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長ねぎの一番外側の皮(外皮)は剥く?メリットとデメリットを解説

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長ねぎの一番外側の皮(外皮)は剥く?メリットとデメリットを解説

長ねぎを調理するときに外側の皮を剥くべきがどうか迷ったことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では長ねぎの外皮を剥くメリットや外皮を剥く方法などを詳しく解説します。

長ねぎの外側の皮は剥く?剥かない?

長ねぎの外側の皮を剥くべきか否か迷ったことがある方は多いのではないでしょうか。長ねぎの皮には天然毒素などは含まれていません。そのため皮を剥かずに食べても問題ありませんが、調理をするときはむいてから食べることをおすすめします。

例えば人参や大根などの根菜は皮にも栄養素がたっぷりと含まれているため、皮を剥かずに調理をしたほうが栄養素を無駄にすることなく摂取することができますが、長ねぎの場合は外皮に特別栄養素が多く含まれているわけではないので、むいても栄養素を無駄にするといったことはありません。

長ねぎの外皮を剥くメリット

なぜ長ねぎの皮を剥いてから調理をするのがおすすめなのか詳しく解説します。

汚れを落とせる

長ねぎの白い部分は土に埋まって生長しています。そのため、長ねぎの外皮には土汚れがついていることがあります。長ねぎの場合は収穫してから土や泥汚れを落とし、外皮を剥いてから出荷されていることが多いためそこまで汚れていないように見えますが、土汚れがついている可能性も0ではありません。

また、長ねぎは袋詰めなどされずそのまま店頭に並べられていることが多いため、外気に触れたり人が触ることによって目に見えない汚れがついています。

水で洗い流せば問題ありませんが、外皮を剥いてしまえばよりしっかりと汚れを落とすことができます。

農薬の心配も

農作物は、害虫の被害や病気などを防止したり、成長促進剤や発芽抑制剤といった生育に必要な薬剤が使用されています。

日本で使われている農薬は、国に認められたもののみです。残留性が高く人体影響を及ぼすものや環境に影響を与えるほど毒性が強い農薬は、販売が禁止されています。また、登録された農薬であっても使用できる作物や時期、量などの使用基準が定められており、使用基準以外の方法で使用することを禁止しています。

使用量などは栽培する作物や気候条件によっても異なりますが、国の定めに基づいた農薬と使用量を守っていれば国の考えとしては農薬は安全とされています。そうはいってもやはり余計なものは口にいれたくないですよね。

残留農薬が多いと考えられるのはやはり外側の部分です。そのため外皮をむいて調理をしたほうが安心して食べることができます。

傷んでいる部分を除去できる

長ねぎは乾燥に弱い植物であるため、外側が乾燥して固くなってしまったり傷んでしまって変色してしまうこともよくあります。本来のみずみずしさがなくなり、さらに変色していると腐敗しているのではないかと心配になる方も多いかと思いますが、外皮を剥けば本来のみずみずしさと白さを取り戻すことがほとんどです。

そのため乾燥している様子が見られたり、外側の一部が変色している場合は特に外皮を剥いてから食べることをおすすめします。

保存時は剥かないほうが良い

長ねぎを保存する際の最適温度は0〜2℃、湿度は95〜100%といわれています。

上述したように長ねぎは乾燥に弱いため、保存時は外皮をつけたまま保存する方が◎。調理をするときは剥くといっても外皮をむいてから保存してしまうと傷んでしまいやすいです。

外皮はむかずに保存し調理をする前にむくのがベストです。

長ねぎの外皮を剥く方法

洗う

長ねぎを流水でしっかり洗う

長ねぎの外皮を剥くときは、まず洗います。

長ねぎの白い部分と青い部分の付け根は特に土汚れが残りやすいです。洗うときは優しく開いて、流水をかけながら洗いましょう。特に泥付きの長ねぎはたっぷり泥がついています。外皮をむけば泥汚れを落とすことができるので、そこまで神経質になる必要はありませんが汚れを落としておくと料理が土臭くなってしまうことも防げます。

農薬が気になる方は

長ねぎについている農薬が気になる方は、ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーを使って残留農薬を落とすのに有効的です。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。

ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。農薬の多くは酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。

ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水に野菜を5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。

包丁で縦に切り込みを入れる

長ねぎの外皮に浅く切り込みを入れる

長ねぎを洗い汚れを落としたら、包丁で縦に切り込みを入れます。

切り込みを入れるときは、包丁の刃の先を長ねぎの白い部分の薄皮一枚に到達する浅さまで入れて、すーっと包丁を動かします。

切り込みに指を入れて剥く

切り込みを入れた長ねぎの薄皮を手で剥く

切り込みを入れたら、切り込みに指を入れて皮を剥きます。

上述したように収穫されてからすでに外皮は剥かれているので、剥くのは一番外側の薄皮だけで大丈夫です。多少乾燥していたり変色していても外側の皮をむけば綺麗になります。

長ねぎの青い部分も食べられる

長ネギの青い部分

長ねぎを調理するときには外皮を剥くか剥かないかの問題の他にも、青い部分(上部)を捨てるか捨てないかの問題もあります。長ねぎの青い部分はネバネバしている、辛みが強い・苦い・青臭いといった理由からカットして破棄し白い部分のみを使う人が多いですが、長ねぎの青い部分も食べることができます。

フルクタンが豊富に含まれている

長ねぎの青い部分には「フルクタン」と呼ばれる成分が豊富に含まれています。

長ねぎの青い部分をカットしたときに見えるゼリー状の粘質物がフルクタンです。長ねぎがぬるぬるしていると感じたことがある方も多いと思いますが、ぬるぬるの正体もフルクタンです。

フルクタンは、複合多糖類の食物繊維の1つであり、長ねぎの甘み成分でもあります。免疫細胞を活性化する働きがあるため、免疫力を高める効果が期待できます。さらに血糖値の上昇を抑えると言われています。人体に害がある成分ではありませんので、食べても大丈夫です。むしろ人体に有効な成分であるため捨てるのは非常に勿体ないのです。

その他の栄養素も

長ねぎの青い部分にはフルクタンの他にもβ−カロテンなどの栄養素が豊富に含まれています。

β-カロテンは、皮膚や喉などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあり、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぐ事で免疫力をアップし病気にかかりにくくなります。また抗酸化作用もあるので、アンチエイジング作用があります。亜鉛が補酵素に入ると、β-カロテンがレチナールへ、さらにレチナールにナイアシンが結合することで体内に作用します。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。

変換されたビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。

油と一緒に調理をするのがおすすめ

長ねぎの青い部分は青臭さがありますが、青臭さの原因である3-ヘキセノールと呼ばれる成分は揮発性が高い成分であるため、加熱をすることで食べやすくなります。

また、β-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップ。これは細胞内で溶解して、吸収されやすくなるからです。そのため、長ねぎの青い部分を食べるときは加熱料理をすると良いでしょう。

さらにβ−カロテンは脂溶性なので野菜炒めなど油を使うことで吸収率が6倍にもなることがわかっています。例えばチヂミや卵焼きの具材にしたり、ネギ油などにするのがおすすめです。

臭み消しにも使える

長ねぎの青い部分は食べられるとはいっても、食べにくいと感じる人が多いのも事実です。長ねぎの青い部分がどうしても食べにくい方は、肉や魚料理の臭み消しに使うのがおすすめです。

例えばチャーシューなどを煮込む際に長ねぎの青い部分を一緒に入れて煮込んでいるのを見たことがある方は多いのではないでしょうか。これは長ねぎに多く含まれている硫化アリルに生姜などと同じく臭み消しの効果があるためです。長ねぎの白い部分でも臭み消しとして効果があるのですが、長ねぎの青い部分のほうが調理をして食べにくいため、青い部分が使われることが多いのだそうです。

栄養素が豊富に含まれていて勿体ないので、ぜひ有効活用してみてください。

腐敗した長ねぎの特徴

長ねぎは表面が多少乾燥していたり、変色していても外側の皮を剥けば問題なく食べられることが多いですが、下記のような特徴がある長ねぎは腐敗しているので食べないようにしましょう。

見た目

腐敗した長ねぎの見た目の特徴は下記の通りです。

  • カビが生えている

  • 溶け出している

  • 全体的に変色している

  • 茶色い汁が出ている

長ねぎの表面にフワフワとしたホコリのようなものがついている場合は白カビ、黒く変色している箇所がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができるといわれていますが、長ねぎは柔らかい野菜ですので中まで侵食してしまいやすいです。カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあります。カビの胞子は目に見えないほど小さいので、中まで侵食していないように見えても破棄するのが無難です。

長ねぎは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色くなっていたり黒くなっている場合は腐敗している可能性が高いです。溶け出している箇所があったり、茶色い汁が出ているなどの異変が見られることもあるので、このような場合は破棄しましょう。

臭い・味

腐った長ねぎの臭いや味の特徴は下記の通りです。

  • 鼻をつくような酸っぱい臭い・味

  • 生ゴミのような臭い

  • カビ臭い

酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。

長ねぎに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので鼻をつくような酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。

また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

長ねぎは腐敗すると臭いがきつくなることで知られています。明らかに普段は感じない異臭や飲み込めないほど変な味がする場合は破棄しましょう。

触感

腐ったねぎの触感の特徴は下記の通りです。

  • ぐにょぐにょしている

  • 糸を引いている

長ねぎが柔らかくなってぐにょぐにょしてしまっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。表面に異変がなくても、中から腐っていくこともあるので明らかに普段とは違う柔らかさを感じる場合は破棄しましょう。

また、切り口から糸を引いたりネバネバしてしまっている場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。新鮮な長ねぎにもある程度のぬめりや粘りはありますが、腐敗が原因でねばりが出ることもあるので臭いや溶け出している箇所がないかなどしっかり確認することが大切です。

新鮮な長ねぎの選び方

最後に新鮮な長ねぎの特徴を紹介します。新鮮な長ねぎを購入したほうがより長く美味しく食べることができるので、長ねぎを購入する際の参考にしてください。

  • 緑と白がはっきりしていて、緑色が濃すぎない

  • 葉先までピンとしていて枯れていない

  • 境目がかたくしまっている

  • 巻きがしっかりしていて、ツヤがある