トマトに緑色の部分があって食べられるのか心配になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではトマトに緑色の部分がある原因や食べられるのかどうかを解説します。
トマトに緑色の部分がある原因は下記の通りです。
表面は赤色なのにカットしたら中が緑色になっていることがあります。この場合は、トマトが未熟な状態で熟していないことが原因です。
一般的に食べられているトマトの色は赤色ですが、成熟する前のトマトは青色(緑)をしています。熟してからは鮮度が落ちて腐敗するのが早いため、トマトは完全に成熟する前に収穫されて販売されています。
基本的に内側から熟していくため表面が赤くなっていれば中も熟している状態ですが、生育中に受けたストレスが原因で正常に熟さず中だけ緑色になってしまったことが考えられます。
例えば、雨の日が多く水分量が多すぎてしまったことや、過度な暑さなどです。ストレスはトマトの成熟に大きく影響します。
表面に緑色の部分があるのは、確実に未熟な状態です。
上述したようにトマトは完全に熟す前に収穫されて店頭に並びます。完全に青い状態で並べられることはそうそうありませんが、冬などの気温が低い季節は成熟するのに時間がかかるため、一部青い部分があることがあります。
家庭菜園でトマトを育てている場合には、必ず見かける光景です。
青いトマトは食べてOK?毒性がある?おすすめレシピも紹介
一般的にスーパーなどで販売されているトマトは赤い色をしているのが一般的ですが、熟しても赤くならず緑色のトマトもあります。
緑色のトマトは一般的に「グリーントマト」と呼ばれ、赤いトマトに「桃太郎」など様々な品種があるのと同じように、グリーントマトにも様々な品種があります。
緑色の見た目から、固いのではないか・酸っぱいのではないかと思う方も多いと思いますが、一般的に食べられている赤いトマトよりも高い糖度の品種もあり、さわやかな後味が特徴です。
しっかりとした歯ごたえがあり、加熱調理にも向いていて幅広い料理に使うことができるので、見かけたらぜひ試してみてください。
トマトに緑色の部分がある原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、緑色の部分があるトマトは食べられるのか解説します。
カットしたときに中に緑の部分があるトマトは、食べても問題ありません。
ただし、完全に成熟している状態のトマトと比較すると固く、甘みも少ないです。そのため、あまり美味しくないと感じる方も多いでしょう。
しかし、カットしてみて中身が緑色だった場合は調理法を工夫すれば美味しく食べることができます。中身が緑色のトマトの美味しい食べ方は後述しますので、そちらを参考にしてください。
中身だけでなく皮も全体が緑色の場合は、そのままの状態では食べてはいけません。必ず追熟してから食べるようにしてください。
表面が緑色のトマトはトマチンと呼ばれる天然毒素が多く含まれています。トマチンは、じゃがいもに含まれている天然毒素ソラニンと似た構造をもつアルカロイド配糖体です。トマトの表皮や花や葉、茎などに含まれていて、雑菌や害虫から実を守るために生成されると言われています。
基本的にトマトの天然毒素の含有量は、未成熟の場合でも致死量には至らないと言われていますが、中毒症状が出ることもありますし、高齢者や小さなお子様など免疫力のない方は注意が必要です。
出典:日本植物生理学会
カットして中身が緑色のトマトは、上述したように固かったり甘みが少なくて食べにくいと感じる方が多いです。そこで、カットして中が緑色だったときのトマトにおすすめの食べ方を紹介します。
トマトをカットしたときに緑色に見える部分の多くは、トマトの周りにある「胎座」と呼ばれるゼリーのような部分です。
取り除けば良いのではと思う方も多いと思いますが、取り除かず丸ごと調理しましょう。トマトの種や周りの胎座には栄養素も含まれているため、取り除いてしまうと栄養が無駄になってしまいます。
例えばトマトの胎座に含まれているビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にする効果が期待できます。また、コラーゲンによってハリ・ツヤのある肌に導いたり、シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに効果が期待できます。その他、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用があると言われています。
また、酸味を感じさせるクエン酸も食べた物を体内でエネルギーに変えるときに必要な栄養素です。そのため疲労回復や筋肉痛の予防にも役立つと言われています。さらに代謝アップにもつながるので、ダイエット効果も期待できます。
塩漬けにすると未成熟で固いトマトも柔らかくなるので食べやすくなります。
塩漬けにする際は、トマトをスライスまたは切り分けます。次に、適量の塩をトマトにまぶし、しばらく放置しておきます。塩がトマトの水分を引き出し、柔らかくなるので、食感が改善されます。
さらに、塩漬けにすることでトマトの旨味も増すので味の悪さもカバーすることができます。
緑色の部分があるトマトはピクルスにして食べるのもおすすめです。
ピクルスは、酢や塩、砂糖などを使って作る漬け物の一種です。
ピクルス液は、トマトに含まれる水分を引き出すので、トマトのシャキシャキとした食感は程よい柔らかさに変化し、食べやすくなります。さらに、酢の酸味がトマトに加わることで、トマト本来の甘みを引き立て、爽やかでリフレッシュ感のある味わいが生まれます。
全体的に緑色の未成熟のトマトを収穫してしまったり、購入してしまった場合は追熟させることで食べれるようになります。未熟なトマトを追熟させる方法を紹介します。
青い未成熟のトマトを追熟させるには、日当たりの良い場所で常温保存するという方法があります。低温では熟しにくいため、冷蔵庫に入れて保管するのはやめましょう。
青いトマトを成熟させるときは、ヘタを下にしてザルなどに置いて常温で保存します。ヘタを下にする理由は、接地面から腐敗していくのを防ぐためです。これはバナナを吊るして保存したほうが傷みにくくなるのと同じ原理です。
ただし、気温の高い季節は常温に置いておくと腐敗しやすいので注意が必要です。室温の温度上限が30℃程です。夏場に追熟させる場合も高くても30℃程度ということを頭に入れておきましょう。
例えばアボガドが固いとき柔らかくする方法として、電気毛布で包むなど温めると早く追熟することができますが、上述したようにトマトの場合は温度が高いと傷んでしまうため極端に温めることは避けたほうが良いでしょう。
夏などの暑い季節以外はやはり常温に置いて追熟するのが良いです。
トマトをより早く追熟させたい場合は、エチレンガスを出す食品と一緒に保存しましょう。エチレンガスには野菜や果物の成熟を促進する作用があります。
エチレンガスを含む食品としては、りんごやバナナなどがあります。
ちなみにトマトのように熟していくタイプの野菜であればりんごやバナナなどと一緒に保存することで、熟成を早めて美味しく食べることができますが、きゅうりやにんじん、キャベツなど熟していくタイプではない食品に関しては単に早く痛めしまうため、別々で保存したほうが良いです。野菜や果物であれば必ずしもエチレンガスを出す食品と一緒に保存した方が良いというわけではないので注意しましょう。
黒い布や新聞をかぶせて追熟させる方法もあります。
上述したように基本的にトマトは日光に当てて追熟させることが多いですが、黒い布をかけて直射日光を遮断することで追熟するだけではなく甘味が増すと言われています。この方法に関しては科学的根拠は不明です。実際にやってみた方々の間でも賛否両論ありますが、実際にトマトを栽培している農家などでも実践されている方法ですので、試してみても良いでしょう。
梅雨など日光に当てるのが難しい季節や、自宅で日光が当たる場所が確保できないといった場合は、新聞紙に包んで追熟させるという方法がおすすめです。新聞紙を使って追熟する場合は、新聞紙に包んだままビニール袋などに入れて常温保存します。新聞紙に包むことで乾燥を防ぐこともできます。
未成熟の青いトマトは常温に置いて追熟した場合、半分以上青い場合は4日程、少し青みがかっている状態であれば、2日ほどで赤くなり完熟の状態になります。
完熟すると青い部分がなくなり赤くなります。また、ピンと張っていた皮が柔らかくなります。完熟した後も熟していき、次第に実が崩れてしまうほど柔らかくなってしまうので、完熟したら冷蔵保存をして早めに食べきるようにしましょう。そのままにしておくと腐敗してしまいます。
緑色の部分があるトマトは食べることができますが、下記の特徴があるトマトは腐敗しています。
腐敗が進むと、ヘタ周辺や実の表面にカビが生えます。白カビや黒カビが生えることが多いです。
ヘタの周りは細菌が多く発生するため、白カビはヘタの周辺に発生することが多いです。白カビが生えているトマトを食べる際は、ヘタを取りいつもより入念に水洗いをしてください。そしてサラダなどの生食ではなく加熱料理として使う方がベターです。また、心配な方や免疫力が低い子ども、高齢者の方は食べるのを控える方が良いでしょう。
黒カビは白カビよりも毒性が強いと言われています。そのため、黒カビが広範囲に生えてしまっている場合は食べずに処分するようにしましょう。
熟して食べ頃のトマトは赤みが強いですが、腐敗が進むと全体的に黒っぽく変色します。特に、ヘタ周辺や表面の傷周辺から腐敗が進みやすいです。
ただし、中には黒い品種も存在します。「インディゴ・ローズ」というトマトの品種は、皮(外側)が黒く、中身は赤紫色をしています。
トマトが黒く変色する原因や対処法については下記の記事で詳しく解説しています。
トマトの中が黒い!腐ってる?食べられる?原因と対処法を解説
トマトの皮がシワシワになっていることがあります。シワシワになっているからといって必ずしも腐っているというわけではありませんが、トマト内の水分がかなり蒸発してしまっています。
大玉トマトの場合、皮だけが乾燥していて中身はそのままであることが多いです。切って中身が問題なさそうであれば食べてもOKですが、あまりにも水分がなくなっている場合は栄養や味が劣りますので、食べずに処分する方がよいでしょう。
ちなみに、皮がシワシワになったトマトを80℃ほどのお湯に10秒浸けたり、水に30分ほど浸けることでハリのあるトマトに戻ります。
腐敗が進むとトマト全体が柔らかくなるだけでなく、トマトの一部に穴が開いて中身が溶け出してる状態になります。
表面の傷や割れ目から穴が開くことが多いです。
トマトが全体に柔らかくなっていて形が崩れているような場合は腐ってる可能性が大ですので、食べずに廃棄しましょう。食害にあったトマトも、他の菌が入り込む可能性が高いので食べない方が安全と言えます。
トマトが腐ると、トマトから異臭を放つ汁が出ます。この場合は、トマトが全体的に腐敗していることがほとんどなので廃棄処分しましょう。
新鮮なトマトでも、穴や傷、割れ目から汁が出ることもありますが、新鮮なトマトから出る汁は臭くありません。
汁が出ているからとすぐに捨てるのではなく、トマトの表皮の状態(ツヤ、ハリがあれば○)などを確認してから判断しましょう。
虫に食べられることがあります。その場合、トマトに穴が空いています。
トマトをよく食べる虫は、オオタバコガやタバコガ、ハスモンヨトウなどの幼虫です。丸く穴が空いている場合はオオタバコガ、クレーター状に跡がついている場合はハスモンヨトウによる食害です。
食害にあったトマトには糞や他の菌などが付着していることがほとんどなので、食べない方がベターです。
腐ったトマトは、見た目だけでなく臭いや味からも判断することができます。
トマトは元々酸味のある野菜です。ですがトマトが腐ると、普通のトマトでは感じないような酸っぱい臭いがします。腐敗具合によっては、生ゴミやカビのような悪臭がすることもあります。
見た目は問題なくても、明らかにいつもと違う臭いがする場合は腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄することをおすすめします。
臭いトマトは食べられる?腐ってる?臭くならない保存法は?
野菜といえば青臭さを感じるものが多いですが、トマトは特に青臭さを感じやすい野菜です。そのため、多少青臭くても腐敗しているというわけではありませんが、カビ臭い場合は注意が必要です。
カビが生えているようには見えなくても、カビの胞子が飛び散り繁殖し始めているとカビ特有の臭いを放つことがあります。
心配な方は食べずに処分するのが良いでしょう。
見た目や臭いで腐っていると判断できることがほとんどですが、腐っていることに気付かずに食べてしまうこともあると思います。
完熟したトマトはほどよい甘みと酸味があって美味しいですが、腐っているトマトは、強い酸味や時には苦味を感じることもあります。
トマトの味が変だなと思った時は、ただちに食事を中止しそれ以上食べないようにしましょう。
腐っているトマトは、トマト全体がブヨブヨとし、形が崩れてしまうほど柔らかくなります。トマトの腐敗が進んでいる証拠ですので、原型を留めないトマトを食べるのは避けましょう。
新鮮なトマトは、皮がピンとしていてハリがあります。そのため、多少の柔らかさはあっても、少し触った程度で型くずれすることはありません。
トマトを触るとトマトの表皮がヌルヌルとしていることがあります。きゅうりやトマトなどの水分が多い野菜は、腐り始めると表面にヌメリが出てくるのが特徴としてあります。
腐っている場合は、ぬるぬるするだけでなく変色していたり悪臭がすることが多いです。その場合は食べないようにしましょう。
稀に農薬などでぬめり感が出ていることがあるので、その場合は水洗いするとヌメリが取れます。
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