トマトは通年、野菜室で保存するのが基本です。青いトマトを赤く完熟させたい場合のみ常温保存がおすすめです。トマトは冷凍して保存することも可能です。乾燥させて保存することでいつもと違う食感がお楽しみいただけます。
トマトの低温貯蔵の最適温度は8〜10℃、湿度は90〜95%といわれています。そのため、温度が低すぎるチルド室(設定温度約0〜3℃)や冷蔵室(設定温度約0〜7℃)での保存は避け、低温になりずぎない野菜室(設定温度約3〜9℃)での保存がおすすめです。
保存最適温度よりも低い温度で保存すると、味や食感が劣る低温障害を起こす可能性があります。また、最適温度でも冷蔵庫の冷気が直接トマトに当たることで傷んだり味が落ちることがあります。
そのため、正しく保存することが重要です。正しい保存方法は後ほど詳しくご紹介します。
トマトを保存する際に悩むのがヘタを取るかどうかということ。ヘタ付きのままの方が乾燥を防げるというメリットもありますが、衛生面からヘタを取ってから保存することを推奨します。
トマトのヘタ周辺には細菌が多く生息するといわれています。さらに、トマトを水洗いする際にヘタのくぼみの部分に水が溜まりやすく、細菌が増加する傾向にあります。
そのため、トマトを保存する際はヘタを取り水洗いをし、しっかりと水分を取ってから保存しましょう。ただし、ヘタを取るとトマトが呼吸しやすくなる=乾燥が進みやすくなるため、正しい保存方法で乾燥を防ぐことが重要です。
当たり前ですが、新鮮なトマトを選び購入した方が、保存したときも日持ちします。トマトを選ぶ際の注目すべきポイントは下記の通りです。
ずっしりと重みがある
丸みを帯びている
赤みが濃い
ハリやツヤがある
ヘタが緑色でピンとしている
トマトのお尻の部分(ヘタの反対側)から八方に白いスジが見える
下記の特徴があるトマトは腐っている可能性が高いです。食べずに捨てるようにしましょう。
トマト全体がブヨブヨ柔らかく崩れやすい
トマトの皮がシワシワにしおれている
トマトから水分が出る
異臭がする
苦かったり酸っぱい味がする
熟していない青いトマトのみ常温で保存します。追熟の最適温度は15〜25℃といわれているため、常温で保存することで成熟が進み、美味しいトマトになります。
常温で保存し、トマトを追熟させる場合は、1つずつ新聞紙にくるみ、ヘタの部分を下にしてカゴに入れ、冷暗所に置いておきます。ヘタの部分を下にすることで、トマトが乾燥するのを防げます。
夏場は2〜3日、冬場は1週間ほどが、常温の保存期間の目安です。
上述の通り、トマトの追熟最適温度は15〜25℃です。熟したトマトを常温保存するとさらに熟して傷んでしまうため、熟したトマトは通年常温以外の保存がおすすめです。
ただし、冬場なら常温保存も可。その場合は8〜10℃以下になる場所で保存しましょう。暖房器具を使っている部屋などで10℃を超える場合は、冬場でも冷蔵庫で保存しましょう。
熟したトマトは通年冷蔵保存します。熟したトマトは、トマト同士がくっつくとその部分から傷みやすくなります。さらに、トマトに含まれるビタミンCが15%も失われてしまうことも!(常温で1週間保存した場合)
しかし、保存最適温度(8〜10℃)以下の冷蔵庫で保存すると低温障害を起こしてしまうので、冷蔵保存する場合は低温になりすぎない野菜室で保存します。
1つずつ丸ごとペーパーで包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れて軽く口を閉じます。野菜室で約2週間保存できます。
トマトの冷蔵の保存期間は2週間が目安です。
切ったトマトはラップをして、そのままチャック付きビニール袋に入れて、野菜室で保管します。切ったトマトは傷みが早いので数日以内に使い切るようにしましょう。
トマトの冷凍の保存期間は1ヶ月が目安です。
トマトの細胞が壊れて旨味成分である「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」などが外に出やすくなるため、甘みとうまみが増しより美味しく食べることができます。また、冷凍することによりトマトの酸味が和らぎます。ただし冷凍したトマトは食感が劣るので、生食ではなくソースやスープなどの加熱料理に使用しましょう。
トマトの皮むきが必要なレシピに使う時や、カットする時間がない時、用途が決まっていない時などはトマトを丸ごと冷凍するとよいです。
ヘタを取って、丸ごと冷凍用のチャック付きビニール袋に入れます。冷蔵庫の急速冷凍機能を使うことで瞬時に凍らせることができます。急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍しましょう。
冷凍庫で約1ヶ月保存できます。
丸ごと冷凍したトマトを解凍する方法には自然解凍、水に入れて解凍、電子レンジで解凍などがあります。
自然解凍する場合は、凍ったトマトを5分ほど室温に戻します。しかし、水と一緒にトマトの汁も抜けてしまい味が劣ってしまうのでおすすめしません。
トマトの皮を剥く場合は、水にさらして解凍するのがおすすめです。トマトのお尻の方(ヘタの反対側)に十字に切れ目を入れ、水に30秒〜1分ほど浸けます。その後手で皮を剥きます。
電子レンジで解凍する場合は、耐熱皿にトマトをのせてそのまま解凍します。
皮を剥いたトマトはソースやスープなどに、皮つきのトマトはすりおろしてドレッシングなどにおすすめです。
ざく切りにして冷凍すると、料理をする時にすぐに使えて便利です。
トマトを水洗いし水けをしっかり取ります。好みの大きさにカットし、冷凍用のチャック付きビニール袋に入れて保存します。冷凍庫で1ヶ月保存できます。
トマトがなるべく重ならないように入れると、使いたい分だけ手で折れるので取り出しやすくなります。
上述の通り、冷凍トマトは解凍しても生食には適さないので、加熱して食べるのがおすすめです。解凍しすぎると旨味成分や甘み成分、栄養などが流れ出るため、冷凍のカットトマトは凍ったまま加熱料理に加えましょう。
なお、トマトソースを作って冷凍することも可能です。
トマトソースのレシピはこちら
トマトの乾燥保存期間の目安は、常温または冷蔵保存で1ヶ月です。
トマトは乾燥させてから保存することもできます。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥トマトは、お味噌汁の具やサラダのトッピングとしてお使いいただけます。凝縮した旨みと、いつもと違う食感が楽しめます。
一番よい乾燥方法は天日干しです。
水洗いし水けをしっかり取ったトマトを輪切りにします。輪切りにしたトマトをザルに並べ、2日ほど天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。太陽が沈んだら必ず部屋に移動させましょう。干す前に塩を一振りしても◎。天日干ししたトマトは密閉容器に入れ常温で1ヶ月保存できます。
天日干しすることで、トマトに含まれるリコピンの量が4倍になるといわれています。リコピンは抗酸化作用のある栄養素です。リコピンの抗酸化作用は同じ抗酸化作用を持つベータカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上といわれています。肌や血管の老化を防いだりガンや動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。
天日干しができない方はオーブンでトマトの水分を抜くこともできます。鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にトマトを並べます。100〜110℃で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に輪切りにしたトマトを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
トマトを美味しく電子レンジで加熱する方法については、下記の記事で詳しく解説しています。
レンジ加熱したトマトがまずい...美味しいレンチン方法を解説
最後におすすめの作り置きレシピを紹介します。作り置きの期間は冷蔵で2〜3日が目安です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
フレッシュなトマトを使ったナムルです。甘いトマトとごま油の相性が抜群です。とても簡単に作れますのでぜひお試しください。冷やすとさらに美味しくいただけます。
トマトのナムルのレシピはこちら
ズッキーニはどんな料理にもよく合う万能野菜です。ズッキーニとトマトの相性は特に◎。
ズッキーニとチキンのトマト煮のレシピはこちら
たっぷりのトマトを使ったトマト味噌のレシピをご紹介します。トマト味噌は、パスタや野菜炒めなどに使える万能調味料です。こちらのトマト味噌を使ったレシピに、シーフードパスタやラタトゥイユがあります。
トマトみそのレシピはこちら
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