保存していたなすがぶよぶよになってしまった経験はありませんか?食べられるのか不安になりますよね。本記事ではなすがぶよぶよになる原因や食べられるのかどうかを詳しく解説します。
なすがぶよぶよになってしまう原因は下記の通りです。
新鮮ななすには張りがあり固い状態ですが、冷蔵庫に入れて保存しているとぶよぶよになってしまうことがあります。これは、低温障害が原因であると考えられます。
低温障害は冷蔵保存に適さない野菜や果物を冷蔵保存した時に出る障害のことをいいます。
なすは水分が多く、寒さに弱いのが特徴の野菜です。冷蔵保存できないわけではありませんが、冷蔵庫で長期間保存していると低温障害が起こり、水分が抜けて実がしぼんでぶよぶよになってしまいます。
また、低温障害が起こることによって種が変色してカットしたときに黒や茶色のつぶつぶになって見えます。
なすは腐敗が原因でぶよぶよになることもあります。これはなすに限らずどんな野菜にも起こる現象です。
なすに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵します。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。
指で押しただけで簡単に潰れてしまうほとぶよぶよに柔らかくなってしまっている場合は腐敗と考えて良いでしょう。
冷凍保存していたなすは、ぶよぶよになってしまうことが多いです。冷凍なすを美味しくないと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
冷凍することでぶよぶよの食感になるのは、なすに含まれる水分が凍り、解凍することで繊維が一緒に壊れてしまうためであると考えられます。
冷凍することによってぶよぶよになってしまうのは、正しく冷凍保存したり解凍方法を工夫することで防ぐことができます。なすを美味しく冷凍する方法はこちらで紹介していますので参考にしてください。
なすがぶよぶよになってしまう原因はおわかりいただけたかと思います。続いてぶよぶよになったなすは食べられるのか解説します。
低温障害によってぶよぶよになってしまったなすは、腐敗しているわけではないので食べることができます。ただし、鮮度は落ちている状態です。異臭がしたり溶け出している箇所があるなど腐敗のサインが見られないかチェックしてから判断しましょう。
腐敗のサインが見られなければ食べることはできますが、やはり食感が悪いですし味や風味も落ちてしまいます。また、そのままにしておくとすぐに腐敗してしまいますのですぐに使い切るようにしましょう。
腐敗してぶよぶよになっているなすは、当たり前ですが食べることはできません。
腐敗している食材には細菌が繁殖している可能性が高いです。すべての細菌が食中毒を起こす原因になるわけではありませんが、腹痛や嘔吐などの症状が出てしまう可能性があります。細菌の種類によっては加熱をしても死滅しないこともあるので、食べるのはやめましょう。
腐敗しているなすの特徴は下記で詳しく紹介しますので、判断の目安にしてください。
腐敗したなすの特徴は下記の通りです。
腐ったなすの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
溶け出している
全体的に変色している
表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。ヘタの部分はとくにカビが生えやすく、ヘタのみであれば切り落せば食べられることもありますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は破棄しましょう。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。
新鮮ななすの表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは水分が抜けて乾燥してしまっている状態です。少し水分が抜けてしまった程度であれば問題ありませんが、完全に抜けてシワシワになっていたり、溶け出している場合は腐敗しています。
また、変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色っぽくなっていたり黒っぽく変色している場合も破棄してください。
腐ったなすの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
なすは青臭さがある野菜ですが、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったなすの触感の特徴は下記の通りです。
ぶにょぶにょに柔らかくなっている
全体的にぬめりがある
糸をひいている
新鮮ななすには張りがあり、ある程度硬さがありますが、腐敗が進んでいるとぶにょぶにょとした柔らかい触感になります。また、全体的にぬめりが出ていたり糸をひく場合も腐敗が進んでしまっている状態なので、残念ですが破棄しましょう。
当たり前ですが、新鮮ななすの方が、保存期間が長くなります。新鮮ななすは下記の特徴があります。
ガクの紫色が濃く、トゲが鋭く尖っている
ヘタの切り口が白い
ガクと実の間が白〜薄紫〜紫に変化している
実の紫色が濃く、ハリ・ツヤがある
手にしたときに軽いものは中身がスカスカになっている可能性が高いので注意しましょう。また、ヘタの大きさに対して実が小さいものは未熟です。傷やシワがあるものも避けましょう。
低温障害が原因でぶよぶよになってしまったなすは、食べることができます。しかし、食感が悪くなっていますし、新鮮な状態のなすと比較すると風味も味も悪くなっています。そこで、低温障害によってぶよぶよになってしまったなすのおすすめの食べ方を紹介します。
低温障害でぶよぶよになってしまったなすは、炒めものにするのも良いでしょう。炒めものにすれば食感の悪さが気になりません。種が黒く変色してしまっていても、見た目の悪さをカバーすることができます。
味や風味が悪くなっているので、麻婆茄子などのしっかりとした味付けの炒めものにするのがおすすめです。なすは油との相性が良いので、美味しく食べることができますよ。
ぶよぶよになってしまったなすは、カレーやシチューなどの煮込み料理にしても美味しく食べることができます。カレーやシチューにすれば見た目や食感が気にならないのはもちろんのこと、しっかりとした濃いめの味付けなので味や風味の悪さもしっかりカバーできます。
カレーになすは夏野菜カレーなどでも良くありますが、シチューになすを入れたことがある方はなかなか少ないのではないでしょう。ぜひ試してみてください。
ぶよぶよになってしまったなすは味噌汁にしても◎。味噌汁にすれば柔らかくなってしまった食感が気になりにくいです。また、味噌汁は流出してしまう水溶性のビタミンCやカリウムも汁ごといただけるので栄養も無駄になりません。
低温障害でぶよぶよになってしまっても腐敗していなければ食べることができますが、味や食感、風味は悪くなってしまうので、やはり美味しく食べるには正しく保存し鮮度を保ち早めに食べきることが大切です。
なすの正しい保存方法と保存期間の目安は下記の通りです。
気温が10℃前後で直射日光が避けられ風通しのよい部屋(冷暗所)ならば、常温でも1週間ほど保存することができます。夏場や冬場の暖房を使用している環境なら1〜2日です。
新聞紙に包むことで皮が乾燥するのを防ぎます。新聞紙がない場合はキッチンペーパーでもOKです。また、立てて保存するのもポイントです。野菜は育ったときと同じ状態で保存することでストレスがかからず、栄養を損なわずに済みます。
表面に水けがついている場合はしっかり拭き取り、1個ずつラップで包んでから冷蔵用保存袋にいれて野菜室へ。数日で種は黒くなってしまいますが、味に変化はありません。1週間ほど経っても、皮にはしわがよらず、つややかです。ラップで包むひと手間で鮮度が全くちがいます!
なすを保存するときはへたを切り落とさないようにしましょう。へたを切ってしまうと水分を失いやすくなります。
ラップで包む余裕がないときは、厚手の冷蔵用保存袋に入れて保存するだけでも、買ってきた袋でそのまま冷蔵するのとは鮮度に大きな違いが生まれます。2〜3日で食べきるならば、ラップなしでもOKです。
冷凍保存する場合は、乱切りや厚めの輪切りなど調理しやすいサイズにカットしましょう。丸ごと冷凍することも可能です。
なすはポリフェノールによる褐変が起こりやすいので、気になる方は水に10分ほどさらすか、塩をかけて10分ほど置くことで防ぐことができます。体に悪いわけではないので、そこまで気にしすぎる必要はありません。
乱切りや厚めの輪切りなど食べやすいサイズに切って、オリーブオイルで炒めて粗熱を取ります。その後に冷凍用保存袋に入れて空気を抜き、密閉して冷凍庫へ。
野菜は加熱することで水分が抜けるので、風味や食感が悪くなる原因である氷の結晶が冷凍の過程で発生しにくくなるためです。油で加熱調理をすれば変色の心配もいりません。
そのまま加熱調理に使うことができます。使い方は生のなすと基本的に同じです。煮浸しや揚げ浸しなど味を染み込ませる料理が特におすすめです。麻婆なすやカレーの具にしても◎。
おひたしにしたい場合は、前日に冷蔵庫に移して常温解凍か、流水解凍を。
なすは常温・冷蔵・冷凍保存の他にも、天日干しなどで水分を飛ばしてから乾燥保存したり、塩漬けやからし漬けにする漬け保存が可能です。なすの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典
舞茸の茹で時間は何分?正しい茹で方&下処理を解説
食品事典