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ニンニクはカビが生えても食べてOK?白黒青の色別に解説

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ニンニクはカビが生えても食べてOK?白黒青の色別に解説

にんにくに白や黒、緑のカビが生えることがあります。これらのカビは種類が異なり、毒性や発生場所なども異なります。湿度や気温が高い場合にカビは発生しやすいです。この記事ではにんにくに生えるカビの種類やカビが生える原因などを詳しく解説します。カビが生えないように正しく保存する方法や、おすすめのレシピもご紹介しています。

にんにくに生えるカビの種類

白カビ

にんにくには、白いフワフワとした綿のようなカビが生えることがあります。

この白カビは「アスペルギルス属(コウジカビ)」や「ムコール属」と言われるものです。

アスペルギルスはコウジカビとも呼ばれ、自然界で最も見られるカビの一種です。約150種類もの菌がこの属に含まれ、食品の他ホコリや土など広く分布します。白いフワフワの綿のようなカビを形成します。

白いカビにはアスペルギルス属以外に「ムコール属」があります。ケカビとも呼ばれるカビの一種で、灰色の綿毛状のカビを形成します。発育スピードが速く、短時間で大きく広がる性質を持っています。低温の環境でも増殖しやすく、冷蔵庫や冷凍庫で保存した食品にも生えることがあります。食品以外に土などにも分布します。

コウジカビやケカビは、毒性の強いカビ毒「アフラトキシン」を発生させます。

黒カビ

黒カビが生えたにんにく

にんにくには、黒いススのようなカビが生えることもあります。黒く凹んでいることもあります。

黒カビの正体は「アスペルギルス属(コウジカビ)」や「クラドスポリウム属」、「アルタナリア属」と呼ばれるものです。

アスペルギルス属(コウジカビ)は、菌の種類により黒いカビを形成することもあります。上述したように食品やホコリ、土に含まれる菌です。にんにくにこびりつくようにびっしりとカビを形成します。

クラドスポリウム属のカビは黒カビとも呼ばれ、空気中に最も多く浮遊するカビです。お風呂場の壁や窓のサッシなど湿度が高い場所に生えることが多いです。食品にも生えることがあります。黒カビは喘息や気管支炎などのアレルギー症状を引き起こしてしまう可能性がある毒性の強いカビです。

アルタナリア属のカビは俗にススカビとも呼ばれます。クラドスポリウム属と同様に住宅内の湿度が高い場所に生えたり、水分の多い食品に発生しやすいです。ススのような見た目で、綿毛のようなカビを形成します。アルタナリア属のカビは、アレルギー症状の原因になると言われています。

青・緑カビ

青や緑色の粉っぽいカビが生えることもあります。

青カビは「ユーロチウム属」のカビで、カワキコウジカビとも呼ばれます。特有のカビ臭いにおいがします。乾燥した環境を好み、また糖や塩濃度の高い食品(パンや餅、ジャムなど)で発生しやすいです。意外かもしれませんが、にんにくも糖質を多く含む(収穫直後の生にんにくの糖度はなんと41.5度!)ため青緑色のカビが生えるのです。

毒性の強いカビ毒である「マイコトキシン」を産出する割合は低いと言われてます。

出典:東京都福祉保健局

カビが生えやすい場所

にんにくの根元の部分(底の部分)はカビが生えやすい場所です。根元を下にして保存すると、通気性が悪くなるためです。

根元には特に黒カビや青カビが発生することが多いです。

にんにくの皮の部分にもカビが生えることがあります。一番外側の皮に生えたり、内側の皮(薄皮)に生えることもあります。

にんにくの皮には黒カビや青カビ発生することが多いです。皮に発生したカビが、実(鱗片)にまで侵食することもあります。

一番水分を多く含むにんにくの実(鱗片)にもカビが生えます。皮には一切カビが生えていなくても、皮を剥いてみたら実にだけカビが生えていることもあります。

実に生えやすいカビには白カビや黒カビがあります。実を切ってしばらく放置すると青カビが生えることもあります。実の表面のみに生えることがほとんどで、実の中身に生えることはあまりありません。

にんにくにカビができる原因

湿度

まず第一に、カビは湿度が高い環境を好みます。具体的には湿度60%以上で発育すると言われています。

にんにくは保存性を高めるために、収穫後にしっかりと乾燥させてから出荷されます。乾燥が不十分であった場合、中の水分量が多くなってしまうため、カビが生えやすくなります。

また、通気性が悪い状態で保存していると、多湿状態となりカビが生えてしまいます。

気温

湿度と同様に、気温が高い場所でもカビは生えやすいです。カビが発生しやすい温度は20〜30℃と言われています。日本の夏は湿度だけでなく気温も高いので、他の季節と比べてもカビが発生しやすいです。

高温の環境下ににんにくを置いておくと、カビが生えるだけでなく腐敗が進みやすくなります。そのため、適切な温度(と湿度)を保ちながら保存することが重要です。正しい保存方法は、この記事の後半でご紹介しています。

またムコール属(白カビ)のように、低温でも生えるカビもあります。

栄養

カビは、栄養がある所で発育します。にんにくには様々な栄養素が含まれているので、それらを栄養源としているのです。

カビは食品以外にも部屋やエアコン、洗濯機などあらゆる場所に生えます。ホコリや髪の毛、人の垢、石鹸カスなどあらゆる有機物質がカビの栄養となりえます。

酸素

カビは酸素がないと発育できません。そのためカビは酸素が行き届きにくいにんにくの内部には生えず、表面のみに生えます。

カビが生えたにんにくは食べられる?

基本は食べない方がよい

カビの種類に問わず、カビが生えたにんにくは基本的には食べずに廃棄する方がよいです。

カビが生えている部分をしっかりと洗い切り落とせば食べることができるも言われていますが、目に見える範囲のカビを取り除いても、菌がまだ残っている可能性があるためです。

カビが生えたにんにくを食べる場合は、カビの部分をしっかり取り除いて、生食ではなく加熱して食べましょう。

カビが生えたにんにくと同じ袋に入っている他のにんにくは食べられる?

カビの胞子(細胞)は非常に小さく、空気中に舞って他のにんにくに移る可能性が非常に高いです。そのため、カビが生えたにんにくを見つけたら直ちに袋から取り出し、他のにんにくにもカビが生えていないか確認しましょう。問題なさそうであれば、早めに食べ切るようにしましょう。気になる方は、大変もったいないですが食べずにすべて廃棄処分するようにしましょう。

そもそも、にんにくを購入時の状態で保存すると鮮度が落ちやすいので、正しい保存方法で保管しカビの発生を防ぐ必要があります。

また、カビの胞子が野菜室に蔓延している可能性があるため、一度すべての野菜を取り出して、野菜室をアルコール消毒するなどし、カビの再発を防ぐことをおすすめします。

腐ったにんにくを食べてしまった時の対処法

誤ってカビを食べてしまった場合、嘔吐や下痢、腹痛などの症状が出る可能性があります。これらの症状が長引くような場合は、専門医の受診を推奨します。

少しでも怪しいなと感じる場合は、食べずに処分する方がいいでしょう。

にんにくにカビが生えない正しい保存方法

保存性が高いにんにくですが、正しく保存することでより長く美味しいにんにくをキープすることができます。日本には四季がありますので、季節に応じて保存方法を変えるのがポイントです。

常温保存

常温保存したにんにく

春・夏など暖かい季節は、ネットなどに入れて、風通しのよい冷暗所で吊るして保存がベストです。外皮は剥かずに保存しましょう。夏が終わり涼しくなると発芽してしまうので、常温保存はNGです。にんにくの匂い成分アリシンのおかげで、虫は近寄ることはありません。

常温保存した場合、約1ヶ月程度の保存が可能です。

冷蔵保存


冷蔵保存したにんにく

にんにくは秋になったら冷蔵保存します。にんにくを丸ごとペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉めて、チルド室で保存します。1片ずつ包んでも◎。キッチンペーパーに包むことで、冷蔵庫の冷気と乾燥から守ります。ポリ袋に入れることでさらに乾燥を防ぐことができます。ポリ袋は軽く閉じることで通気性をよくします。

冷蔵保存した場合、約2ヶ月程度の保存が可能です。

冷凍保存

冷凍保存したにんにく

にんにくは常温で長く保存することができるので、冷凍保存するメリットが他の野菜と比べてあまりありませんが、カットしたものを冷凍すると調理するときに楽です。やや香りが飛んでしまうデメリットもあります。切ったにんにくは常温・冷蔵保存では傷みが早いので注意です。

薄皮を剥いて1片ずつ冷凍保存したり、薄切りやみじん切りにして冷凍保存することも可能です。1片ずつ冷凍保存したにんにくは前日に冷蔵庫に移して自然解凍、カットして冷凍保存したにんにくは凍ったまま調理に使用することができます。

冷凍保存した場合、約1ヶ月程度の保存が可能です。

上記以外にも、にんにくは天日干ししたりオイルに浸けて保存することもできます

腐ったにんにくの見分け方

皮が茶色や黒に変色している

茶色く変色したにんにく

にんにくの実は黄色みがかった色をなしていますが、腐っているにんにくは茶色や黒、黄色やオレンジ色などに変色してしまいます。にんにくの一部が変色していると、変色が広がる可能性がありますので、変色部分を切り取ってから使うか、廃棄するようにしましょう。

実が柔らかくなっている、溶けている

腐敗したにんにく

新鮮なにんにくは実が固く締まっていますが、腐敗が始まると柔らかくなってしまいます。腐敗が進むと軽く触るだけで形が崩れるほど溶けてしまうことがあります。

にんにくが柔らかくなってしまっているときは、色が黄色っぽい半透明な色になっていることが多いです。変色していてかつ触感も変化している場合は、腐っている可能性大ですので処分するようにしましょう。

酸っぱい臭いがする

にんにくはにんにく独特の強い香りが特徴的ですが、腐り始めると酸っぱい臭いがします。腐敗具合によっては、生ゴミやカビのような悪臭がすることもあります。

見た目は問題なくても、明らかにいつもと違う臭いがする場合は腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄することをおすすめします。

皮がジトッと湿っている

一般に多く出回っているにんにくは、収穫後に乾燥させられているため、皮はパリッとしてます。ですが、腐っているにんにくの皮はジトッと湿ってしまっています。皮を触ってみてしっとりとしているなと感じる場合は、実をしっかりと確認しましょう。実が問題ない場合はそのまま使用してもOKです。

ヌメリがある

腐ったにんにくは皮を剥くとネバネバとしたヌメリがあります。新鮮なにんにくにも多少の粘りは見られますが、腐敗が進むと、糸を引くほどの強いぬめり感が出ます。

皮を剥く際やにんにくをカットする際に糸を引くような強い粘り気がある場合は、腐っている可能性が高いので、食べずに廃棄するようにしましょう。

にんにくの大量消費レシピ

最後に、にんにくを使ったレシピをご紹介します。調理したにんにく料理の保存期間は、冷蔵で2〜3日が目安です。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。

アヒージョ

アヒージョ

えびとマッシュルームのアヒージョをご紹介します。にんにく風味のオイルがやみつきになる一品です。ぜひ、お試しください。

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豆もやしのナムル

豆もやしのナムル

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豆もやしのナムルのレシピはこちら

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たことレタスのガーリックしょうゆ炒め

たことレタスの食感が楽しめる一皿です。しょうゆとにんにくの相性は◎。

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とりペペロンチーノ


鶏肉で作るペペロンチーノのレシピをご紹介します。シンプルですがとても食べごたえがある一品です。ぜひお試しください。

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ガーリックライス

基本的なガーリックライスの作り方を紹介します。ステーキなどの肉料理に合わせる定番のメニューです。香ばしいにんにくが食欲をそそるガーリックライスをぜひお楽しみください。

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