トマトなど野菜には賞味期限の記載がないので、どれぐらい日持ちをするのか判断が難しいですよね。本記事ではトマトの賞味期限について保存法別に詳しく解説します。
トマトを含む野菜や果物などの生鮮食品には、賞味期限や消費期限の表示の義務はありません(一部例外あり)。
そのため、トマトはいつまで食べられるのか迷うことがあります。トマトは玉ねぎなどの根菜と比較するとそこまで長持ちする野菜ではありませんが、正しく保存すれば最大で1ヶ月日持ちします。
今回は、トマトがどのくらい日持ちするかを、様々な保存方法別にご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
<消費期限と賞味期限の違い>
消費期限・・・定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもの。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではない。急速に品質が劣化しやすい食品に表示される。
賞味期限・・・定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることもある。そのため、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要がある。比較的品質が劣化しにくい食品に表示される。
トマトの冷蔵の保存期間の目安は2週間です。
熟したトマトは通年冷蔵保存します。熟したトマトは、トマト同士がくっつくとその部分から傷みやすくなります。さらに、トマトに含まれるビタミンCが15%も失われてしまうことも!(常温で1週間保存した場合)
しかし、保存最適温度(8〜10℃)以下の冷蔵庫で保存すると低温障害を起こしてしまうので、冷蔵保存する場合は低温になりすぎない野菜室で保存するのがポイントです。
1つずつ丸ごとペーパーで包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れて軽く口を閉じて野菜室へ入れます。
トマトの冷凍の保存期間は1ヶ月が目安です。
トマトは丸ごと冷凍することもできますし、カットしてから冷凍することもできます。どちらの場合も賞味期限は1ヵ月と変わりはありません。
トマトの皮剥きが必要なレシピに使う時や、カットする時間がない時、用途が決まっていない時などはトマトを丸ごと冷凍するとよいです。
丸ごと保存するときは、ヘタを取って丸ごと冷凍用のチャック付きビニール袋に入れます。冷蔵庫の急速冷凍機能を使うことで瞬時に凍らせることができます。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍しましょう。
ざく切りにして冷凍すると、料理をする時にすぐに使えて便利です。
トマトを水洗いし水けをしっかり取ります。好みの大きさにカットし、冷凍用のチャック付きビニール袋に入れて保存します。
トマトがなるべく重ならないように入れると、使いたい分だけ手で折れるので取り出しやすくなります。
トマトの乾燥保存期間の目安は、常温または冷蔵保存で1ヶ月です。
野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
トマトを乾燥させる方法には天日干し、オーブン、レンジがあります。
一番よい乾燥方法は天日干しです。天日干しすることで、トマトに含まれるリコピンの量が4倍になると言われています。リコピンは抗酸化作用のある栄養素です。リコピンの抗酸化作用は同じ抗酸化作用を持つベータカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上と言われています。肌や血管の老化を防いだりガンや動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。
水洗いし水けをしっかり取ったトマトを輪切りにします。輪切りにしたトマトをザルに並べ、2日ほど天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。太陽が沈んだら必ず部屋に移動させましょう。干す前に塩を一振りしても◎。
天日干しができない方はオーブンでトマトの水分を抜くこともできます。鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にトマトを並べます。100〜110℃で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に輪切りにしたトマトを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
トマトを電子レンジで加熱する際の注意点等に関しては、下記の記事で詳しくご紹介しています。
熟していない青いトマトであれば、常温で夏は2〜3日、冬は1週間ほど保存することができます。
追熟の最適温度は15〜25℃と言われているため、常温で保存することで成熟が進み、美味しいトマトになります。
トマトを追熟させる場合は、1つずつ新聞紙にくるみ、ヘタの部分を下にしてカゴに入れ、冷暗所に置いておきます。ヘタの部分を下にすることで、トマトが乾燥するのを防げます。
カットしたトマトを冷蔵する場合の保存期間の目安は2〜3日です。
切ったトマトはラップをして、そのままチャック付きビニール袋に入れて、野菜室で保管します。トマトに限らずカットした野菜は傷みが早いので数日以内に使い切ることが大切です。
長期保存するならば冷凍保存しましょう。
トマトは収穫後も熟していくため、長く保存しているとぶよぶよになってくることがあります。これは食べ頃を過ぎた過熟の状態です。
全体にぶよぶよになっていて潰れているなど、腐敗のサインが見られなければ食べることはできますが、過熟の状態になったトマトは冷蔵で1日〜2日しか日持ちしません。
腐敗する一歩前の状態なので、柔らかくなってしまっているなと思ったらできるだけ早めに食べましょう。
調理をした後のトマトの保存期間の目安は2日〜3日です。例えばサラダにした場合は冷蔵で2日ほど、炒めものにした場合などは冷蔵で3日を目安に食べきるようにしましょう。
トマトソースにした場合も冷蔵で2日〜3日ほどですが、トマトソースの場合は冷凍すれば1ヵ月ほど保存可能です。まとめ買いした場合などはトマトソースにして冷凍しておくのもおすすめです。
トマト缶や紙パックのトマトの賞味期限は製造メーカーによっても異なりますが、未開封の場合は1年〜2年です。缶詰や紙パックの場合は、しっかりと殺菌された状態で完全に密封されているため鮮度が落ちてしまったり、腐敗することなく保存できるためです。
未開封の状態であれば、直射日光の当たらない冷暗所で常温保存可能です。
ただし、開封後の賞味期限はだいたい冷蔵で2日〜3日ほどです。開封後は常温保存は不可です。開封したら早めに使い切る必要があります。
すぐに使い切れない場合は保存袋に入れ替えて冷凍保存しましょう。冷凍保存すれば1ヶ月ほど保存可能です。
トマトの追熟最適温度は15〜25℃です。熟したトマトを常温保存するとさらに熟して傷んでしまうため、熟したトマトは通年常温以外の保存をおすすめします。
ただし、冬場なら常温保存も可。その場合は8〜10℃以下になる場所で保存しましょう。暖房器具を使っている部屋などで10℃を超える場合は、冬場でも冷蔵庫で保存しましょう。
トマトの低温貯蔵の最適温度は8〜10℃、湿度は90〜95%といわれています。そのため、温度が低すぎるチルド室(設定温度約0〜3℃)や冷蔵室(設定温度約0〜7℃)での保存は避け、低温になりすぎない野菜室(設定温度約3〜9℃)で保存するようにしましょう。
保存最適温度よりも低い温度で保存すると、味や食感が劣る低温障害を起こす可能性があります。また、最適温度でも冷蔵庫の冷気が直接トマトに当たることで傷んだり味が落ちることがあります。
そのため、正しく保存することが重要です。
出典:野菜の最適貯蔵条件(農研機構)
トマトを保存する際に悩むのがヘタを取るかどうかということ。ヘタ付きのままの方が乾燥を防げるというメリットもありますが、衛生面からヘタを取ってから保存することを推奨します。
トマトのヘタ周辺には細菌が多く生息するといわれています。さらに、トマトを水洗いする際にヘタのくぼみの部分に水が溜まりやすく、細菌が増加する傾向にあります。
そのため、トマトを保存する際はヘタを取り水洗いをし、しっかりと水分を取ってから保存しましょう。ただし、ヘタを取るとトマトが呼吸しやすくなる=乾燥が進みやすくなるため、正しい保存方法で乾燥を防ぐことが重要です。
当たり前ですが、新鮮なトマトを選び購入した方が、保存したときも日持ちします。トマトを選ぶ際の注目すべきポイントは下記の通りです。
ずっしりと重みがある
丸みを帯びている
赤みが濃い
ハリやツヤがある
ヘタが緑色でピンとしている
トマトのお尻の部分(ヘタの反対側)から八方に白いスジが見える
腐敗したトマトには下記のような特徴があります。腐敗してしまったトマトは食べることができないので、残念ですが破棄しましょう。
トマト全体がブヨブヨ柔らかく崩れやすい
トマトの皮がシワシワにしおれている
黒や白いカビが生えている
黒く変色している
トマトから水分が出る
異臭がする
苦かったり酸っぱい味がする
賞味期限が切れたトマトは食べられるのか解説します。
上記で紹介した賞味期限はあくまでも目安です。正しく保存できていれば、紹介した日数よりも日持ちすることももちろんあります。
しかし、少しでも腐敗しているトマトは例え加熱処理したとしても安全に食べられる保証はありません。
腐敗してしまった食材には細菌が増殖している状態です。すべての細菌が食中毒を起こす原因になるとは限りませんし、加熱すれば死滅する細菌の場合もあります。しかし、加熱しても死滅しない細菌の場合もありますし、小さなお子様や高齢者の方など免疫力が十分にない方や腸内環境が整っていない方など、体質的に食中毒になりやすい方もいます。
多少でも腐っている場合は破棄するのが無難です。
腐敗まではいかず、鮮度が落ちて傷み始めている程度であれば食べることができます。
しかし、傷み始めている場合は生食は避けたほうが良いでしょう。殺菌の意味でもしっかりと加熱してから食べることをおすすめします。
傷みはじめていてもギリギリ食べられるトマトの特徴は下記の通りです。
ヘタのみに白カビが生えている
一部がぶよぶよ(過熟)
皮がシワシワ(水分が抜けている)
白カビが全体に生えている場合は破棄したほうが良いですが、ヘタのみで実には生えていない場合はヘタをとりよく洗って加熱すれば食べることができます。
過熟が原因でぶよぶよになっている場合や水分が抜けてしまってシワシワになっている場合も傷み始めてはいるものの腐敗のサインがなければ食べることができます。
ただし、上述したように加熱しても死滅しない細菌の場合もあるので、心配な方や小さなお子様、高齢者の方が食べる場合はやはり破棄が無難です。
腐ったトマトを誤って食べてしまった場合、特に何も症状がでなければ問題ありません。しかし、食べてから数時間たってから腹痛や胃痛、下痢などの症状があらわれることがあります。
腐ったトマトを食べた後に上記のような症状が出た場合は、専門医に診てもらうようにしましょう。症状が出た場合は、自己判断で市販の下痢止めなどの薬を飲むのはやめたほうが良いとされます。自己判断で市販の薬を使うと、症状の原因である細菌やウイルスの排出を邪魔してしまい病状が悪化してしまうことがあります。
出典:食中毒かな?と思ったら(農林水産省)
最後にトマトの大量消費レシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
フレッシュなトマトを使ったナムルです。甘いトマトとごま油の相性が抜群です。とても簡単に作れます。
こちらのレシピでは生姜を使っています。生姜の辛み成分であるジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンには、新陳代謝を上げる作用が期待できます。
そのまま食べてもよいですが、冷やすとさらに美味しくいただけます。
トマトのナムルのレシピはこちら
タバスコがきいたトマトサルサです。タコスやチップスとはもちろん、お肉やお魚料理との相性も◎。材料を切って和えるだけの簡単レシピです。
このレシピでは紫玉ねぎを使っています。紫玉ねぎの色素成分であるアントシアニンはポリフェノールの一種で、動脈硬化や老化予防、生活習慣病の予防が期待できます。
トマトサルサのレシピはこちら
暑い夏に嬉しい冷製レシピです。トマトの中までだし汁が染み込んでいます。そのまま食べても、トマトを潰してそうめんのつゆとして食べても美味しくいただけます。見た目もかわいいのでおもてなし料理としても◎。
トマトの皮を剥くことで、中まで味が染み込みやすくなります。やけどに注意し、熱湯から冷水にとったらすぐに皮を剥きましょう。
トマトの出汁びたしのレシピはこちら
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
舞茸の茹で時間は何分?正しい茹で方&下処理を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典