夏〜秋が旬ですが通年購入できるなす。調理がしやすく人気な野菜です。今回はなすの和食レシピを紹介していきます。
なすの原産地はインドです。日本へは中国を経由して伝わり、なんと奈良時代ごろから栽培されていました。現在では地域ごとに特色のある品種が栽培されています。
なすの成分は90%が水分で、ビタミンやミネラルの含有量は多くありません。100g(普通のなすの大きさで1本半程度)で22kcalで低エネルギーなので、ダイエット中の方でも気にせずたっぷり食べられます。
比較的多く含まれる栄養素にはカリウムがあります。カリウムは塩分の排出を促進する働きがあります。食物繊維も含まれます。
なすの皮に含まれる青紫色の成分はナスニンと呼ばれ、ポリフェノールの一種です。活性酸素の働きを抑制したり、血管をきれいにする働きが期待できます。
新鮮ななすには下記の特徴があります。
切り口がみずみずしく、ヘタがしっかりし、とげが鋭い
ガクと実の間が、白〜薄紫〜紫と変化している
皮の色が濃い紫色で、ハリとツヤがあり、傷や変色がない
手にしたときに軽いものは、中がスカスカになっている可能性が高いです。また、品種によっても違いがありますが、実がフワフワしているものは鮮度が落ちている可能性が大です。
なすは切ってから時間が経つと褐色化したり、生で食べたときに特有の苦味が感じられるので、一般的に水にさらしてアク抜きします。
しかし、なすのアクの原因であるクロロゲン酸は、体によい成分なので、アク抜きはしなくても問題ありません。それだけではなく、アク抜きすることで水溶性のナスニンやカリウム、ビタミンCなどが流失してしまいます。ちなみにほうれん草やたけのこなど、アクの正体がシュウ酸の場合は体に良くないため、アク抜きが必須です。
ちなみに、加熱調理する場合はアク抜きの必要はありません。生食するときにアク抜きをする場合は、水にさらさず、切ったあとに塩をふって10分置けばOKです。
また、6月に出回るものはアクが少ないですが、8〜9月に出回るもの(秋なす)はアクが強くなるといわれています。秋なすを使ってアクが気になる場合は、アク抜きしましょう。
なすは油がよく合う食材で、表面が油でコーティングされるとナスニンが流出しづらくなるメリットがありますが、油を使いすぎるとカロリーアップしてしまうので注意しましょう。 ただし、カロリーの変化を見ると、それぞれ100gで
生…18kcal
茹で…17kcal
油炒め…73kacl
天ぷら…165cal
です。天ぷらにすると生と比べて9倍もカロリーが高くなってしまいます!
なすはスポンジ状で油をよく吸うので、軽く油を絡めてから電子レンジに加熱するだけでしっかりと油が馴染みます。これでカロリーカットになります。また、大きめにカットして揚がった後に熱湯をかけて油切りすると余分な油をカットできます。
ナスニンは皮に多く含まれています。ナスニンには抗酸化作用があり、動脈硬化や老化予防、生活習慣病やがんの予防にも効果が期待できます。その栄養素を無駄にしないためにも皮ごと調理するのがおすすめです。
なすを丸ごと料理するのもおすすめです。素揚げをするにも丸ごとの方が油を吸いにくく、また栄養素を逃さずに食べれることが特徴です。さらに、丸ごと調理することで、なすの旨味成分のグアニル酸が大きく増加して、おいしくなります。丸ごと焼いても、素揚げしてもおいしいので、ぜひ試してみてください。
茹でると水溶性の栄養素は水に溶け出してしまいます。流れ出てしまった栄養素を摂取できるようにお味噌汁や野菜スープ、ポタージュにするのもおすすめです。また、スープにすることでなすのかさが減るので子供や高齢者でも食べやすくなります。
茹でることで、水溶性であるビタミンCやカリウムは減少してしまいます。そのため、生のまま食べることで栄養素の損失を最小限に抑えられます。生で食べる場合は、新鮮なものを選びましょう。 生食向けの品種も多く、「水なす」などがそのひとつです。なすは生食の食べ方も広く、サラダや漬物、和え物、お刺身、野菜スティックなどがあります。
なすはぬか漬けにすると栄養価が高くなるので、おすすめです。 なんとビタミンやカリウムが2倍に増えます。これはぬかに含まれる栄養素がなすに浸透するからです。そのため、なすに限らずぬか漬けにすると栄養価が高くなります。 なすにほとんど含まれていないビタミンB1やB6も、ぬかが浸透して多くなります。
まず、副菜のなす和風レシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
なすだけで作れる定番和風料理「なすの煮浸し」です。トロトロななすに味がしっかり染み込み、箸が進みます。
甘味料はメープルシロップを使っています。メープルシロップ は、サトウカエデなどの樹液を濃縮した甘味料です。カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
なすは切り目を入れることで味が染み込みやすくなります。
なすの煮浸しのレシピはこちら
なすは油と相性がとてもよい野菜です。とろとろとした食感が美味しい一品。青じその葉の風味がアクセントです。
青じそはβ-カロテンが特に豊富です。β-カロテンは強い抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の防止に役立つと考えられています。
なすは、揚げたての熱いうちに汁に漬けると味が染み込みやすくなります。
なすの揚げびたしのレシピはこちら
めんつゆで作る簡単なす揚げびたしもあります。
あともう一品ほしい時になすだけで簡単に作れる副菜レシピです。
かつお節は、かつおの熟成食品で、乾燥させることで栄養素が凝縮されています。7割以上がたんぱく質でできており、9種類の必須アミノ酸すべてを含みます。
氷水に入れることで、なすの皮は剥きやすくなります。
焼きなすのレシピはこちら
なすに味噌がよく染み込みごはんが進みます。油揚げも加わり食べごたえ◎。
ししとうにわずかに含まれる辛味成分カプサイシンですが、末梢血管まで血流を良くしてくれる働きがあり、身体を温め冷え性の改善が期待できます。
油揚げは熱湯をかけて油抜きしましょう。
なすとししとうのみそ炒めのレシピはこちら
トロトロのなすとこっくり味噌味が食欲をそそる一品です。ピリ辛の味付けとなすがよく合います。
みその主原料である大豆は、良質の植物性たんぱく質を多く含みます。みそは発酵することで、大豆にはない(あっても少量の)アミノ酸やビタミンなどが多量に生成され、栄養価がアップします。
なすは長細い乱切りにすると、火が通りやすくなり時短になります。
なすのピリ辛みそのレシピはこちら
なすとみょうがが好相性。ごま油がアクセントです。
みょうがの独特の爽やかな香り成分であるα-ピネンには、食欲や血行促進効果があります。みょうがに含まれるカリウムにはむくみ防止の作用があります。
なすは斜め薄切りにすることで、火が通りやすくなり、時短になります。
なすとみょうが炒めのレシピはこちら
夏野菜の食感が楽しめる一品。野菜を生でいただきます。
オクラ100gあたり5.0gの食物繊維が含まれており、これは食物繊維が多いイメージのごぼうの約2倍の量です!オクラに含まれる水溶性食物繊維は、体内で水分を吸収し排便を促す作用があります。
生でいただくレシピですので、夏野菜が新鮮な時期にぜひどうぞ。
夏野菜の塩昆布和えのレシピはこちら
次に、主菜のなす和風レシピを紹介します。
暑い夏にピッタリの冷製おでんです。さっぱりだしと夏野菜の相性が◎。ピリ辛柚子胡椒を添えて、お召し上がりください。
ししとうやオクラ、キノコ類など、お好みの具材を入れても美味しく作れます。
夏おでんのレシピはこちら
鍋しぎとはなすを用いた日本の郷土料理です。このレシピでは豚こま肉を使用しています。ごま油がアクセントです。
みその主原料である大豆は、良質の植物性たんぱく質を多く含みます。みそは発酵することで、大豆にはない(あっても少量の)アミノ酸やビタミンなどが多量に生成され、栄養価がアップします。
豚肉となすの鍋しぎのレシピはこちら
鶏肉の旨味がなすに染み込み美味。醤油ベースの味付けです。しょうががアクセント。
しょうがに含まれるジンゲロールは解熱作用や強い殺菌効果があり、体内の熱を取り除き、体の表面を温めてくれる効果があります。 加熱された生姜は、ジンゲロールがショウガオールという成分に変化します。 ショウガオールには血流を高めて、体を芯から温めてくれる効果があります。
つくねを丸めるときは、手を濡らすことで上手に作れます。
つくねとなすの煮物のレシピはこちら
豚バラ肉となすの炒め物です。しょうゆとてんさい糖で作る甘辛タレが食欲をそそる一品です。
このレシピでは、てんさい糖を使用しています。てんさい糖にはカリウムやカルシウムなどのミネラル類の他、てんさい由来の天然のオリゴ糖が含まれています。また、カロリーもGI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も白砂糖よりも低くおすすめです。
なすは火が通りにくく、お肉は炒めすぎると固くなってしまうので、なす→お肉の順番で炒めるのがポイントです。
豚バラとなすの甘辛炒めのレシピはこちら
酢のきいたさっぱり味でごはんが進みます。ジューシーで食べごたえも◎。
このレシピでは玉ねぎを使用しています。玉ねぎの辛味成分であるアリシンは血流改善の効果が期待できます。
くり抜いたなすも肉だねに入れて無駄なく使うのがポイントです。
なすの肉詰めのレシピはこちら
最後に、主食のなす和風レシピを紹介します。
鶏肉を甘辛味に炒めてコクを出し、混ぜご飯にしました。鶏肉のうまみでご飯が進みます。豆板醤の味付けとピーマンの相性も◎。
ピーマンにはビタミンCが特に豊富に含まれています。ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素で、美肌や免疫力向上などの効果が期待できます。また、ピーマンの苦味成分であるピラジンですが、血流改善の効果が見込めます。ちなみにピラジンはワタや種に多く含まれています。
辛味は豆板醤の量で調整してください。
鶏肉の玄米混ぜご飯のレシピはこちら
なすが入ったひき肉キーマカレーです。野菜の水分だけで作るので、うまみが濃厚です。カレー粉を炒めることで、スパイスの成分が溶け出し風味が広がります。
なすのキーマカレーのレシピはこちら
つゆがよく染み込んだなすのトロっとした食感がおいしいひと皿です。
青じそがアクセントです。青じそは特にβ-カロテンが豊富です。β-カロテンは強い抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の予防が期待できます。
しょうがの絞り汁を入れることで風味豊かに仕上げるのがポイントです。
ズッキーニとなすの玄米うどんのレシピはこちら
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