水分量が多く栄養がないイメージの強いきゅうりですが、実際はどうなのでしょうか?きゅうりに含まれる栄養と効能を詳しく解説していきます。また、きゅうりの効果的な食べ方も紹介します。
きゅうりの原産地はインドからネパールにかけたヒマラヤ山脈で、インドでは3000年以上前から栽培されていたと考えられています。日本には6世紀後半に伝わり、江戸時代から本格的に普及しました。
表面は鮮やかな緑色をしているが中身は白いので緑黄色野菜ではなく淡色野菜です。きゅうりは水分量が95%で「栄養がほとんどない野菜」と評価されがちですが、ほとんどの野菜が水分量90%程度あるので、特別きゅうりだけが「水分ばかり」というわけではありません。淡色野菜にしてはβ-カロテンやカリウムを豊富に含みます。その他にもビタミンC・Kや亜鉛、銅なども量は多くありませんがバランスよく含みます。
何も調理しなくても美味しく頂ける点も野菜として重要なポイントです。また、食べる頻度が高く一度にたくさん食べられるのも嬉しい点です。
β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換される成分のうちのひとつで、その中でも最も活性が高くなっています。
β-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内に発生した活性酸素を除去します。活性酸素は本来ウイルスと闘うなど健康維持に大切ですが、増えすぎると害を及ぼし、老化の促進などに繋がります。活性酸素はストレスや紫外線、不規則な生活習慣や加工食品、また喫煙などによって増加しすぎると言われています。
ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。
きゅうりはほとんどが水のイメージですが、実は栄養価は高く、ビタミンCもトマトの1.2倍含まれています。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。
さらにビタミンCの抗酸化力はトップクラスですので、細胞を酸化から守り老化や生活習慣病の予防にもなります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
また抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。また喫煙者はビタミンCの消費が激しいので、一般成人の2倍は摂ることをおすすめします。
きゅうりには少量ですがビタミンKも含まれます。
ビタミンKは血液を凝固させる成分を合成する働きがあり、出血を止める役割があります。月経による出血が多い場合も、症状を軽減する効果が期待できます。ただ、血液は出血している箇所以外(血管内など)は正常に流れていなければなりませんが、ビタミンKは血流が悪くならないよう凝固の抑制にも働きかけています。
さらにビタミンKは、骨から血液中にカルシウムが放出されるのを抑え、骨にカルシウムが沈着するのを助けてくれます。そしてカルシウムの合成に必要なたんぱく質を生み出し、腸内でカルシウムが吸収されるのを助けます。ビタミンDと並び、健康な歯や骨を作るのに欠かせないビタミンです。
加齢や女性ホルモンの減少、またダイエットなどにより骨密度は低下します。それが重症化すると骨粗しょう症を発症します。特に女性に多いこの病気とされているので、日頃からカルシウムの吸収を助けるビタミンKとビタミンDを一緒に摂り、骨密度アップを心がけましょう。
高血圧予防のあるカリウムは、ナスの1.4倍含まれています。
カリウムはミネラルの一種です。
カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。
そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
銅はそのままの形では利用できない鉄を使いやすい形に変えて、赤血球の合成を助けています。そのためいくら鉄分を摂取しても、銅が不足すると赤血球に変えられないため貧血を起こしてしまいます。
また、細胞間の結合組織となり、丈夫な肌や筋肉を作るコラーゲンの生成にも不可欠な栄養素です。
主に銅は肉類のレバー、いかやたこなどの魚介類、納豆などに多く含まれています。
ホスホリパーゼは「やせ酵素」と呼ばれています。脂肪を分解する作用があり、食事で摂取した脂肪を分解して体外に排出してくれます。しかもきゅうりに含まれるホスホリパーゼはその効果がより強いことが明らかになっています。さらには体内の老廃物や毒素を排出して、脂肪を燃やし代謝を高めてくれます。
食物繊維はなんとキャベツとほぼ同じ量が含まれています。
食物繊維は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。きゅうりにはどちらも含まれていますが、不溶性食物繊維が4倍多いです。
不溶性食物繊維は水分を吸って腸の中で大きく膨らみ、排便をスムーズにし、有害物質が体にとどまる時間を短縮させ、便秘の予防・改善、腸内環境を整えます。腸内環境を整えることは痩せやすい身体づくりに大切だといわれています。
水溶性食物繊維は、水に溶けることで食べたものの粘稠性を高めます。それによって食べたものの腸への移動がゆっくりになるため、血糖値の上昇をゆるやかになり糖尿病予防になります。
便秘の予防・改善はコレステロールのコントロールにもつながります。さらに血糖値の急激な上昇を抑えてくれる効果もあるため、ダイエットや糖尿病の予防にもつながります。他にも免疫やうつ病、脳とも関連があることが近年の研究で明らかになってきています。
シトルリンはスイカから発見されたアミノ酸で、ウリ科の植物に多く含まれています。
まずシトルリンには血管拡張作用があるので、運動パフォーマンスを向上させる効果があります。これはシルトリンが増加すると、アルギニンが増えるので体内の一酸化窒素の濃度が上がります。一酸化窒素に血管拡張作用があるため、そのような効果が発揮されます。さらには、乳酸やアンモニアなどを素早く除去し、エネルギー生成を促進する働きもあります。この反応に伴って成長ホルモンの分泌を促進したり、筋肉を構成するたんぱく質の分解の抑制や合成の促進などが起こるので、運動をする人はぜひ摂取すべき栄養素です。
また血管拡張作用によって血流が良くなるので、冷えや足のむくみなどにも効果的です。さらに血流が良くなると動脈硬化の進行抑制や、脳の血流促進が期待されるので、集中力や記憶力にもいい影響があると言われています
そして、このシトルリンは肌の潤いを保つ、人がもともと持っている保湿成分のひとつであるため、肌のツヤやハリを維持します。先程も言ったように血流が改善する効果もあるので新陳代謝を活発にして、肌のターンオーバーも促進できます。
三大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質を指します。野菜には少ないたんぱく質や炭水化物(糖質)が主成分です。
可食部100gあたり
エネルギー...13kcal
水分...95.4g
たんぱく質...1.0g
炭水化物...3.0g
脂質...0.1g
食物繊維...1.1g
きゅうりは水分が多くカロリーが低くなっています。
糖質は(炭水化物から食物繊維を引いた値)1.9gです。
他の野菜と比べてみると、
きゅうり:糖質1.9g、13kcal
トマト:糖質3.7g、20kcal
ピーマン:糖質2.8g、20kcla
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal
です。
きゅうりが野菜の中で糖質もカロリーも低いのがわかりますね。きゅうりの糖類は果糖とぶどう糖がほとんどで、ショ糖が微量含まれています。
きゅうりはギネスブックに「Lowest calorie fruit」と掲載されています。これは「最も熱量(カロリー)が低い果実」という意味で、100gで14kcalしかないきゅうりがそのように掲載されました。
それがいつの間にか「最も栄養がない野菜」として広まり、栄養がないと言われてしまいます。
たしかに95%が水分なので、栄養価がたっぷりなわけではないですが、ビタミンCをはじめとするビタミン類やカリウムもたくさん含まれています。
酵素アスコルビナーゼがビタミンCを破壊するといわれていまいたが、実際には還元型のビタミンC(L-アスコルビン酸)を酸化型ビタミンC(デヒドロアスコルビン酸)へと酸化させるだけといわれています。
体内で酸化されたビタミンCは、状況に応じてもとの形に戻って通常通り働きます。人体内ではほとんどが還元型として存在することが実験でもわかっているため、ビタミンCを破壊するというのは間違いです。
酵素アスコルビナーゼの働きを抑制するためには、酢をかける、または2分間加熱する方法があります。
水分が多いので、汗や尿となり放熱して体温下げます。さらにきゅうりに含まれるカリウムも利尿作用があるので、体温を下げてくれます。
また、夏バテをしていても食べやすいのも特徴で、夏には欠かせない食材です。
ただし、逆に食べ過ぎると、体を冷やしすぎてしまうので注意しましょう。また、体力が落ちてるときに生食しすぎるとよくありません。
ただ調理すると水溶性なのでカリウムは流れ出しまうので、生のきゅうりを程よく食べましょう。
漢方でもきゅうりは体を冷やすと言われています。
さらに、きゅうりをすりおろして放置しておくと、水分が出てきます。その上澄みは軽い火傷やあせも、しもやけに効果があると言われています。
きゅうりの青臭い香気の成分はピラジンです。ほうじ茶やワインなどにも含まれる成分です。またピラジンは苦味成分でもあります。
さらにきゅうりのヘタには苦味の正体であるククルビタシンという成分が含まれています。このククルビタシンには抗酸化作用があります。ただ、食中毒になる可能性があるのできゅうりに激しい苦味を感じた場合は吐き出すようにしましょう。
この成分はゴーヤなどのウリ科の野菜に多く含まれます。
現在は改良された品種にはほとんど含まれていないことが多いです。
水分が多く含まれたきゅうりで、日焼けした後に冷やしたきゅうりを薄くスライスしてパックとして使うことがあります。ピラジンには血行促進作用があり、消炎効果が期待できます。ただ、きゅうりは紫外線を吸収してしまうので、夜に行い、外したあとは顔を洗ってきゅうりの成分をしっかり流しましょう。
また、このきゅうりパックは軽い火傷にも有効です。
見た目もよくにているズッキーニと、きゅうりの栄養素は同じなのでしょうか?
まず水分ですが、100gあたりに含まれる量は、きゅうりが95.4g、ズッキーニが94.9gとなっており、ほとんど同じです。
栄養素を比較するとカリウムはきゅうりが200mgで、ズッキーニが320mgと多くなっています。またマグネシウムはきゅうりが15mg、ズッキーニが25mgと多いので、ミネラル類はズッキーニのほうがやや多くなっています。その他の栄養素は大差ありません。
ズッキーニの栄養に関しては下記の記事で詳しく解説しています。
「ズッキーニは栄養ない」は本当?栄養を引き出す効果的な食べ方は?
野菜を購入するときになるべく新鮮なものを選んだ方がいいです。特にきゅうりは新鮮さが命です。きゅうりは水分の95%が水分なので、時間が経つと味も食感も極端に落ちてしまいます。
新鮮なきゅうりの特徴は下記です。
イボがとがっている(イボがない品種もある)
肩が盛り上がっている
特有の香りがし、皮にハリと弾力があり、ずっしり重い
切り口が黒ずんでいない
また、きゅうりは時間が経ち肥大化するとビタミンCが減少する傾向にあります。栄養の観点からも早めに食べたいものです。
「やせ酵素」と呼ばれるホスホリパーゼは、よく噛むことで効果がアップします。20回以上噛まないと細胞壁が壊れません。そのためホスホリパーゼを吸収することができないんです。きゅうりを食べるときは20回以上噛むことを意識してみましょう。
きゅうりは、ぬか漬けにすると栄養価が高くなります。これはぬかに含まれている栄養素が浸透するためです。きゅうりにほとんど含まれていないビタミンB1やB6も浸透して多くなります。ビタミンB1は8倍、カリウムやビタミンKは3倍になります。ビタミンCも1.5倍になるのでぬか漬けはとてもおすすめです。
ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。コラーゲンには肌に潤いをもたらす、丈夫な骨を形成する、丈夫な筋肉を形成する、関節の働きをよくするなど様々な効能があります。たんぱく質が豊富な食材には肉類や魚介類、卵、大豆などがあります。
ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。
鉄は、吸収率が低いと言われています。そのため鉄を含む食材を食べる際は、ビタミンCを含むきゅうりと
一緒に食べるようにするといいでしょう。鉄を多く含む食材にはレバーや赤身肉があります。他にもカツオや鶏卵、あさりや牡蠣、野菜では小松菜に多く含まれています。
鉄は赤血球のヘモグロビンの材料となり、酸素を運びます。このヘモグロビンですが、ヘムという赤い色素とグロビンというたんぱく質から成っており、赤血球が赤い色をしているのはこのヘモグロビンの色です。肺に取り込まれた酸素は、このヘモグロビンと結合して心臓に送られ、そこから全身へと運ばれていきます。そして、ヘモグロビンは酸素が届け終わると二酸化炭素と結びつき、また心臓を経て肺に戻っていきます。鉄を材料としたヘモグロビンは、体内でとても重要な役割をしているのです。
そのため、鉄が不足するといわゆる「貧血」になってしまうことがあります。また、鉄が不足するとヘモグロビンが作れなくなるため、体内が酸欠状態になってしまいます。そうすると様々な不調が出てきしまいます。特に脳は多くの酸素が必要で酸欠に弱いため自律神経のバランスが乱れたり、代謝が悪くなったりします。
きゅうりの食物繊維と、イカやタコ、牡蠣、あさりなどのタウリンには、コレステロールを下げる効能があるため、一緒に摂取することでより効果がアップします。
食物繊維は、コレステロールを吸着して体外に排出することで、血中のコレステロール値を低下させます。タウリンは、血中の悪玉(LDL)コレステロールを大きく低下させ、さらには善玉(HDL)コレステロールを増やします。全体の総コレステロールは低下します。
またタウリンには血圧を下げる効果もあります。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
酢のさっぱりした味付けがきゅうりとタコによく合います。てんさい糖を使いまろやかに仕上げています。きゅうりの食物繊維、タコのタウリン、酢のクエン酸にはどれも血糖値を下げる効能が期待できます。
たこときゅうりの酢の物のレシピはこちら
きゅうりはミネラル類が多くないため、ミネラル類を豊富に含むわかめと和えて酢の物にするのもおすすめです。
わかめときゅうりの酢の物のレシピはこちら
きゅうりと卵は意外にも相性◎。味付けは塩・こしょうのみのシンプルレシピです。豆乳を使って卵をふわっと仕上げています。きゅうりの含まれるビタミンCは卵に含まれるタンパク質がコラーゲンになるのを助け、さらに卵に含まれる鉄の吸収率をアップしてくれます。
きゅうりの卵炒めのレシピはこちら
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