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美味しくて新鮮な人参の選び方。サイズや色、触感などを解説

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美味しくて新鮮な人参の選び方。サイズや色、触感などを解説

美味しい人参の選び方をご存知でしょうか。せっかく購入するなら新鮮で美味しい人参が良いですよね。本記事では新鮮で美味しい人参の選び方を解説します。

美味しい人参の選び方【見た目】

表面がなめらかな肌で、ツヤがある

人参は、表面がなめらかでツルツルしてるものを選ぶと良いです。実割れしているなどでこぼこしているものは、人参に含まれているポリフェノールが酸化しているなど、鮮度が落ちてしまっている可能性が高いです。

さらに人参は乾燥してしまうと水分が抜けてしまいます。表面がシナシナになっているものは選ばないようにしましょう。表面にツヤがありみずみずしさがあるかどうかも確認してください。

肩がはっている

人参は肩がはっているものが良いといわれています。人参の「肩」とは、上部のことをいいます。

ちなみに人参の肩が緑色に変色しているものは、栽培中に土から肩が飛び出して日光に当たっていたことが考えられます。普段私達が食べているのは人参の根(主根)であるため土に埋まった状態で生長しますが、土寄せをしないと生長したときに上部が土から飛び出し日光に当たってしまうため、葉緑体が生成されて緑色になっていきます。緑色になっていても食べることができますが、できるだけ変色していないものを選ぶと良いでしょう。

ひげ根の少ないもの

上述したように、可食部になっているのは根(主根)なのでひげ根が生えてくることもあります。ひげ根が生えていても天然毒素が含まれているわけではないので食べることができますが、ひげ根が生えているということは栄養素をひげ根に吸い取られてしまっているということです。そのため、できるだけひげ根は少ないものを選んだほうが長持ちしますし、長く美味しく食べることができます。

ひげ根の跡の間隔が均一で真っ直ぐに並んでいる

人参をよく見てみると、上から下にかけて縦にまっすぐ入っている横線があるのがわかると思います。これは、ひげ根の跡です。人参は収穫されてから泥汚れやひげ根をブラシで洗い落としてから出荷しているため、綺麗な状態で販売されていることが多いですが、ひげ根の跡は残っています。

ひげ根の跡の間隔が均一でまっすぐに並んでいるということは、適切なスピードで生長しているサインです。肥料の与えすぎなどで急速に生長しているものは均一な間隔になりません。

オレンジ色が濃い

一般的に販売されている人参は新鮮であれば、濃いオレンジ色をしています。色が薄いものは生育不良であることが考えられますので、しっかりと濃いものを選びましょう。

ちなみに人参がオレンジ色をしているのは、オレンジ色の色素になるβ-カロテン(ビタミンA)が豊富に含まれているためです。濃いオレンジ色になっているということは、β-カロテンが豊富に含まれているということなので、しっかりと色が濃いものを選ぶと良いです。

芯が細く変色していない

人参の上部には、人参の葉がついていた芯があります。芯は細く変色していないものを選びましょう。

人参の芯は根から葉まで直線に繋がっています。芯が太いほうがしっかりとしているように見えますが、芯が太いということは固さがあるということです。芯が太すぎないものの方が柔らかいので、太すぎるものは選ばないようにしましょう。

また、芯の部分には水分が溜まりやすくカビが生えやすいです。白カビや黒カビが生えていないかもチェックし、変色していないものを選ぶと良いです。

根の先まで太く重量感がある

人参の品種にもよりますが、一般的にスーパーなどで販売されている人参は根の先まで太いものを選ぶのが良いです。極端に細くなっているものは、生育不良であることが考えられます。

また、手に持ったときに重量感があるものにしましょう。重量感のないものは水分が抜けて中に空洞が空くスが入った状態である可能性があります。

美味しい人参の選び方【旬・産地】

人参の旬は秋〜冬

人参には、基本的に春播き(6月〜10月採り)の夏ニンジンと、夏撒き(10月〜3月採り)の冬ニンジン、冬撒き(4月〜6月採り)の春ニンジンがあり、季節によって産地が異なる他、ビニール栽培なども行われているため通年市場に出回っています。

あまり旬を感じない野菜ではありますが、人参はもともと冷涼性の野菜で、寒暑が厳しいと発育不良となってしまいます。そのため、一般的に人参の旬は晩秋〜冬といわれています。

冬に旬を迎えた人参は、糖度が高く実も柔らかいです。これは寒さで凍ってしまわないよう細胞に糖が蓄えられるためであり、同じく冬に旬を迎える大根などにも起こる現象です。特にサラダなど生で食べる場合は、旬の時期に販売されている人参がおすすめです。

また、人参に限らず旬を迎えた野菜は旬でない時期のものに比べ栄養素の含有量が多くなるという特徴があります。野菜によっては旬の時期ではないものと比較して約2倍の差がでることもあります。

そもそも旬って?

一般的にいわれる旬とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。

人参の主な生産地と収穫量

令和3年度の日本の人参の生産量(収穫量)638,800トンです。主な生産地は北海道や千葉県、徳島県、青森県で、生産地別の収穫量は下記の通りです。

  • 北海道(204,700トン)

  • 千葉県(112,200トン)

  • 徳島県(49,900トン)

  • 青森県(42,500トン)

出典:令和3年産指定野菜(秋冬野菜等)及び指定野菜に準ずる野菜の作付面積、収穫量及び出荷量(農林水産省)

人参の種類

人参の原産地はアフガニスタンで、トルコを経てヨーロッパに伝わった西洋種と、アジア東方に伝わった東洋種があります。

日本には江戸時代に東洋種が伝わり、西洋種が入ってきたのは明治以降といわれています。現在日本で流通しているのはほとんどが西洋種です。

西洋種はカロテノイド系色素によって鮮やかなオレンジ色をしているのが特徴で、肉質は柔らかく甘みがあるのが特徴です。まさに一般的にスーパーで販売されている人参ですね。西洋種にはオレンジ色以外の品種はありません。

東洋種は赤色の色素であるリコピンや紫色の色素であるアントシアニンが中心で、赤色や紫色、白色のものなどがあります。東洋種と同じく肉質は柔らかいのですが、煮崩れしにくく、人参特有の匂いが少ないという特徴があります。

また、人参には長さによって長根種類、短根種類、五寸、三寸とわけられます。現在日本で一般的にスーパーなどで販売されているのは、西洋種の根が15cm〜20cm程の五寸が中心となっています。

五寸ニンジン

上述したように「五寸ニンジン」は、現在店頭で見かけるにんじんの系統です。

その名の通り長さは15~20cmほどで、重さは200g前後です。明るいオレンジ色をしていてある程度の太さがあるのが特徴です。

品種には「長崎五寸」や「丸山五寸」、これらを交雑した「黒田五寸」などがありますが、現在は栽培のしやすさから「向陽」や「ひとみ五寸」などの一代交雑種が主流になっています。

金時ニンジン(京人参)

金時ニンジンは、中国より伝わった東洋系の品種のうち唯一残っている品種です。「京にんじん」とも言われます。

鮮やかで赤い紅色をしていて、これはトマトに多く含まれていることで知られているリコピンによるものです。一般的にスーパーで販売されている五寸ニンジンよりも細い円錐型をしているのが特徴で、肉質が柔らかく甘みがあります。

金時人参も、五寸ニンジンと同じく全体が鮮やかな色をしていて、表面にハリがあるものを選びましょう。

ミニキャロット

ミニキャロットは、長さ7~10cm程度、直径は1~1.5cmほどの小型のにんじんの総称です。「ベビーにんじん」や「姫にんじん」と呼ばれることもあります。

ミニキャロットは小さいこと以外にも、果肉はやわらかくて甘味があり、にんじん特有の匂いは少なめであるという特徴があります。

五寸ニンジンと同じように表面にハリがありみずみずしいものを選ぶと良いです。

葉ニンジン(ニンジン菜)

葉ニンジンは、一般的な人参をまだ根が成長する前に間引きして収穫されたものや、葉を食用とするために栽培されたもののことをいいます。

一般的な人参の場合、根が完全に成長した状態では葉が硬くなっていますが、葉ニンジンは葉が柔らかく食べやすいのが特徴です。

葉ニンジンは、葉物野菜を選ぶときと同じように葉が生き生きとして、色が鮮やかなものを選びましょう。しおれてしまっているものは、収穫されてから時間が経ち鮮度が落ちている状態です。

腐った人参の特徴

見た目

腐敗している人参の見た目の特徴は下記の通りです。

人参の表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。人参のように固い野菜は表面のみにカビが生えていて、中まで侵食していなければ皮を厚めに剥けば食べることができますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は食べることができません。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があるため、心配な方や高齢者、小さなお子様が食べる場合は破棄するのが無難です。

新鮮な人参の表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは乾燥してしまっている状態です。単に乾燥しているだけであれば食べることができますが、溶け出していたり汁が出ていたりする場合は、腐敗してしまっているので食べることはできません。

臭い・味

腐敗している人参の臭いや味の特徴は下記の通りです。

普段私達が食べているのは、人参の根の部分です。土に埋まった状態で育っているものを掘り起こして出荷されるため、泥臭さを感じることがあります。また、野菜特有の青臭さもありますが、そこまできつい臭いのする野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。

人参に限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。

カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

触感

腐敗している人参の触感の特徴は下記の通りです。

  • ぬめりがある。

  • ぶにょぶにょしていて形が崩れる。

人参には比較的多くのでんぷんを含む野菜であり、でんぷんが雑菌の餌となって細菌が繁殖しぬめりが出てきてしまうことがあります。洗うことで簡単に洗い流せる程度のぬめりであれば、皮を厚めに剥けば食べられることがありますが、触るとぶにょぶにょしていてすぐに形が崩れたり、指で押した後が残るようであれば腐敗が進んでしまっている状態ですので、破棄しましょう。

腐った人参の特徴や、人参が腐ってしまう原因に関してはこちらの記事で詳しく解説しています。

人参の栄養素・成分

人参100gあたりに含まれる主な栄養素・成分

β-カロテン(ビタミンA)

人参は特にβ-カロテンが豊富に含まれており、カロテンの語源はキャロット(carrot)であることからもわかるように、人参のβ-カロテン含有量は野菜の中でトップです。

β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなります。また抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用があります。亜鉛が補酵素に入ると、β-カロテンがレチナールへ、さらにレチナールにナイアシンが結合することで体内に作用します。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。

α-カロテン

α−カロテンは、緑黄色野菜に含まれるカロテノイドのひとつで、β-カロテンと同じく体内でビタミンAに変換されます。ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあるため健康に保ちます。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。

食物繊維

食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。人参にはどちらも含まれていますが、不溶性食物繊維が3倍多いです。

水溶性は水に溶解する性質を持っており、水溶性食物繊維は水に溶けるととろとろ・ネバネバして糖質の消化や吸収を穏やかにする作用があります。不溶性は液体に溶解しない性質を持っており、不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。

カリウム

カリウムはミネラルの一種です。

カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。

そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。

参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス

人参の正しい保存方法

人参を長く保存するだけではなく、鮮度を保ち美味しくためるためには正しく保存することが大切です。ここからは人参の正しい保存方法を紹介します。

常温保存

人参をキッチンペーパーに包み立てて常温保存

人参は冬場ならば常温保存することができます。一本ずつ新聞紙に包みます。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーでもOKです。暑さ・湿気を嫌うので、温度が低く一定に保たれており、直射日光が当たらず、風通しがよい冷暗所で保存するようにしましょう。

土に浅く埋める方法もあります。通常の常温保存よりも長持ちします。

立てて保存するのもポイントです。野菜は育った状態に同じように保存するとストレスがかからず、長く保存できます。

キッチンペーパーが湿気ったら、こまめに替えるようにしましょう。

冷蔵保存

人参をキッチンペーパーで包みポリ袋に入れ立てて冷蔵保存

人参は夏場は必ず冷蔵保存します。冬場でも2〜3週間保存したい場合は冷蔵庫の野菜室にいれましょう。このときもキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて、立てて保存します。買ってきた袋のまま冷蔵するのは厳禁です!

2週間以上保存したい場合は、ヘタの部分は切ると長持ちします。にんじんのヘタの近くに生長点があり、保存期間が長くなると葉を生やそうと根の栄養分を消費してしまうためです。すぐ食べる場合はわざわざカットする必要ありません。かえって酸化が進みます。

カットした人参はラップできっちり包み、ポリ袋に入れて冷蔵保存できますが、切った野菜は傷みが早いので数日以内に使い切るようにしましょう。前述した通り、半分だけ保存する場合は先の方を保存用にします(へたの方を先に食べます)。

冷凍保存

人参は冷凍保存することもできますが、丸ごと冷凍してしまうと使うときに不便なので、必ずカットしてから冷凍しましょう。

生のまま冷凍

人参をカットして生のままジッパー付きポリ袋に入れて冷凍

人参は生のまま冷凍してもOKです。使い勝手いいように、お好みでカットをしましょう。写真はいちょう切りと細切りです。切った後にキッチンペーパーで水けをしっかり拭き取って、冷凍用のジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜き、冷凍庫へ。

茹でてから冷凍

人参をカットして茹でてからジッパー付きポリ袋に入れて冷凍

冷凍する前に茹でることをブランチングといいます。ブランチングすると使うときに火の通りが早くて使い勝手がよい、以外に、変色しにくい、食感が悪くなりにくい、風味が落ちにくい、というメリットがあります。家庭用の冷凍庫は温度が急速冷凍ができませんので、ダイレクトフリージング(茹でずに冷凍)は向きません。時間がある方はなるべくブランチングするようにしましょう。

調理するときに使う切り方にします。写真では輪切りにしています。

冷凍するときは硬めに下茹でします。竹串を強く刺してやっと刺さるくらいが目安です。解凍方法ですが、基本的に冷凍したまま調理に使ってOKです。冷凍した人参は直接料理に使うと水が出るので、炒め物などで水けを嫌う料理の場合は、前日に冷蔵庫に移し自然解凍しましょう。お急ぎの場合は電子レンジを使って解凍する方法もあります。

その他にも、人参を天日干したりオーブンで水分を飛ばしてから乾燥保存したり、味噌や酢などに漬けて漬け保存することもできます。詳しい人参の保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。