なすをカットしたときの断面などに黒い点ができていて驚いたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではなすにできる黒い点について詳しく解説します。
なすに黒い点ができる原因は下記の通りです。
なすをカットしたときに断面に見える黒い点は、なすの種です。
新鮮な状態のなすはカットしても種がないように見えます。しかし、なすの種は白く実も白いため目立たないだけでもともと種は沢山あります。なすは受粉して実が膨らむ野菜なので、ほとんどのなすには種があると思っていて良いです。目を凝らしてみると、種があるのがわかるかと思います。
収穫してから時間が経って鮮度が落ちると種が黒や茶色に変色するため、目立つようになります。また、冷蔵庫で長期間保存している場合など低温障害が原因で種が変色することもあります。
新鮮ななすの種は白くほとんど目立たないので、黒く変色していると黒カビが生えたと思う方も多いです。なすには黒カビが生えることもあるので、黒カビが生える可能性も0ではありません。
黒カビの場合は、
黒い斑点が集まって黒く変色しているように見える
黒い斑点の周りが溶け出している
カビ臭い
などの特徴があります。この場合は、種が黒く変色したのではなく黒カビが生えていると判断して良いでしょう。
なすは、比較的育てやすい野菜であるため家庭菜園で育てている方も多いかと思います。なすの葉に黒い点ができてしまった場合は、病気に感染している状態です。
葉に黒い点ができる病気には、黒枯病やうどんこ病などがあります。
販売されているなすには葉はついていませんが、家庭菜園でなすを育てている場合には病気に感染していると判断して間違いないでしょう。
なすに黒い点ができる原因はおわかりいただけたかと思います。続いて食べられるのかどうか解説します。
種が黒くなっている=腐敗ではないので、食べることができます。しかし、上述したように鮮度が落ちている状態なので、溶け出している箇所があるなど腐敗のサインがないかチェックして判断しましょう。腐敗しているなすの特徴は後述しますので、そちらを参考にしてください。
腐敗しておらず食べられる場合は、早めに食べきることが大切です。鮮度が落ちている状態なので、そのまましておくと腐敗してしまいます。
種が黒く変色してしまったなすは、味や風味、食感が悪くなっていることがあるので気になるようであればスプーンなどで種を取って調理をするのが良いです。
黒カビが生えてしまっている場合は、残念ですが食べることはできません。
カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を引き起こす可能性があります。加熱をすればカビの菌自体は死滅するといわれていますが、カビ毒は加熱をしても発生します。
黒カビが生えている場合は破棄しましょう。
出典:かびとかび毒についての基礎的な情報
葉に黒い点ができてしまった場合は、素早く葉を取り除いて処分しましょう。実自体は食べても問題ないといわれていますが、なすの病気は糸状菌(カビ)が原因であることも多いです。
小さなお子様や高齢者の方が食べる場合など、心配な方は破棄するのが無難です。
種が黒くなったなすにおすすめの調理法は下記の通りです。種が黒くなってしまったなすは、味や風味、食感が悪くなっているので生食はおすすめできません。加熱調理をして食べるのが良いです。
種が黒くなってしまったなすは、肉詰めにするのがおすすめです。なすの実をくり抜き、細かく刻んでひきにくに混ぜ込み、くり抜いたなすに詰めると見た目も気になりません。また、刻んでいるので食感の悪さもカバーできます。
ひき肉を詰めることでボリューム満点になるので、食べごたえもばっちりです。
種が黒くなってしまったなすは、麻婆茄子などの炒めものにするのも良いでしょう。炒めものにしても食感の悪さや見た目の悪さが気になりません。
種が黒く変色してしまっているなすは、味や風味もわるくなっているので麻婆茄子などのしっかりとした味付けの炒めものにするのがおすすめです。なすは油との相性が良いので、美味しく食べることができますよ。
種が黒く変色したなすは、カレーやシチューなどの煮込み料理にしても美味しく食べることができます。カレーやシチューにすれば見た目や食感が気にならないのはもちろんのこと、しっかりとした濃いめの味付けなので味や風味の悪さもしっかりカバーできます。
カレーになすは夏野菜カレーなどでも良くありますが、シチューになすを入れたことがある方はなかなか少ないのではないでしょう。ぜひ試してみてください。
なすの種が黒く変色してしまうのは鮮度が落ちたり低温障害になってしまうためです。正しく保存することで、ある程度防ぐことができます。また、正しく保存することは黒カビが生えるのを防ぐことにも繋がります。
さらに黒い点ができるのを防ぐだけではなく、鮮度を保ってより長く美味しく食べることができます。
なすの正しい保存方法を詳しく解説していきます。
気温が10℃前後で直射日光が避けられ風通しのよい部屋(冷暗所)ならば、常温でも1週間ほど保存することができます。夏場や冬場の暖房を使用している環境なら1〜2日です。
新聞紙に包むことで皮が乾燥するのを防ぎます。新聞紙がない場合はキッチンペーパーでもOKです。また、立てて保存するのもポイントです。野菜は育ったときと同じ状態で保存することでストレスがかからず、栄養を損なわずに済みます。
表面に水けがついている場合はしっかり拭き取り、1個ずつラップで包んでから冷蔵用保存袋にいれて野菜室へ。数日で種は黒くなってしまいますが、味に変化はありません。1週間ほど経っても、皮にはしわがよらず、つややかです。ラップで包むひと手間で鮮度が全くちがいます!
なすを保存するときはへたを切り落とさないようにしましょう。へたを切ってしまうと水分を失いやすくなります。
ラップで包む余裕がないときは、厚手の冷蔵用保存袋に入れて保存するだけでも、買ってきた袋でそのまま冷蔵するのとは鮮度に大きな違いが生まれます。2〜3日で食べきるならば、ラップなしでもOKです。
冷凍保存する場合は、乱切りや厚めの輪切りなど調理しやすいサイズにカットしましょう。丸ごと冷凍することも可能です。
なすはポリフェノールによる褐変が起こりやすいので、気になる方は水に10分ほどさらすか、塩をかけて10分ほど置くことで防ぐことができます。体に悪いわけではないので、そこまで気にしすぎる必要はありません。
乱切りや厚めの輪切りなど食べやすいサイズに切って、オリーブオイルで炒めて粗熱を取ります。その後に冷凍用保存袋に入れて空気を抜き、密閉して冷凍庫へ。
野菜は加熱することで水分が抜けるので、風味や食感が悪くなる原因である氷の結晶が冷凍の過程で発生しにくくなるためです。油で加熱調理をすれば変色の心配もいりません。
そのまま加熱調理に使うことができます。使い方は生のなすと基本的に同じです。煮浸しや揚げ浸しなど味を染み込ませる料理が特におすすめです。麻婆なすやカレーの具にしても◎。
おひたしにしたい場合は、前日に冷蔵庫に移して常温解凍か、流水解凍を。
なすは常温・冷蔵・冷凍保存の他にも、天日干しなどで水分を飛ばしてから乾燥保存したり、塩漬けやからし漬けにする漬け保存が可能です。なすの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
なすは黒い点ができていても腐敗しているとは限りませんが、下記のような特徴がある場合は腐敗しています。食べることはできませんので、破棄しましょう。
腐ったなすの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的にシワシワ
溶け出している
全体的に変色している
なすには白カビが映えることもあります。表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビです。ヘタの部分はとくにカビが生えやすく、ヘタのみであれば切り落せば食べられることもありますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は破棄しましょう。
新鮮ななすの表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは水分が抜けて乾燥してしまっている状態です。少し水分が抜けてしまった程度であれば問題ありませんが、完全に抜けてシワシワになっていたり、溶け出している場合は腐敗しています。
また、変色しているからといって必ずしまも腐敗しているわけではありませんが、全体的に茶色や黒に変色してしまっている場合は腐敗していると思って良いでしょう。
腐ったなすの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
なすは青臭さがある野菜ですが、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
なすに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったなすの触感の特徴は下記の通りです。
ぶにょぶにょに柔らかくなっている
全体的にぬめりがある
糸をひいている
新鮮ななすには張りがあり、ある程度硬さがありますが、腐敗が進んでいるとぶにょぶにょとした柔らかい触感になります。また、全体的にぬめりが出ていたり糸をひく場合も腐敗が進んでしまっている状態なので、残念ですが破棄しましょう。
当たり前ですが、新鮮ななすの方が、保存期間が長くなります。新鮮ななすは下記の特徴があります。
ガクの紫色が濃く、トゲが鋭く尖っている
ヘタの切り口が白い
ガクと実の間が白〜薄紫〜紫に変化している
実の紫色が濃く、ハリ・ツヤがある
手にしたときに軽いものは中身がスカスカになっている可能性が高いので注意しましょう。また、ヘタの大きさに対して実が小さいものは未熟です。傷やシワがあるものも避けましょう。
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