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青いトマトは食べてOK?毒性がある?おすすめレシピも紹介

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青いトマトは食べてOK?毒性がある?おすすめレシピも紹介

一般的に食べられているトマトは赤い色をしていますが、成熟する前のトマトは青い(緑)色をしてます。青い状態のトマトは食べられるの?と気になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事では青いトマトについて解説します。

青いトマトはなぜ青い?

未熟果

一般的に食べられているトマトの色は赤色ですが、成熟する前のトマトは青色(緑)をしています。トマトは成熟して赤くなっている状態で食べる野菜で、青い状態のトマトは成熟する前の未熟果です。

トマトは基本的に一部が赤くなった状態で収穫され、スーパーなどの店頭に並ぶ頃に赤く成熟します。完全に青い状態で並べられることはそうそうありませんが、冬などの気温が低い季節は成熟するのに時間がかかるため一部青い部分があることがあります。また、家庭菜園でトマトを育てている場合には必ず見かける光景です。

品種(グリーントマト)

上述したように一般的なトマトは成熟すると赤くなりますが、成熟しても赤くならずに青いままのトマトの品種も存在します。

成熟しても青いままのトマトは一般的に「グリーントマト」と呼ばれ、「グリーンゼブラ」や「エバーグリーン」といった品種があります。グリーントマトは成熟して赤くなるトマトよりも歯ごたえがしっかりとしているものが多く加熱調理に適しています。

本記事では青い品種のトマトではなく、未熟果のトマトについて解説していきます。

青い(未成熟な)トマトの特徴

毒性が強い

青いトマトはソラニンやチャコニン、トマチンといった天然毒素が多く含まれています。

ソラニンやチャコニンはじゃがいもの芽に多く含まれていることで知られていますが、実は未成熟のトマトにも多く含まれています。トマチンはソラニンと似た構造をもつアルカロイド配糖体です。トマトの表皮や花や葉、茎などに含まれていて、雑菌や害虫から実を守るために生成されるといわれています。

出典:日本植物生理学会

苦味が強い

青い未成熟のトマトに多く含まれているソラニンやチャコニン、トマチンは苦味成分でもあります。また、未成熟の状態のトマトにはアミノ酸の一種であるピペリジン酸が多く含まれています。ピペリジン酸も苦味成分であるため、青いトマトは酸味や甘さよりも苦味を強く感じます。

栄養価は低い

トマトがもつ栄養素の一つには、多くの人が耳にしたことであろうリコピンがあります。リコピンはトマトの赤色の成分でもあり、完熟した状態のリコピンの含有量は、青い未成熟な状態の5.6倍以上であることがわかっています。また、旨みのもとになるアミノ酸の一種であるグルタミン酸の含有量も1.7倍になります。

そのため、青い未成熟のトマトは完熟したトマトよりも栄養価が低くなります。

トマトの栄養に関しては、下記の記事で詳しくまとめていますのでぜひ参考にしてください。

トマトの栄養と効能は?どこに多い?調理法による栄養の変化は?

食べない方がよい

上述したように、未成熟の青いトマトには天然毒素が多く含まれているため、食べると吐き気などの中毒症状が現れる可能性があります。また、苦味も強くトマトがもつ美味しさも半減してしまうため未成熟である場合は食べるのを避けるべきです。

トマトに含まれている天然毒素は、成熟する過程で減少していくため成熟して食べる分には問題ありませんが、青い部分が一部残っているという場合は切って取り除いて食べましょう。基本的にトマトのソラニンやチャコニン、トマチンといった天然毒素の含有量は、未成熟の場合でも致死量には至らないといわれていますが、中毒症状が出ることもありますし、高齢者や小さなお子様など免疫力のない方は注意が必要です。

青いトマトを追熟させる方法

青い未成熟のトマトを収穫してしまったり、購入してしまった場合は追熟させることで食べれるようになります。

常温におく

青い未成熟のトマトを追熟させるには、日当たりの良い場所で常温保存するという方法があります。低温では熟しにくいため、冷蔵庫に入れて保管するのはやめましょう。

青いトマトを成熟させるときは、ヘタごとザルなどにヘタを下にして置いて常温で保存します。ヘタを下にする理由は、接地面から腐敗していくのを防ぐためです。これはバナナを吊るして保存したほうが傷みにくくなるのと同じ原理です。

ただし、気温の高い季節は常温に置いておくと腐敗しやすいので注意が必要です。室温の温度上限が30℃程です。夏場に追熟させる場合も高くても30℃程度ということを頭にいれておきましょう。

温めるのはおすすめしない

例えばアボガドが固いとき柔らかくする方法として、電気毛布で包むなど温めると早く追熟することができますが、上述したようにトマトの場合は温度が高いと傷んでしまうため極端に温めることは避けたほうが良いでしょう。

夏などの暑い季節以外はやはり常温に置いて追熟するのが良いです。

エチレンガスを出す食品と一緒に

トマトをより早く追熟させたい場合は、エチレンガスを出す食品と一緒に保存しましょう。エチレンガスには野菜や果物の成熟を促進する作用があります。

エチレンガスを含む食品としては、りんごやバナナなどがあります。

ちなみにトマトのように熟していくタイプの野菜であればりんごやバナナなどと一緒に保存することで、熟成を早めて美味しく食べることができますが、きゅうりやにんじん、キャベツなど熟していくタイプではない食品に関しては単に早く痛めしまうため、別々で保存したほうが良いです。野菜や果物であれば必ずしもエチレンガスを出す食品と一緒に保存したほうが良いというわけではないので注意しましょう。

黒い布や新聞をかぶせると甘くなる?!

黒い布や新聞をかぶせて追熟させる方法もあります。

上述したように基本的にトマトは日光に当てて追熟させることが多いですが、黒い布をかけて直射日光を遮断することで追熟するだけではなく甘味が増すといわれています。この方法に関しては科学的根拠は不明です。実際にやってみた方々の間でも賛否両論ありますが、実際にトマトを栽培している農家などでも実践されている方法ですので、試してみても良いでしょう。

梅雨など日光にあてるのが難しい季節や、自宅で日光が当たる場所が確保できないといった場合は、新聞紙に包んで追熟させるという方法がおすすめです。新聞紙を使って追熟する場合は、新聞紙に包んだままビニール袋などにいれて常温保存します。新聞紙に包むことで乾燥を防ぐこともできます。

トマトの完熟の目安

未成熟の青いトマトは常温に置いて追熟した場合、半分以上青い場合は4日程、少し青みがかっている状態であれば、2日ほどで赤くなり完熟の状態になります。

完熟すると青い部分がなくなり赤くなります。また、ぴんとはっていた皮が柔らかくなります。完熟した後も熟していき、次第に実が崩れてしまうほど柔らかくなってしまうので、完熟したら冷蔵保存をして早めに食べきるようにしましょう。そのままにしておくと腐敗してしまいます。

完熟したトマトの正しい保存方法

完熟したトマトの正しい保存方法をご紹介します。

完熟したら冷蔵保存

キッチンペーパーに包みポリ袋に入れ冷蔵保存するトマト

未熟なトマトは常温保存することによって成熟し美味しいトマトになりますが、完熟したトマトは常温保存だと傷んでしまいます。そのため、完熟したトマトは1つずつ丸ごとペーパーで包み、ヘタを下にしてポリ袋に入れて軽く口を閉じて野菜室で冷蔵保存します。

熟したトマトは、トマト同士がくっつくとその部分から痛みやすくなります。さらに、トマトに含まれるビタミンCが15%も失われてしまうことも!(常温で1週間保存した場合)

保存最適温度(8〜10℃)以下の冷蔵庫で保存すると低温障害を起こしてしまうので、冷蔵保存する場合は低温になりすぎない野菜室で保存しましょう。

トマトの冷蔵の保存期間は2週間が目安です。

カットしたトマトはラップとポリ袋

カットしてチャック付きポリ袋に入れ冷蔵保存するトマト

切ったトマトはラップをして、そのままチャック付きビニール袋に入れて、野菜室で保管します。切ったトマトは傷みが早いので数日以内に使い切るようにしましょう。

冷凍保存

完熟したトマトは冷凍で1ヶ月程保存することが可能です。

トマトは、冷凍すると細胞が壊れて旨味成分である「グルタミン酸」や「アスパラギン酸」などが外に出やすくなるため、甘みとうまみが増しより美味しく食べることができます。また、冷凍することによりトマトの酸味が和らぎます。ただし冷凍したトマトは食感が劣るので、生食ではなくソースやスープなどの加熱料理に使用しましょう。

丸ごと冷凍

チャック付きビニール袋に入れて丸ごと冷凍保存するトマト

トマトの皮むきが必要なレシピに使う時や、カットする時間がない時、用途が決まっていない時などはトマトを丸ごと冷凍するとよいです。

ヘタを取って、丸ごと冷凍用のチャック付きビニール袋に入れます。丸ごと冷凍したトマトを解凍する方法には自然解凍、水に入れて解凍、電子レンジで解凍などがあります。

カットして冷凍

チャック付きビニール袋にカットして冷凍保存するトマト

ざく切りにして冷凍すると、料理をする時にすぐに使えて便利です。

トマトを水洗いし水けをしっかり取ります。好みの大きさにカットし、冷凍用のチャック付きビニール袋に入れて保存します。冷凍庫で1ヶ月保存できます。

トマトがなるべく重ならないように入れると、使いたい分だけ手で折れるので取り出しやすくなります。

乾燥保存

トマトは乾燥させてから保存でも約1ヶ月程保存することが可能です。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。

乾燥トマトは、お味噌汁の具やサラダのトッピングとしてお使いいただけます。凝縮した旨みと、いつもと違う食感が楽しめます。

天日干し

天日干しするトマト

一番よい乾燥方法は天日干しです。

水洗いし水けをしっかり取ったトマトを輪切りにします。輪切りにしたトマトをザルに並べ、2日ほど天日干しします。太陽が沈んだら必ず部屋に移動させましょう。干す前に塩を一振りしても◎。天日干ししたトマトは密閉容器に入れ常温で1ヶ月保存できます。

天日干しすることで、トマトに含まれるリコピンの量が4倍になるといわれています。リコピンは抗酸化作用のある栄養素です。リコピンの抗酸化作用は同じ抗酸化作用を持つベータカロテンの2倍以上、ビタミンEの100倍以上といわれています。肌や血管の老化を防いだりガンや動脈硬化などを予防する効果が高いことがわかっています。

オーブン

オーブンで乾燥させるトマト

天日干しができない方はオーブンでトマトの水分を抜くこともできます。鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上にトマトを並べます。100〜110℃で20〜30分程度でゆっくり加熱します。

レンジ

レンジで乾燥させるトマト

オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に輪切りにしたトマトを並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。