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にんにくの保存方法と期間。常温やオイル漬けで長持ちなのは?

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にんにくの保存方法と期間。常温やオイル漬けで長持ちなのは?

保存性の高いにんにくですが、季節によって保存方法を変えるべきだとご存知ですか?本記事では、にんにくの保存方法と保存期間を解説していきます。

にんにくの保存のポイント

にんにくの発芽を抑える

にんにくは保存性の高い野菜ですが、発芽を抑制する必要があります。にんにくの芽は食べられないわけではありませんが、実の栄養を消費してしまうので、料理で使うときに風味が損なわれてしまいます。

にんにくは夏から秋にかけては冷蔵庫に入れずに、直射日光を避けて風通しのよいところに、メッシュ(ネット)に入れて吊るしておき、好きなときに取り出すのがおすすめです。直射日光に当たると変色したり、通気性が悪いとカビが生えたりするので注意しましょう。

にんにくは夏の高い気温では発芽しませんが、秋も暮れて寒くなってくると(10月中旬あたりからは)発芽し始めるので、それを防ぐために冷蔵庫に保存するのがよいでしょう。

にんにくの低温保存の最適温度は-2℃です。-3℃になると低温障害を起こしてしまいます。冷蔵室は3〜6℃、野菜室は3〜8℃、チルド室は0℃、パーシャルは-3℃、冷凍庫は-18℃なので、チルド室がベストということになります。

外皮は剥かない

にんにくを長期保存させたいならば、外皮を剥かないようにしましょう。そうすることで実の乾燥を防ぐことができます。多少泥がついていても問題ありません。調理するときは外皮と薄皮の両方を剥きます。

お米保存の虫除けに

ご存知の方も多いと思いますが、にんにくは他の食材の保存の害虫対策にも使えて便利です。特にお米の保存で使います。お米の保存容器に外皮つきでそのまま入れるだけなので簡単です。

にんにくの匂い成分であるアリシンを虫は嫌います。

唐辛子でも同様の効果がありますが、唐辛子とにんにくの両方を入れると効果がアップします。

新鮮なにんにくの見分け方

当たり前ですが、新鮮なにんにくを購入した方が、保存の日持ちが長くなります。新鮮なにんにくの特徴は下記です。

  • 外皮は白く乾燥し、芽が出ていない

  • 大粒でかたく、締まりがあり、重い

  • 1片ずつ均等に膨らんでいる

軽すぎるものは乾燥しすぎている可能性が高いです。

にんにくは外皮と薄皮の両方を剥くので、農薬の心配はあまりありません。輸入ものではなく、国産を選ぶとより安心です。

食べられないにんにくの特徴

にんにくは保存性のよい野菜ですが、下記の特徴がある場合は腐ってる可能性が大です。食べずに捨てるようにしましょう。

  • 外皮の大部分が黒または茶に変色

  • カビが生えている

  • 中身がスカスカになっている

  • 酸っぱい匂いがする

  • 皮を剥くとネバりがある

にんにくの保存方法と期間【常温】

丸ごと(1ヶ月)

丸ごとのにんにくをネットに入れ冷暗所で保存すれば1ヶ月ほど日持ちする

春・夏など暖かい季節は、ネットなどに入れて、風通しのよい冷暗所で吊るして保存がベストです。外皮は剥かずに保存しましょう。夏が終わり涼しくなると発芽してしまうので、常温保存はNGです。にんにくの匂い成分アリシンのおかげで、虫は近寄ることはありません。

にんにくの保存方法と期間【冷蔵】

丸ごと(2ヶ月)

にんにくを丸ごとキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵保存すれば2ヶ月ほど日持ちする

にんにくは秋になったら冷蔵保存します。にんにくを丸ごとペーパータオルで包み、ポリ袋に入れて軽く口を閉めて、チルド室で保存します。1片ずつ包んでも◎。キッチンペーパーに包むことで、冷蔵庫の冷気と乾燥から守ります。ポリ袋に入れることでさらに乾燥を防ぐことができます。ポリ袋は軽く閉じることで通気性がよくします。

にんにくの保存方法と期間【冷凍】

にんにくは常温で長く保存することができるので、冷凍保存するメリットが他の野菜と比べてあまりありませんが、カットしたものを冷凍すると調理するときに楽です。やや香りが飛んでしまうデメリットもあります。切ったにんにくは常温・冷蔵保存では傷みが早いので注意です。

1片ずつ(1ヶ月)

にんにくの薄皮を剥いて小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍する

薄皮を剥いて、小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて保存します。1片ずつ冷凍保存したにんにくは前日に冷蔵室に移して自然解凍します。

ちなみに、にんにくは根元を切り落とし、1分ほど水に浸けると、切り口から簡単に皮が剥けます。

カットして(1ヶ月)

にんにくを薄切りやみじん切りなど調理にあわせてカットし、小分けにしてラップに包み冷凍用保存袋に入れて冷凍することもできる

薄切りやみじん切りにして、小分けにしてラップに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。カットしたにんにくはそのまま調理に使えて便利です。

すりおろしを冷凍保存することもできますが、酸化が早いので、すりおろしてすぐ食べるのが理想的です。

にんにくの保存方法と期間【乾燥】

にんにくは乾燥させて保存することもできます。野菜を乾燥させると、保存期間が長くなる、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。乾燥させたにんにくは密閉容器に入れて常温または冷蔵で1ヶ月ほど保存できます。

天日干し(常温・冷蔵で1ヶ月)

にんにくを輪切りにしてザルに広げ天日干しする

にんにくは輪切りにして芯を取り、キッチンペーパーで水けをしっかり取ります。ザルに並べて、途中上下を返して2日ほど干します。天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。

干すことで甘みと風味がよくなり、炒め物にピッタリです。揚げてサラダのトッピングにしても◎。

オーブン(常温・冷蔵で1ヶ月)

オーブンを使ってにんにくの水分を飛ばすこともできる

オーブンを使って乾燥させることもできます。

天板の上にクッキングシートを敷き、輪切りにしたにんにくを並べ、100〜110℃の低温で20〜30分ゆっくり加熱します。

乾燥が足りなければさらに加熱します。

電子レンジ(常温・冷蔵で1ヶ月)

電子レンジを使えば短時間でにんにくの水分を飛ばし乾燥させることができる

レンジで乾燥させる方法はもっと簡単。輪切りにしたにんにくをキッチンペーパーをひいた耐熱皿の上に並べて、600Wで5〜8分程度加熱します。

電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。

にんにくの保存方法と期間【漬物】

にんにくは漬けてしっかり密封すれば、冷蔵庫でなんと1年以上も保存することができます!普通のにんにくでも、5〜6月に出回る新にんにくのどちらでも漬けて保存することが可能。漬けることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。

タレににんにくの香りが移るまで1週間ほど漬け込みます。にんにくの香りが移った酢やオイル、しょうゆは料理やタレに使い、にんにくも刻んで使うことができます。

芽キャベツの漬け保存は、冷蔵で最長1年ほど日持ちします。

しょうゆ漬け(冷蔵で最長1年)

薄皮をむいたにんにくを醤油に漬けて冷蔵保存すれば最長1年保存することができる

皮をむいたにんにくを瓶に入れて、しょうゆをかぶるくらいまで注ぎます。焼き飯や和風ドレッシング、冷奴などに使えます。

オリーブオイル漬け(冷蔵で最長1年)

薄皮をむいたにんにくをオリーブオイルに漬けて冷蔵保存すれば最長1年ほど日持ちする

皮をむいたにんにくを瓶に入れ、オリーブオイルをかぶるくらいまで注ぎます。パスタやドレッシングなどに。

黒酢漬け(冷蔵で最長1年)

薄皮をむいたにんにくを黒酢に漬け冷蔵すれば最長で1年保存することができる

皮をむいたにんにくと赤唐辛子を数本を瓶に入れ、黒酢をかぶるくらいまで注ぎます。エスニック料理の味付けやたれなどに。