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ふきの下ごしらえ(茹で方・皮の剥き方・アク抜き)の方法を解説

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ふきの下ごしらえ(茹で方・皮の剥き方・アク抜き)の方法を解説

ほろ苦さや独特の風味が魅力の山菜ふき。ふきは香りや食感を楽しむ野菜ですが、アクがあるので下ごしらえをする必要があります。ふきの茹で方、皮の剥き方などを丁寧に解説していきます。この記事では3通りのアク抜きの方法を紹介します。

ふきの下ごしらえのポイント

ふきの下ごしらえはなぜ必要?

ふきは風味を楽しむ山菜ですが、料理する前に必ず下ごしらえする必要があります。ふきにはアク・えぐみがあるためです。ふきのえぐみ・苦味の正体はシュウ酸です。シュウ酸は調理の味を損ねるだけではなく、結石の原因にもなるので、摂り過ぎには注意が必要です。

買ったらすぐに下ごしらえ

ふきは鮮度が命です。収穫直後からえぐみが増していくので、購入した日に必ず下ごしらえするようにしましょう。その日に調理に使わなくても、水に浸けて冷蔵で1週間ほど保存できます。下ごしらえをせずに1日常温保存するだけでも水分が抜けてかなり硬くなってしまうので気をつけましょう。

重曹を使うことも

前述した通り、ふきのえぐみの原因はシュウ酸です。シュウ酸は水溶性なので下茹ですることで半分くらいが水中に溶け出します。

ふきの下茹では基本的に塩を入れます。塩を入れる理由はシュウ酸に関係なく、ふきの色が鮮やかになる、塩けがついて味がよくなる、というメリットがあるためです。

アク抜きのときに重曹や木灰を入れる場合があります。重曹や木灰を入れた水は弱アルカリ性になり、山菜の繊維組織を軟化させる作用があります。重曹の量は水1リットルに対して大さじ1が目安です。そうすることで、シュウ酸がより水に溶けやすくなります。ふきの食感自体が柔らかくなるメリットもあります。ただし、重曹は独特の臭いがあるので、使いすぎに注意です。また、重曹は食品添加物ですので、ケミカル成分を避けている方は使わないようにしましょう。

たけのこなどとは違いふきは繊維組織がそこまで硬くないので、重曹などを入れなくても十分にえぐみを取ることができます。シュウ酸の摂取したくない方は、下茹でしても完全に取り除けるわけではないので、えぐみのある野菜を食べるのを控えましょう。

新鮮なふきの見分け方

ふきを購入する際は下記の特徴のあるものを選ぶようにしましょう。

  • 茎が真っ直ぐでハリがあり、肉厚

  • 茎の色が薄い緑色で黒ずんでいない

  • 葉の変色がなく緑色が綺麗

茎が太すぎるものはスが入っていることがあり、細すぎるものは旨みにかけるので避けましょう。

ふきの基本の下ごしらえ

まず、最も定番なふきの下ごしらえの仕方を解説します。

鍋の大きさに切る

まず、均等になるよう端を合わせます。

鍋の大きさに合わせて均等になるように切ります。

今回は1/3にカットしました。

板ずり

面倒臭くてついサボりがちな板ずりですが、必ずやりましょう。板ずりでもアクが出てきますし、農薬や汚れを取り除く役割もあります。

塩をまぶします。塩の量はひと束(300〜400g)に対して大さじ1強ほど。

両手で、アクが出てくるまで板ずりをします。

板ずりできたら、ふきを洗います。板ずりした塩でそのまま茹でる、という方法を取る方もいるみたいですがNGです。板ずりした塩にはアクが付いているので必ず洗い流します。

茹でる

沸騰した湯に塩を入れます。塩の量は、大体水の量に対して2%です。

ふきは、太い部分から先に鍋に入れて、2〜3分茹でます。

その後、残りの部分をすべて入れます。

残りの部分を入れてから、さらに5分程茹でます。

写真のように折り曲げられるくらいになったら取り出します。加熱時間はふきの種類や状態にもよります。シャキシャキとした食感を楽しむためには火の通り加減に注意しましょう。

冷水にとる

茹で上がったらすぐに冷水につけます。ふきはシャキシャキとした食感が大切なので、陸上げ(おかあげ)つまり自然に冷ますのではなく必ず冷水にとります。この最中にもアクが出ます。

皮むき

ふきが冷めたら、次に皮を剥いていきます。

ふきの縁から、皮を剥いていきます。

上の部分を5cmほど少し剥きます。

一周同じように、少しずつ剥いていきます。バナナの皮を剥くようなイメージです。

少しずつ剥いた部分をすべてまとめて持ちます。

一気に下まで引っ張って剥いていきます。そうすると簡単に、そして綺麗に皮を剥くことができます。

皮がまだ残っていたら、取り除きましょう。

再度冷水につける

皮を剥いたふきは、すぐに冷水(氷水)につけましょう。そのまま常温に放置していると、食感・風味・色がすぐに悪くなるので注意しましょう。

斜め切りしてから茹でる方法も

上記した下ごしらえは、ふきの姿を活かしたやり方です。斜め切り(笹打ち)にして、シャリッとした歯ざわりを楽しむ食べ方も。茹でてから斜め切りすると上手に切れないため、その場合は先に切ってから下茹でします。

板ずりして包丁で皮むき

ふきを程よい大きさに切り、まず板ずりします。今回は1/2にカットしました。

生のふきは皮が固いことが多いので、包丁で縁の部分から切り込みを入れていきます。生のふきでこの工程を手でやると指が痛くなり、アクで汚れ風味も落ちるので気をつけましょう。

一周すべて切り込みを入れたら、ひとつにまとめて持ちます。

一気に下まで引っ張って、皮を剥きます。

斜め切りにする

皮が剥けたら、まず端の変色している部分を切り落とします。

ふきを縦に置いて大きく斜め切りしていきます。

切ったふきは、すぐに冷水につけます。切りながらどんどん冷水に落としていきましょう。変色が早いので色止めのために水にとります。

茹でる

ふきがすべて切り終わったら、沸騰したお湯に入れます。

約30秒ほど、さっと湯にくぐらせます。

終わったら、ザルに上げてすぐに冷水に落とします。

レンジでやる方法も

ふきの下茹では電子レンジでやる方法も!この方法も最もお手軽です。

タッパーに入る大きさにふきを切り、板ずりします。タッパーに入れたら、浸かるくらいに水を注ぎます。600Wで5分加熱します。冷水に浸けて粗熱を取ったら、薄皮を剥きます。

下茹でしたら簡単に保存可

下ごしらえができたら、ふきを密閉容器に入れ、きれいな水をそそぎ、蓋をして冷蔵保存します。1週間ほど保存ができます。水に浸けないと食感が悪くなってしまうので注意しましょう。保存中もアクが出るので、水は毎日取り替えるのがベストです。