人参の実ではなく葉の栄養素について解説していきます。
普段、食べている人参のオレンジ色の部分は根になります。
人参の葉は見た目からもわかる通り、もはや根の部分とは違う野菜です。主な栄養素は根(実)と同じくβ-カロテンですが、他にも多くの栄養素を含みます。葉は根の3倍のタンパク質、4倍のビタミンC、5倍のカルシウムを含みます。根を食べるために栽培されている人参は葉に多くの農薬が付いていることがあるので、食べるときはよく洗うようにしましょう。
β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなります。また抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用があります。亜鉛が補酵素に入ると、β-カロテンがレチナールへ、さらにレチナールにナイアシンが結合することで体内に作用します。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。
カロテンの語源はキャロット(carrot)であることからも、人参のβ-カロテン含有量は野菜の中でトップです。
変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。
カリウムはミネラルの一種です。
カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。
そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。
ビタミンEは抗酸化作用があります。体内の脂質が酸化するのを抑え、老化の予防をしてくれます。ビタミンEは血液中の悪玉コレステロールの酸化を抑える働きがあり、酸化によって進行してしまう動脈硬化の予防に役立ちます。
さらにビタミンEは末梢血管の拡張させる働きがあるため、血行促進に繋がります。また副腎や卵巣の性ホルモンの分泌の調整にもビタミンEは関与しているので、生殖機能の維持にも役立ちます。
日本人が不足しがちなビタミンB1が含まれています。
糖質がエネルギーに変わるときには酵素が働きますが、その酵素の働きを促す補酵素の役割を果たすのがビタミンB1です。糖質の分解をサポートし、体を元気にします。
また、糖質は脳や神経系のエネルギー源ですから、イライラを抑える作用もあります。
ビタミンB2は動物性食品に多いビタミンですが、植物性食品にもわずかに含まれています。ビタミンB2は脂質とたんぱく質の分解に働き、脂質の代謝を助けます。細胞の再生を助けて成長を促し、健康な肌や髪つくり、目や口などの粘膜を守ります。
ビタミンB2が不足すると、脂質が体内に蓄積されやすくなるため、太りやすくなり、ニキビが増える原因のひとつになります。
またビタミンB2は「甲状腺ホルモン」が分泌されることで、体内で働けるようになるため、甲状腺の機能が低下してしまうと、ビタミンB2を補充しても生かしきれないことがあります。
参考文献:栄養学博士 白鳥早奈英 監修(2021)『最新改訂版 知っておきたい栄養学』学研プラス
人参の葉は食用に葉にんじん、またはにんじん菜という名前流通していることが多く、一般的な人参の根が成長する前に収穫されたものや、葉を食用とするために栽培されたりしています。
エネルギー...16kcal
水分...93.5g
たんぱく質...1.1g
炭水化物...3.7g
脂質...0.2g
食物繊維...2.7g
糖質は1.0gです。
人参の根100gあたりの栄養素
エネルギー...35kcal
水分...89.1g
たんぱく質...0.7g
炭水化物...9.3g
脂質...0.2g
食物繊維...2.8g
糖質は6.5gです。
人参の葉の方が根の部分よりもカロリーや糖質が低いです。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
調理によって栄養素は変化しますが、明確な数値は分かっていません。それぞれ栄養素の特徴を元に解説します。
生の人参に含まれる酵素「アスコルビナーゼ」はビタミンCを破壊するというのが定説でしたが、実際には酸化させるだけで、酸化したビタミンCは体内で還元され通常のビタミンCと同じ働きをするといわれています。ただ、酸化したビタミンCは熱に弱く、分解してしまいます。
しかしβ-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップします。
葉の部分には脂溶性であるビタミンA(β-カロテン)やビタミンE、ビタミンKが含まれています。これらは油と一緒に摂ることで吸収率が上がります。そのため油炒めや良質な油を使ったドレッシングで油と一緒に食べる調理法がいいでしょう。特にβ-カロテンは、人参を生食する場合でも、油が入ったドレッシングと合わせるだけでそのまま食べるより4倍の吸収率と言われています。
β-カロテンは細かくするほど増えます。また、大きく切った人参よりもすりおろした方がβ-カロテンの吸収率もアップするため、人参を皮つきのまますりおろすといいでしょう。
すりおろした人参は野菜スープやドレッシングにできます。また、オムレツやハンバーグに混ぜてもおいしいですよ。人参嫌いな子供にもおすすめです。
ビタミンCやカリウムは水溶性なのが特徴です。人参の栄養を逃さないようにするにはなるべく茹でる時間を短くするようにしましょう。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。ご存知の方も多いかと思いますが、コラーゲンには美肌効果が期待されています。筋肉の発達にも貢献しますので、痩せやすい体作りにも効果が見込めます。たんぱく質が豊富な食材は鶏肉や卵などです。
ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。
鉄は、吸収率が低いと言われています。そのためビタミンCを含むかぶを食べるときは、鉄を含む食材を一緒に食べるようにするといいでしょう。鉄を多く含む食材にはレバーや赤身肉があります。他にもカツオや鶏卵、あさりや牡蠣、野菜では小松菜に多く含まれています。
葉の部分にはカルシウムも含まれているので、ビタミンDを多く含む食材と一緒に摂ると骨が鍛えられます。これは、ビタミンDが腸でのカルシウム吸収を促進させるからです。
ちなみにビタミンDを多く含む食材は魚類です。また肉類やきのこ類にも含まれています。魚の中でもまいわしや鮭、さんまに多く含まれています。
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