人参など野菜には賞味期限の記載がないので、どれぐらい日持ちをするのか判断が難しいですよね。本記事では人参の賞味期限について保存法別に詳しく解説します。
人参を含む野菜や果物などの生鮮食品には、賞味期限や消費期限の表示の義務はありません(一部例外あり)。
そのためいつまで食べられるのか迷うこともあるかと思いますが、人参は正しく保存すれば最大で1ヶ月日持ちします。
今回は、人参がどのくらい日持ちするかを、様々な保存方法別にご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
<消費期限と賞味期限の違い>
消費期限・・・定められた方法で保存した場合において、腐敗などの品質の劣化に伴い安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日。開封前の状態で保存すれば、食品衛生上の問題が生じないと認められるもの。そのため、消費期限を過ぎた食品は食べるべきではない。急速に品質が劣化しやすい食品に表示される。
賞味期限・・・定められた方法で保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日。賞味期限を超えた場合でも品質が保持されることもある。そのため、賞味期限を過ぎた食品は必ずしもすぐ食べられなくなるわけではなく、消費者自身で判断する必要がある。比較的品質が劣化しにくい食品に表示される。
人参は冬場ならば常温で1週間保存可能です。夏場やカットした人参は痛みやすいので常温保存NGです。
人参を常温保存するときは、一本ずつ新聞紙に包みます。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーでもOKです。暑さ・湿気を嫌うので、温度が低く一定に保たれており、直射日光が当たらず、風通しがよい冷暗所で保存するようにしましょう。
立てて保存するのもポイントです。野菜は育った状態に同じように保存するとストレスがかからず、長く保存できます。キッチンペーパーが湿気ったら、こまめに替えるようにしましょう。
ちなみに、土の中に埋める方法もあります。通常の常温保存よりも長持ちします。
人参は冷蔵で2週間保存可能です。冬場でも2〜3週間保存したい場合は常温保存よりも冷蔵保存すると良いです。
冷蔵保存する場合も常温保存するときと同じようにキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて、立てて保存します。買ってきた袋のまま冷蔵するのは厳禁です!
2週間以上保存したい場合は、ヘタの部分は切ると長持ちします。にんじんのヘタの近くに生長点があり、保存期間が長くなると葉を生やそうと根の栄養分を消費してしまうためです。すぐ食べる場合はわざわざカットする必要ありません。かえって酸化が進みます。
人参の冷凍保存の期間の目安は約1ヶ月です。そのため長期保存するならば冷凍保存がおすすめです。
野菜を冷凍保存するとき、茹でるか、生か、どっちがよいか迷う方が多いと思います。直接冷凍する方法を「ダイレクトフリージング」、冷凍する前に加熱処理することを「ブランチング」といいます。
人参をダイレクトフリージングする場合とブランチングする場合は、どちらも賞味期限は1ヵ月で保存できる期間は変わりませんが、家庭用冷凍庫では基本的にブランチングするのがおすすめです。
家庭用の冷凍庫では、野菜を急激に冷やすことができないのでダイレクトフリージングに向きません。ブランチングしないと、変色し、風味が落ち、食感が損なわれてしまいます。そのためできるだけ一度茹でてから冷凍するようにしましょう。
冷凍するときは硬めに下茹でします。竹串を強く刺してやっと刺さるくらいが目安です。
乾燥させた人参は密閉容器に入れ、常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
人参を乾燥させる方法は、天日干し、オーブン、レンジがあります。
乾燥方法で一番おすすめなのは天日干しです。天日干しすることでビタミンDが増加します。旨みも増し生とは違う食感が美味しい!
輪切りした人参をキッチンペーパーで水けをしっかり取り、ザルに並べ、2日ほど天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に人参を並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に人参を並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
漬物にした人参は冷蔵で2週間程保存することができます。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。保存用なので味は少し濃いですが、ご飯のお供にピッタリ。
人参は味噌漬けと醤油漬け、酢漬けがおすすめです。
人参を味噌漬けにするときは、縦4等分に切った人参を、みそ:酒:みりん=4:1:1の割合で混ぜて作った漬けタレを密閉容器の中で人参全体にからめて、冷蔵庫へ。
醤油漬けにするときは、固めに茹でてからいちょう切りし、しょうゆ:酒:みりん=1:1:1の割合で作った漬けだれを、人参がひたひたになるくらいまで漬けます。
酢漬けにするときは。固めに茹でてからスティック状にカットし、密閉容器に入れ、酢150ml、塩小さじ1、てんさい糖大さじ1で作った漬けだれを、人参全体が漬かるほど注ぎます。
カットした人参の賞味期限は数日以内です。切った野菜は傷みが早いため、数日以内に使い切るようにしましょう。
カットした人参を冷蔵保存する場合は、ラップできっちり包んでからポリ袋にいれて冷蔵庫に入れます。半分だけ保存する場合は、ヘタの方から先に使い、先の方を保存用にするようにしてください。
人参を使った料理の日持ちは最大で2〜3日です。料理の種類によって日持ちする日数は異なります。
例えば、人参ドレッシングの日持ちは冷蔵で2日程、炒め物など人参を使った作り置き料理を冷蔵保存する場合は2〜3日を目安に食べきりましょう。
ただし、調理した人参はなるべく早く食べきることをおすすめします。調理した人参料理に粘り気があったり、酸っぱい臭いや味がする場合は、腐ってる可能性が高いので食べずに処分してください。
人参は暑さと乾燥と湿気に弱いのが特徴です。
上述したように暑さに弱いので、冬は常温保存できますが、夏は避けるのが無難です。乾燥から守るために、新聞紙やキッチンペーパー、ポリ袋が活躍します。湿気にも弱いので、洗ったあとはしっかり水けをとってから保存する必要があります。保存中もこまめに水滴を取り除くようにします。新聞紙やキッチンペーパー、ポリ袋自体も交換するのがベターです。
上記の点を気をつければ、人参は比較的に保存しやすい野菜です。人参に豊富に含まれるβ-カロテンも脂溶性なので保存によって失われにくい栄養素です。特売のときなどにまとめ買いして保存するのがおすすめです。
葉の付いてる人参を入手した際は、葉と実(根)を切り分けます。葉を付けたまま保存してしまうと、根の水分が葉に移動してしまい、スカスカになってしまいます。ちなみに、かぶでも同じことがいえます。
葉は買ってきた日に使うのが理想ですが、保存する場合はラップできっちり包んで冷蔵庫へ。数日以内には食べるようにしましょう。β-カロテンは根の方が多いですが、カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンB・Cなどほとんどの栄養素は葉の方が豊富なので、無駄にせず消費しましょう。ふりかけや天ぷら、和え物などにするのがおすすめです。
人参に限りませんが、野菜を保存するとき、エチレンガスを放出する野菜に要注意です。
野菜や果物はエチレンという植物ホルモンによって生長し熟しますが、収穫後もエチレンによるガスを放出します。エチレンガスをよく出す果物はりんごやメロン、バナナなどです。野菜だとブロッコリーがダントツです。
このガスを人参が吸収してしまうと、傷むのが早くなってしまいます。一緒に冷蔵庫に入れない、エチレンガスを出すものはジッパー付きポリ袋に入れるなどの工夫をしましょう。
当たり前ですが、新鮮な人参を選び購入した方が、保存したときも日持ちします。人参を選ぶ際の注目すべきポイントは下記です。
なめらかな肌のもの、でこぼこのない
肩がはっている
ひげ根の少ないもの
ひげ根の跡の間隔が均一で真っ直ぐに並んでいる
オレンジ色が濃い
根の先まで太い
人参が腐っている場合、下記でご紹介するような状態になります。このようになった人参は腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄しましょう。
腐敗している人参の見た目の特徴は下記の通りです。
全体的にシワシワ
溶け出している
汁が出ている
人参の表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。人参のように固い野菜は表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ皮を厚めに剥けば食べることができますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は食べることができません。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があるため、心配な方や高齢者、小さなお子様が食べる場合は破棄するのが無難です。
新鮮な人参の表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは乾燥してしまっている状態です。単に乾燥しているだけであれば食べることができますが、溶け出していたり汁が出ていたりする場合は、腐敗してしまっているので食べることはできません。
腐敗している人参の臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
普段私達が食べているのは、人参の根の部分です。土に埋まった状態で育っているものを掘り起こして出荷されるため、泥臭さを感じることがあります。また、野菜特有の青臭さもありますが、そこまできつい臭いのする野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
人参に限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐敗している人参の特徴は下記の通りです。
ぬめりがある
ぶにょぶにょしていて形が崩れる
人参には比較的多くのでんぷんを含む野菜であり、でんぷんが雑菌の餌となって細菌が繁殖しぬめりが出てきてしまうことがあります。洗うことで簡単に洗い流せる程度のぬめりであれば、皮を厚めに剥けば食べられることがありますが、触るとぶにょぶにょしていてすぐに形が崩れたり、指で押した後が残るようであれば腐敗が進んでしまっている状態ですので、破棄しましょう。
最後に人参の大量消費レシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
人参と卵で作る沖縄の家庭料理の人参しりしりです。
人参には、卵に含まれるたんぱく質がコラーゲンになるのに必要な栄養素であるビタミンCが含まれています。コラーゲンには美肌効果が期待できます。
ちなみに「しりしり」は人参をすりおろす際の音を表現する沖縄の方言といわれています。
人参しりしりのレシピはこちら
マーマレードの甘みで爽やかに仕上げた人参サラダです。くるみの食感と風味がアクセントです。
くるみはオメガ3とビタミンEが豊富に含まれています。
にんじんはさっと茹でることで食感がよく仕上がります。
人参のマーマレードサラダのレシピはこちら
人参を茹でて切り、調味料と和えるだけの簡単レシピです。
人参は皮にも栄養があるので、皮ごと使います。しっかりと水洗いをし土や汚れを取りましょう。
茹でた後はしっかりと水けを切るのもポイントとなります。
人参のナムルのレシピはこちら
黒酢にメープルシロップを足してコクがアップ。人参のシャキシャキ食感が美味。
このレシピ玄米を使った米黒酢を使用しています。
二日ほど漬け込むと、味が馴染んで美味しく仕上がります。数回揺すって、まんべんなく漬け込みましょう。
人参の黒酢しょうゆ漬けのレシピはこちら
人参の甘みが際立つかき揚げです。塩をふってシンプルな味付けでお楽しみください。
揚げ油には発煙が高いオリーブオイルを使用しています。
人参を入れたら、触らずに2〜3分揚げましょう。
人参かき揚げのレシピはこちら
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