きゅうりの下ごしらえの一つに板ずりがありますが、板ずりは必ず必要なのでしょうか。本記事では、板ずりが必要な理由と、板ずりの方法、そして板ずり以外の下処理の方法を詳しく解説します。
板ずりとは、食材に塩をかけてからまな板の上で転がす下処理のことをいいます。
料理で使う前に野菜を板ずりする理由は様々ありますが(詳細は後述します)、野菜の表面の産毛やトゲを取って口当たりをなめらかにしたり、アクを抜いたり、食材の色を鮮やかにすることができます。
きゅうり以外に板ずりが必要な野菜にはオクラやいんげん、ふきなどがあります。
きゅうりの板ずりは下記に紹介する理由からやることをおすすめします。
しかし、最近のきゅうりは品種改良され、突起があまりなく、青臭さや苦味が少ない個体が多いため、必ずしも必要なわけではありません。
きゅうりは板ずりをすることで口当たりが良くなり食べやすくなります。
きゅうりの表面にはイボと呼ばれるぶつぶつ(トゲトゲ)があります。専門用語では「刺毛(しもう)」といいますが、イボがあることで口当たりが悪くなってしまいます。さらにイボには細菌が付着しやすいといわれており、そのまま食べると食中毒になる恐れがあります(実際に過去にきゅうりによる食中毒の事例が報告されています)。
塩を使ってまな板できゅうりをこすることでイボを取り除くことができ、表面がなめらかになって食べやすくなります。また、塩には殺菌効果があるので、細菌も合わせて取り除くことが可能です。
最近のきゅうりはイボが少ない(ない)品種が開発されていたり、イボが取り除かれた状態で販売されていることがありますので、その場合はイボを取るための板ずりは不要になります。
きゅうりを板ずりすることで、緑色がより鮮やかになり見た目がよくなります。
きゅうりの緑色はクロロフィルという色素によるものです。クロロフィルは酸素や水分と反応しやすく、時間の経過とともに分解される傾向があります。板ずりをすることできゅうり内部の水分が減少し酸素との反応が抑制されるため、クロロフィルが安定し緑色が鮮やかになるのです。
家庭料理で彩りを気にしない場合は、色を鮮やかにするための板ずりは不要です。
きゅうりを板ずりをすることで、苦味やえぐみなどを取り除くことが可能になります。
きゅうりの青臭さや苦味の正体はククルビタシンという成分によるものです。他にもスイカなどのウリ科の植物に多く含まれます。ククルビタシンは水溶性なので、板ずりすることで、水と一緒に流れていきます。
ククルビタシンは多量摂取すると腹痛や下痢などを引き起こす可能性がありますが、キュウリに含まれている苦味成分はそこまで含有量が多くありません。そのため板ずりをしなくても強く苦味を感じることはありませんので、きゅうり特有の苦みや青臭さが好みな場合は、板ずりは必須ではありません。
きゅうりを板ずりすることで、付着している農薬を落とすことも期待できます。
塩には脱水作用があり、細胞膜の両側で塩濃度に違いがある場合は、濃度が薄いほうから濃いほうへと水が移動する性質があります。この水を動かそうとする圧力を浸透圧と呼びます。塩の高い浸透圧によって、きゅうりの細胞内の水分が塩の方向に移動しようとするため、きゅうりから水が出てくるのです。
きゅうりから水分が出る際に、一緒に農薬も流れ出てきますので、板ずりしてから食べる方がより安全安心です。
ただし使用されている農薬は水溶性のものが多いため、30秒以上流水で洗えばある程度は落とすことができるといわれています。無農薬のきゅうりの場合は、農薬を落とすための板ずりは必須ではありません。
板ずりする前にある程度の汚れや農薬は落としておく方がベターなので、きゅうりを板ずりする前に流水で洗い流しましょう。
表面のイボはトゲトゲしているので、怪我には十分気をつけながら洗いましょう。心配な方は手袋を装着して洗うことをおすすめします。
農薬や雑菌が気になる方におすすめなのが、野菜や果物専用の洗剤で洗うことです。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬の多くは酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にブロッコリーを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり薬品が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
きゅうりを洗ったら、きゅうり1本あたり塩小さじ1/2をまぶして、まな板の上で転がします。3本程度であればまとめて同時に板ずりすることが可能です。きゅうり表面のトゲが丸みを帯びてなめらかになるまで転がしましょう。
転がす時はゴロゴロと音がいうように少し強めの力を入れて転がしましょう。力が弱いとイボが取れにくかったり、塩がなじみにくくなります。また逆に力を入れすぎるときゅうりが潰れてしまいますので注意しましょう。
板ずりが終わったらそのままの状態で(もしくは皿などに移して)数分置いて塩をなじませます。
板ずりする際の塩には苦味成分や農薬などが含まれている可能性があるので、最後にさっと水洗いして塩や汚れを取り除くのがおすすめです。
流水で表面に付いた塩を洗い流し、最後にキッチンペーパーで水けを拭き取って板ずり完了です。あとは料理に合わせてお好みの大きさにカットしましょう。
洗い物を増やしたくない場合は、まな板を使わずに「板ずり」する方法があります。
水洗いしたきゅうりを1本手で持ち、塩小さじ1/2をきゅうり全体にまぶして手で上下にすりこみます。手だけで行うので洗い物が出ません。板ずり後は数分放置し、塩を流水で流して完成です。
手で板ずりを行う際は、イボで怪我をしないように注意しましょう。ゴム手袋を付けて行うとより安全です。
下記3つの下ごしらえを実施することで、板ずりの目的4つすべてが叶います。板ずりの代替案としてぜひ参考にしてください。
きゅうりのイボや農薬、アクを取り除き、見た目を良くするにはきゅうりの皮を剥くという方法もあります。
ピーラーを使えば簡単に皮を剥くことができます。
ただしきゅうりの皮には、実の5倍のカルシウムや2倍のリンの量が含まれています。それだけではなく、皮には全体の3割のビタミンC、ピラジン、シリカなどの栄養素も含まれているため、皮を剥くのは栄養素的には大変もったいないという見解もあります。
きゅうりのヘタを切り落とし、身とこすり合わせることでアク抜きができます。こすりあわせることで維管束が刺激され、白い液体が出てきます。この白い液体の中に苦味成分であるギ酸が含まれており、予め切り口をすり合わせて液体を取り除いておくことできゅうりのアクを取ることができます。
30秒ほどこすり合わせたら流水で洗い流して料理に使用しましょう。
きゅうりのアク抜きに関しては、下記の記事でも詳しくご紹介しています。
きゅうりをカットして塩もみをすることで、青臭さやアク、農薬を落とし、また色合いを鮮やかにすることができます。丸ごと板ずりするよりも塩が馴染みやすいため、水分が抜けて味の含みが良くなります。また、きゅうりに含まれる食物繊維がやわらかくなるため、消化しやすくなる効果も期待できます。
塩もみする場合はしっかり水洗いしたきゅうりを小口切りにします。切ったきゅうりをボウルに入れて、きゅうり1本あたり小さじ1/4の塩をまぶして、かるく揉みます。塩「もみ」という名称ですが、この工程ではあまり力を入れる必要ありません。塩ときゅうりを「和える」くらいの感覚です。きゅうりがしんなりするまで5分ほど置きます。塩味をしっかりとつけたい場合は10〜15分くらい置くと◎。
最後に、水けをしっかり絞ります。めいいっぱい力を入れて、ギュッと絞りましょう。ここで水分が残っていると、料理の味を損ねてしまうので注意しましょう。これで完了です。キッチンペーパーに包んで水けを絞るのもおすすめです。
塩もみしたきゅうりを水洗いする場合は、ボウルにたっぷりの水を入れて2〜3回水を変えながら塩を洗い流します。そのあとに手できゅうりの水けを絞ります。
きゅうりの塩もみに関しては、下記の記事でも詳しく解説しています。
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