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トマトの中が黒い!腐ってる?食べられる?原因と対処法を解説

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トマトの中が黒い!腐ってる?食べられる?原因と対処法を解説

トマトを切ると中身が黒く変色していることがあります。実が黒くなってしまう要因は大別すると生理障害と病気にわけることができます。この記事では、トマトの中が黒くなる原因や対策を詳しく解説します。腐ったトマトの見分け方やトマトの大量消費レシピもあわせてご紹介します。

トマトの中が黒くても食べられる?

食べられる場合とそうでない場合がある

トマトを切ったら、中が黒く変色していることがあります。結論から言うと、トマトの中が黒くても食べられる場合とそうでない場合があります。

トマトの中身の一部のみが黒くなっている場合は、黒い部分を取り除けば問題なく食べられることがほとんどです。また、黒くても食べられるトマトもあります(詳細は次でご紹介)。

全体的に黒くなっていて異臭がしたり、原型を留めないほど柔らかくなっている場合は、トマトが腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄するようにしましょう。腐ったトマトの特徴は、この記事の後半で詳しくご紹介しています。

黒い品種のトマトもある

トマトには色が黒い品種もある

トマトには様々な品種があります。その中には、トマト自体が元々黒っぽい色をしているものがあります。

「インディゴ・ローズ」という品種は、皮(外側)が黒く、中身は赤紫色をしています。抗酸化成分であるアントシアニンが豊富に含まれています。

「黒トマト(ブラックチェリー)」というミニトマトの品種もあります。果実が熟すと赤褐色や赤黒い色になります。果実が柔らかく加熱すると崩れやすいため、生食がおすすめです。

黒いトマトには他にも「ブラッククリム」や「クマト」、「ボスクグルートマト」、「チェロキーパープル」などの品種もあります。

トマトの中が黒くなる原因〈生理障害〉

芯の部分が黒くなるのは「芯腐れ病」

トマトを切った時に、トマトの芯の部分が黒く変色していることがあります。これはトマトに「芯腐れ病」という生理現象が起きている可能性が高いです。

芯腐れ病は、水分やカルシウム、ホウ素不足により発生すると言われています。また、肥料や水分が多すぎることも芯腐れの原因となります。

芯腐れは病気ではなく生理障害なので、黒く変色している部分を取り除いて食べることができます。

お尻の部分が黒くなるのは「尻腐れ病」

尻腐れ病になったトマト

トマトのお尻の部分(ヘタの反対側)が黒くなっていることがあります。これは「尻腐れ病」という生理障害です。

石灰(カルシウム)不足が原因で起こるもので、チッ素成分や水分が多かったり、土壌の乾燥なども尻腐れ病の原因となります。

病原菌による病気ではありませんので、黒い部分を取り除けば食べることができます。尻腐れ病になっているトマトは甘みが強くて美味しいと言われています。トマトジュースやケチャップにしたり、カプレーゼにして食べるのがおすすめです。

種が黒くなるのは完熟のサイン

種の周辺が黒くなったトマト

トマトを切って中身をよく見ると、実の種周辺が黒っぽくなっていることがありますが、ほとんどの場合安全に食べることが可能です。

黒や緑、紫がかった色は、完熟しているサインです。臭いや触感が問題なければ、そのまま食べてOKです。

異臭がしたり、ブヨブヨと柔らかくなりすぎている場合は腐っている可能性が高いため、食べずに処分するようにしましょう。

トマトの中が黒くなる原因〈病気〉

トマトが黒くなるのは、病気が原因な場合もあります。ここでは、トマトの表面や中が黒くなる病気をいくつかご紹介します。

病気にかかったトマトを食べても人間には伝染する可能性は低いです。ただし、病原菌に対してトマト自体が毒素を作り出している可能性があり、この毒素が人体に悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、黒い部分を取り除いたとしても積極的に食べない方が安全です。

炭疽病

炭疽病にかかったトマト

炭疽病(たんそびょう)は、主に果実に発生する病気です。黒っぽい斑点が実の表面にでき、さらに症状が進むと斑点が大きくなり黒い部分が凹むようになります。

炭疽病の原因は、糸状菌(カビ)である「コレトトリカム アキュタータム、コレトトリカム グロエオスポリオイデス」です。高温・多湿な環境で発生しやすいカビの仲間で、特に梅雨の時期や雨の多い年に発生が多くなります。炭疽病の原因となる病原菌が雨によって飛散し、他のトマトにも蔓延してしまいます。

褐色輪紋病

褐色輪紋病にかかったトマト

主にトマトの葉に発生する病気ですが、実にも発生することがあります。褐色輪紋病が実に発生する場合、黒い小さな斑点ができ、次第に大きくなり5mm前後のやや凹んだ円形の斑点となります。斑点の中心部分が茶色や白色の斑点になるのが特徴です。湿度が高いと、斑点の周辺に褐色や灰色、黒色のカビが生えます。

褐色輪紋病の病原菌は、糸状菌である「コリネスポラ カシコラ」です。高温多湿な環境での発生が多く、本病原菌の生育適温は28〜30℃と言われています。

疫病

疫病にかかったトマト

トマトの葉や茎、葉柄、果実など地上部のあらゆる部分に発生する病気です。特に未熟な果実が侵されやすく、疫病にかかるとやや凹んだ黒っぽい斑点ができて腐敗が進み、雨が続くと表面に白いカビが生えます。

疫病の病原菌は、糸状菌である「フィトフトラ インフェスタンス」です。この病原菌には主に2種類があり、トマトとじゃがいもの両方を侵すタイプと、じゃがいもを侵すが、トマトには病原性の弱いタイプがあります。

モザイク病

病名の通り、トマトの葉や茎、果実などにモザイクのような濃淡があらわれる病気です。「ウイルス病」ともいいます。主にトマトの葉が侵されやすいですが、果実がモザイク病にかかるとモザイク柄のように腐敗します。

モザイク病の原因となる病原菌には数種類あり、かつ複合して感染することも多いです。そのため、病状から病原菌を特定するのはとても難しいと言われています。主な病原菌と症状は以下の通りです。

  • キュウリモザイクウイルス(CMV)・・・糸葉、茎葉、果実に壊疽(えそ)が生じる。葉や果実にモザイクが生じる。果実には表面に凹凸や黄色の斑点が生じる。

  • ジャガイモXウイルス(PVX)・・・葉の軽微なモザイクが生じる。

  • タバコモザイクウイルス(TMV)・・・茎葉と果実に壊疽が生じる。葉にモザイクが生じる。

  • トマトアスパーミィウイルス(TAV)・・・茎葉と果実に激しい壊疽が生じる。軽度のモザイクが生じる。

  • ジャガイモYウイルス(PVY)・・・葉の軽微なモザイク。他のウイルスとの重複感染で激化する。

  • トマトモザイクウイルス(ToMV)・・・茎葉と果実に壊疽が生じる。葉にモザイクが生じる。

  • チョウセンアサガオコロンビアダチュラウイルス(CDV)・・・壊疽を伴うモザイクが生じる。

  • トマト・スポッティド・ウイルト・ウイルス(TSWV)・・・茎、葉、果実に壊疽が生じる。

モザイク病は、トマト以外にもピーマンやきゅうり、なすなど、またアブラナ科やキク科、マメ科などにも多く発生します。

トマトの中が黒くなるのを防ぐ方法

生理障害も病気も栽培中の対策が必須

生理障害や病気によってトマトの中が黒くなるのを防ぐためには、栽培中の手入れが重要です。生理障害は、水分や肥料不足(もしくは過多)によって生じることが多いため、水分をしっかり与えて(ただし与えすぎもNG)、必要な肥料を使用します。

病気に関しては、病原菌の種類に応じて農薬を使用し発生や拡大を予防します。

生理障害や病気によって黒く変色してしまったトマトは、出荷前に選別されて取り除かれることがほとんどです。そのため、スーパーなどに並ぶことは少ないですが、万が一黒くなっている場合は、病気なのか生理障害なのかを見極め、食べても問題ないかを判断しましょう。

上述の通り、生理障害であれば黒い部分を取り除けば問題なく食べることができます。しかし病気の場合は、黒い部分を取り除いても、病原菌に対してトマトが生成している毒素が含まれている可能性があるため、心配な方は食べずに廃棄するようにしましょう。

購入後のトマトは正しく保存する

トマトは水分を約90%以上も含むため、傷みやすいといわれています。そのため、適切な方法で保存することが重要となり、正しく保存すれば腐敗するのを防ぐことができます。

トマトは常温(追熟させる時のみ)、冷蔵、冷凍、乾燥で保存することが可能です。冷蔵庫の野菜室で保存するのが基本的です。1個ずつキッチンペーパーで包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れて軽く口を閉じます。野菜室で保存することで約2週間日持ちします。

トマトの正しい保存方法はこちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

腐ったトマトの見分け方

トマトが腐ってしまうと、どのような状態になるのでしょうか。ここでは腐ってしまったトマトの特徴や見分け方をご紹介します。

カビが生えている

カビが生えたトマト

腐敗が進むと、ヘタ周辺や実の表面にカビが生えます。白カビや黒カビが生えることが多いです。

ヘタの周りは細菌が多く発生するため、白カビはヘタの周辺に発生することが多いです。白カビが生えているトマトを食べる際は、ヘタを取りいつもより入念に水洗いをしてください。そしてサラダなどの生食ではなく加熱料理として使う方がベターです。また、心配な方や免疫力が低い子ども、高齢者の方は食べるのを控える方がよいでしょう。

黒カビは白カビよりも毒性が強いと言われています。そのため、黒カビが広範囲に生えてしまっている場合は食べずに処分するようにしましょう。

トマトのカビについては下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

トマトにカビ...食べられる?白・黒・緑の違いは?原因と対処法を解説

トマト全体が黒く変色している

全体が黒く変色しているトマト

熟して食べ頃のトマトは赤みが強いですが、腐敗が進むと全体的に黒っぽく変色します。特に、ヘタ周辺や表面の傷周辺から腐敗が進みやすいです。

ただし、中には黒い品種も存在します。「インディゴ・ローズ」というトマトの品種は、皮(外側)が黒く、中身は赤紫色をしています。

トマトが黒く変色する原因や対処法については下記の記事で詳しく解説しています。

トマトの中が黒い!腐ってる?食べられる?原因と対処法を解説

皮がシワシワになっている

皮がシワシワになっているトマト

トマトの皮がシワシワになっていることがあります。シワシワになっているからといって必ずしも腐っているというわけではありませんが、トマト内の水分がかなり蒸発してしまっています。

大玉トマトの場合、皮だけが乾燥していて中身はそのままであることが多いです。切って中身が問題なさそうであれば食べてもOKですが、あまりにも水分がなくなっている場合は栄養や味が劣りますので、食べずに処分する方がよいでしょう。

ちなみに、皮がシワシワになったトマトを80℃ほどのお湯に10秒浸けたり、水に30分ほど浸けることでハリのあるトマトに戻ります。

トマト全体がブヨブヨ柔らかくなっている

全体がブヨブヨ柔らかくなっているトマト

腐っているトマトは、トマト全体がブヨブヨとし、形が崩れてしまうほど柔らかくなります。トマトの腐敗が進んでいる証拠ですので、原型を留めないトマトを食べるのは避けましょう。

新鮮なトマトは、皮がピンとしていてハリがあります。そのため、多少の柔らかさはあっても、少し触った程度で型くずれすることはありません。

トマトの一部が溶けている

一部が溶けているトマト

腐敗が進むとトマト全体が柔らかくなるだけでなく、トマトの一部に穴が空いて中身が溶け出してる状態になります。

表面の傷や割れ目から穴が空くことが多いです。

トマトが全体に柔らかくなっていて形が崩れているような場合は腐ってる可能性が大ですので、食べずに廃棄しましょう。食害にあったトマトも、他の菌が入り込む可能性が高いので食べない方が安全と言えます。

トマトから汁が出ている

汁が出ているトマト

トマトが腐ると、トマトから異臭を放つ汁が出ます。この場合は、トマトが全体的に腐敗していることがほとんどなので廃棄処分しましょう。

新鮮なトマトでも、穴や傷、割れ目から汁が出ることもありますが、新鮮なトマトから出る汁は臭くありません。

汁が出ているからとすぐに捨てるのではなく、トマトの表皮の状態(ツヤ、ハリがあれば○)などを確認してから判断しましょう。

ヌメリがある

トマトを触るとトマトの表皮がヌルヌルとしていることがあります。きゅうりやトマトなどの水分が多い野菜は、腐り始めると表面にヌメリが出てくるのが特徴としてあります。

腐っている場合は、ぬるぬるするだけでなく変色していたり悪臭がすることが多いです。その場合は食べないようにしましょう。

稀に農薬などでぬめり感が出ていることがあるので、その場合は水洗いするとヌメリが取れます。

虫食いで穴が空いている

虫食いで穴があいているトマト

虫に食べられることがあります。その場合、トマトに穴が空いています。

トマトをよく食べる虫は、オオタバコガやタバコガ、ハスモンヨトウなどの幼虫です。丸く穴が空いている場合はオオタバコガ、クレーター状に跡がついている場合はハスモンヨトウによる食害です。

食害にあったトマトには糞や他の菌などが付着していることがほとんどなので、食べない方がベターです。

酸っぱい臭いがする

トマトは元々酸味のある野菜です。ですがトマトが腐ると、普通のトマトでは感じないような酸っぱい臭いがします。腐敗具合によっては、生ゴミやカビのような悪臭がすることもあります。

見た目は問題なくても、明らかにいつもと違う臭いがする場合は腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄することをおすすめします。

臭いトマトは食べられる?腐ってる?臭くならない保存法は?

酸味や苦味がある

見た目や臭いで腐っていると判断できることがほとんどですが、腐っていることに気付かずに食べてしまうこともあると思います。

完熟したトマトはほどよい甘みと酸味があって美味しいですが、腐っているトマトは、強い酸味や時には苦味を感じることもあります。

トマトの味が変だなと思った時は、ただしに食事を中止しそれ以上食べないようにしましょう。

トマトの大量消費レシピ

最後にトマトの大量消費におすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

トマトのナムル

トマトのナムル

フレッシュなトマトを使ったナムルです。甘いトマトとごま油の相性が抜群です。とても簡単に作れます。

こちらのレシピでは生姜を使っています。生姜の辛み成分であるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンには、新陳代謝を上げる作用が期待できます。

そのまま食べてもよいですが、冷やすとさらに美味しくいただけます。

トマトのナムルのレシピはこちら

トマトドレッシング

トマトドレッシング

トマトでドレッシングを作ることもできます。こちらのレシピでは冷凍トマトをすりおろして使います。

このドレッシングでは、オメガ3が豊富に含まれるえごま油を使っています。えごま油は熱に弱く、クセがないのでサラダにぴったりです。

冷凍トマトを使ったおすすめのレシピには他にもイタリアンめんつゆがあります。

トマトドレッシングのレシピはこちら

冷製トマトミルクスープ

冷製トマトミルクスープ

トマトとアーモンドミルクで作る冷製トマトミルクスープです。アーモンドミルクなので、さっぱりとした舌触りです。トマトは丸ごと一個使っています。

このレシピでは、アーモンドミルクを使用しています。カゼインフリー(乳製分不使用)で、アーモンドミルクにはビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富に含まれています。

時間がない時は、フードプロセッサーを使ってトマトを潰しても美味しくいただけます。

冷製トマトミルクスープのレシピはこちら

トマトみそ

冷製トマトミルクスープ

たっぷりのトマトを使ったトマト味噌のレシピをご紹介します。トマト味噌は、パスタラタトゥイユ、野菜炒めなどに使える万能調味料です。

煮詰まってくると焦げやすくなるので、フライパンの底からこそげるように混ぜるのがポイントです。

トマトみそのレシピはこちら

トマトのチキンカレー

トマトのチキンカレー

トマトで作るチキンカレーです。トマトのうまみが凝縮した一品です。カレー粉で簡単に作れます。

トマトに含まれるビタミンCは、鶏肉のたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。コラーゲンには美肌効果が期待できます。

熟したトマトを使うのがポイントです。

トマトのチキンカレーのレシピはこちら