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ズッキーニの栄養素と効果的な食べ合わせ【管理栄養士監修】

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ズッキーニの栄養素と効果的な食べ合わせ【管理栄養士監修】

ズッキーニは特に栄養が豊富な野菜ではありませんが、カリウムやβ-カロテン、ビタミンK、ビタミンCなどがバランスよく含まれています。カリウムはむくみ予防、β-カロテンは老化防止などの作用が期待できます。

ズッキーニの概要

ズッキーニの特徴

ズッキーニは見た目はきゅうりに似ていますが、ペポかぼちゃという種類に分類され、かぼちゃの仲間です。

完熟してから食べるかぼちゃと違い、ズッキーニは開花後5〜7日の未熟果を食べます。未熟果なので切っても種はありません。

ズッキーニはほのかな甘みがありますが淡泊なのが特徴です。

ズッキーニの原産

北アメリカ南部(アメリカ南部やメキシコ)が原産で、16世紀頃にアメリカからヨーロッパに入り、19世紀にイタリアで細長い形に改良されました。イタリアやフランスなどヨーロッパで人気があり、フライや煮込み料理で使用されます。

日本で普及したのは1970年代後半頃からで、現在では黄色のものやゴルフボールサイズの丸形のもの、花つきのものなども見かけることがあります。黄色品種の方が皮が柔らかく、サラダなどに向いています。イタリア料理ではズッキーニの花の中にお肉やチーズをつめ、揚げたり蒸したりして食べます。

ズッキーニの旬・産地

長野県、宮崎県、群馬県、千葉県、茨城県などで収穫されます。

周年出回りますが、旬は3月〜9月です。

ズッキーニの栄養素

可食部100gあたりのズッキーニに含まれる主な栄養素は下記です。(食品成分表)

  • エネルギー 14kcal

  • 水分 94.9g

  • カリウム 320mg

  • カルシウム 24mg

  • マグネシウム 25mg

  • リン 37mg

  • 鉄 0.5mg

  • ビタミンA(β-カロテン当量) 320μg

  • ビタミンK 35μg

  • ビタミンB1 0.05mg

  • ビタミンB2 0.05mg

  • ナイアシン 0.4mg

  • ビタミンC 20mg

  • 食物繊維総量 1.3g

ズッキーニはかぼちゃの仲間ですが、栄養素的には見た目が似ているきゅうりに近いといえます。特に栄養が豊富な野菜ではありませんが、その中でも比較的豊富に含まれている栄養素について解説していきます。

カリウム

ズッキーニはミネラル類の中で特にカリウムが豊富です。 カリウムの主な働きは、

  1. 食塩の排出
  2. 心臓機能や筋肉機能の調整

です。 カリウムは腎臓で尿中へのナトリウム(食塩)排泄を促進する働きがあります。塩分の摂りすぎによるむくみ予防しているとされています。日本の食事は塩分が多い傾向があるのでカリウムの摂取が重視されています。その他にも、カリウムには筋肉の収縮をゆるめる作用があるといわれています。

ビタミンK

ズッキーニには少量ですがビタミンKが含まれます。

ビタミンKの主な働きは、

  1. 止血作用
  2. 骨作りのサポート

です。

血を止める作用があるたんぱく質の生成を肝臓で手助けするのがビタミンKです。また、ビタミンKは吸収されたカルシウムを骨に定着するのを助けます。

β-カロテン(ビタミンA)

植物性食品のβ-カロテンは体内でビタミンAに変わります。同じく体内でビタミンAに変わる栄養素にはレチノールがあり、レバーなどに特に多く含まれます。β-カロテンはビタミンAとしての作用はレチノールに比べると劣るものの、抗酸化作用という独自の作用をもちます。

抗酸化作用とは体内の活性酸素の働きを抑えることをいい、β-カロテンには老化予防が期待されています。

ビタミンC

ズッキーニにはビタミンCも含まれます。 ビタミンCの主な働きは、

  1. コラーゲンの合成
  2. メラニン色素の生成の抑制
  3. 老化予防

です。 人間の体内にあるたんぱく質の1/3はコラーゲンであり、そのコラーゲンの生成にビタミンCが関与しています。コラーゲンは細胞と細胞をつなげる役割を果たし、皮膚や血管、筋肉、骨を健康な状態に保ちます。 また、ビタミンCの抗酸化作用は、日焼けやシミの原因になるメラニン色素の生成を抑制します。 さらに、ビタミンCの強い抗酸化作用は老化予防に役立つとされています。 ビタミンCは一度に大量に摂取しても余剰分は体外に排泄されてしまうため、毎食適量を摂取するのが大切です。

ズッキーニの栄養に関する知識

ペポかぼちゃの仲間だが、栄養素はきゅうりに近い

ズッキーニはきゅうりの姿をしたかぼちゃ、と言われています。植物としてはペポかぼちゃの仲間になります。しかし栄養的にはかぼちゃよりもきゅうりのほうが近くなっています。カリウムはズッキーニのほうがきゅうりよりも多く含まれていますが、その他ビタミンなどは大差ありません。

ズッキーニは未熟果で種がない

ズッキーニに種がないのは、未熟果だからです。ズッキーニはだいたい開花後の4〜6日の未熟果を収穫しています。実が大きくなって熟してしまうと、味が落ちてしまうため早めに収穫されています。

ズッキーニの色によって栄養成分が変わる

黄色のズッキーニには、ルテインが緑色のズッキーニの7倍も入っています。ルテインは黄色やオレンジ、赤色の脂溶性色素で、カロテノイドの一種です。ルテインには抗酸化作用があり、免疫力アップなどの効果が期待できます。

緑色のズッキーニにはβ-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンには強い抗酸化作用があり、体内に発生した活性酸素を除去してくれます。

新鮮なズッキーニの選び方

  • 太すぎず均一

  • ハリとツヤがあってなめらかで、持つと弾力がある

  • へたの切り口がみずみずしい

育ちすぎたものは味が落ちるので注意。150gくらいが理想で、大きくても200gのものを選びましょう。切ったときに液体がにじみ出る、みずみずしいものが新鮮で美味しいです。ズッキーニの皮にうっすら見える白い点々は子室の数と同じで、多い方が身がみっちりと詰まっています。

ズッキーニの効果的な調理法・食べ方

ダイエット食材としておすすめ

ズッキーニは約95%が水分で低カロリーな野菜です。ダイエット中にはおかずのボリュームアップに重宝できる野菜です。味にクセがないためさまざまな料理に活用できるのも嬉しい点です。

オリーブオイルで調理

ズッキーニはオリーブオイルとの相性が抜群です。油と一緒に摂ることでβ-カロテンとビタミンKの吸収率がアップするのでおすすめです。煮込み料理を作る際も、ズッキーニは油で炒めてから煮ることをおすすめします。

生食もおすすめ

ズッキーニは新鮮のものなら、薄く切れば生でも美味しくいただけます。ズッキーニに含まれるカリウムは茹でるなどの調理過程で失われやすいので、生で食べると無駄なく摂取することができます。また、煮物の場合は汁ごといただくのがよいでしょう。ただし、塩分の摂りすぎを避けるために、薄味にしましょう。

オリーブオイルで(加熱して)食べるのも、生で食べるのも、どちらも栄養的に利点があります。生のままオリーブオイルをかけて食べるのが栄養的にはベストですが、加熱して美味しく食べることも大切なので、日によって調理法を変えるのがよいでしょう。

ズッキーニのおすすめレシピ

ラタトゥイユ

ズッキーニを使った定番フランス料理ラタトゥイユです。このレシピでは先にオリーブオイルでズッキーニを炒めてから、煮込んでいます。そうすることで、β-カロテンの吸収力を高めることができます。

ラタトゥイユのレシピはこちら

ズッキーニとツナサラダ

ズッキーニのβ-カロテン・ビタミンCと、ツナに含まれるビタミンEはどれも抗酸化作用があり、一緒に食べることで効果アップが期待できます。

また、生で食べることでカリウムの損失を防ぎ、えごま油をかけることでβ-カロテンとビタミンKの吸収力を高めることができます。えごま油はクセがないので、サラダにおすすめです。

ズッキーニとツナのサラダのレシピはこちら

ズッキーニとチキンのトマト煮

ズッキーニに含まれるビタミンCは、鶏肉の含まれるたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠です。コラーゲンには細胞と細胞をつなげる役割があり、美肌効果が期待されます。

ズッキーニとチキンのトマト煮のレシピはこちら