ピーマンの種は取ってから調理をすることが多いですが、種は食べられないのか気になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではピーマンの種について詳しく解説します。
ピーマンの種・わたは取って調理をしている方が多いと思いますが、実は食べることができます。わたとは、ピーマンの種の周りについている白いふわふわとした部分のことをいいます。
ピーマンは大航海時代にコロンブスによって唐辛子がヨーロッパに伝わった後、品種改良されて誕生した野菜です。当初は、実は種・わたも一緒に食べられていました。
ピーマンの他にもかぼちゃなど、実は種ごと食べられる野菜は多くあります。
ピーマンの種にはアルカロイド類に分類される天然毒素が含まれています。
天然毒素といえばじゃがいもに含まれているソラニンやチャコニンが有名です。ソラニンやチャコニンは中毒症状が起こる可能性があるため摂取するのは危険ですが、ピーマンに含まれている天然毒素は体内で分解されます。そのため、大量摂取しなければ摂取しても人体に影響はありません。
また、アルカロイドは加熱に弱い性質があるので、心配な方は加熱して食べると安心です。
出典:食品安全関係情報詳細(食品安全委員会)
ピーマンは種・わただけではなく、ヘタも食べることができます。
ピーマンは種・わたも食べることができるとはいっても、ヘタやわたをとってしまうと種がバラバラになってピーマンから出てしまいます。そのため、ピーマンを種ごと調理するのであれば丸ごと調理するのがおすすめです。
ピーマンの種は食べることができるのに、なぜ取り除いて食べることが多いのでしょうか。ピーマンの種を取る理由を解説します。
ピーマンと言えば、苦味があるのが特徴の野菜ですよね。ピーマンの苦味になるのは「ピラジン」と「クエルシトリン」であることがわかっています。
ピーマンの苦味成分は実よりも種やわたに多く含まれているため、丸ごと食べると苦味やエグみを感じやすいです。そのため、種やわたを取って調理をするのが定着していると考えられます。小さなお子様や苦味が苦手な方が食べる場合は、やはり種やわたは取ったほうが良いでしょう。
しかし、現在販売されているピーマンは品種改良により苦味やエグみを感じにくいものも多いです。そのため、種やわたを一緒に食べてもそこまで苦味やエグみを強く感じないこともあります。
苦味となる「ピラジン」は臭気成分で、青臭さの元にもなります。野菜の青臭さが苦手な方も多いですよね。臭いも味覚に大きく影響するので、青臭さが強くて食べにくいこともあります。
そのため、種やわたを取るのは、青臭さを軽減して食べやすくすることにも繋がります。
ピーマンは実よりも種やわたのほうが痛みやすいです。特にピーマンをカットしてから保存する場合は、種やわたがついたままだと日持ちしません。
そのため、ピーマンをカットしてから保存する場合は種を取ってから保存するのがベター。ピーマンの種やワタの取り方はこちらの記事で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
ピーマンの種を取り除く理由はおわかりいただけたと思います。続いて、ピーマンを種ごと食べるメリットを紹介します。
上述したようにピーマンの苦味のもとであり栄養のもとでもあるピラジンは、皮よりも種・わたに10倍も多く含まれています。また、その他の栄養素も含まれているので種やわたを取ってしまうと栄養素を無駄にすることになってしまいます。
家庭料理なので見た目が気にならない、品種改良でピーマンの苦味が軽減されていることなども考慮すると、栄養素を無駄なく摂取したい場合は種・わたごと食べる方が良いです。
ピーマンを種ごと食べると、プチプチっとした独特の食感を楽しむことができます。料理のアクセントになりますし、食べごたえが出るので満腹感も得られやすいです。
かぼちゃの種のように大きなものではないので、種があっても食べにくくなってしまうことはありません。
ピーマンの種を取るのは、意外と手間がかかります。種が小さいのでバラバラになってしまうと片付けるのも面倒ですよね。
ピーマンを種ごと調理すれば、手間がかからないのでさっと1品料理を作ることができます。
ピーマンの種・わたに多く含まれている栄養成分は下記の通りです。
ピラジンはピーマンの特有成分で、ピーマンの香りや苦味の元となっています。ピラジンは血流促進作用があります。さらに血流が良くなることで夏の冷え性対策にも効果があります。
また、血液が固まるのを防ぐので、血液が固まって血管を塞ぐ血栓の予防が期待できます。ピラジンはピーマンのワタにほとんど含まれているので、ぜひワタごと調理しましょう。
ピーマンはビタミンCがとても豊富で、なんとレモンよりも多く含まれており、トマトの約4倍ものビタミンCが含まれています。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。コラーゲンは、細胞間の結合組織で、血管や皮膚、骨、筋肉などを丈夫にします。コラーゲンによって、肌にハリ・ツヤが生まれます。シミのもとであるメラニン色素の合成も抑えるなど美肌づくりに大切な栄養素です。
そのほか、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。抗ストレスホルモンの合成にも欠かせない栄養素です。
ピーマンは唐辛子の仲間ですが、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンはほとんど含まれていません。カプサイシンが変化して辛さが1/1000であるカプシエイトという成分がピーマンには含まれています。
カプシエイトは辛くないため胃腸への刺激や血圧の上昇がほとんどないながらも、カプサイシン同様に交感神経を活発にする働きがあるので、代謝をアップさせて脂肪燃焼のサポートをしてくれます。
カリウムはミネラルの一種です。
カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。
そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
ピーマンを種ごと食べるときの注意点は下記の通りです。
上述したようにピーマンを種ごと食べるのであれば、種がバラバラになってしまわないようヘタもついたまま丸ごと食べるのがおすすめです。
丸ごと食べるときは、しっかりと綺麗に洗いましょう。特にヘタの部分には汚れが溜まりやすいです。泥汚れには食中毒の原因となる細菌が部分していることがあります。
また、汚れを落とすことは農薬を落とすことにも繋がります。余計なものを口に入れないためにもしっかりと洗うことが大切です。
ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使うと、残留農薬を落とすのに有効的です。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。上述したように農薬は酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にピーマンを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
ピーマンをカットしてみると種が茶色や黒に変色していることがあります。この場合は、腐敗のサインが見られなければピーマン自体は食べることができます。
しかし、鮮度が落ちている状態なので種は取り除いて食べるのが無難です。
丸ごと調理する場合は、種が変色していても気が付けないことがあります。丸ごと食べる場合は鮮度の高いピーマンを選ぶようにしましょう。
新鮮なピーマンの特徴は下記の通りです。
鮮やかな緑色で、皮にハリとツヤがある
ヘタのまわりがへこみ、肩が盛りあがっている
底の部分はフカフカせず、つややかで締まっている
ヘタの切り口が新鮮で変色していないもの
袋に入ってる場合は必ずしも確認できるわけではありませんが、上記の点を参考にしてみてください。
上記で紹介したようにピーマンの種には天然毒素が含まれています。過剰摂取してしまうと腹痛などの症状が出てしまうことがあるので食べ過ぎには注意しましょう。
ピーマンの1日の摂取目安量は明確に定まっていませんが、厚生労働省が発表している野菜の摂取目安量を参考にすることができます。
緑黄色野菜を基準にすると
大人の野菜の摂取目安量は1日あたり350g以上と設定されており、緑黄色野菜は120g以上、淡色野菜は230g以上です。
緑黄色野菜とは、原則として可食部100g中に600μg以上のβ-カロテンが含まれている野菜を指します。600μg未満の野菜は淡色野菜です。600μg未満でも、食べる量や回数が多いと緑黄色野菜に分類されます。
ピーマンは緑黄色野菜に分類されるので、他の野菜と合わせて120g以上を目安にするということになります。他の緑黄色野菜も食べることを考慮すると、ピーマンの1日あたりの摂取量は50g程度が妥当といえます。ピーマンは1個あたり約35gなので1〜2個です。
出典:厚生労働省|健康日本21(第二次)
ピーマンの種・わたを取らないで料理するときは、切らずに丸ごと使うのがおすすめです!丸ごと使うと食感も楽しめ満足感がアップし、見た目もかわいい。
丸ごとでも炒めたり、蒸し焼きにしたり、煮込むなどの調理が問題なくできます。ただし、破裂を防ぐために穴を空ける必要があります。
ピーマンに穴をあけるときは、このように軽く握りつぶす方法が一番簡単です。竹串などで穴を空けるのもアリです。1〜2箇所に切り目が入ればOKです。
カットしてしまうと種がバラバラになってしまいますが、種やわたごとカットして調理することもできます。例えば、炒めものにする場合などは皮(実)と一緒に種やわたも炒めればOKです。
ピーマンの苦味が苦手な方は、繊維に沿ってカットするのがおすすめです。繊維に沿ってカットすることで細胞が壊れて苦味成分が出るのを抑えることができます。
最後に、ピーマンを種ごと使うおすすめのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
削り節入り無限ピーマンです。削り節がピーマンの甘みと食感を引き立てます。
削り節はなんと、3/4がたんぱく質!乾燥させているので、うまみと栄養素が凝縮しています。積極的に摂りたい食材です。
削り節無限ピーマンのレシピはこちら
淡泊な鮭を味噌味で炒め、ピーマンをたくさん加えたごはんのお供です。焼け鮭の残りがあるときなどに、ぜひお試しください。
こちらのふりかけはみそ味です。みその主原料である大豆は、良質の植物性たんぱく質を多く含みます。みそは発酵することで、大豆にはない(あっても少量の)アミノ酸やビタミンなどが多量に生成され、栄養価がアップします。
ピーマンと鮭のふりかけのレシピはこちら
ピーマンの定番料理チンジャオロースを、丸ごとピーマンで作りました。
豚肉に片栗粉を揉み込むことで、肉汁を閉じ込めて柔らかい仕上がりになります。厚い肉なので、しっかりと下味をつけるのがポイントです。
丸ごとピーマンのチンジャオロースのレシピはこちら
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