大根に苦味があって困ったことがある経験がある方は多いのではないでしょうか。大根が苦いと食べづらくて困ってしまいますよね。本記事では大根が苦い原因や苦味を取る方法などを詳しく解説します。
普段私達が食べているのは、大根の「実」ではなく「根」です。
大根の根にはイソチオシアネートとよばれる辛味成分が含まれているため、辛味があるのが特徴で、独特の香りがします。大根は葉に近い部分から、上部・中部・下部とわけることができます。上部・中部・下部はそれぞれ辛味成分の含有量や水分量が異なり、下部にいくにつれて辛味成分の含有量が多くなるため辛味が強くなります。
大根の葉は、チンゲン菜などの葉物野菜の味に近いです。炒めてふりかけにしたり、チャーハンの具材にするなど様々な食べ方ができます。
大根の根はそれほど強いアクがあるわけではありませんが、葉は新鮮な大根でもアクが強く苦味と青臭さがあります。そのためほうれん草を調理する際にアク抜きをする必要があるのと同じように、大根の葉もアク抜きをすると苦味が軽減されて食べやすくなります。
大根の特徴の一つとして辛味があることがあげられますが、大根の辛味成分は下部に多く含まれています。そのため下部を調理すると辛味や苦味を強く感じやすいです。
大根の辛味や苦味の元になっているのはイソチオシアネートとよばれる成分です。主に辛味となっているのが「アリルイソチオシアネート」というイソチオシアネートの一種です。
下部にいくにつれてアリルイソチオシアネートの含有量が多くなる理由には諸説ありますが、下部で活発に細胞分裂を行い成長するため、害虫などの天敵を寄せ付けないよう辛味成分を多く含むようになったと考えられています。
大根の皮付近の筋には、ポリフェノールが含まれています。ポリフェノールとは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分です。大根の場合は皮付近の筋に集結しているため苦味を強く感じることがあります。
ポリフェノールは例えばぶどうに多く含まれていることで知られています。ぶどうの皮を食べたときに感じる苦味や渋みもポリフェノールによるものです。
大根は一年中店頭に並んでいる野菜ではありますが、旬の時期は秋から冬にかけてです。大根は気温が低くなると中の水分が凍ってしまわないように糖分を多く含むようになるため甘味のある美味しい大根になります。
反対に夏などの暖かい季節は糖分があまり増えないため、苦味や辛味を強く感じるようになります。
肥料の与えすぎや硬い土での生育、石などの障害物がありまっすぐ伸びることができなかったなど生育環境に問題があると、大根はストレスを感じ苦味成分を多く生成してしまうといわれています。
大根はまっすぐに大きくなりますが、曲がっているなどの特徴があるものは生育環境に問題があったことが原因で苦味成分を多く含んでいる可能性があります。ただし、生育環境に問題があっても特に見た目に大きな問題がないこともあります。この場合は残念ながらハズレを引いてしまった可能性が高いです。
家庭菜園で大根を育てて収穫した場合も苦くなってしまうことがありますので、肥料の与えすぎには注意し美味しい大根が育つ環境を整えましょう。
大根をカットしたときに中が青くなっている場合は、ダイコン青変症を発症していることが原因で苦くなってしまっています。
ダイコン青変症は、見た目は何の問題もないように見えても切ってみたら中が青くなっているという特徴があり、「青あざ症」ともいわれます。ダイコン青変症を発症している場合は、腐敗しているわけではないので食べることができますが、苦くなってしまっていたり固くなってしまっています。
ダイコン青変症が起こる原因は、生育中の土壌が高温多湿の状態になり、ホウ素が不足することです。ホウ素は、大根に限らずあらゆる野菜や果物の生育に重要な成分です。大根の場合、ホウ素が不足すると芯の中心が青く変色したり、形がいびつになったり、皮の表面が肌荒れしたような状態になったりします。研究により20℃前後で発生しやすいことがわかっており、品種によって起こりやすいものとそうでないものがあります。
大根の中には「辛味大根」と総称される辛味成分が多く含まれ、甘味が少ない大根の品種も多くあります。普通の大根より小ぶりのものが多いので見た目で区別することができますが、一般的な大根だと思って食べてしまうと辛味や苦味を強く感じて驚くでしょう。
辛味大根の品種には、「親田辛味大根」や「ねずみ大根」などがあります。辛味大根は主に大根おろしにして薬味として使われます。
気温の高い季節に常温で大根を放置してしまったといった場合は、腐敗が原因で苦くなってしまっている可能性もあります。大根は水分量の多い野菜ですので、気温や湿度の高い場所で放置してしまうと水分が腐って腐敗してしまいます。
大根が腐敗している可能性が高い場合は、残念ですが破棄しましょう。
上述したように皮付近の筋に苦味成分であるポリフェノールが集中しているので、皮を厚めに剥くことで苦味を軽減することができます。だいたい2〜3mmぐらいの分厚さになるように剥くのが良いでしょう。
大根の皮にも栄養素が含まれていますので、栄養素を少しでも多く摂取したいという方は皮を剥かずに調理をしたほうが良いのですが、小さなお子様が食べる場合など苦味を抑えたい場合にはもったいない気がしても厚めに剥いておくのが良いでしょう。皮は固いため、皮を厚めに切っておくことで煮物にするときなどは味が染み込みやすくなるというメリットもあります。
大根をカットするときに繊維を断ち切るようにすると、苦味を感じにくくなります。大根の繊維は縦に走っているため、繊維に沿ってカットすると噛んだときに苦味や辛味を感じやすいです。
大根の繊維をカットするときは、まず大根を一度輪切りにした後少しずつずらして重ねて並べて千切りにしていきます。繊維を断ち切ることでシャキシャキとした食感は失われてしまいますが、火が通りやすくなるメリットもあります。
大根を煮物にするときなどは、下茹でをしてアク抜きをすること苦味やエグみを軽減することができます。アクとは、一般的に苦味やえぐみ、渋みなど味を損ねる成分の総称です。
大根のアク抜きにおすすめなのがお米のとぎ汁です。お米のとぎ汁に含まれる成分が、大根から出るアクを包み込み、またお米のでんぷんと大根のジアスターゼ(消化酵素)が反応して糖となり、甘みが増す効果が期待できます。
とぎ汁ではなく、スプーン1杯程度のお米を入れて(ティーバッグ入れても◎)大根と一緒に煮るのもOKです。また、お米以外では片栗粉を使ってアク抜きをすることもできます。その場合は、小さじ1程度の片栗粉を加えて大根と一緒に茹でます。
大根の下茹で方法はこちらの記事で詳しくご紹介しています。また鍋で茹でず電子レンジで加熱する方法もあります。
煮物料理など、加熱をしているときにアクが出てくることがあります。少々面倒ですが、アクはきちんと取り除いておくことが大切です。
アクはお玉で簡単にすくい取ることができます。ただし、アクをすくい取ったお玉をそのまま鍋に戻してしまうと、落としきれていないアクが再び鍋の中に戻ってしまいます。そのためアクをとるときは水を張ったボウルを用意し、鍋に再びお玉を入れる前に水を張ったボウルで綺麗に落とすと良いです。
サラダにしたい場合など生で大根を食べたい場合は、食べやすい大きさにきった大根に塩をかけるのも効果的です。
大根に塩をかけると浸透圧によって大根に含まれている水分が外に出ます。水分と一緒に苦味成分も出るため塩をかけることで苦味を軽減することができます。塩味が気になる場合は、塩をかけて水分を抜いたあとにさっと水洗いして塩を落としても良いです。塩をかけて水分を抜いておくと、大根から出る水分で料理の味が薄くなってしまうのを防ぐこともできます。
辛味成分を多く含む辛味大根があるように、甘い品種の大根もあります。大根の苦味を避けたい方は甘い品種の大根を選ぶのも一つの手です。
例えば「聖護院大根(しょうごいんだいこん)」という品種は、甘味が強い大根で小さなお子様でも食べやすく煮物や漬物などに使われることが多いです。
聖護院大根は京野菜で伝統野菜に指定されていて大きいものだと2キロ以上にもなる大型の丸大根です。
新鮮で美味しい大根の特徴をご紹介します。購入の際の参考にしてください。
日本で最も市場に多く出回っているのは「青首大根」とよばれる品種の大根です。青首大根の場合は、しっかりと太陽の光を浴びて育った大根ほど濃い色になり品質が良いとされます。
ただし、白首大根などの大根品種によっては、太陽光にあたっても緑色にならないものもあります。白くても美味しくいただけますので、そこまで気にする必要はありません。
上述したように、私達が食べているのは大根の根です。この根の皮の部分が真っ白な色をしているものほど新鮮で美味しい大根です。くすんだ白(淡い黄色)のような色をしている大根は、収穫から時間が経過しており、鮮度が落ちていることを示しています。
品種によって、外の皮が白ではないものもあります。例えば赤大根などは外の皮が赤いですし、黒大根の皮は黒色をしています。この場合は品種によるもので鮮度が落ちているわけではないので気にしなくて大丈夫です。
皮が白いだけでなく、ハリとツヤがあることも重要なポイントです。収穫したての大根は水分を多く含むため、根全体にハリやツヤ、弾力があります。
時間の経過とともに水分が抜けてしまい、皮がシワシワになっていきます。柔らかくなってしまった大根は本来のみずみずしさやシャキシャキとした食感が失われている状態ですので、購入時はみずみずしい大根を選ぶようにしましょう。
上記でご紹介したように、私たちは肥大した「根」を食べています。「根」なので、ひげ根がつくことがありますが、新鮮な大根はひげ根の毛穴が浅く、数も少ないです。
また、ひげ根が真っ直ぐ並んでいるのも特徴です。ひげ根の位置が不揃いのものは、生育中にストレスにより辛みが強くなってしまうといわれています。
大根の葉がついた状態で販売されている場合、葉の状態もしっかりと確認をしましょう。
新鮮な大根の葉はみずみずしく、放射状に広がっています。これは葉にまだ水分が残っていることを示しており、鮮度が落ちると葉の水分が抜けしおれてきてしまいます。
新鮮な大根を購入すれば、葉も料理に使用することができて◎。食材を無駄にすることなく、大根を丸ごと美味しく食べることができます。
最後に、大根の苦さを感じにくいおすすめのレシピをご紹介します。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
レモンと豆乳マヨネーズで作るドレッシングと大根の相性も抜群です。
大根の皮は剥かずにそのまま使っています。皮に含まれる栄養を取り逃がすことなく使え、時短にもなりゴミも出ません。
レモン果汁は絞りたてを使うと美味しいです。
ツナと大根のサラダのレシピはこちら
ピリッとした辛さがクセになる大根のキムチです。
一晩漬けて味をなじませると美味しくいただけます。
りんごは皮ごとすりおろしましょう。
大根キムチのレシピはこちら
なかまでほくほくで美味しい大根ステーキ。ごま油で風味がアップしたひと品です。
このレシピでは砂糖の代わりにメープルシロップを使用しています。メープルシロップは、カロリーが白砂糖の2/3と低く、GI値(食後の血糖値の上がりやすさを示す数値)も73と白砂糖(GI値100)より低いのが特徴です。
大根は柔らかくなるまで下茹でしましょう。
大根ステーキのレシピはこちら
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