ズッキーニは皮ごと食べることができる野菜です。そのためわざわざ皮を剥く必要はありません。本記事ではズッキーニの皮に関する知識や、皮ごと食べるときのポイントなどを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
野菜には、皮ごと調理するものもあれば皮をむいて調理をするものがあります。ズッキーニと形や色が似ているきゅうりは皮ごと食べる事が多いですが、ズッキーニも皮ごと食べられるのか迷ったことがある方は多いのではないでしょうか。ズッキーニは皮ごと食べることができるのか解説します。
ズッキーニは皮ごと食べることができる野菜です。大根など皮が厚い根菜の場合、皮を剥いて調理をすることが多いですが、ズッキーニの皮はそれほど厚いものではないため皮ごと調理をしても食べにくいということはありません。
また、緑色に変色しているじゃがいもの皮はソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれるため必ずむいて食べる必要がありますが、ズッキーニには天然毒素は含まれていないので問題なく食べることができます。
野菜や果物の皮にも栄養素が含まれていることがわかっており、ズッキーニの皮にも栄養素が豊富に含まれています。そのため、皮を剥いて捨ててしまうのは非常に勿体ないです。
ズッキーニの栄養素を無駄にすることなく摂取できるので、皮ごと調理をして食べることをおすすめします。
野菜や果物の皮にはポリフェノールなど苦味やエグみとなる成分が多く含まれています。例えばぶどうの皮は皮ごと食べられるものの、苦味やエグみが強く味を損ねてしまうので剥いて食べることが多いです。
ズッキーニの場合は、皮を剥かずに食べてもそこまで強い苦味やエグみがあるわけではなく、クセがないので食べやすいです。
ただし、ズッキーニは元々「ククルビタシン」と呼ばれる苦味成分が含まれています。皮を剥く・剥かないに関係なく苦味を感じることはあります。しかし、一般的にスーパーで販売されているズッキーニのククルビタシンの含有量はそこまで多いわけではないので皮ごと調理をしても料理の味を損ねてしまうことはありません。
ズッキーニは加熱調理をして食べられることが多いですが、ズッキーニ自体は生食することもできる野菜で、皮も同様に生のまま食べることができます。
ただし、生食する場合はズッキーニの青臭さなどが気になりやすいです。そのため、加熱調理をして食べることをおすすめします。ズッキーニを皮ごと食べるときのおすすめの調理法は後述しますのでそちらを参考にしてください。
上述したようにズッキーニの皮にも栄養素が豊富に含まれています。ズッキーニの皮に含まれている栄養成分は下記の通りです。
β-カロテンは体内で必要量がビタミンAに変換される成分のうちのひとつで、その中でも最も活性が高くなっています。
β-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内に発生した活性酸素を除去します。活性酸素は本来ウイルスと闘うなど健康維持に大切ですが、増えすぎると害を及ぼし、老化の促進などに繋がります。活性酸素はストレスや紫外線、不規則な生活習慣や加工食品、また喫煙などによって増加しすぎると言われています。
ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜や細胞の代謝を促進する働きがあります。視力を正常に保つ役目もあり、夜盲症の予防や視力低下の抑制があります。そのため、体外からのウィルスや細菌の侵入を防ぎ感染症を予防する効果が大きく、免疫力を高めます。また皮膚の健康維持に関与していることから、美肌効果もあります。皮膚の新陳代謝が高まることで、乾燥肌やニキビ肌の改善が考えられます。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。
さらにビタミンCの抗酸化力はトップクラスですので、細胞を酸化から守り老化や生活習慣病の予防にもなります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
また抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。また喫煙者はビタミンCの消費が激しいので、一般成人の2倍は摂ることをおすすめします。
カリウムはミネラルの一種です。
カリウムはナトリウム(食塩)と協力し細胞の浸透圧を維持しています。体内に十分なカリウムがあると、余分な食塩を排出して血圧を正常に保ちます。しかし、カリウム不足や塩分の過剰摂取が続く、むくみなどの原因になります。
そのほか、腎臓の老廃物の排出を助けたり、筋肉の収縮をスムーズにする働きもあります。
ズッキーニは皮ごと食べると栄養素を無駄にすることなく摂取できるなどの利点があるので、ぜひ皮ごと調理をして食べたいものです。続いて、ズッキーニを皮ごと食べるときのポイントを紹介します。
ズッキーニはじゃがいもなどの根菜と比較して、土汚れがついていることも少なく綺麗に見えるのでさっと水で洗い流して調理をしている人も多いでしょう。しかし、どんな野菜にも土壌由来の細菌がついていたり、外気にふれることによって目に見えないチリなどの汚れがついていることが多いです。
皮をむけば表面状の汚れは落とすことができますが、皮ごと食べるときはしっかりと洗ってから食べるようにしましょう。しっかりと洗うことは、農薬を落とすことにも繋がります。
ホタテ貝やホッキ貝を原料に作られたパウダーは、ズッキーニの残留農薬を落とすのに有効的です。特におすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。
ホッキ貝を高温で焼きパウダー状にしたものを水に溶かすことで、アルカリ水を作ることが出来ます。上述したように農薬は酸性であるためアルカリ水につけることで農薬が中和されて落としやすくなります。
ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にきゅうりを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり油が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。
ズッキーニは皮ごとでも食べやすいといっても、皮があるぶんやはり口当たりが悪く感じることもあります。そのため、皮ごと調理をしたときの口当たりの悪さが気になる場合は、皮ごと薄くカットして調理をすると良いです。
薄くカットすれば口当たりの悪さが気になりにくいですし、加熱調理をするときも火が通りやすくなり、味も染み込みやすくなります。
大きいサイズのズッキーニなど皮が固い場合もあります。また、どうしても皮があると口当たりの悪さが気になるという場合は、縞模様になるよう等間隔に皮を剥いて調理をすると良いです。
ズッキーニの皮はピーラーを使って簡単に剥くことができます。ピーラーを使えば薄く剥くことができますし、等間隔に剥いて皮を残しておけば皮に含まれている栄養素も残すことができます。
ズッキーニの苦味が気になる場合は、ズッキーニの苦味成分であるククルビタシンは水溶性であるため、皮ごとカットしたあとに水にさらすとアク抜きをすることができるため苦味が軽減されて食べやすくなります。
ただし、水にさらすことでビタミンCやカリウムなどのその他の水溶性の栄養素も流出してしまうデメリットがあります。水につけてアク抜きをする場合は長時間つけすぎないようにしましょう。
また、カットした後に塩もみをすることでもズッキーニに含まれている水分と一緒に苦味成分であるククルビタシンも出るのでアク抜きになり、苦味を軽減することができます。
<塩もみすると水分が出るのはなぜ?>
異なる物質同士の細胞の成分濃度が違うと、成分が薄い方から濃い方へと水が移動して、両方の濃さを揃えようとする力が働く。これを「浸透圧」という。野菜を塩でもむと、野菜の水分に塩が溶け濃い塩水ができ野菜の外側の塩分濃度が高くなるため、濃度を調整しようと浸透圧が働き、野菜の内側から水分が出てくる。
ズッキーニを皮ごとたべるときに限ったことではありませんが、飲み込めないほど強い苦味を感じたときは無理して飲み込まず、吐き出して破棄しましょう。
ズッキーニの苦味成分であるククルビタシンは、大量に摂取してしまう食中毒を招く可能性があり、下痢や嘔吐などの症状が出ることがあります。過去にはククルビタシンを多く含むウリ科の植物である観賞用の「ひょうたん」を食べたことによって食中毒になってしまった事例もあります。
一般的にスーパーなどで販売されているズッキーニのククルビタシンの含有量は上述したようにそれほど多く含まれているわけではないので、神経質になる必要はありませんが、飲み込めないほど強い苦味を感じる場合は、ククルビタシンの含有量が多いと考えて破棄したほうが良いです。
特に家庭菜園で育てたズッキーニは生育環境によって苦味成分の含有量が多くなっていることがあるので、注意しましょう。
出典:食品安全関係詳細(食品安全委員会)
ズッキーニを皮ごと食べるときにおすすめのレシピをご紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。
ズッキーニとパプリカを使った人気の副菜です。みずみずしいズッキーニの食感がたまらない一品です。
大きめに切ることで食感を楽しむことができます。冷蔵で3日ほど保存可能です。
ズッキーニとパプリカのピクルスのレシピはこちら
ズッキーニを切って焼くだけの簡単レシピです。香ばしいガーリックがアクセントに。
ズッキーニに切れ目を入れることで、火が通りやすくなります。時々フライ返しや菜箸で押さえながら焼くのがポイントです。
ズッキーニのガーリックステーキのレシピはこちら
鶏とズッキーニの味噌焼きです。鶏肉とズッキーニの食感が◎。にんにく風味でご飯が進みます。
鶏肉は常温に戻して調理しましょう。火が通りやすくなります。また、鶏肉にしっかりと下味をつけるのがポイントです。
鶏とズッキーニの味噌焼きのレシピはこちら
下記のような特徴があるズッキーニは腐敗しているため、皮ごとに限らず食べることはできません。保存していたズッキーニを食べるときは腐敗のサインが見られないかしっかりとチェックしましょう。
腐ったズッキーニの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的にシワシワ
溶け出している
全体的に変色している
表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。ヘタの部分はとくにカビが生えやすく、ヘタのみであれば切り落せば食べられることもありますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は破棄しましょう。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。
新鮮なズッキーニの表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは水分が抜けて乾燥してしまっている状態です。少し水分が抜けてしまった程度であれば問題ありませんが、完全に抜けてシワシワになっていたり、溶け出している場合は腐敗しています。
また、変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に茶色っぽくなっていたり黒っぽく変色している場合も破棄してください。
腐ったズッキーニの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
ズッキーニは青臭さがある野菜ですが、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
ズッキーニに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったズッキーニの触感の特徴は下記の通りです。
ぶにょぶにょしている
全体的にぬめりがある
糸をひいている
新鮮なズッキーニには張りがあり、ある程度硬さがありますが、腐敗が進んでいるとぶにょぶにょとした柔らかい触感になります。また、全体的にぬめりが出ている場合や糸をひく場合も腐敗が進んでしまっている状態なので、残念ですが破棄しましょう。
当たり前ですが、新鮮なズッキーニを選び購入した方が、美味しく食べることができますし、日持ちします。ズッキーニを選ぶ際の注目すべきポイントは下記です。ズッキーニを購入するときの参考にしてください。
ヘタの切り口が変色しておらずみずみずしいもの
太さが均一である
大きさのわりにずっしりと重い
表面にツヤがある(つやつやしすぎているものは熟度不足なのでNG)
傷や変色がない
鮮やかな緑色(黄色ならムラのないもの)
Most Popular
中が茶色いじゃがいもは食べられる?空洞や輪になってる場合は?
食品事典
大根は中身が茶色に変色しても食べられる?原因と対処法を解説
食品事典
麻婆豆腐が辛い時に甘くする方法。おすすめの調味料や食品は?
食品事典
ハンバーグが固くなる原因と柔らかく作るコツを徹底解説
食品事典
スカスカなかぶは食べてOK?スが入る原因は?
食品事典
トマト缶は一缶でトマト何個分?サイズ別に解説
食品事典
冬におすすめの天ぷら具材36品。冬野菜や冬が旬の魚介類を紹介
食品事典
舞茸の茹で時間は何分?正しい茹で方&下処理を解説
食品事典
里芋は生で食べられる?生食のメリットと注意点を解説。
食品事典
エリンギが水っぽい...食べられる?濡れてる原因と対処法は?
食品事典