ピーマンの苦味は切り方を工夫することで軽減できます。本記事ではピーマンの苦味を抑える切り方のポイントや切り方を紹介します。
ピーマンと言えば、苦味があるのが特徴の野菜ですよね。ピーマンの苦味となる成分は「ピラジン」です。
ピラジンには多くの種類があり、他の野菜にも含まれています。
また、近年では「クエルシトリン」と呼ばれる成分もピーマンの苦味になっているのではないかと言われています。クエルシトリンはポリフェノールの一種です。ポリフェノールは多くの植物が持つ苦味・渋みの原因となる成分の少々で、構造の違いによって様々な種類があります。
ピラジンは血流促進作用があります。さらに血流が良くなることで夏の冷え性対策にも効果があります。また、血液が固まるのを防ぐので、血液が固まって血管を塞ぐ血栓の予防が期待できます。さらにクエルシトリンも脂肪蓄積を抑制する作用があります。更に高血圧抑制、抗うつ作用、血流改善などの効果があると言われています。
苦味がある分食べにくいと感じる方も多いですが、とっても身体に良い成分なのです。
苦味となるピラジンは青臭さの元でもあります。
ピーマンに限らず野菜にはそれぞれ特有の香気成分を持っており、様々な成分が混ざりあって独特の臭いを感じさせます。ピーマンの場合はピラジンとその他の香気成分の臭いが混ざり、青臭さを感じさせます。
そのため、苦味を軽減することは青臭さを軽減することにも繋がります。
ピーマンは切り方を工夫するだけでも苦味を軽減することができます。ピーマンの苦味を抑える切り方のポイントは下記の通りです。
ピーマンの苦味成分は細胞の中に含まれており、カットして細胞が壊れることで苦味を強く感じるようになります。
そのため、苦味を抑えたい場合は、繊維に沿って縦にカットしましょう。繊維に沿ってカットすることで苦味が弱くなります。反対に苦味が好きな方は、繊維を断ち切るように横にカットするのが良いです。
繊維に沿ってカットすることで、苦味を抑えるだけではなくシャキシャキとした食感になり食べごたえも出ます。しっかりとした歯ごたえは満腹中枢を刺激し満腹感を得ることにも繋がります。
ピーマンの切り方はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
細胞を壊さないという意味では、カットせずに丸ごと使う方が包丁が入らない分苦味を感じにくいです。
炒めものやピザのトッピングにする場合などは丸ごと使うのは難しいですが、丸焼きや煮物、肉詰めにすればカットせずに調理する事が可能です。
ピーマンが苦手な子供の対策として細かくカットして肉に混ぜ込んで食べさせる方も多いですが、実は細かくカットすると存在はごまかせても苦味は感じやすいので逆効果だったりします。丸ごと調理するか、繊維に沿ってカットして調理するのが良いです。
ピーマンは種・わたも食べることができる野菜ですが、種・わたには苦味成分が多く含まれているので苦味を軽減したい場合は取って調理しましょう。
上述したようにピーマンの苦味成分は身体に良いので栄養は減ってしまいますが、苦味が減って食べやすくなります。
細胞を傷つけて苦味成分を出してしまわないよう、切れ味の良い包丁を使うことも大切です。切れ味の悪い包丁を使うと、何度も包丁を動かすことになるためその分細胞が傷つき苦味が出ます。
細胞を傷つけずすっと切れるよう、切れ味の悪い包丁は予め研いでおくと良いです。
ピーマンに限らず細胞を傷つけずに切ることで、臭みや水気が出るのを防ぎ食感や風味が良くなりますし、日持ちもします。
ピーマンの苦味を抑える切り方のポイントはおわかりいただけたと思います。それでは、ピーマンを抑えるおすすめの切り方を紹介します。
ピーマンの代表的な切り方は細切りです。
ピーマンの細切りは縦に切るのが基本。ピーマンの繊維は縦に通っているので、縦に細切りにすることで苦味を感じにくくすることができます。
横に細切りにすることもできますが、横だと繊維を断つことになるので苦味を感じやすいです。苦味を軽減したいときは必ず縦の細切りにしましょう。
縦の細切りにしたピーマンは、炒めものやチャーハン、スープなど広い用途で使うことができます。定番の切り方として覚えておくと良いでしょう。
縦の細切りにする手順
①ピーマンを半分にカットする
②縦にカットしていく
くし形切りは玉ねぎやじゃがいも、トマトなどの丸い形の食材を放射状に切ることを指します。ピーマンは丸くありませんし中が空洞なので「くし形切り」することはできないのですが、くし形切りのように等分に切る方法もあります。
くし切りも繊維に沿ってカットすることができるので苦味を軽減することができますし、火が均一に通るメリットがあります。
くし切りは細切りよりも大きくなるので、青椒肉絲などの炒めものにおすすめです。シャキシャキっとした歯ごたえが出るので食感も楽しめます。
くし切りにする手順
①縦半分にカットする
②断面を上にして、中央から等分になるように切る
切り方を工夫する以外のピーマンの苦味を軽減する方法を紹介します。
下記の方法は苦味となる成分を落として苦味を軽減する方法なので、切り方を工夫して苦味を感じにくくするのとは異なり、栄養は減ることになります。栄養価が下がるのは避けたいという方は切り方を工夫して苦味を軽減するのがおすすめです。
苦味成分であるピラジンは水溶性の成分です。そのため、カットした後に水にさらしておくことで苦味を軽減することができます。このとき、塩水にするとピーマンの緑色の色素である「クロロフィル」の分解を抑えるため、加熱調理しても色が綺麗になります。
特に横にカットして使いたいときは、繊維を断ち切っている分苦味を感じやすいので水にさらしてから使うと良いです。
ただし、ピーマンにはビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素も多く含まれています。水にさらすことでこれらの栄養素も流出してしまいます。栄養素の流出を最小限に抑えるためにも、長くさらしすぎないようにしましょう。
ピーマンを冷凍するのも一つの手です。ピーマンを冷凍すると、解凍した時に水分と一緒に苦味成分も出てくるので、苦味を軽減することができます。
ただし、冷凍することでピーマンの水分が出てしまったり、繊維が壊れてしまうことが原因で食感や味が損なわれてしまうことがあります。正しく冷凍すればある程度防ぐことはできますが、食感や味が悪くなってしまうのを避けたい方は別の方法をおすすめします。
ピーマンの冷凍保存の方法はこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
苦味成分となるピラジンとクエルシトリンは、油に溶ける性質があります。そのため、油通しすることで苦味を軽減することができます。
油通しとは、野菜などの具材をさっと油にくぐらせる下処理方法で、中華料理などでよく使われます。例えば酢豚を作るときに野菜を素揚げする工程があるのは、油通しをするためです。
油通しすることで苦味が軽減される他、ピーマンの表面がコーティングされるので色が悪くなってしまうのを防ぐこともできます。
ピーマンは生食することもできますが、生の状態だと苦味を感じやすいです。そのため、苦味を軽減したい場合は加熱調理して食べるのがおすすめです。
ピーマンは丸ごとホイル焼きにするのがおすすめです。カットせずに丸ごと使うことで繊維が切断されないので苦味が出にくいです。さらに、ホイル焼きにすることで甘みも増すのでピーマンが苦手な小さなお子様でも食べやすい一品に。
栄養素の流出も最小限に抑えることができるので、栄養面的にも◎
ピーマンの苦味は茹でることでも軽減することができます。そのため、お浸しにするのも良いでしょう。さっと茹でた後に調味料をかけて味付けをすれば簡単に作ることができます。
ただし、茹ですぎてしまうと食感が損なわれてしまいますし、水溶性の栄養素も流出してしまいます。茹で時間は1分程度で、さっと茹でるのがポイントです。
茹でることで栄養素が流出してしまうのが気になる方は、レンジ調理がおすすめです。レンジで加熱しても苦味を軽減することができます。
青椒肉絲などの炒めものにしたり、揚げ物にするのも良いでしょう。油を使って調理することで苦味が軽減されますし、油でコーティングすることで青臭さも気にならなくなります。
また、ピーマンに豊富に含まれているビタミンAやEは脂溶性であるため、油を使うことで吸収率が上がるメリットもあります。
最後に、ピーマンを切らずに丸ごと使ったおすすめのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
にんにくの香ばしさがたまらない一品です。お酒のおつまみとしてもおすすめです。ピーマンを丸ごと使うので調理も手軽で◎。
丸ごとピーマンのガーリック蒸しのレシピはこちら
ピーマンとおかかの相性は間違いなし。ご飯のおかずとしても、お酒のおつまみとしても美味しくいただけます。
丸ごとピーマンのおかか煮のレシピはこちら
お肉をカリカリに焼き香ばしく仕上げました。主菜としても、お酒のおつまみとしても美味しくいただけます。
丸ごとピーマンの肉巻きのレシピはこちら
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