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ブロッコリーにぬめり...食べて大丈夫?原因と対処法

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ブロッコリーにぬめり...食べて大丈夫?原因と対処法

ブロッコリーの茎や切り口にぬめりが出てしまっていることがあります。この場合はブロッコリーが腐ってしまっている可能性が高いです。本記事ではぬめりが出ているブロッコリーが食べられるかどうかを解説します。ぬめり以外の腐敗の特徴や、正しい保存方法なども併せてご紹介しています。

ぬめりがあるブロッコリーは食べられる?

腐敗しているので破棄

ブロッコリーの表面がぬめぬめしている場合は、雑菌が繁殖している可能性が高いです。

新鮮なブロッコリーにはぬめりがでることはありませんので、ぬめりが出ているブロッコリーは食べずに破棄しましょう。

茹でたときのぬめりは?

茹でたブロッコリーは冷蔵庫で2〜3日ほど保存することが可能ですが、保存状態によっては日持ちせず腐ってしまうことがあります。

ブロッコリー自体を茹でることでぬめりが出ることはありませんので、茹でたブロッコリーにぬめりがある場合は腐敗が進んでいる可能性が高いです。この場合も食べずに破棄するようにしましょう。

茎のぬめりは?

ブロッコリーの茎にぬめりがある場合も腐敗している可能性が高いです。

そもそもブロッコリーは、オクラや里芋のように、ぬめり成分(食物繊維の一種など)が含まれている野菜ではないので、茎にぬめりがある場合は腐敗を疑いましょう。

切り口のぬめりは?

ブロッコリーの切り口にぬめりがある場合も、腐って可能性が高いので、食べずに捨てるのがベターです。

新鮮なブロッコリーであれば、株の切り口がみずみずしいのですが、ぬめりはありません。

上記のように、ブロッコリーにぬめりがある場合、あらゆる状況でも腐敗している可能性が高いです。ぬめりが出ているブロッコリーは食べないようにしましょう。

ぬめり以外のブロッコリー腐敗の特徴

腐っているブロッコリーには、ぬめり以外に下記のような特徴があります。

見た目

腐敗したブロッコリーの見た目の特徴は下記の通りです。

ブロッコリーの葉や芯にフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。

また、ブロッコリーは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒くなっていたり茶色くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。腐敗が進むと溶け出している箇所があることもあります。このような場合は破棄しましょう。

臭い・味

腐ったブロッコリーの臭いや味の特徴は下記の通りです。

  • 酸っぱい匂い・味

  • 生ゴミのような臭い

  • カビ臭い

酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。

ブロッコリーに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。

触感

ぬめりが出るだけでなくグニュッとした感触があったり、全体的に柔らかくなってしまっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。

こんなブロッコリーは腐ってない!

黄色や紫に変色している

黄色に変色したブロッコリー

腐ったブロッコリーは黒や茶色に変色しますが、黄色や紫に変色しているブロッコリーは必ずしも腐っているわけではありません。

ブロッコリーは収穫後も生長を続けるため蕾が開いて花が咲き、時間が経つとブロッコリーが黄色に変色しますがこれは自然なことです。ただし栄養価は下がり、苦味や食感も変化しますので、早めに食べることをおすすめします。

紫色に変色したブロッコリーは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが増えたためであり、腐っているわけではありませんので、食べることができます。

アントシアニンは紫色の色素で、寒い気候や乾燥に耐えるために生成されます。したがって冬に販売されるブロッコリーは紫がかっていることがあります。

アントシアニンは抗酸化作用があり、人体に害はありません。また、茹でるとアントシアニンは溶け出すため、見た目を気にする場合は茹でて食べることがおすすめです。

白い粉・白い膜がついている

ブロッコリーの表面に白い粉や白い膜がついていることがあります。白カビや農薬と思う方も多いようですが、こちらも食べて問題ないことが多いです。

白い粉や膜は「ブルーム」と呼ばれる天然分泌物です。雨や露をはじいて病原菌の侵入を防止し身を守るために分泌されているといわれています。

ブルームは天然毒素ではないので食べても人体に害はありませんが、ポリフェノールのような栄養成分ではありませんので、気になる場合は洗い流して食べると良いでしょう。

ブルームは水洗いで簡単に落ちます。ブロッコリーの洗い方は下記の記事で詳しく解説しています。

茎に黒い斑点がついている

ブロッコリーの茎に黒い斑点が出ていると一見黒カビが生えているように見えますが、腐敗しているわけではないので食べることができます。

ブロッコリーの茎に黒い斑点は「ゴマ症」と呼ばれる生理現象によるものです。ブロッコリーは寒暖差が激しいなど生育中にストレスがかかるとポリフェノール類の色素が蓄積され、表面に黒い点として現れます。ゴマ症は白菜やキャベツなど、ブロッコリー以外の野菜にも起こります。

黒い斑点の正体はポリフェノールなので食べても人体に害はありませんが、気になる場合は斑点が出ている部分を切り取って食べると良いです。

茎に空洞がある

ブロッコリーの茎に空洞ができている場合も、腐敗しているわけではないので食べることができます。

茎に空洞ができてしまう主な原因は、肥料過多や降雨量が多いことによる急激な生長です。急激に生長してしまうと窒素過多やホウ素の欠乏し、空洞化してしまうといわれています。

茎に空洞があっても食べることができますが、空洞化している部分は食感が悪かったり味が落ちていることもあります。気になる場合は茎を食べずに花蕾のみを食べるか、空洞化している部分をカットして食べると良いです。

苦味がある

ブロッコリーを食べたときに苦味を強く感じる場合も、腐敗が原因ではないので、食べることが可能です。

ブロッコリーの苦味の原因は、アブラナ科の植物に含まれているイソチオシアネートとよばれる成分の含有量が多いことがあげられます。イソチオシアネートはツンとする臭いや辛みとなる成分で、大根やわさびなどもに多く含まれている成分です。イソチオシアネートは辛みだけではなく苦味にもなる成分です。

また、ブロッコリーには苦味やエグミの元になるシュウ酸も含まれています。含有量はそこまで多くありませんが、個体差があり多く含まれてしまうものもあります。

これらの苦味成分は、茹でることで落とすことができますので、苦味が気になる際は茹でてみましょう。

消毒臭・硫黄臭・潮臭い・ドブ臭い・雑巾臭い

ブロッコリーが臭くなる原因は、腐敗だけではありません。消毒臭や硫黄臭、潮臭い、ドブ臭い、雑巾臭いと感じる場合は食べることができます。

上述したようにブロッコリーにはアブラナ科の植物特有の成分イソチオシアネートが含まれています。イソチオシアネートは、空気中の酸素に触れて酵素が働き「ジメチルサルファイト(ジメチルスルフィド)」と呼ばれる揮発成分に分解されます。不快な臭いなので腐っていると思われがちですが、腐敗しているわけではありません。

ジメチルサルファイトは「スルフィド」と呼ばれる有機硫黄化合物の一種です。「キャベツが腐った臭い」とも表現される悪臭成分で、消毒臭や硫黄臭(おならの臭い・たくあんの臭い)、潮臭さ、ドブ臭さ、雑巾臭さを人に感じさせます。

また、ブロッコリーが育った土に含まれる微生物が出す「メチルイソボルネール」という臭気成分が原因であるともいわれています。メチルイソボルネールは水道のカビ臭さの原因とされている成分です。

ブロッコリーの正しい保存方法

ブロッコリーの正しい保存方法をご紹介します。ご紹介している内容をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください

1日なら常温保存可

ブロッコリーは基本的に常温保存はおすすめしませんが、冬ならば冷暗所で1日程度保存可能です。その場合は新聞紙などで包むようにするとよいでしょう。常温保存はすぐに黄色くなってしまうこともあるので注意しましょう。

冷蔵保存

生を丸ごと(10〜12日)

ブロッコリーを冷蔵保存する際は根元を水に挿して立てて保存する

ブロッコリーの鮮度を保って冷蔵保存するには、水に挿して保存するのが◎。10〜12日程度冷蔵保存が可能になります。

ブロッコリーの茎の根元を切ります。グラスなどに茎の根元が数cm浸かる程度の水を入れブロッコリーを挿し、ポリ袋をかぶせて輪ゴムで留めて保存します。冷蔵室でも構いませんが、野菜室の方が湿度が高くベターです。

水に浸けるというひと手間を加えることで、本当にみずみずしく長持ちさせることができます!湿らせたキッチンペーパーでブロッコリーを包みジッパー付きポリ袋に入れて保存する方法もありますが、水につける方が鮮度が保たれます。ブロッコリーの花蕾は90%が水分で、収穫後は土からの水分の吸収は止まり、蒸散しているので、この方法によってみずみずしい食感を保つことができます。

ブロッコリーは他の野菜を劣化させるエチレンガスを放出するので、冷蔵庫内の他の野菜を守るためにもブロッコリーは密閉して保存することが重要です。

茹でて(2〜3日)

茹でたブロッコリーを保存容器に入れて冷蔵保存する

塩茹でしたブロッコリーが余ってしまった場合は、保存容器で2〜3日、冷蔵保存することも可能です。ブロッコリーから水が出てベチャベチャとした食感になってしまうのを避けるため、保存容器に乾いたキッチンペーパーを敷き、ブロッコリーを立てて(房の部分を上にして)敷き詰めます。

生のまま冷蔵保存しているブロッコリーに比べて、茹でたブロッコリーの冷蔵保存は傷みが早いので、2〜3日を目安になるべく早く食べ切るようにしましょう。

冷凍保存

長期保存するならば冷凍保存がおすすめです。ブロッコリーの冷凍保存の期間の目安は約1ヶ月です。

ブロッコリーを冷凍保存するとき、茹でるか、生か、どっちがよいか迷う方が多いと思います。ブロッコリーの場合、どちらの方法でも保存可能ですが、生のまま保存するブロッコリーの方が歯ごたえが残りやすいです。

生のまま(1ヶ月)

ブロッコリーは生のまま小房に分けて冷凍用保存袋に入れて冷凍することも可能

ブロッコリーを生のままダイレクトフリージングする際は、まずブロッコリーをしっかり洗います。ブロッコリーは形状上、虫や汚れが付着しやすいので、塩や酢、野菜用洗浄パウダーなどを用いて洗うのが◎。

ブロッコリーの洗い方は下記の記事で詳しく解説しています。

洗ったブロッコリーを小房にカットし水けを拭き取ったら、冷凍用保存袋に入れ、空気をしっかり抜いて冷凍庫で保存します。

ちなみに、ブロッコリーの茎も食べることができますので、捨てずに房と一緒に冷凍しましょう。茎の外側は固いので切り落とし、薄く拍子切りにしたり輪切りにして保存しましょう。

茹でて冷凍(1ヶ月)

ブロッコリーを茹でて冷凍する

ブロッコリーを茹でてから冷凍する際も、ブロッコリーをしっかりと水洗いして汚れを取り除きます。

ブロッコリー一房に対して水2リットルを鍋に沸かし、湯が沸騰したら塩大さじ1を加えます。しっかり塩味つけるなら塩は大さじ1強がおすすめです。茎と小房を同時に入れ、約1〜2分間茹でます。自然に冷まし水けと粗熱が取れたら、冷凍用保存袋に入れ空気をしっかり抜き保存します。

冷凍ブロッコリーの解凍方法

冷凍したブロッコリーを解凍する方法は様々です。サラダに使うならば前日に冷蔵室に移動させ自然解凍させます。炒め物や煮込み料理など加熱する場合は冷凍した状態のまま使うことができます。また、冷凍したブロッコリーは電子レンジで解凍したり、蒸して解凍することもできます

冷蔵保存や冷凍保存の他にも、酢やオリーブオイルに漬けて保存する漬け保存や、天日干しやオーブンやレンジで水分を飛ばして保存する乾燥保存をすることもできます。ブロッコリーのその他の保存方法については下記の記事で詳しくご紹介しています。