ブロッコリーの保存方法と保存期間を解説します。ブロッコリーはそのまま冷蔵庫に入れると1週間もせずに黄色く傷んでしまいます。しかし、ちょっとした工夫をすることで2週間弱長持ちさせることができます。もちろん冷凍保存をすれば1ヶ月以上保存することも可能です。ブロッコリーを賢く保存する方法を紹介していきます。
ブロッコリーは暑さに特に弱い野菜です。
ブロッコリーの花蕾(からい)は、約7万の花芽からなっており、収穫後も発達します。そのため温度が高いと開花し(黄色い花がさき)、老化が進み鮮度が落ちてしまいます。貯蔵温度ですが、0℃ならば21日以上緑色を保持しましたが、5℃では7日、10℃では3日、15℃では2日、20℃では1日にすぎなかったと報告されています。
ブロッコリーの旬は11〜3月と冬であることから、発育の段階から冷涼な気候を好むことがわかります。夏に市場に出回っているブロッコリーは北海道や長野産のものが多いです。
また、ブロッコリーは乾燥にも弱いのが特徴です。貯蔵最適湿度が95〜100%と、最も高い部類に入ります。これから紹介するようにブロッコリーは乾燥対策もとても重要です。
したがって、ブロッコリーは暑さと湿気に直接さらされる常温保存に向きません。
当たり前ですが、購入の際に新鮮なブロッコリーを選んだ方が、保存の日持ちがよくなります。下記が新鮮なブロッコリーの特徴です。
花蕾の中央部が盛り上がっている
花蕾の色が濃い緑色で、花芽が硬くつまっている
株の切り口がみずみずしい
茎に空洞がない
茎の空洞はブロッコリーが急激に生長し茎の生長が追いつかないときにできるものです。ブロッコリーは生長しすぎているものは水っぽく、鮮度の落ちが早いので注意です。あまりに大きな空洞があるものは傷みがかなり進んでいるので食べないようにしましょう。
野菜や果物はエチレンガスという植物ホルモンによって生長し熟します。収穫後も、エチレンガスを放出しながら呼吸しています。りんごはエチレンガスの放出量が多いことで有名ですが、野菜の中ではブロッコリーがトップです。ブロッコリーを冷蔵庫にそのまま置いておくと、他の野菜や果物がブロッコリーのエチレンガスを吸って傷みが早くなってしまいます。そのため、ポリ袋や容器で密閉することが大変重要です。
正しく保存してもブロッコリーは傷んでしまうことがあります。下記の特徴があるブロッコリーは腐っている可能性が大なので、食べずに捨てるようにしましょう。
白カビが生えている
全体的にすごく柔らかくぬめりがある
酸っぱい臭いがする
ブロッコリーは基本的に常温保存はおすすめしませんが、冬ならば冷暗所で1日程度保存可能です。その場合は新聞紙などで包むようにするとよいでしょう。常温保存はすぐに黄色くなってしまうこともあるので注意しましょう。
すぐに使うなら、冷蔵保存がベストです。ブロッコリーは正しく保存すれば、10〜12日程度冷蔵保存が可能です!
ブロッコリーをみずみずしく鮮度を保って冷蔵保存するには、茎の根元を切りグラスなどに挿し、茎の根元が数cm浸かる程度の水を入れ、ポリ袋をかぶせて輪ゴムで留めるのがベスト。冷蔵室でも構いませんが、野菜室の方が湿度が高くベターです。
水に浸けるというひと手間を加えることで、本当にみずみずしく長持ちさせることができます!湿らせたキッチンペーパーでブロッコリーを包みジッパー付きポリ袋に入れて保存する方法もありますが、水につける方が鮮度が保たれます。ブロッコリーの花蕾は90%が水分で、収穫後は土からの水分の吸収は止まり、蒸散しているので、この方法によってみずみずしい食感を保つことができます。
ブロッコリーは他の野菜を劣化させるエチレンガスを放出するので、冷蔵庫内の他の野菜を守るためにもブロッコリーは密閉して保存することが重要です。
塩茹でしたブロッコリーが余ってしまった場合は、保存容器で2〜3日、冷蔵保存することも可能です。ブロッコリーから水が出てベチャベチャとした食感になってしまうのを避けるため、保存容器に乾いたキッチンペーパーを敷き、ブロッコリーを立てて(房の部分を上にして)敷き詰めます。
生のまま冷蔵保存しているブロッコリーに比べて、茹でたブロッコリーの冷蔵保存は傷みが早いので、2〜3日を目安になるべく早く食べ切るようにしましょう。
長期保存するならば冷凍保存がおすすめです。ブロッコリーの冷凍保存の期間の目安は約1ヶ月です。
ブロッコリーを冷凍保存するとき、茹でるか、生か、どっちがよいか迷う方が多いと思います。どちらにもメリット・デメリットがあります。
直接冷凍する方法を「ダイレクトフリージング」、冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。
小房に分けたブロッコリーを硬めに塩茹でし、自然に冷まし水けをしっかり切ったら、ジッパー付きポリ袋に入れ空気をしっかり抜き保存。茎も小さめに切っていれましょう。
家庭用冷凍庫では基本的にブランチングするのがおすすめです。家庭用の冷凍庫では、野菜を急激に冷やすことができないのでダイレクトフリージングに向きません。ブランチングしないと、変色し、風味が落ち、食感が損なわれてしまいます。
生の場合も小房に分けたブロッコリーをジッパー付きポリ袋に入れ、空気をしっかり抜いて保存します。
ダイレクトフリージングでは栄養素が逃げずらい(特に水溶性のビタミンC)、茹でる面倒が省ける、解凍したときに柔らかい食感にならない(サラダなどに向く)というメリットがあります。
冷凍したブロッコリーを解凍する方法は様々です。サラダに使うならば前日に冷蔵室に移動させ自然解凍させます。炒め物や煮込み料理など加熱する場合は冷凍した状態のまま使うことができます。また、冷凍したブロッコリーは電子レンジで解凍したり、蒸して解凍することもできます。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することもできます。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。ブロッコリーの漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。調味料が野菜に染み込み美味しくなり、ちょっとした副菜として、またサラダに添えたりして楽しめます。ブロッコリーを漬けるのにおすすめなのが酢とオリーブオイルです。
米酢:塩:てんさい糖=10:1:3の割合(150mlの酢に対して、塩小さじ1、てんさい糖大さじ1)で漬け汁を作り、ブロッコリーがひたひたになるようにします。
酢のクエン酸がプラスされ、ミネラルの吸収率アップや疲労回復の効果が期待できます。
サラダや和え物にして使えます。そのままちょっとした副菜として食べても美味しいです。
オリーブオイル:塩=24:1の割合(オリーブオイル100mlに対して塩小さじ1弱)でブロッコリーがひたひたに浸かる程度の量を作ります。プラスαで、ニンニクやハーブ、スパイス、唐辛子などを入れると風味がワンランクアップします。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸で腸内環境の改善が期待できます。また、β-カロテン(ビタミンA)など脂溶性の栄養素の吸収率が上がります。
炒め物やパスタに使ったり、そのままサラダに乗せても美味しいです。パンに乗せたり、ピザのトッピングにもおすすめです。
オリーブオイル漬けにして余ったオイルは他の調理に使うことも可能です。ブロッコリーから滲み出た栄養素を無駄なく使えます。
ブロッコリーは干して保存する方法もあります。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥させたブロッコリーは密閉容器に入れて常温または冷蔵で1ヶ月保存することができます。
小房に分けてよく洗い、水けを拭き、ザルに並べて2〜3日天日干しにします。黄色っぽくなってきたら取り込みます。天日干しすることでビタミンDが増加します。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
30分ほど水に浸して水けをよく絞って、煮物や炒め物に利用できます。そのままスープやシチューの具として使ったり、素揚げするのも◎。
天日干しができない方はオーブンで「干す」方法もあります。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にブロッコリーを並べ、100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで「干す」方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にブロッコリーを並べ600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
最後にブロッコリーの作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
削り節で風味豊かに。レンジだけで簡単に作れるレシピです。
ブロッコリーの煮びたしのレシピはこちら
茹でて和えるだけの簡単レシピです。すりごまがブロッコリーによくからみ美味。
ブロッコリーのごま和えのレシピはこちら
ごま油とにんにく、しょうゆの風味が食欲をそそる一品です。副菜としてぜひお試しください。
ブロッコリーのナムルのレシピはこちら
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