きゅうりの表面にあるぶつぶつは、一体何なのか疑問に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではきゅうりのぶつぶつについて詳しく解説します。
きゅうりの表面についているぶつぶつは一般的には「イボ」と呼ばれています。ぶつぶつや、イボイボ、トゲトゲなど様々な表現をされますが、厳密に言えばイボの上にトゲがあるという状態で、専門用語では「刺毛(しもう)」といいます。
きゅうりをカットすると、中心に白い未熟な種があるのが見えます。きゅうりのイボは種が熟すまでに害虫のなどの被害から身を守るために作られているといわれています。
イボイボはきゅうりが成長し熟していくと柔らかくなります。しかし、私達が普段食べているきゅうりは実は熟す前の未熟な状態です。きゅうりとしてはまだ食べてほしくない状態であるためイボイボが固い状態で残っているのです。
イボには大別して「白イボ」とイボの先が黒くなっている「黒イボ」があります。現在日本でスーパーなどで一般的に販売されているきゅうりは白イボ系の品種です。
白イボ系の品種は皮が薄く歯ぎれが良く、苦味も少ないため食べやすいです。一方、黒イボの品種は皮は柔らかいのですが、果肉が固く苦味があるのが特徴で、昔ながらの味わいです。
きゅうりは収穫して少し経つとトゲの部分が徐々にはずれていき、表面から突出しているイボ部分だけが残り、ぶつぶつになります。そのため、きゅうりの表面を触ったときにチクチクしているほど収穫してから時間が経っていない新鮮な状態であるといえます。
収穫作業や輸送中に自然と取れてしまうこともありますが、購入するときはぶつぶつの状態を確認すると鮮度が高いかどうか判断することができます。
ぶつぶつはイボが土台となり、その先にトゲがついています。イボの上についているトゲは落ちやすく、トゲが落ちた跡には大腸菌などの細菌がつきやすいといわれています。
そのため、近年ではぶつぶつがついていない品種が開発され、販売されています。ぶつぶつがない品種には例えば「フリーダム」や「プリティ」などがあります。これらの品種の場合は、元々ぶつぶつがついていないので、ついていないからといって鮮度が低いというわけではありません。
きゅうりは普段食べている実の表面だけではなく、つるや葉にぶつぶつができることもあります。販売されているきゅうりにはつるや葉はついていませんが、きゅうりは家庭菜園で育てることも多い野菜ですので紹介します。
育てているきゅうりのつるの途中からぶつぶつができるのは、つるの途中から根を出そうとしているためです。きゅうりは発根しやすい植物で、地面につるを這わせて育てていると、つるの途中からでも根を出そうとします。取り除いて挿し木をすれば新しい苗を作ることもできますが、発育に問題がでることもあります。そのため、家庭菜園できゅうりを育てる場合はつるが地面につかないよう支柱を立てるなど、つるが地面につかないようにすることが大切です。
葉にぶつぶつができるのは、斑点細菌病という病気の可能性、または害虫による被害を受けている可能性があります。斑点細菌病の場合は、発祥すると小さな斑点ができはじめ、進行すると表面がぶつぶつになり、穴があいていきます。
また、きゅうりは害虫の被害にもあいやすい野菜で、アブラムシやアザミウマなどの吸汁するタイプの害虫の被害にあってしまうと、吸汁されることで葉が傷んでぶつぶつになります。きゅうりを栽培する際が病害虫の対策をしっかりしておきましょう。
きゅうりのぶつぶつは、食べても問題ありません。ですので、つぶつぶを取らずに調理をして食べることもできます。
きゅうりは調理をする際、下処理としてぶつぶつを取り除くことも多いです。なぜぶつぶつを取り除くことがあるのか、解説します。
上述したようにきゅうりのぶつぶつの先にはトゲがあります。特に収穫したての鮮度が高いきゅうりのトゲは口の中にいれると傷みを感じるほどです。特に小さなお子様が食べる場合などは、口の中を傷つけてしまうこともあるため、ぶつぶつを取ったほうが安心です。
また、トゲがとれた後のぶつぶつも食感が悪くなる原因になります。そのため、口当たりをよくしたい場合は取ってから調理をするのが良いでしょう。
トゲがとれた状態のイボは上述したように、大腸菌などの細菌が分布しやすいことがわかっています。そのためトゲがとれた状態のイボには細菌が溜まっているといわれることが多く、実際にきゅうりを生食することによって引き起こされた食中毒の事例があります。
しかし、きゅうりのイボに細菌が多く分布しているという実態を確認した資料は非常に少なく、イボがある状態で食べたからといって必ずしも食中毒になるというわけではありません。
細菌については、しっかりと洗浄して洗い流して食べることが大切です。イボの部分には汚れが溜まりやすく、しっかりと洗うことは残留農薬を落とすことにも繋がります。
きゅうりやトマトなど茎に実がなる野菜や果物は、野菜表面のワックス成分によっても殺菌効果のバラつきが生じます。そのため、水で洗い流すだけでは汚れや農薬などを落としきれないことがあります。
残留農薬が心配な方は野菜・果物専用の洗浄パウダーを使うのがおすすめです。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にきゅうりを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて汚れが落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
きゅうりのぶつぶつは取り除かずに食べることができますが、トゲがついていて食べにくい場合や食感をよくしたい場合は取り除きましょう。それでは、きゅうりのぶつぶつを取り除く方法を紹介します。
収穫したてでトゲがついている場合は、流水で流しながらきゅうりの表面をトゲの流れに沿うようになでながら洗っていきます。こうすることで、きゅうりのぶつぶつの先についているトゲをとることができます。
一般的にスーパーなどで販売されているきゅうりのトゲは、そこまで固いものではないので軽く撫でるだけでとれますが、固くて触るのも痛い場合はゴム手袋などを使用したり清潔なスポンジなどでこするようにして取ると良いです。
家庭菜園で育てたきゅうりの場合は、きゅうりの葉を使ってこするようにするのも一つの手です。
きゅうりを食べるときには、下処理として板ずりをすることも多いですよね。板ずりをすることで、
イボが取れることでえぐみが取れる
雑菌や農薬が取り除かれる
緑が鮮やかに出る
水分が抜けやすくなる
などのメリットがあります。
きゅうりの板ずりをするときは、きゅうり1本あたり塩小さじ1/2をまぶして、まな板の上でころがします。数分置いて馴染んだら、塩をしっかり洗い流します。板ずりをした塩には汚れがついているので、そのまま使わず必ず洗い流しましょう。
まっすぐの状態のきゅうりは板ずりでぶつぶつを取り除くことができるのですが、曲がっているものなど状態によっては板ずりでは取り切れないこともあります。そんなときにおすすめなのが、包丁の背でこそげる方法です。
「こそげる」とは「素材の表面の不要な部分をごく薄くこすり落とす」という意味で、例えば魚の鱗(うろこ)を落とすことをいいます。
包丁の背を使って、軽く削るようにすることでぶつぶつを取り除くことができます。
きゅうりの表面をピーラーでむけば、当たり前ですが表面のぼつぼつはなくなります。また、皮を剥くことで苦味を軽減したり、青臭さを軽減することもできます。
ピーラーを使えば簡単にむくことができます。
ただし、きゅうりの皮にも栄養素は含まれていますので、食感をよくすることができても栄養価が下がってしまうのがデメリットです。そのため、栄養価を少しでも下げたくない場合は全部剥くのではなく等間隔に剥くか、板ずりをしてぶつぶつを取り除くのがおすすめです。
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