保存していたなすがしわしわになってしまった経験はありませんか?本記事では、なすがしわしわにしなびる原因や、しわしわになったなすの復活方法などを詳しく解説します。
なすの表面がしなしなにしなびてしまうのは、水分が抜けたことが原因です。新鮮ななすの表面にハリがあるのは、繊維が水分をしっかりと蓄えているためです。そのため繊維の水分が抜けてしまうとしわしわになってしまいます。
これは栽培の段階でも起こる現象です。栽培中のなすの場合は水分不足になると葉や株はピンとしているのにも関わらず、実だけがしなしなになっていきます。栽培中に水分不足でしなしなになってしまった場合は水やりをする回数を増やしましょう。また、日中は光合成ををしている関係で水分を蒸発させているので、夕採りのものは水分が少ない状態です。夜間に水分を蓄えるので、みずみずしく張りのある状態をキープさせるのであれば朝採りをするのが良いです。
さらに、収穫後も正しく保存できていないと乾燥してしまい、繊維から水分が抜けて早いと1日でしわしわになってしまいます。基本的にスーパーなどで販売されているなすを購入する場合は、どんなに新鮮なものでも収穫してから半日以上経っているので、購入してすぐに食べない場合は、直ちに正しく保存することが大切です。保存方法については後述しますので、そちらを参考にしてください。
水分が抜けている=腐敗ではありません。多少水分が抜けて柔らかくなっている程度であれば、問題なく食べることができます。
しかし、鮮度が落ちている状態です。腐敗が始まっている可能性もあるので、腐敗のサインが見られないかきちんと確認してから判断しましょう。
腐敗しているなすの特徴は下記の通りです。
水分が出てきてぬめりがある
酸っぱい臭いがする
腐敗のサインが見られる場合は、当たり前ですが食べることはできないので破棄しましょう。
表面がしわしわになってしなびているだけで、完全に水分が抜けていない場合は、ある程度復活させることができます。
しわしわになったなすは、水につけておくと水分を吸って再びハリが戻ることがあります。
水につけるときはヘタを切り落として、水を入れたボウルなどに入れます。水を入れたボウルになすを入れたら、4〜5時間冷蔵庫に入れて置いておきます。
そうすると、しわしわになったなすが復活します。
ただし、なすを水につけて置いておくとビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットもあります。
しわしわになったなすは50℃のお湯で洗うことでも復活させることができます。
50℃のお湯をボウルに入れて、お湯の中になすを入れて表面を洗うだけです。ちなみに50℃のお湯は温度計を使っても良いですが、ない場合は沸騰させたお湯と水を1:1の割合で入れることで作ることができます。
お湯につけると逆にしんなりしてしまいそうな気がしますが、これはヒートショックと呼ばれるもので、50度のお湯につけることで閉じていた気孔が開き細胞が水分を吸いこむことができるため、みずみずしさを取り戻します。また50℃のお湯によって細胞内のペクチンとカルシウムイオンが結びついて細胞同士の結びつきが強くなるのも張りが戻る要因となります。
50℃のお湯で洗うことで気候を開かせることで水分の吸収率・浸透率が上がるため、2分〜3分お湯につけて洗えば復活します。一方、水にさらす場合は上述したように4時間〜5時間程さらしておく必要があるので、短時間で復活させることができるので50℃洗いのメリットといえます。
なすを今すぐ使いたい、栄養を流失させたくない方は50度洗いがおすすめです。50度のお湯を作るのが面倒臭い、時間に余裕があるという方は水につけるでよいでしょう。
なす以外の野菜にも使える方法なので覚えておくと良いでしょう。
しわしわになったなすは、水につけたり50℃洗いすることである程度復活しますが、鮮度が落ちている状態ですので食感や味、風味が悪くなっていることもあります。美味しく食べられるおすすめの食べ方を紹介します。
しわしわになってしまったなすは、煮浸しにすれば柔らかくなってしまった食感をカバーすることができます。味も染み込みやすくなっているので、調味料がしっかりと染み込み味の悪さも気になりにくいです。
レンジ調理をすれば栄養素の流出も最小限に抑えることができるので◎
しわしわになってしまったなすは、炒めものにするのも良いでしょう。炒めものにすれば食感の悪さが気になりません。鮮度が落ちたことによって種が黒く変色してしまっていても、見た目の悪さをカバーすることができます。
麻婆茄子などのしっかりとした味付けの炒めものにするのがおすすめです。なすは油との相性が良いので、しわしわになったなすでも美味しく食べることができますよ。
しわしわになってしまったなすは、カレーやシチューなどの煮込み料理にしても美味しく食べることができます。カレーやシチューにすれば食感が気にならないのはもちろんのこと、しっかりとした濃いめの味付けなので味や風味の悪さもしっかりカバーできます。
カレーになすは夏野菜カレーなどでも良くありますが、シチューになすを入れたことがある方はなかなか少ないのではないでしょう。ぜひ試してみてください。
しわしわになってしまったなすは味噌汁にしても◎味噌汁にすれば柔らかくなってしまった食感が気になりにくいです。また、味噌汁は流出してしまう水溶性のビタミンCやカリウムも汁ごといただけるので栄養も無駄になりません。
上記で紹介したように、水分が抜けてしわしわになっても腐敗していなければ食べることができます。しか し、味や食感は悪くなってしまうのでやはりしわしわになるのは防ぎたいですよね。
なすをしわしわにさせないためには正しく保存して鮮度を保ち、傷まないうちに食べきることが大切です。
なすの保存方法についてはこちらの記事でより詳しく紹介しているので、参考にしてください。
なすを丸ごと常温保存する場合の賞味期限は1週間です。
ただし、気温が10℃前後で直射日光が避けられ風通しのよい部屋(冷暗所)で保存する場合です。夏場や冬場の暖房を使用している環境なら1〜2日と短くなるので注意しましょう。
なすを常温保存するときは、新聞紙に包み皮が乾燥するのを防ぐことが大切です。新聞紙がない場合はキッチンペーパーでもOKです。また、立てて保存するのもポイントです。野菜は育ったときと同じ状態で保存することでストレスがかからず、栄養を損なわずに済みます。
なすを丸ごとラップに包んで冷蔵する場合の賞味期限は10日〜12日です。
なすを丸ごと冷蔵保存するときは、表面に水けがついている場合はしっかり拭き取り、1個ずつラップで包んでから冷蔵用保存袋にいれて野菜室へ。数日で種は黒くなってしまいますが、味に変化はありません。1週間ほど経っても、皮にはしわがよらず、つややかです。ラップで包むひと手間で鮮度が全くちがいます!
なすを保存するときはへたを切り落とさないようにしましょう。へたを切ってしまうと水分を失いやすくなります。
丸ごとラップに包んで保存袋に入れてから保存でも十分なすから水分が抜けてしまうのを防ぐことができますが、ラップに包む前にキッチンペーパーで包むのもおすすめです。キッチンペーパーでなすを包み、へたの部分を霧吹きなどで湿らせてからラップで包むと、水分を保った状態で保存しておくことができます。
この状態でも10日ほどしわしわにならずに保存することができますし、ラップだけの状態よりもなすに傷がついてしまって鮮度が落ちてしまうのも防ぐことができます。
すぐに使わずに長く保存しておく場合は、3日一度キッチンペーパーを交換しましょう。
なすを冷凍する場合の賞味期限は1ヶ月です。
生の状態でも加熱した状態でも賞味期限は同じですが、生のまま冷凍すると茶色く変色してしまったり風味や食感が悪くなってしまうことが多いので、加熱してからの冷凍をおすすめします。
なすを加熱してから冷凍する場合は、まず乱切りや厚めの輪切りなど食べやすいサイズに切って、オリーブオイルで炒めて粗熱を取ります。その後に冷凍用保存袋に入れて空気を抜き、密閉して冷凍庫へ。
冷凍したなすは、そのまま加熱調理に使うことができます。使い方は生のなすと基本的に同じです。煮浸しや揚げ浸しなど味を染み込ませる料理が特におすすめです。麻婆なすやカレーの具にしても◎。
おひたしにしたい場合は、前日に冷蔵庫に移して常温解凍か、流水解凍を。
当たり前ですが、新鮮ななすの方が、保存期間が長くなります。新鮮ななすは下記の特徴があります。
ガクの紫色が濃く、トゲが鋭く尖っている
ヘタの切り口が白い
ガクと実の間が白〜薄紫〜紫に変化している
実の紫色が濃く、ハリ・ツヤがある
手にしたときに軽いものは中身がスカスカになっている可能性が高いので注意しましょう。また、ヘタの大きさに対して実が小さいものは未熟です。傷やシワがあるものも避けましょう。
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