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トマトが苦い原因は?食べても大丈夫?対処法や食べ合わせを解説

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トマトが苦い原因は?食べても大丈夫?対処法や食べ合わせを解説

トマトを食べて苦いと感じたことはありませんか?酸味や甘さを感じるはずなのにおかしいなと思いますよね。本記事ではトマトが苦い原因や対処法などを詳しく解説します。

トマトが苦い原因

アミノ酸の一種ピペリジン酸

トマトが苦いと感じる苦味成分の一つに、アミノ酸の一種であるピペリジン酸があります。

ピペリジン酸はトマトが成熟する前の青い皮のときに多く含まれており、トマトが成熟して赤くなる頃には旨味成分のグルタミン酸に変化します。完全に成熟する前に収穫し出荷することが多い日本では、ピペリジン酸の含有量が多く苦味を感じるトマトが販売されていることがあります。

ソラニンやチャコニンなどの天然毒素

ソラニンやチャコニンも苦味を感じる成分の一つです。ソラニンやチャコニンは、じゃがいもの芽に含まれていることで知られている天然毒素ですが、実はトマトにも含まれています。

ソラニンやチャコニンはじゃがいもと同様に、トマトが成長する過程で細胞内に蓄積されます。通常は熟成が進むとソラニンやチャコニンは減少していきます。しかし、熟成中の気温の低下や病気などが原因となり、ソラニンやチャコニンが残り苦味を感じることがあります。

出典:食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報(農林水産省)

トマチン

トマトには、トマチンと呼ばれる天然毒素は表皮や花や葉、茎などに含まれています。

トマチンは上述したソラニンと似た構造をもつアルカロイド配糖体です。雑菌や害虫から実を守るために作られる苦味成分で、トマチンもソラニンやチャコニンと同様に成熟する過程で減少するため通常は苦味を感じなくなりますが、何らかの理由でトマチンの含有量が減らずに苦味を感じるということもあります

参考文献:池上文雄,加藤光敏,河野博,三浦理代,山本謙治(2018)『からだのための食材大全』NHK出版

窒素肥料の過多

栽培中の窒素肥料の過多が原因で苦味を感じることもあります。

窒素肥料とは、その名の通り窒素が含まれた肥料のことです。トマトをはじめとする野菜類などの作物は窒素が不足すると生育不良を起こしてしまいます。そのため、窒素を含む肥料が欠かせません。

しかし、一度に大量の肥料をまいてしまうと、吸収した肥料を消費しきれず硝酸態窒素となりトマトの中に残留します。この硝酸態窒素が苦味やエグみの原因となります。

特に家庭農園で発生することが多い現象です。

出典:日本植物生理学会

苦味が強いトマトの品種は特にない

トマトは品種によって糖度が異なるため、甘味を強く感じるものもあれば酸味を強く感じるものもありますが、苦味が特段に強い品種のトマトはありません。

そのため、明らかに甘味や酸味ではなく苦味が勝っているという場合は、上述したようにピペリジン酸やソラニン、チャコニン、リコピンが多く含まれていたり窒素肥料過多が原因であると考えられます。

苦いトマトは食べても大丈夫?

熟したトマトが生育不良などが原因でピペリジン酸やソラニン、チャコニン、トマチンが通常より多く残り苦くなってしまっているトマトは、中毒症状を起こすほどの量が含まれているというわけではないので、食べても問題ないとされています。

しかし、上述したようにソラニンやチャコニン、トマチンは天然毒素であるため食べられない程の苦味がある場合や、心配な方は処分するのが無難です。

特にまだ成熟していない緑色のトマトの状態で食べるのはリスクが高いです。ソラニンやチャコニン、トマチンは熟す前の緑の状態のときに最も含まれているため中毒症状を起こす可能性があります。

窒素肥料の過多が原因で苦くなっているトマトに関しては、硝酸態窒素が人体に与える影響が近年懸念されまじめています。心配な方は食べないほうが無難といえるでしょう。

苦いトマトの対処法

追熟する

まだ緑色の部分が残っているトマトや、固いトマトは追熟することで苦味成分となるピペリジン酸やソラニン、チャコニン、トマチンの含有量が減り苦味を感じにくくなります。

上述したように、トマトは果実の一部が赤くなり始めたタイミングで収穫され出荷されます。通常は店頭に並ぶまでの3〜5日程度の間で、成熟し赤くなるようになっていますが冬などの気温が低い季節は完全に赤くならないことも多いです。完全に赤くなっていない場合は家庭で追熟しましょう。

追熟方法は、室温で常温保存するだけです。低温では熟すまでに時間がかかってしまうため常温保存しておくのが一番良いです。赤く成熟したら冷蔵保存しましょう。

緑色(未成熟)の部分を切り取る

ピペリジン酸やソラニン、チャコニン、トマチンは緑色の未成熟の部分に多く含まれているため、緑色の部分を取り除くだけでもトマトの苦味を軽減することが可能です。

苦味が気にならなくてもソラニンやチャコニンなどの天然毒素が含まれていることを考えると、心配な方は取り除いて食べるほうが安心です。

加熱すると甘みが増す

トマトは加熱すると、甘味が増します。トマトに限らず、野菜は加熱をする事により野菜の繊維細胞が壊され、さらに水分が蒸発する事により味が濃くなり甘さも感じやすくなります。

また、トマトは加熱をするとグアニル酸が増加することがわかっており、旨味が増してより美味しくなります。ゆっくりと温度をあげていくほうが旨味成分が増えるため、オーブンで焼いたり、ペーストにして鍋で煮るといった調理法がおすすめです。

出典:農研機構

調理法や食べ合わせを工夫

上述したようにトマトは加熱をすることで旨味が増すことがわかっていますので、生で食べるのではなく加熱をするなど調理法を工夫する他、苦味が気にならなくなるような食材と合わせて食べるなどの工夫をすると食べやすくなります。

例えば、なかなか想像がつきにくいかもしれませんがトマトはパイナップルとの相性が良いと言われています。トマトをパイナップルと一緒に食べることで、酸味と甘味が強調されます。

食べられないトマトの特徴

基本的に苦いトマトは食べても問題ありませんが、これから紹介する特徴のあるトマトは食べるのNGです。

カビが生えている

腐敗が進むと、ヘタ周辺や実の表面にカビが生えます。白カビや黒カビが生えることが多いです。

ヘタの周りは細菌が多く発生するため、白カビはヘタの周辺に発生することが多いです。白カビが生えているトマトを食べる際は、ヘタを取りいつもより入念に水洗いをしてください。そしてサラダなどの生食ではなく加熱料理として使う方がベターです。また、心配な方や免疫力が低い子ども、高齢者の方は食べるのを控える方がよいでしょう。

黒カビは白カビよりも毒性が強いといわれています。そのため、黒カビが広範囲に生えてしまっている場合は食べずに処分するようにしましょう。

トマト全体が黒く変色している

熟して食べ頃のトマトは赤みが強いですが、腐敗が進むと全体的に黒っぽく変色します。特に、ヘタ周辺や表面の傷周辺から腐敗が進みやすいです。

ただし、中には黒い品種も存在します。「インディゴ・ローズ」というトマトの品種は、皮(外側)が黒く、中身は赤紫色をしています。

皮がシワシワになっている

トマトの皮がシワシワになっていることがあります。シワシワになっているからといって必ずしも腐っているというわけではありませんが、トマト内の水分がかなり蒸発してしまっています。

大玉トマトの場合、皮だけが乾燥していて中身はそのままであることが多いです。切って中身が問題なさそうであれば食べてもOKですが、あまりにも水分がなくなっている場合は栄養や味が劣りますので、食べずに処分する方がよいでしょう。

ちなみに、皮がシワシワになったトマトを80℃ほどのお湯に10秒浸けたり、水に30分ほど浸けることでハリのあるトマトに戻ります。

トマト全体がブヨブヨ柔らかくなっている

腐っているトマトは、トマト全体がブヨブヨとし、形が崩れてしまうほど柔らかくなります。トマトの腐敗が進んでいる証拠ですので、原型を留めないトマトを食べるのは避けましょう。

新鮮なトマトは、皮がピンとしていてハリがあります。そのため、多少の柔らかさはあっても、少し触った程度で型くずれすることはありません。

トマトの一部が溶けている

腐敗が進むとトマト全体が柔らかくなるだけでなく、トマトの一部に穴が開いて中身が溶け出してる状態になります。

表面の傷や割れ目から穴が開くことが多いです。

トマトが全体に柔らかくなっていて形が崩れているような場合は腐ってる可能性が大ですので、食べずに廃棄しましょう。食害にあったトマトも、他の菌が入り込む可能性が高いので食べない方が安全といえます。

トマトから汁が出ている

トマトが腐ると、トマトから異臭を放つ汁が出ます。この場合は、トマトが全体的に腐敗していることがほとんどなので廃棄処分しましょう。

新鮮なトマトでも、穴や傷、割れ目から汁が出ることもありますが、新鮮なトマトから出る汁は臭くありません。

汁が出ているからとすぐに捨てるのではなく、トマトの表皮の状態(ツヤ、ハリがあれば○)などを確認してから判断しましょう。

ヌメリがある

トマトを触るとトマトの表皮がヌルヌルとしていることがあります。きゅうりやトマトなどの水分が多い野菜は、腐り始めると表面にヌメリが出てくるのが特徴としてあります。

腐っている場合は、ぬるぬるするだけでなく変色していたり悪臭がすることが多いです。その場合は食べないようにしましょう。

稀に農薬などでぬめり感が出ていることがあるので、その場合は水洗いするとヌメリが取れます。

虫食いで穴があいている

虫に食べられることがあります。その場合、トマトに穴が開いています。

トマトをよく食べる虫は、オオタバコガやタバコガ、ハスモンヨトウなどの幼虫です。丸く穴が開いている場合はオオタバコガ、クレーター状に跡がついている場合はハスモンヨトウによる食害です。

食害にあったトマトには糞や他の菌などが付着していることがほとんどなので、食べないほうがベターです。

酸っぱい臭いがする

トマトは元々酸味のある野菜です。ですがトマトが腐ると、普通のトマトでは感じないような酸っぱい臭いがします。腐敗具合によっては、生ゴミやカビのような悪臭がすることもあります。

見た目は問題なくても、明らかにいつもと違う臭いがする場合は腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄することをおすすめします。