合、約2週間ほど保存することができます。
丸ごと1本の大根をカットしてから保存することも可能です。また、使いかけの大根や、カットされた状態で購入した大根もこの方法で冷蔵保存します。
大根を切り分ける際は、部位ごとに味や食感が異なるため、3等分(頭・中間・先端)にカットするのがおすすめです。カットしたら全体をラップもしくはキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて口を閉じ、野菜室で立てて保存します。
カットした大根は、傷みが早いので、約1週間ほどを目安に食べきるようにしましょう。また、キッチンペーパーが湿ってきたら都度取り替えるようにしましょう。
料理に合わせて乱切りやいちょう切りなどお好みの大きさにカットしてから冷蔵することも可能です。
カットした大根は冷蔵用保存袋に入れて冷蔵庫で保存します。2〜3日を目安に使い切るようにしましょう。
皮を剥いてカットする場合、剥いた皮は捨てずに別に保存しましょう。大根の皮はきんぴらや漬物などにして食べると美味しいですよ。
大根は冷凍で保存することもできます。冷凍保存期間の目安は約1ヶ月です。丸ごと1本冷凍するのは大きすぎるので、カットしてから保存するようにしましょう。
カットして生のまま冷凍するのもOKですが、解凍後の食感が変わりやすいので、すりおろしたり茹でたり、下味をつけてから保存するのがおすすめです。
大根の土などの汚れを落とし、皮つきのまますりおろします。軽く水けをきって冷凍用保存袋に平らになるように入れて冷凍庫へ。水分が多いので、急速冷凍機能を使って短時間で凍らせるのがポイントです。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイを使って冷凍しましょう。
保存袋以外に、製氷器やアルミカップに入れて冷凍するのも◎です。すりおろしにすれば、解凍後の食感が変わりにくいです。大根おろしとして食べる場合は、前日に冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。
冷凍する前に茹でたり蒸気を当てて加熱処理することを「ブランチング」と言いますが、野菜はブランチングすることで変色しづらく、食感も悪くなりづらいというメリットがあります。生のまま冷凍するよりも、食感がスカスカになりづらいです。
大根の皮を剥いて薄めのいちょう切りにし、固めに茹でます。粗熱が摂れたら冷凍用保存袋に入れて急速冷凍。剥いた皮は別に冷凍保存し、調理に使用しましょう(皮の冷凍保存方法はこのあとご紹介します)。
すでに火が通っているので、調理時間が短くて済みます。凍ったまま調理に使用してOKです。
冷凍する前に塩と砂糖をふっておくと、大根が筋っぽくならず、解凍後に味が染み込みやすくなります。
大根の皮を剥いてお好みの大きさ(細きりや輪切りなど)にし、冷凍用保存袋に入れます。そこに塩と砂糖をそれぞれ少々ふって袋ごと揉んでなじませます。空気を抜いて密封し冷凍庫で保存します。
凍ったまま料理に使用しましょう。
だしで煮てから冷凍するのもおすすめです。
1cmほどの輪切りにし鍋に入れ、ひたひたになるくらいのだし汁を加えます。そこに昆布1枚(5cmほど)を入れ15〜20分ほど煮ます。粗熱が取れたら、だし汁ごと保存袋に入れ冷凍します。
煮てから冷凍した大根は、凍ったままおでんや煮物などに加えて味を染み込ませましょう。なお、炒めてから冷凍するのもOKです。
大根を冷凍する際に剥いた皮も冷凍保存が可能です。
皮を千切りにして、冷凍用保存袋になるべく平らになるように入れて冷凍庫で保存します。
使用する際は、凍ったまま味噌汁やスープなどに加えたり、きんぴらを作るのがおすすめです。大根の皮で作るきんぴらのレシピはこちらでご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
大根は乾燥させて、切り干し大根として保存するのもおすすめです。乾燥させた大根は常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
乾燥させた大根は、生の大根と比較してビタミンB群、カルシウムや鉄などのミネラル、食物繊維が多く含まれます。その量はビタミンB群で約10倍、カルシウムは約23倍、鉄分は約50倍!ビタミンCの含有量も少量ですがアップします。
乾燥させたら密閉容器や密閉袋に入れて常温もしくは冷蔵で保存します。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。紫外線によって大根の栄養成分がアップすると考えられており、また天日干しすることで大根の抗酸化作用はアップします(電子レンジで乾燥させる場合、抗酸化作用は生の大根よりも大幅に下がってしまいます)。
大根をお好みの大きさ(千切りや拍子木切りなど)にカットし、ザルに広げて3日ほど干します。大根の皮はつけたままでも剥いてもOKです。剥いた場合は捨てずに一緒に干しましょう。
大根の天日干しは、1日干すよりも3日干したものの方が栄養価が大幅にアップしているというデータがあります。1日干したものと比べると、抗酸化作用は5倍、糖度は2倍、カルシウムの含有量も3倍に!また、3日干せば、皮つきでも食べやすい食感に変化するので、皮をつけたまま干して◎。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にカット大根を並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようなら、さらに加熱するようにしてください。
オーブンよりももっとお手軽なのが電子レンジで乾燥させる方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にカットした大根を並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジの加熱は時短で便利ですが、大根が焦げる場合があるので、こまめに確認しながら加熱してください。
大根は酢や味噌、塩麹などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。調味料が野菜に染み込み美味しくなり、ちょっとした副菜として楽しめます。大根の漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。
大根の皮を剥き、拍子木切りにしてキッチンペーパーで水けを取ります。カットした大根を保存容器(保存袋でもOK)に入れ、酢漬けダレ(酢150mlに対して塩小さじ1、てんさい糖大さじ1)をひたひたになるように入れ、冷蔵庫で保存します。
酢のクエン酸が加わることにより、疲労回復作用やミネラル吸収促進作用が期待できます。
一晩置くと食べ頃になります。そのまま食べるのも美味しいですし、サラダなどのトッピングとしてもおすすめです。お好みで唐辛子や七味唐辛子を加えるとピリッとした風味に仕上がります。また、ハチミツや刻んだにんにくとの相性もバツグンです。
大根の皮を剥いていちょう切りにし、キッチンペーパーで水けを取ります。保存容器にカットした大根を入れ、全体にからまる程度の味噌ダレ(味噌:酒:みりん=4:1:1)を入れ軽く混ぜ合わせ、蓋をして冷蔵庫で保存します。
2〜3日すると大根の辛みが抜け、美味しく食べることができます。そのまま食べると味が濃いので、食べる前にさっと水洗いするのがおすすめです。ご飯やチャーハンに入れると◎。
大根の皮を剥いていちょう切りにし、キッチンペーパーで水けを取ります。保存袋に入れ、大根の重さに対して1〜3%の量の塩を加え軽く和え、冷蔵庫で保存します。
しっかり日持ちさせたい場合は、重量に対して15%の塩を加えましょう。ただしそのまま食べると塩分が強いので、塩抜き(水につけるなど)をしてから食べるようにしましょう。
大根の皮を厚めに剥き、いちょう切りにします。カットした大根を保存袋に入れ、大根(直径8cm×長さ5cm)に対して塩麹大さじ3、赤唐辛子1本(種はそのまま)を加えて袋ごと揉んでなじませます。密封し冷蔵庫で保存します。
そのまま食べても美味しいですし、サラダなどのトッピングにもおすすめです。
最後に大根の作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
簡単に作れる大根の漬け物です。
このレシピではごま油を使用しています。ごま油には、悪玉コレステロール値を抑えるリノール酸や抗酸化物質のオレイン酸などが豊富に含まれています。
冷蔵庫で30分ほど寝かすと食べ頃になります。
大根の漬け物のレシピ・作り方はこちら
味のしみた大根の煮物です。大根と調味料を並べて煮るだけで簡単にできるひと品です。
このレシピでは、てんさい糖を使って甘みをつけています。てんさい糖を使うことでまろやかな甘さに仕上がり、コクも増します。てんさい糖には普通の砂糖(白砂糖)よりもミネラル類が豊富に含まれているのが特徴です。ミネラル類は、美容や健康に効果的です。
大根は下茹ですることで味が染み込みやすくなります。
大根の煮物のレシピ・作り方はこちら
昆布でだしをとって作るじゃがいもおでんです。
卵にもたんぱく質が豊富に含まれていますので、大根と一緒に食べることでコラーゲンの生成が期待できます。
大根は面取りすることで煮崩れしにくくなります。剥いた皮は捨てずに、漬け物やきんぴらなどに活用できます。
じゃがおでんのレシピ・作り方はこちら
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