きゅうりの正しい洗い方や下処理の方法はご存知ですか?きゅうりの表面には農薬や雑菌などが付着しているため、丁寧に洗う必要があります。また、きゅうりには苦味成分があったり、イボが付いてるので、しっかりと下処理をすることで美味しく食べることができます。
きゅうりを食べる前はしっかりと洗う必要があります。
アメリカの「エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)」が行った調査によると、きゅうりは残留農薬値が多い「ダーティ・ダズン」第15位にランクインしています。
日本は温暖多雨な気候であるため、病害虫が発生しやすく、その分海外よりも多く農薬を使用していることがあり、日本で同じ調査を行った場合は同じ結果がでるとは限りません。日本ではさらに残留農薬値が高いことも考えられます。
また、きゅうりには多くの細菌が付着しているといわれており、これまでに食中毒の被害も多く報告されています。
したがって、きゅうりを食べる前はしっかりと洗って農薬や雑菌などを落としましょう。
きゅうりはしっかりと洗えば皮ごと食べることができる野菜です。皮にはきゅうりに含まれる半分以上のミネラル類が含まれているといわれています。具体的には、きゅうりの皮には実の5倍のカルシウムや2倍のリンの量が含まれています。それだけではなく、皮には全体の3割のビタミンC、ピラジン、シリカなどの栄養素も含まれているため、皮を剥くのは栄養素的には大変もったいないです。
ただし、皮があることで味が染み込みにくかったり、苦味を感じやすいことがあるので、気になる方は剥いて食べることをおすすめします。
また、きゅうりの表面に付いている突起状のイボ(ぶつぶつ)も、しっかりと洗えば食べること自体は問題ないです。ただし大腸菌などの細菌などがつきやすかったり、食感が悪いので、気になる方はイボを取り除いてから食べる方が◎。きゅうりのイボ(ぶつぶつ)の取り除き方はこちらでご紹介していますので、参考にしてください。
きゅうりを洗う時は流水で洗います。ボウルにためた水の中で洗ってしまうと、落ちた農薬が再び野菜についてしまいます。また、水溶性ではない農薬も単に水の流れる勢いで物理的に取り除かれるということもありますので、流水で洗うようにしましょう。特にきゅうりのイボの部分には汚れが溜まりやすいので指でこすりながら、しっかりと洗ってください。
日本の農薬は水溶性であることが多いため、流水で30秒以上洗えばある程度落とすことができるといわれていますが、農薬のすべてが水溶性であるわけではないため、100%残留農薬を落とせるとは限りません。
きゅうりの農薬の落とし方についてはこちらの記事を参考にしてください。
農薬や雑菌が気になる方におすすめなのが、野菜や果物専用の洗剤で洗うことです。
特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬の多くは酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にブロッコリーを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり薬品が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
こちらの商品以外にも、様々な種類の野菜・果物用の洗剤が販売されています。スーパーやホームセンターなどで購入できますので、ぜひ使ってみてください。
野菜の洗う際に、熱湯を使うことでも農薬や雑菌などを落とすことができます。
きゅうりをたっぷりの熱湯でさっと茹でるか、熱湯をきゅうりにかける2パターンがあります。茹でる場合は、5〜10秒(雑菌をしっかりと取り除きたい場合は60秒)ほど茹で、冷水に落として冷やします。熱湯をかける場合も5〜10秒ほどかけ、トングや菜箸で上下を返してさらに5〜10秒ほど熱湯をかけて洗います。
熱湯を扱う際は大変熱くなっていますので、火傷しないように十分に注意しましょう。
驚かれる方が多いかもしれませんが、実は食器を洗う時に使っている洗剤を使ってきゅうりを洗うこともできるのです。
食器用洗剤の中には、使用用途として野菜や果物の洗浄も含まれているものがあります。食器用洗浄をきゅうりの洗浄に使用する場合は、水にごく少量を溶かして使用します。洗浄後は、流水でしっかりと洗剤を洗い流しましょう。
洗剤の種類によっては使用不可なものもありますので、使用前に必ずラベルを確認するようにしましょう。
きゅうりを食べる前の下処理や下ごしらえについてご紹介します。
板ずりとは、食材に塩をかけてからまな板の上で転がす下処理のことをいいます。
きゅうりは板ずりをすることで、表面のイボが取れるてえぐみが取れたり水分が抜けやすくなるなどのメリットがあるため下処理として板ずりをすることが多いのですが、板ずりによって雑菌や農薬を取り除くこともできます。
きゅうり1本に対し塩小さじ1/2をふりかけ、まな板の上で転がします。板ずり後数分置いて馴染んだら、塩をしっかり洗い流します。板ずりした塩は汚れが付いているので、そのまま使わず、必ず洗い流しましょう。
近年は品種改良が進み、イボがないものや、えぐみが少ないものが多いので板ずりをしないで食べられることもありますが、皮ごと食べる場合は板ずりはしておいたほうが安心です。
きゅうりの板ずりに関しては、下記の記事でも詳しく解説しています。
きゅうりの皮はピーラーを使えば簡単に剥くことができます。皮を剥くと同時に表面のイボ(トゲトゲ)も取り除くことができます。
きゅうりの皮は青臭さが強いことや、苦味成分が含まれていて苦味やエグみがあるので皮を剥くことで青臭さや苦味を軽減できるメリットもあります。ただし、きゅうりの皮にも栄養素が豊富に含まれているので栄養価を下げたくない方は、ホッキ貝のパウダーなどを使って農薬を落として皮ごと食べるのがおすすめです。
塩もみをすることできゅうりの水分が抜け、味が染み込みやすくなります。また、塩もみによってきゅうりの青臭さが軽減されます。
きゅうりを塩もみする際は、料理に合わせてきゅうりをカットし(写真は小口切り)、きゅうり1本に対して塩小さじ1/4をまぶして軽くもみ、5分ほどそのまま放置します。最後に水けをしっかり絞って塩もみ完了です。
塩もみ後の水洗いは不要ですが、塩分が不要な場合や、青臭さを取り除きたい場合は水洗いをしてから水けを絞りましょう。
きゅうりの塩もみに関しては、下記の記事でも詳しく解説しています。
きゅうりは包丁で切るよりも、綿棒などで叩いた方が味が染み込みやすくなります。包丁で切る時にできる平らな断面からよりも、綿棒などで叩くことによってできる凸凹の断面からの方が味が馴染みやすくなるといわれています。
きゅうりを叩く際は、まな板の上にきゅうりを置き、料理用の綿棒やすりこ木で叩いてヒビを入れていきます。綿棒やすりこ木がない場合は、包丁の腹(面が広い部分)を当てて、体重をかけてヒビを入れます。
次に、きゅうりの基本的な切り方をご紹介します。それぞれのカット方法がどんな料理に合うかもあわせてご紹介します。
きゅうりの両端を切り落とし、端から等間隔でカットします。厚さは料理に合わせましょう。酢の物などの味を染み込ませる料理や、薄い食感がお好みの場合は薄く、きゅうりの食感を楽しみたい場合は厚めにカットしましょう。例えば、酢の物やポテトサラダは薄い小口切りの方が◎。
きゅうりを縦半分にカットします。カット断面をまな板の底に向け、端から等間隔でカットします。小口切りと同じように、厚さは料理に合わせましょう。半月切りも酢の物やサラダなどに適しています。
小口切りよりも小さいカットなので、味がさらに染み込みやすくなります。お子様でも食べやすいカットです。
きゅうりに斜めに包丁を入れて等間隔にカットする方法です。カット断面の面積が広いので、味が染み込みやすいです。サラダや和え物、炒め物にもおすすめです。厚さは料理に合わせて調整しましょう。
斜め切りにしたきゅうりは、輪切り(小口切り)にしたきゅうりよりも切断面が大きいため、劣化のスピードが早いのでなるべく早めに食べるようにしましょう。
冷やし中華のトッピングにするには細切りまたは千切りがおすすめです。
斜め切りにしたきゅうりをずらして重ね、端から細かくカットします。このときやや幅広めにカットするのが細切り、幅狭くカットすると千切りになります。千切りにする場合は、斜め切りにする際の厚さも薄くするのがポイントです。
きゅうりの食感を楽しむことができるカットです。ピクルスや和え物などに適しています。
きゅうりをまな板に横向きに置き、包丁を斜めに入れます。きゅうりを手前に90度回したら再度包丁を斜めに入れます。この工程を繰り返します。
バーニャカウダなどにおすすめのカットです。
きゅうりを半分にカットします。縦半分にカットしたらさらに縦に2等分、または3等分にします。
ちょっと難易度が高いカット方法ですが、酢の物などに適しています。
きゅうりをまな板の上に横向きに置き、割り箸を上下においてきゅうりを挟みます。包丁が割り箸に当たる深さまで入れていきます。
最後に、きゅうりの正しい保存方法をご紹介します。
きゅうりの保存のポイントや下記以外の保存方法についてはこちらの記事でご紹介していますので、あわせてご確認ください。
きゅうりは1〜2日で食べるなら常温保存も可能です。
直射日光が当たる箇所は避けて、冷暗所で保存しましょう。ただし、保存の最適温度は10~15度程度なので、夏場は常温保存は避けるのが無難です。水分が多くあまり日持ちしないので、すぐに食べるようにしましょう。新聞紙かキッチンペーパーに包み、立てて保存します。
1〜2週間保存したいなら冷蔵保存しましょう。
きゅうり表面の水けをよく拭き取って、1〜2枚のキッチンペーパーで巻き、ポリ袋に入れ、へたを上にしてカップなどに立てて野菜室で冷蔵保存します。きゅうりは通常の野菜室やチルド室では低温障害を起こすので、温度が比較的高い野菜室を必ず利用するようにしましょう。
キッチンペーパーは寒さから守るだけではなく、保存中に染み出てくる水分で野菜が傷まないようにするためにも重要な役割を果たします。キッチンペーパーで包むというひと手間をするだけで、野菜の持ちが全く違います。
カット(小口切り)したきゅうりも冷蔵保存が可能。その場合はあまり重ならないようにジッパー付きポリ袋に入れて、空気を抜き封を閉じます。切ったものは傷みが早いので、なるべく早く食べきりましょう。カットしたきゅうりの冷蔵保存の期間の目安は2〜3日です。
半分だけ残った場合は、ラップできっちり包み、ジッパー付きポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう。こちらも数日以内で食べ切るようにしましょう。
1ヶ月ほど長期保存したい場合は冷凍保存します。
きゅうりは水分量の多い野菜なので、丸ごと冷凍保存には向きません。冷却の過程できゅうりの中に大きな氷結晶ができてしまい組織を壊し、食感・風味を悪くします。
そのため、きゅうりを冷凍保存する際、小口切りにしボウルに入れ塩もみをし、しっかり水けを絞り、一度で食べる分だけラップで包み、ジッパー付きポリ袋に入れて保存します。塩の量はきゅうり1本に対して小さじ1/4が目安です。
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