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白砂糖と黒砂糖の違いは?美容やダイエットによいのは?

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白砂糖と黒砂糖の違いは?美容やダイエットによいのは?

白砂糖と黒糖(黒砂糖)にはどのような違いがあるのでしょうか。これらの砂糖は、原料や製造方法、栄養、使い方などが大きく異なりますので、今回はその違いについて詳しく解説していきます。

白砂糖と黒糖の違い①原料

白砂糖(上白糖)は、サトウキビもしくはテンサイを原料としてつくられます。一方で黒糖(黒砂糖)は、サトウキビのみを原料としています。

白砂糖

白砂糖は、サトウキビもしくはテンサイから作られています。

サトウキビは、イネ科の多年性植物です。茎だけで高さが3mにもなり、茎には竹のように節があります。サトウキビの成熟した茎には約14〜19%のショ糖が含まれています。高温多湿で年間の平均気温が20℃以上の土地でよく育つといわれており、日本では沖縄県と鹿児島県が主な生産地となっています。日本国内で、年間約18.6万トン*のサトウキビが生産されています。

テンサイは見た目は大根に似ていますが、植物学上ではホウレンソウと同じヒユ科に属します。紅白の2種類があり、砂糖の原料として使用されるのは白色のほうです。テンサイの根茎部分には、約12〜18%のショ糖が含まれています。甜菜は温かい地域では病虫害に侵されやすいため、一般的に寒地で栽培されます。日本の主な生産地は北海道で、年間約62.1万トン*もの甜菜が生産されています。

*2009年の国内原料における砂糖生産量

黒糖(黒砂糖)

黒糖の原料はサトウキビです。テンサイから作られることはありません。

白砂糖と黒糖の違い②製法

砂糖を製造方法から大別すると分蜜糖と含蜜糖があります。白砂糖は分蜜糖に該当し、黒糖は含蜜糖に該当します。それぞれの製造方法について解説します。

白砂糖

白砂糖は、分蜜糖の製造方法によって作られます。

白砂糖の原料であるサトウキビやテンサイを絞った搾り汁(糖汁)から不純物を取り除き、濃縮して得られる白下糖(結晶と糖蜜の混合物)を分離させて、結晶だけを取り出して乾燥させた砂糖のことを指します。

分蜜糖はさらにザラメ糖、車糖、加工糖などに細分化されます。白砂糖は車糖に該当します。車糖の特徴は、ザラメ糖よりも結晶が小さく水分量が多いという点です。

ザラメ糖・・・結晶が大きく糖度が99%以上。グラニュー糖白ザラ糖中ザラ糖など。

車糖・・・ザラメ糖より結晶が小さく、糖度が94〜96%。上白糖三温糖など。

加工糖・・・分蜜糖をさらに加工したもの。角砂糖氷砂糖粉砂糖など。

液糖・・・加工用として利用される液状の糖溶液。

黒糖

黒糖は、含蜜糖の製造方法によって作られます。含蜜糖には、黒糖の他にきび砂糖やてんさい糖、パームシュガーなどが該当します。

サトウキビの絞り汁(糖汁)から、不要な成分や不純物を大まかに除去し、そのまま加熱・濃縮して固化させてつくります。

「加工黒糖」とパッケージに書かれた黒糖は、黒糖(黒砂糖)に原料糖(=粗糖)や糖蜜などを合わせた砂糖のことです。原料糖とは、サトウキビを煮詰めて遠心分離機にかけた時に得られる結晶のことで、糖蜜は、遠心分離機にかけた時に得られる液体のことを指します。

原料糖や糖蜜を加えることで、黒砂糖独特の風味がやわらぎ、使いやすく食べやすくなるのが特徴です。

加工黒糖の場合は、食品成分表に「原料糖、黒糖」と表示されます。

白砂糖と黒糖の違い③成分・カロリー

白砂糖と黒糖は栄養素やカロリーが大きく異なります。黒糖の方がカロリーが低く、ミネラルなどの成分が豊富に含まれています。

白砂糖

白砂糖の100gあたりのカロリー(エネルギー)は384kcalです。参考までに、白ごはん100gあたりのカロリーは168kcalとなります。

上記でご紹介したように、白砂糖は分蜜糖に該当し、ミネラルなどを含む糖蜜を除いてつくられるため、ミネラルなどはほとんど含まれていません。

白砂糖の栄養素は下記の通りです。

<上白糖(可食部100gあたり)>

エネルギー・・・384kcal

水分・・・0.8g

たんぱく質・・・0g

脂質・・・0g

炭水化物・・・99.2g

無機質(ミネラル類)

  カリウム・・・2mg

  カルシウム・・・1mg

  鉄・・・Tr

食物繊維総量・・・0g


※Trとは「微量」のこと

参考:食品成分データベース

血糖値の上昇度合いを示すGI値ですが、白砂糖は109と高GI値食品に該当します。

GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇度を表す値です。食品の炭水化物を50g摂取した際の血糖値の上昇度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表します。55以下を低GI、56〜69を中GI、70以上を高GIと分類し、GI値が高ければ高いほど血糖値が急上昇します。急激な血糖値の上昇は、体に負担をかけるため、緩やかな上昇が理想的です。

ちなみに他の砂糖のGI値は、グラニュー糖は110、てんさい糖は65です。GI値で見ると、てんさい糖を使用した方が、血糖値の急激な上昇を抑えやすくなります。

黒糖

黒糖の100gあたりのカロリー(エネルギー)は352kcalで、白砂糖よりも若干低いです。

黒糖の栄養素は下記の通りです。

<黒糖(可食部100gあたり)>

エネルギー・・・352kcal

たんぱく質・・・1.7g

脂質・・・Tr

炭水化物・・・90.3g

無機質

  ナトリウム・・・27mg

  カリウム・・・1100mg

  カルシウム・・・240mg

  マグネシウム・・・31mg

  リン・・・31mg

  鉄・・・4.7mg

  亜鉛・・・0.5mg

  銅・・・0.24mg

  マンガン・・・0.93mg

  ヨウ素・・・15μg

  セレン・・・4μg

  クロム・・・13μg

  モリブデン・・・9μg


※Trとは「微量」のこと

参考:食品成分データベース

黒糖は白砂糖とは異なり、ミネラル類が豊富に含まれています。ミネラル類は、美容や健康に効果的です。例えば、むくみを取るといわれるカリウム、貧血予防作用がある鉄、丈夫な骨や歯を作るのに欠かせないカルシウム・マグネシウムが多く含まれています。これらのミネラル類は、白砂糖にはほとんど含まれていません。黒糖はてんさい糖やきび砂糖よりもミネラル類が豊富です。

また、黒糖にはミネラル以外にもビタミン類やポリフェノール、γ-アミノ酪酸(GABA)なども含まれています。総合的に、白砂糖よりも栄養価が高い砂糖といえます。

黒糖のGI値は99と白砂糖よりは低いですが、高GI値食品に該当します。

白砂糖と黒糖の違い④使い方

白砂糖

白砂糖はクセがない淡白な甘みが特徴的です。そのため、料理全般や菓子、パン、飲み物などに幅広く使うことができます。白砂糖は加熱により焦げやすいため注意が必要です。

黒糖

黒糖は独特の風味やコクがあり、ややクセのある砂糖ですが、この特徴を生かして様々な料理や菓子に用いられます。

例えば、かりんとうやまんじゅうなどの和菓子や、パウンドケーキや蒸しパンなどの洋菓子、佃煮や煮物などの和食などの甘みづけに適しています。コーヒーや梅酒などの飲み物に入れても美味しくいただけます。

しかし、黒糖の色は黒褐色で濃く色移りしてしまうため、見た目を重視したい料理やお菓子作りには向きません。前述した通り味に癖があるので、苦手な方は扱いづらいというデメリットもあります。