ブロッコリーは見た目はきれいな野菜ですが、形状の性質上、ゴミや虫などが付着しやすいです。そのため料理前にしっかりと洗う必要がありますが、上から流水をかけるだけでは不十分です。この記事では、ブロッコリーの正しい洗い方を詳しくご紹介します。
特にブロッコリーの蕾には虫やゴミなどが付着しやすく、さっと洗い流すだけだと取れないこともあります。茎や葉の部分にも虫が付くことがあるので、口に入れないためにもしっかりと洗うことが大切です。
ブロッコリーの表面には油脂状の成分があるため、水を弾きやすいです。また、蕾が密集しているため、流水洗いだけでは水が奥まで入りきることができません。
農薬や汚れ、虫をしっかり落とすためには、流水洗いだけでは不十分です。しっかりと水にさらすのがポイントとなります。ブロッコリーの洗い方はこの後詳しく解説しています。
ブロッコリーの表面には白い油や粉のようなものが付着していることがあります。これは「ブルーム」と呼ばれる天然分泌物で、雨や露を弾いて病原菌の侵入を防止し身を守るために分泌されているといわれています。
ブルームは天然毒素ではないので食べても人体に害はありませんが、気になる場合は洗い流して食べると良いでしょう。ブルームは水洗いすれば簡単に落とすことができます。
ブロッコリーにはビタミンCやミネラルが豊富に含まれています。これらの栄養素は水溶性なので、水に長時間つけてしまうと流出してしまいます。
ブロッコリーを切ってから洗ってしまうと、切り口から最大4割もの水溶性成分が流れ出てしまいます。そのためブロッコリーを洗う際は、丸ごとそのまま洗うのがおすすめです。切ったブロッコリーを洗う場合は短時間でさっと洗い上げることがポイントです。
蕾の部分は大変デリケートなので、ごしごしと強く洗ってしまうと蕾が潰れたり抜けてしまいます。農薬や虫を落としたいからと強い力で洗うのはNGです。力を加えなくても汚れや虫がしっかりと落ちる方法を下記で詳しく解説します。
ブロッコリーを茹でることでも虫や汚れが落ちるのでは?と思う方は多いと思いますが、茹でるだけでは不十分であり、洗うことが必要になります。
確かに茹でることでも農薬や虫をある程度落とすことは可能です。しかし農薬がお湯に溶け出し、農薬が含まれたお湯で茹でることになります。また、ブロッコリーを洗わないで茹でると、虫や汚れがお湯の循環によって再度花蕾に付着する可能性もあります。安全性を保つためにも、茹でる前に洗うのがおすすめです。
ブロッコリーの洗い方は3通りもあります。それぞれメリット・デメリットがあるので、ケースバイケースで使い分けるようにしてみてください。
ブロッコリーは流水で洗うのではなく、逆さにして水を張ったボウルで洗うのが◎。水が茎や蕾の間に入りやすくなるので、しっかりと農薬や汚れ、虫などを落とすことができます。
洗い方はとても簡単。水を張ったボウルに、ブロッコリーを逆さまにして10〜20分ほど入れるだけです。ボウルの中でぐるぐると回転させると、遠心力の力で汚れや虫が取れやすくなります。
ブロッコリーは水に浮きやすいので、浮いてくる場合はまな板などを重しに使用して、ブロッコリーが浮かないように固定してください。お酢洗いする場合は、大さじ1程度を入れます。水を2〜3回ほど入れ替えても◎(ただし必須ではありません)。取り出す前に手で茎の部分を持って、回転させるようにしてボウルの中で揺すって汚れなどを落としましょう。
ブロッコリーをさらにしっかり洗いたい場合は、切ってから洗うとよいでしょう。丸ごとそのまま洗う時よりも、細かい部分までしっかりと洗うことができます。カットしたブロッコリーは浮きやすいので、手で水の中に浸けるように揉みながら洗います。この時、力を入れてしまうと蕾が潰れてしまいますので、やさしく扱ってください。
上述したように、切り口からビタミンCやミネラルなどの水溶性成分が流れ出やすくなっているので、洗い時間を5分以内にしましょう。
丸ごとよりしっかり洗えるメリットがある一方で、やや手間がかかるのと栄養が消失しやすいというデメリットがあります。
ブロッコリーの切り方はこの記事の最後に詳しく解説します。
切ったブロッコリーはまとまらず洗いづらいと感じる人も多いかもしれません。そんな方には、袋に入れて洗うという方法もあります。大きめの袋に水とブロッコリーを入れ、口をしっかりと閉じ、袋の中の空気を抜いて20分ほど置きます。20分経ったら、袋をシャカシャカとしっかり振って汚れを落としていきます。この時も過度に力は入れず、やさしく行ってください。
ボウルで洗う時と同様、栄養成分が流れやすい状態になっているため、短時間で洗い上げるように心がけましょう。
ブロッコリーを水のみで洗うよりも、汚れが落ちやすい方法をご紹介します。
ブロッコリーを洗う際に、塩を加えて洗うことで農薬が落ちやすくなります。塩を加えることで化学肥料や農薬が中和されます。塩水で洗浄すると、残留農薬が約8割ほど落ちるといわれています。
ブロッコリーを洗う際に、水に対して2%の塩を加えて塩水を作り、上記でご紹介した洗い方でしっかりと汚れを落とします。塩水で洗った後は、塩味を落とすために2〜3回ほど水を変えて振り洗いしましょう。
ブロッコリーを洗う際、重曹を溶かした水で洗うのもおすすめです。この方法は、アメリカの家庭で残留農薬を落とす方法として使われていたもので、科学的根拠はありませんが近年注目を集めています。
農薬の多くが酸性であり、重曹を溶かすことでアルカリ性になった水で洗うことにより酸性の農薬が中和されて落ちやすくなるのではないかと考えられています。
重曹は膨らむ性質があるため、パンを焼くときなどにも使われます。また高い洗浄力があることから、掃除に用いられることも多いです。食品用と掃除用の重曹があるため、残留農薬を落とす目的で使う場合は食品用の重曹を購入しましょう。
食酢の主成分は酢酸で、酢酸には強力な殺菌作用があるといわれています。野菜を酢水で洗うと、細菌を98%除去できたという研究結果があるほど、高い殺菌力を発揮します。
ブロッコリーを洗う際に、酢:水=1:2の割合で混ぜ酢水を作り上記でご紹介した洗い方に従ってブロッコリーの汚れや農薬を落としましょう。
また酢には殺菌作用だけでなくアク抜きや変色防止の作用も期待できます。
出典:合わせ酢の殺菌効果(広島県)
50度洗いとは、50度前後のぬるま湯で野菜を洗う方法です。水で洗うよりも汚れや虫などが落ちやすいといわれています。また50度洗いの効果はそれだけでなく、
保存性が高まる
アクや臭みが消えて旨味が増す
甘みが増す
などの効果も期待できます。
50度のぬるま湯は、熱湯と水を同量混ぜ合わせると簡単に作れます。ぬるま湯の中で、上記でご紹介した方法でブロッコリーを洗いましょう。
出典:50℃洗いのミラクル(スチーミング調理技術研究会)
汚れや農薬をしっかりと落としたい場合は、野菜専用の洗剤を使う方法もあります。スプレータイプやパウダータイプなど様々な種類があります。
残留農薬やワックスを落とすのに特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬は酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にブロッコリーを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり薬品が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
最後に、ブロッコリーを洗う際のブロッコリーの切り方を詳しく解説します。
茎の最下部を切り落とします。この部分は固く、食べることができないため捨てましょう。
房の付け根部分から茎を切り離します。この時、包丁を入れる位置が上すぎると房がバラバラになってしまうので、上の画像のように房が繋がっているギリギリのあたりで切るようにしましょう。
小房に分けるため、包丁を入れていきます。外側の小房から切り離していきます。ブロッコリーを回しながら切るといいでしょう。
外側の小房をすべて切り離し、中央部分の房が残ったら、もう一度茎を切り落とします。この時も房がバラバラにならない位置に包丁を入れましょう。
ブロッコリーの中心部分を小房に分けていきます。このとき、包丁は茎の部分に軽く切れ目を入れるだけにしましょう。
切れ目を入れた部分から指で割いていきます。こうすることで先のつぼみの部分がバラバラにならずに分けることができます。すべての小房がだいたい均一になるように分けましょう。
切り落とした茎の部分も加熱しやすい大きさに切っていきます。まずは茎の表面の部分を切り落としましょう。この部分は硬く食べられません。芯の白い部分を残します。
外側を切り落としたら、拍子切りや輪切りにします。これで、ブロッコリーがすべて切れました。
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