水分量が多いきゅうりは鮮度が命。そんなきゅうりの保存方法と保存期間を解説します。保存したい期間に応じてベストな保存方法を紹介します。キッチンペーパーやラップ、ポリ袋などを使いひと工夫するだけで持ちが全然違います。
きゅうりは夏野菜です。日本の夏は気温・湿度ともに高いため、低温と乾燥に弱いのが特徴です。また、水けにも弱いです。きゅうりに水分がついているとそこからすぐに腐ってしまいます。保存の最適温度は10~13度です。冷蔵するときはキッチンペーパーに包むことで寒さから守ります。また、湿度の高い野菜室を使ったり、ポリ袋に入れることで乾燥を避けることができます。
野菜は育ったときと同じ状態で保存すると長持ちします。きゅうりも例外ではなく、実ってたときと同じように、へたを上にして立てて保存すると◎。余計なストレスがかからず、旨みが持続します。横にして保存すると元の状態に戻ろうとして余計なエネルギーを消費し、味が悪くなってしまいます。カップや大きめの容器、切ったペットボトルなどを使い、倒れないように注意しましょう。
当たり前ですが、購入するときになるべく新鮮なものを選んだ方が、長く美味しく保存することができます。特にきゅうりは新鮮さが命です。きゅうりは95%が水分なので、時間が経つと味も食感も極端に落ちてしまいます。
新鮮なきゅうりの特徴は下記です。
イボがとがっている(イボがない品種もある)
肩が盛り上がっている
特有の香りがし、皮にハリと弾力があり、ずっしり重い
切り口が黒ずんでいない
また、きゅうりは時間が経ち肥大化するとビタミンCが減少する傾向にあります。栄養の観点からも早めに食べたいものです。
しなびてしまったきゅうりは生食ではなく、加熱調理するのがおすすめです。鮮度が落ちたきゅうりは生で食べても味も食感も悪いものです。加熱調理することで、乾燥が気になりません。
きゅうりは90%が水分で傷みやすい野菜なので、正しく保存していても腐ってしまうことがあります。下記のような特徴があるきゅうりは腐っている可能性が高いので、食べずに捨てるようにしましょう。
皮がしわしわに乾燥している
皮を触ると白い液体が出てくる
白カビが生えている
ヘタの部分が茶に変色している
酸っぱい臭いがする
食べると苦味が強い
きゅうりは1〜2日で食べるなら常温保存も可能です。
直射日光が当たる箇所は避けて、冷暗所で保存しましょう。ただし、保存の最適温度は10~15度程度なので、夏場は常温保存は避けるのが無難です。水分が多くあまり日持ちしないので、すぐに食べるようにしましょう。新聞紙かキッチンペーパーに包み、立てて保存します。
1〜2週間保存したいなら冷蔵保存しましょう。
きゅうり表面の水けをよく拭き取って、1〜2枚のキッチンペーパーで巻き、ポリ袋に入れ、へたを上にしてカップなどに立てて野菜室で冷蔵保存します。きゅうりは通常の野菜室やチルド室では低温障害を起こすので、温度が比較的高い野菜室を必ず利用するようにしましょう。
キッチンペーパーは寒さから守るだけではなく、保存中に染み出てくる水分で野菜が傷まないようにするためにも重要な役割を果たします。キッチンペーパーで包むというひと手間をするだけで、野菜の持ちが全く違います。
長く保存するほどビタミンCが減少する傾向にあるので、なるべく早く食べたいものです。
カット(小口切り)したきゅうりも冷蔵保存が可能。その場合はあまり重ならないようにジッパー付きポリ袋に入れて、空気を抜き封を閉じます。切ったものは傷みが早いので、なるべく早く食べきりましょう。カットしたきゅうりの冷蔵保存の期間の目安は2〜3日です。
半分だけ残った場合は、ラップできっちり包み、ジッパー付きポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう。こちらも数日以内で食べ切るようにしましょう。
1ヶ月ほど長期保存したい場合は冷凍保存します。
前述の通り、きゅうりは水分量の多い野菜なので、丸ごと冷凍保存には向きません。冷却の過程できゅうりの中に大きな氷結晶ができてしまい組織を壊し、食感・風味を悪くします。
そのため、きゅうりを冷凍保存する際、小口切りにしボウルに入れ塩もみをし、しっかり水けを絞り、一度で食べる分だけラップで包み、ジッパー付きポリ袋に入れて保存します。塩の量はきゅうり1本に対して小さじ1/4が目安です。
塩もみしたものを冷蔵保存する場合は、その日のうちに食べるようにしましょう。手には雑菌がついているため、何日も保存するのは衛生上避けた方がよいでしょう。
常温で解凍するか、流水して解凍しましょう。きゅうりは半解凍くらいに留めるのがポイント。しばらく放置するとベチャベチャとした食感になってしまうためです。水分が多いので、半解凍したら水けをしっかり絞り調理に使いましょう。サラダや酢の物、混ぜ寿司など色々使えて便利です。
きゅうりは干して保存することもできます。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥させたきゅうりは密閉容器に入れて常温または冷蔵で1ヶ月ほど保存することができます。
斜め薄切りしたきゅうりを、キッチンペーパーで水けをしっかり取り、ザルに並べ、2日ほど天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
青臭さが抜けて、生とは違うパリパリとした食感になります。そのまま和え物や炒め物で加熱したり、スープや汁物に投入して使うのも◎。
天日干しができない方はオーブンで「干す」方法もあります。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にきゅうりを並べます。
100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで「干す」方法です。
耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上にきゅうりを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することも可能です。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。きゅうりは塩漬けや酢漬けなど様々な漬物として楽しめます。きゅうりの漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。
きゅうり3本を乱切りし、密閉容器に入れ、塩小さじ1/2をふり、蓋をして冷蔵します。保存期間の目安は2週間程度です。乱切りすると表面積が増えるので塩が染み込みやすくなります。漬物としてそのまま食べられます。
きゅうりを一本丸ごと塩漬けで数ヶ月冷蔵保存ができます。
きゅうりはよく洗い、キッチンペーパーで水けをとり、ジッパー付きポリ袋に入れ、塩を入れて保存します。きゅうりの重さに対して15%程の塩を入れると、数ヶ月冷蔵保存できます。
かなり塩けが強いので、食べる前に数十分水に浸けて、塩抜きします。水が出てしんなりとした食感が美味しいです。
きゅうりは酢漬けも美味しいです。酢漬けでも2週間程度冷蔵保存できます。
きゅうりをスティック状に切り、キッチンペーパーで水けを取ります。米酢:塩:てんさい糖=30:1:3(米酢150mlに対して、塩小さじ1、てんさい糖大さじ1)の漬けだれを、きゅうりがひたひたになるくらいまでいれて、冷蔵保存します。
酢に含まれるクエン酸の働きで疲労回復などの嬉しい効果が期待できます。また、きゅうりに含まれる酵素アスコルビナーゼはビタミンCを酸化させる働きをもつ成分です。酢でその働きをストップすることができます。
しょうゆ漬けで2週間程度冷蔵保存できます。
きゅうりを乱切りして、キッチンペーパーで水けを取ります。しょうゆ:酒:みりん=1:1:1の割合の漬けだれを作り、密閉容器にきゅうりがひたひたになるくらい漬けて冷蔵庫へ。
きゅうりの作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きレシピの保存の目安は冷蔵で2〜3日です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
さっぱりしたお酢の風味とたこがよく合います。
たこときゅうりの酢の物のレシピはこちら
黒酢のコクが淡白なきゅうりを美味しくしてくれます。鶏肉も加わりボリューミーな一品に。主菜としてぜひお試しください。
きゅうりと鶏むね肉の黒酢炒めのレシピはこちら
きゅうりでは珍しい煮物料理です。しょうがをたっぷり入れることで、きゅうりの青臭さが和らぎます。
きゅうりのしょうが煮のレシピはこちら
マスタードの甘酸っぱさがきゅうりとよく合います。あともう一品ほしいときにどうぞ。
きゅうりの粒マスタード和えのレシピはこちら
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