切ったなすの保存法【常温・冷蔵・冷凍】水にさらすはNG？

カットしたなすを保存するときのポイント

なすは寒さに弱い

なすは水分が多く、寒さに弱いのが特徴の野菜です。貯蔵の適温は7〜12℃と報告されています。冷蔵保存は日持ちはよいですが、そのまま冷蔵庫に入れて冷気に当たると、皮が硬くなり内部の水が抜けて実がしぼみ、風味も落ちます。そのため、新聞紙やキッチンペーパー、ラップ、ポリ袋などを使い、冷気からなすを守るように工夫する必要があります。冷蔵庫保存するときは温度が比較的高い野菜室を利用するようにしましょう。

カットしたら常温保存NG

なすを丸ごと保存する場合は、気温が10℃前後で直射日光が避けられ風通しのよい部屋（冷暗所）ならば、常温でも1週間ほど保存することができます。夏場や冬場の暖房を使用している環境なら1〜2日です。

しかし、カットしたなすの場合は常温保存することはできません。なすに限らずカットしたら傷むのが早いので必ず冷蔵または冷凍で保存する必要があります。

空気に触れないようにする

カットしたなすはしかりとラップで包むなどして、空気中の酸素に触れないようにすることが大切です。

なすは「ナスニン」と呼ばれるポリフェノールの一種が多く含まれています。ポリフェノールは空気中の酸素に触れることで酸化し、茶色や黒に変色してしまいます。

変色してしまっても腐敗しているわけではないので食べることはできますが、鮮度が落ちている状態なので食感や味が悪くなってしまいます。

なすはカットすると断面が酸化してしまいやすいので、空気に触れないようにすることが大切です。

食べられないなすの特徴

正しく保存しても下記の特徴があるなすは腐っている可能性が大です。食べずに捨てるようにしましょう。

• カビが生えている

• 皮が茶か黒に変色している

• 皮がブヨブヨしている

• 水分が出てきてぬめりがある

• 酸っぱい臭いがする

カットしたなすの保存方法と期間【冷蔵】

ラップに包んで1日〜2日

カットしたなすを冷蔵する場合は1日〜2日保存可能です。

上述したように、なすはカットすると断面が酸化して変色してしまいやすいです。酸化してしまうと鮮度が落ちてなすの食感や風味が損なわれてしまうので、空気に触れないようしっかりとラップに包んで密閉してから冷蔵庫にいれます。

酸化の原因となるポリフェノールは水溶性なので、予め水にさらしてポリフェノールを落としておくのもありです。水にさらしてから保存する場合は、キッチンペーパーなどでしっかりと水気拭き取っておくことが大切です。また、カリウムなどの水溶性の栄養素も流出してしまうデメリットがあるので、長時間つけすぎないように注意しましょう

カットしたなすの保存方法と期間【冷凍】

なすは水分が多く冷凍に向かないと言われがちですが、冷凍することができます。なすを冷凍すると保存期間は1ヶ月！長期保存したいなら冷凍保存がおすすめです。さらに、冷凍すると中の水分が抜けて、味が染み込みやすくなり、時短調理にうってつけです。

カットして生（1ヶ月）

冷凍保存する場合は、乱切りや厚めの輪切りなど調理しやすいサイズにカットしましょう。丸ごと冷凍することも可能です。

冷凍でも酸化による変色は起こりやすいので、気になる方は水に10分ほどさらすか、塩をかけて10分ほど置くことで防ぐことができます。体に悪いわけではないので、そこまで気にしすぎる必要はありません。

カットして加熱（1ヶ月）

乱切りや厚めの輪切りなど食べやすいサイズに切って、オリーブオイルで炒めて粗熱を取ります。その後に冷凍用保存袋に入れて空気を抜き、密閉して冷凍庫へ。

野菜は加熱することで水分が抜けるので、風味や食感が悪くなる原因である氷の結晶が冷凍の過程で発生しにくくなるためです。油で加熱調理をすれば変色の心配もいりません。

冷凍なすの解凍方法

そのまま加熱調理に使うことができます。使い方は生のなすと基本的に同じです。煮浸しや揚げ浸しなど味を染み込ませる料理が特におすすめです。麻婆なすやカレーの具にしても◎。

おひたしにしたい場合は、前日に冷蔵庫に移して常温解凍か、流水解凍を。

カットしたなすの保存方法と期間【乾燥】

なすは乾燥させて保存することもできます。野菜を乾燥させると、保存期間が長くなる、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す（いつもとは違う食感が楽しめる）、かさが減るのでたくさん食べられる（その分栄養が取れる）などのメリットがあります。密閉容器に入れて常温または冷蔵で1ヶ月ほど保存できます。味噌汁やスープの具におすすめです。お肉と一緒に炒めても◎。

天日干し（常温・冷蔵で1ヶ月）

なすはスライスし、塩水に10分ほど浸けてアク抜きし、キッチンペーパーで水けをとります。ざるに並べて3日ほど天日干しにします。天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
天日干しにするとビタミンDが増加します。ビタミンDの効能には骨格と歯の発育促進があります。

オーブン（常温・冷蔵で1ヶ月）

オーブンを使って乾燥させることもできます。天板の上にクッキングシートを敷き、スライスしたなすを並べ、100〜110℃の低温で20〜30分ゆっくり加熱します。

乾燥が足りなければさらに加熱します。

レンジ（常温・冷蔵で1ヶ月）

レンジで乾燥させる方法はもっと簡単。スライスしたなすをキッチンペーパーをひいた耐熱皿の上に並べて、600Wで5〜8分程度加熱します。

電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。

カットしたなすの保存方法と期間【漬物】

野菜は漬けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。大量消費にもおすすめです。特になすは漬物によく合う野菜です。塩やからし、ぬかみそ、麹、粕、しば漬けなどバラエティ豊かです。ほどよく水分が抜けてしっとりした食感になります。

なすの漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。

塩漬け（冷蔵で2週間）

なすを乱切りにして塩水に10分ほど浸けてアク抜きし、キッチンペーパーで水けを拭きます。なすの重さに対して5%くらいの塩の量だと1〜2週間ほど保存できます。15%にすると数ヶ月保存することができます。そのままでは味が濃いので、最低でも数時間水につけて塩抜きします。漬物として食べてもよいですし、調理に使っても◎。

からし漬け（冷蔵で2週間）

なすを乱切りにして塩水に10分ほど浸けてアク抜きし、キッチンペーパーで水けを拭きます。からし：塩：酢＝1：1弱：1の割合で作る漬だれをなす全体にからめて、冷蔵用保存袋に入れて保存します。

なすの大量消費レシピ

最後に、なすの大量消費レシピをご紹介します。

Filyのレシピはすべて小麦粉、乳製品、白砂糖不使用です。

なすの煮浸し

なすの定番料理、煮浸しのレシピです。トロトロななすに味がしっかり染み込み、箸が進みます。

なすは切り目を入れることで味が染み込みやすくなります。

なすの煮浸しのレシピはこちら

なすとパプリカのマスタードドレッシングサラダ

酢とマスタードの酸味がなすとパプリカによくからみ美味。トースターだけで作れる簡単レシピです。

サラダ代わりにも、ワインのお供にも。

なすとパプリカのマスタードドレッシングサラダのレシピはこちら

麻婆なす

豆板醤の辛さの中になすの甘みがプラスされて、ご飯がよく進む一品です。揚げずにフライパンだけで作れる簡単レシピです。

豆板醤を炒めるのがポイントです。豆板醤を炒めることで辛味や香りを引き出せます。

麻婆なすのレシピはこちら