新鮮なきゅうりは鮮やかな緑色をしていますが、黄色く変色してしまうことがあります。黄色く変色しているきゅうりは食べられるのか心配になりますよね。本記事ではきゅうりが黄色く変色する原因や食べられるかどうかを解説します。
きゅうりは栽培していたり、保存していると表面が黄色やオレンジ色っぽく変色してしまうことがあります。これはきゅうりが完熟しすぎたことによる変色です。
実はスーパーなどで販売されているきゅうりは熟す前に収穫されています。そのため適切な収穫時期を過ぎてしまうと黄色く変色してしまいます。
また、収穫後も熟していくため正しく保存できていなかったり食べずに放置し続けてしまうと追熟されて黄色くなっていきます。
きゅうりが熟して表面が黄色くなってしまっている場合、中も黄色っぽく変色していることが多いです。しかし、きゅうりの中が黄色く変色していたりオレンジ色っぽくなってしまっている場合は、傷んでしまったことが原因である可能性もあります。
きゅうりは水分量が多い野菜で、じゃがいもなどの根菜と比較して足が早いです。収穫してから時間が経ったり正しく保存できていないとすぐに傷んでしまい、変色してしまうことがあります。
スーパーなどで販売されているきゅうりに葉がついていることはありませんが、家庭菜園などできゅうりを栽培している場合は葉が黄色くなってきてしまうことがあります。
きゅうりの栽培中に葉が黄色く変色してしまう原因は、べと病などの病気の感染や肥料不足、害虫による被害、老化などです。
べと病は糸状菌が原因の病気で、放っておくとどんどん広がって病状が進行してしまいます。べと病にかかってしまった場合は病斑が出ている葉は取り除きましょう。きゅうりは家庭でも比較的栽培しやすい野菜ではありますが、様子を見ながら肥料を与え、病気対策や害虫対策はしっかりしておくことが大切です。
過熟によって黄色く変色したきゅうりは、腐敗しているわけではないので食べることができます。
昔は完熟した状態で食べていたため「黄瓜」と呼ばれ、そこから「きゅうり」と呼ばれるようになったともいわれています。ただし、熟したきゅうりは苦味やエグみが強かったりすっぱいことがあります。そのため種の部分をスープンなどですくって取り除いて食べると良いでしょう。
食べられるとはいっても、そのままにしていると腐敗していってしまうので、早めに食べきることが大切です。
中だけが黄色っぽく変色してしまっている場合は、上述したように収穫してから時間がたち傷み始めている可能性もあります。ちょっと黄色っぽくなっていたりオレンジ色っぽくなっている場合は問題なく食べられることもありますが、異臭がしたり溶け出している部分があるなど腐敗のサインがでていないかしっかりと確認してから判断することが大切です。
腐敗してしまっている場合は、残念ですが食べることはできないので破棄しましょう。腐敗したきゅうりの特徴は後述するのでそちらを参考にしてください。
熟して黄色く変色してしまったきゅうりのように、一見腐敗しているように見えて腐敗していないきゅうりの特徴を紹介します。
きゅうりの表面に白い粉がついていたり、白い膜のようなものがついていて白く変色しているように見えることがあります。「白カビが生えている」と思ったり、中には「農薬なのでは」と心配になる方も多いようですが、食べて大丈夫です。
きゅうりの表面についている白い粉のようなものは「ブルーム」と呼ばれる天然分泌物です。雨や露をはじいて病原菌の侵入を防止し身を守るために分泌されているといわれています。
ブルームは天然毒素ではないので食べても人体に害はありませんが、栄養成分というわけでもないので気になる場合は洗い流して食べると良いでしょう。ブルームは水洗いすれば簡単に落とすことができます。
ちなみにブルームはブロッコリーやキャベツにもついていることがあります。覚えておくと良いでしょう。
冷蔵庫で保存していたきゅうりをカットしたら、断面が赤く変色していた経験がある方も多いのではないでしょうか。これは低温障害による変色です。生理障害であり、病気に感染しているわけでも腐敗しているわけでもないので、食べることができます。
きゅうりは夏の野菜で低温に弱いです。そのため長期間冷蔵庫に入れっぱなしにしてしまうと、きゅうりの繊維が劣化し赤く変色してしまいます。これは簡単にいえば人間が寒さでしもやけになって皮膚が赤くなってしまう状態と似ています。
食べても問題ありませんが傷んでいる状態なので、早めに食べきるようにしましょう。
きゅうりをカットしてみると断面に空洞ができていたり、スカスカの状態のことがあります。この場合も生理障害が原因なので、食べることができます。
断面に空洞ができてしまうことを「スが入る」といい、大根や人参にも起こる現象です。
きゅうりにスが入る主な原因は水分不足です。きゅうりは99%が水分でてきています。そのため、水分不足になると空洞ができてスカスカになってしまうことがあります。夏などの高温が続いているときに水やりが不十分で水分不足になってしまったり、冬の乾燥が原因となることもあります。
腐敗しているわけではないので食べても問題ありませんが、状態の良いきゅうりと比較するとみずみずしさがなく食感が悪くなっていることが多いです。生食するよりも炒めものにするなど加熱調理をして食べるのが良いでしょう。
腐敗したきゅうりには下記のような特徴があります。過熟によって黄色く変色しているきゅうりは食べることができますが、腐敗してしまったきゅうりは食べることができないので残念ですが破棄しましょう。
腐ったきゅうりの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的にシワシワ
溶け出している
白い液体がでている
表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。ヘタの部分はとくにカビが生えやすく、ヘタのみであれば切り落とせば食べられることもありますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は破棄しましょう。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。
新鮮なきゅうりの表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは水分が抜けて乾燥してしまっている状態です。少し水分が抜けてしまった程度であれば問題ありませんが、完全に抜けてシワシワになっていたり、溶け出している場合は腐敗しています。
また、白い液体が表面についている場合や全体的に茶色っぽくなっていたり黒っぽく変色している場合も破棄してください。
腐ったきゅうりの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
きゅうりは青臭さがある野菜ですが、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
きゅうりに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったきゅうりの触感の特徴は下記の通りです。
ぶにょぶにょしている
全体的にぬめりがある
糸をひいている
新鮮なきゅうりは上述したように張りがあり、ある程度硬さがありますが、腐敗が進んでいるとぶにょぶにょとした触感になります。また、全体的にぬめりが出ている場合や糸をひく場合も腐敗が進んでしまっている状態なので、残念ですが破棄しましょう。
きゅうりが変色したり味や食感を悪くなるのを防ぐためには、正しく保存することが大切です。正しく保存することで長く保存することができるだけではなく、鮮度を保ちより長く美味しく食べることができます。
下記でご紹介しているきゅうりの保存方法はこちらの記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
きゅうりは1〜2日で食べるなら常温保存も可能です。
直射日光が当たる箇所は避けて、冷暗所で保存しましょう。ただし、保存の最適温度は10~15度程度なので、夏場は常温保存は避けるのが無難です。水分が多くあまり日持ちしないので、すぐに食べるようにしましょう。新聞紙かキッチンペーパーに包み、立てて保存します。
1〜2週間保存したいなら冷蔵保存しましょう。
きゅうり表面の水けをよく拭き取って、1〜2枚のキッチンペーパーで巻き、ポリ袋に入れ、へたを上にしてカップなどに立てて野菜室で冷蔵保存します。きゅうりは通常の野菜室やチルド室では低温障害を起こすので、温度が比較的高い野菜室を必ず利用するようにしましょう。
キッチンペーパーは寒さから守るだけではなく、保存中に染み出てくる水分で野菜が傷まないようにするためにも重要な役割を果たします。キッチンペーパーで包むというひと手間をするだけで、野菜の持ちが全く違います。
長く保存するほどビタミンCが減少する傾向にあるので、なるべく早く食べたいものです。
カット(小口切り)したきゅうりも冷蔵保存が可能。その場合はあまり重ならないようにジッパー付きポリ袋に入れて、空気を抜き封を閉じます。切ったものは傷みが早いので、なるべく早く食べきりましょう。カットしたきゅうりの冷蔵保存の期間の目安は2〜3日です。
半分だけ残った場合は、ラップできっちり包み、ジッパー付きポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう。こちらも数日以内で食べ切るようにしましょう。
1ヶ月ほど長期保存したい場合は冷凍保存します。
前述の通り、きゅうりは水分量の多い野菜なので、丸ごと冷凍保存には向きません。冷却の過程できゅうりの中に大きな氷結晶ができてしまい組織を壊し、食感・風味を悪くします。
そのため、きゅうりを冷凍保存する際、小口切りにしボウルに入れ塩もみをし、しっかり水けを絞り、一度で食べる分だけラップで包み、ジッパー付きポリ袋に入れて保存します。塩の量はきゅうり1本に対して小さじ1/4が目安です。
塩もみしたものを冷蔵保存する場合は、その日のうちに食べるようにしましょう。手には雑菌がついているため、何日も保存するのは衛生上避けた方がよいでしょう。
常温で解凍するか、流水して解凍しましょう。きゅうりは半解凍くらいに留めるのがポイント。しばらく放置するとベチャベチャとした食感になってしまうためです。水分が多いので、半解凍したら水けをしっかり絞り調理に使いましょう。サラダや酢の物、混ぜ寿司など色々使えて便利です。
きゅうりは、天日干したりオーブンなどで水分を飛ばしてから乾燥保存したり、塩漬けや酢漬けにして漬け保存することも可能です。きゅうりの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
当たり前ですが、購入するときになるべく新鮮なものを選んだ方が、長く美味しく保存することができます。特にきゅうりは新鮮さが命です。きゅうりは水分の95%が水分なので、時間が経つと味も食感も極端に落ちてしまいます。
新鮮なきゅうりの特徴は下記です。
イボがとがっている(イボがない品種もある)
肩が盛り上がっている
特有の香りがし、皮にハリと弾力があり、ずっしり重い
切り口が黒ずんでいない
また、きゅうりは時間が経ち肥大化するとビタミンCが減少する傾向にあります。栄養の観点からも早めに食べたいものです。
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