保存していたきゅうりがぬるぬるしていて食べられるのか不安になったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではきゅうりがぬるぬるする原因や対処法などを解説します。
新鮮なきゅうりにぬめりはありません。しかし、保存していたきゅうりはぬめりが出てくることがあります。きゅうりにぬめりが出る原因は下記の通りです。
保存していたきゅうりの表面がぬるぬるする原因として、雑菌の繁殖が考えられます。
きゅうりは95%が水分と水分量が多い野菜であるため、表面に水分が出てくることがあります。この水分に雑菌が繁殖するとぬめりが出てきます。特に水分がたまりやすいヘタの部分にぬめりが出てくることがよくあります。
きゅうりはまとめて袋に入れられて販売されていることもありますが、ビニール袋にいれたまま冷蔵庫に入れてしまったり、水洗いしたきゅうりの水分を拭き取らずに保存してしまうとぬめりが出てしまいやすいです。
きゅうりをカットしたときに断面からぬるぬるする液体がでてくることがあります。これはきゅうりに含まれているアク(灰汁)です。アクとはえぐみや苦味を感じさせ料理の味を損ねる成分の総称です。
きゅうりのアクとなる成分は「ククルビタシン」と「ギ酸」です。きゅうりの皮のすぐ下には、維管束と呼ばれる水や養分などが流れている管があります。この維管束にアクとなる成分も含まれていて、カットしたときに溢れ出てきてぬるぬるすることがあります。
きゅうりをカットしたときに、切り口に透明のゼリー状の物質がついていることもあります。このゼリー状の物質の正体はきゅうりの樹液です。
きゅうりを収穫する前は成長した時に吸っていた樹液がヘタの部分などに溜まっていることがあり、カットすることで行き場がなくなった樹液が溢れてきます。
植物は水分がなくなってしまうとしおれてしまうため、水分の蒸発を防ぐために樹液には粘り気があり、カットしたときに樹液が外に押し出され、さらに空気にふれることで固まります。これが、切り口にゼリー状の物質がつく原因です。人間で言い換えると出血してしまったときに出血を止めようとかさぶたができるのと同じです。
漬物や浅漬けにしたきゅうりにぬめりがある場合は、腐敗している可能性が高いです。
漬物は塩分濃度が高く、また、乳酸発酵により食中毒菌が生残することはないといわれています。漬物にすることで比較的長く保存することができるのはこのためです。しかし、腐敗しないわけではありません。
また、浅漬けの場合は塩分濃度も低く、乳酸発酵させているわけではないのでそこまで日持ちするわけではありません。手作りの場合は1日〜2日で食べきるのが良いです。
きゅうりにぬめりが出る原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、ぬめりがあるきゅうりは食べられるのかどうか解説していきます。
きゅうりから出てきた水分や、濡れた状態で保存してしまったなど正しく保存できていなかったことが原因できゅうりの表面にぬめりが出てしまった場合は、腐敗のサインが見られないか確認してください。
ヘタの部分のみにぬめりがあり、全体的にぬめぬめしているわけでもなく、異臭がしたりぶにゅぶにゅに柔らかくなってしまっているなど腐敗のサインが見られなければ、腐敗しているわけではないのでカットすれば食べることができます。
ただし、上述したように表面のぬめりは雑菌が繁殖している可能性が高いです。食中毒になる可能性ももちろんゼロではありません。そのため、小さなお子様や高齢者の方が食べる場合など、心配な方は破棄するのが無難です。
ヘタの部分だけではなく、全体的にぬめりが出てしまっている場合も腐敗のサインが見られなければ食べることができることもあります。しかし、やはり雑菌が繁殖している状態ですので注意が必要です。心配な方は食べないほうが良いでしょう。
カットした断面のアクによるぬめりやゼリー状の物質は、食べても問題ありません。
きゅうりのアクとなるであるククルビタシンは、大量に摂取してしまう食中毒を招く可能性があり、下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。過去にはククルビタシンを多く含むウリ科の植物である観賞用の「ひょうたん」を食べたことによって食中毒になってしまった事例もあります。また、ギ酸も摂取量が多い場合には健康への影響が懸念されます。しかし、一般的に販売されているきゅうりのククルビタシンやギ酸の含有量はそれほど多くはないので、そのまま食べても大丈夫です。
しかし、アクは苦味となるので洗い流して食べましょう。流水を当てれば簡単に落とすことができます。ゼリー状の物質も洗い流すことができます。
表面にぬめりがあっても腐敗しているわけではないきゅうりは、雑菌が繁殖している可能性があるのでしっかり洗浄するなど対策をしてから食べましょう。
きゅうりは土の中に埋まって育つじゃがいもなどの根菜とは異なり、茎に実をつける野菜ですのでそこまで土汚れはついておらず、さっと洗うだけの方も多いと思いますが、ぬめりが出ている出ていないに限らずどんな野菜にも土壌由来の細菌がついています。
ぬめりが出ている場合は、しっかりと洗ってぬめりを落としましょう。特にきゅうりは表面についているつぶつぶ(イボ)に細菌が溜まりやすいといわれています。手でこするようにしっかりと洗いましょう。
しっかりと洗うことは残留農薬を落とすことにも繋がります。
きゅうりやトマトなど茎に実がなる野菜や果物は、野菜表面のワックス成分によっても殺菌効果のバラつきが生じます。そのため、水で洗い流すだけでは汚れや農薬などを落としきれないことがあります。
心配な方は野菜・果物専用の洗浄パウダーを使うのがおすすめです。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にきゅうりを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて汚れが落ちていることがわかるので流水で洗い流すだけよりも安心できます。
表面のみにぬめりが出ていて、実自体が柔らかくなっているなど腐敗のサインがみられなければ、皮を剥いて調理をするのも一つの手です。皮をむけば、雑菌が増殖している部分を落とすことができます。
きゅうりの皮はピーラーで簡単にむくことができます。
ぬめりが出てしまっているきゅうりは、生食するのは避けたほうが良いです。加熱をすれば絶対に安心というわけではありませんが、加熱することによって死滅する雑菌もいるので、生食するよりは安全といえます。
きゅうりはサラダにするなど生食することが多い野菜ではありますが、加熱調理をしても美味しく食べることができます。また、きゅうりに含まれている栄養素β−カロテンは油溶性なので油を使って調理をすることで吸収利率を上げることができ、栄養面でもメリットがあります。
きゅうりを加熱調理したおすすめレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
簡単レシピ焼ききゅうりのご紹介です。きゅうりは焼くことで味が染み込みやすくなり美味しくいただくことができます。
しょうがを先に炒めることで、風味豊かに仕上がります。
焼ききゅうりのレシピはこちら
唐辛子でピリ辛で仕上げました。きゅうりの食感とごま油の風味が美味しい一品です。あと一品ほしいときやおつまみとしてどうぞ。
きゅうりは焼くことで青臭さが抜け、きゅうりが苦手な方でも美味しくいただけます。
きゅうりとちくわのきんぴらのレシピはこちら
火の通ったきゅうりの美味しさが楽しめる一品です。しょうがとごま油の風味でご飯が進みます。
えびときゅうりの塩炒めのレシピはこちら
ぬめりがあるだけではなく、下記のような特徴があるきゅうりは腐敗しているので食べることができません。しっかりとチェックしてから食べられるか判断するようにしましょう。
腐ったきゅうりの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的にシワシワ
溶け出している
白い液体がでている
表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。ヘタの部分はとくにカビが生えやすく、ヘタのみであれば切り落とせば食べられることもありますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は破棄しましょう。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。
新鮮なきゅうりの表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは水分が抜けて乾燥してしまっている状態です。少し水分が抜けてしまった程度であれば問題ありませんが、完全に抜けてシワシワになっていたり、溶け出している場合は腐敗しています。
また、白い液体が表面についている場合や全体的に茶色っぽくなっていたり黒っぽく変色している場合も破棄してください。
腐ったきゅうりの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい臭い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
きゅうりは青臭さがある野菜ですが、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
きゅうりに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったきゅうりの触感の特徴は下記の通りです。
ぶにょぶにょしている
糸をひいている
新鮮なきゅうりは上述したように張りがあり、ある程度硬さがありますが、腐敗が進んでいるとぶにょぶにょとした触感になります。また、全体的にぬめりが出ている場合や糸をひく場合も腐敗が進んでしまっている状態なので、残念ですが破棄しましょう。
きゅうりは上述したように水分量が多く傷むのが早い野菜です。長く美味しく食べるためには正しく保存することが大切です。正しく保存することで、ぬめぬめしてしまうことを防ぐこともできます。ここからはきゅうりの正しい保存方法を紹介します。
下記でご紹介しているきゅうりの保存方法はこちらの記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
きゅうりは1〜2日で食べるなら常温保存も可能です。
直射日光が当たる箇所は避けて、冷暗所で保存しましょう。ただし、保存の最適温度は10~15度程度なので、夏場は常温保存は避けるのが無難です。水分が多くあまり日持ちしないので、すぐに食べるようにしましょう。新聞紙かキッチンペーパーに包み、立てて保存します。
1〜2週間保存したいなら冷蔵保存しましょう。
きゅうり表面の水けをよく拭き取って、1〜2枚のキッチンペーパーで巻き、ポリ袋に入れ、へたを上にしてカップなどに立てて野菜室で冷蔵保存します。きゅうりは通常の野菜室やチルド室では低温障害を起こすので、温度が比較的高い野菜室を必ず利用するようにしましょう。
キッチンペーパーは寒さから守るだけではなく、保存中に染み出てくる水分で野菜が傷まないようにするためにも重要な役割を果たします。キッチンペーパーで包むというひと手間をするだけで、野菜の持ちが全く違います。
長く保存するほどビタミンCが減少する傾向にあるので、なるべく早く食べたいものです。
カット(小口切り)したきゅうりも冷蔵保存が可能。その場合はあまり重ならないようにジッパー付きポリ袋に入れて、空気を抜き封を閉じます。切ったものは傷みが早いので、なるべく早く食べきりましょう。カットしたきゅうりの冷蔵保存の期間の目安は2〜3日です。
半分だけ残った場合は、ラップできっちり包み、ジッパー付きポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう。こちらも数日以内で食べ切るようにしましょう。
1ヶ月ほど長期保存したい場合は冷凍保存します。
前述の通り、きゅうりは水分量の多い野菜なので、丸ごと冷凍保存には向きません。冷却の過程できゅうりの中に大きな氷結晶ができてしまい組織を壊し、食感・風味を悪くします。
そのため、きゅうりを冷凍保存する際、小口切りにしボウルに入れ塩もみをし、しっかり水けを絞り、一度で食べる分だけラップで包み、ジッパー付きポリ袋に入れて保存します。塩の量はきゅうり1本に対して小さじ1/4が目安です。
塩もみしたものを冷蔵保存する場合は、その日のうちに食べるようにしましょう。手には雑菌がついているため、何日も保存するのは衛生上避けた方がよいでしょう。
常温で解凍するか、流水して解凍しましょう。きゅうりは半解凍くらいに留めるのがポイント。しばらく放置するとベチャベチャとした食感になってしまうためです。水分が多いので、半解凍したら水けをしっかり絞り調理に使いましょう。サラダや酢の物、混ぜ寿司など色々使えて便利です。
きゅうりは、天日干したりオーブンなどで水分を飛ばしてから乾燥保存したり、塩漬けや酢漬けにして漬け保存することも可能です。きゅうりの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
当たり前ですが、購入するときになるべく新鮮なものを選んだ方が、長く美味しく保存することができます。特にきゅうりは新鮮さが命です。時間が経つと味も食感も極端に落ちてしまいますので、購入するときはできるだけ新鮮なものを選ぶようにしましょう。
新鮮なきゅうりの特徴は下記です。
イボがとがっている(イボがない品種もある)
肩が盛り上がっている
特有の香りがし、皮にハリと弾力があり、ずっしり重い
切り口が黒ずんでいない
また、きゅうりは時間が経ち肥大化するとビタミンCが減少する傾向にあります。栄養の観点からも早めに食べたいものです。
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