片栗粉はじゃが芋のでんぷんを乾燥させて粉状にしたでんぷん粉です。料理にとろみを付けたり、揚げ物の衣にしたりなど様々な用途があります。本記事では片栗粉の原料や製造方法、小麦粉との違いなどを詳しく解説します。
片栗粉(かたくりこ)は、精製したでんぷんの粉です。
その昔、「カタクリ(片栗)」と呼ばれるユリ科植物の鱗茎(球根)からとれるデンプンを原料にして作られていたので「片栗粉」という名前がついています。「栗」がついていますが、栗を原材料としているわけではありません。
カタクリが減少し、明治以降にジャガイモが大量栽培されるようになると、原材料はじゃが芋のでんぷんに切り替わっていきました。片栗粉は英語で「potato starch(ポテトスターチ)」といいます。
片栗粉は、しっとりしていて握るとギュっとした感触があり指跡が残ります。
でんぷんの粉には、無味無臭で熱湯を加えるか水を加えて加熱すると、でんぷん粒がふくれて粘性の強い液体になるという特徴があります。これを「糊化(こか)」といい、片栗粉も糊化によって料理にとろみをつけることなどができます。
片栗粉は、上述したように昔はカタクリという植物からとれるデンプンを原料にしてつくられていましたが、現在はほとんどがじゃがいものデンプンを原料にして作られています。そのため現在は「馬鈴薯でん粉(ばれいしょでんぷん)」ともいわれます。「馬鈴薯(ばれいしょ)」とはじゃが芋の別名です。
片栗粉は、まず原料のじゃがいもを水でよく洗って汚れを落としたあと、洗ったじゃが芋をすりつぶして液体状にし、繊維質や不純物を取り除きます。その後洗浄し(~3回繰り返す)、しばらく寝かせて下に溜まった澱粉(でんぷん)を取り出し乾燥させるという方法で製造されています。
片栗粉は家庭でも作ることができます。家庭で作る場合は、じゃが芋の皮をむいてすりおろした後に、布さらしを敷き水を入れたボウルに入れてもみほぐし、ボウルの中に布さらしを絞って出した汁を入れて寝かせます。(30分程度)寝かせるとでんぷんが沈殿するので、上澄み水だけを取り除いてボウルに水を入れて沈殿しているでんぷんと混ぜて再び30程寝かせます。このもみほぐす→絞る→寝かせるの過程を3回繰り返した後、最後に沈殿しているでんぷんを乾燥させたら片栗粉の完成です。
片栗粉は、上述したように熱湯または水を加えて加熱すると糊化します。糊化温度は60度前後で、糊化によって料理にとろみを付けることができ、あんかけ料理やスープに使われる事が多いです。
片栗粉のとろみは特に粘度が高いのが特徴で、食材に煮汁をよく絡ませるために使われることもあります。また、片栗粉でとろみをつけると料理の温度が下がるのが遅くなるため保温効果があります。
片栗粉はじゃが芋からとれるデンプンを原料としているため、離乳食初期(生後5〜6ヶ月頃)に食べさせる離乳食にも片栗粉を使用することができます。例えば、ひき肉や魚などぱさついて飲み込みにくいものを与えるときに、片栗粉でとろみをつけてあげると食べやすくなります。ただし、どんな食べ物でも食物アレルギーを発症する可能性は0ではありませんので、初めて食べさせる時は必ず少量から初めましょう。
とろみをつけるときは、予め片栗粉に2倍の水を入れて溶いて「水溶き片栗粉(みずときかたくりこ)」にする必要があります。例えば、小さじ一杯分の片栗粉に対して小さじ二杯の水を入れて溶かすと大さじ一杯分の水溶き片栗粉ができます。片栗粉を水で溶かずににそのまま投入してしまうと、片栗粉が固まってダマになったり、うまくとろみがつかなかったりしてしまうので、料理にとろみをつける場合は必ず水溶き片栗粉にしてから使いましょう。片栗粉のでんぷんは60℃前後の温度でかたまりはじめるので、水溶き片栗粉を入れてフツフツとするまで煮立たせたら、絶えずに木べらで全体をかき混ぜながら最低でも1分加熱してください。ツヤと透明感が出てきたら火を止めます。とろみが足りない場合は水溶き片栗粉を足しましょう。火にかけている時間を長くしても水分が飛んでとろみは強くなりますが、その場合は具から余分な水分が出てとろみが弱くなったり、素材の色がくすんだりすることもあるので注意してください。
とろみがついたと思って味見をしてみると、思ったよりとろみがついていないと感じることもあります。これは、唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素が片栗粉のでんぷんを分解して糖にしてしまうからです。そのため、とろみをつけた料理の味見をするときは必ず取皿にとってから味見をしましょう。
片栗粉は、揚げ物の衣として使えます。水気が多く、表面が柔らかい鶏肉などの動物性食品を揚げる場合は表面にでんぷん粉である片栗粉をまぶすことで、水分を吸収すると共にうまみ成分の損失を防ぐことができます。
片栗粉を衣に使った唐揚げは、カリっとした歯ごたえがあります。ちなみに片栗粉のみを使って鶏肉を揚げたものは「竜田揚げ」といいます。小麦粉で唐揚げよりも見た目が白っぽくなります。
唐揚げだけではなく、天ぷらの衣としても使うことができます。
生姜焼きなどを作るときにお肉に片栗粉をまぶしてから焼くと、お肉が柔らかくなります。でんぷんには高い水分保持力があるため、片栗粉を肉にまぶすことによって焼いたりする過程で肉から水分が蒸発してしまうのを防ぐことができ、しっとりと柔らかく仕上げることができます。また、片栗粉をまぶしておくことで調味料がお肉にうまく絡むようにもなります。
片栗粉は、肉団子を作るときなどのつなぎとしても使うことができます。片栗粉をつなぎとして入れると、お肉をまとめることができるだけではなく、加熱した後もしっかり水分を保持してくれるのでふっくらとした仕上がりになります。
例えば、ハンバーグを作るときのつなぎにはパン粉を使うことが多いですが片栗粉で代用することが可能です。
片栗粉を使って、求肥やわらび餅などの和菓子も作ることもできます。白玉粉やもち粉で作った場合とは食感などが異なりますが、片栗粉が余っているというときなどに手軽に作れるおやつとしておすすめです。
和菓子だけではなく、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。
片栗粉は、打ち粉にも適しています。
打ち粉とは、お餅をこねたり、そばやうどん、パイなどの生地を作る際に、生地が手や調理器具、作業台につかないように振りかける粉のことです。
打ち粉にもさまざまな種類がありますが、片栗粉は和菓子や焼き菓子を作るときなどの打ち粉として使うのに適しています。うどんや中華麺などの麺類を作るときの打ち粉として使うことができますが、茹でたときにとろみが出てしまうので、麺類の打ち粉として使用するのであれば中力粉や強力粉などが適しています。
片栗粉に水を入れて混ぜると、片栗粉粘土を作ることができます。片栗粉粘土は誤って口に入れても安全なので、小さなお子様の五感を育てる感触遊びにぴったりです。お水の量を少なめにすると固めの粘土になり、お水の量を多めにすると、どろどろとしたスライムのようになります。
また、片栗粉はジェルネイルにも使えます。ジェルに片栗粉をまぜるとぷっくりとした立体感が出るので、細めの筆を使って文字などを描くと手軽に3Dネイルにすることができます。
片栗粉100gに含まれる成分は、下記の通りです。
たんぱく質…0.1g
脂質…0.1g
炭水化物…81.6g
カリウム…34㎎
カルシウム…10㎎
マグネシウム…6㎎
リン…40㎎
鉄…0.6㎎
片栗粉の成分はでんぷんによる炭水化物が多く、たんぱく質などの栄養素はほとんど含みません。そのため、お肉や野菜と一緒に調理をして栄養のバランスをとると良いでしょう。
片栗粉100gあたりのカロリーは338kcalで、そうめんを1人前(二束)食べるのと同じぐらいのカロリーです。糖質量は炭水化物から食物繊維を引いたものですが、片栗粉は食物繊維をほとんど含まないので糖質量は81.6gです。カロリーも糖質も高めであることがわかります。
片栗粉のGI値は56〜69で中程度です。
GIとは、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食後の血糖値の上昇度を表す値です。食品の炭水化物を50g摂取した際の血糖値の上昇度合いを、ブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値で表します。55以下を低GI、56〜69を中GI、70以上を高GIと分類し、GI値が高ければ高いほど血糖値が急上昇します。急激な血糖値の上昇は、体に負担をかけるため、緩やかな上昇が理想的です。
片栗粉は、とろみをつけるなど料理で使用する場合、小さじ1杯(3g)〜大さじ1杯(9g)程度の使用量なので神経質になる必要はありませんが、和菓子などに使う場合は摂取しすぎないように注意しましょう。
片栗粉にはグルテンが含まれません。グルテンは小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の一種です。グルテンは料理をおいしくしますが、アレルギーの原因になる他、消化されにくいという性質があり、肥満やむくみの原因になったり疲れやすくなるなどの症状が身体に出ることもあります。そのため、グルテンが含まれない片栗粉は、小麦粉アレルギーの方やグルテンフリーの生活を送っている方も安心して使うことができます。
片栗粉はスーパーなどで、200gで120円〜200円程で売られています。コンビニでも売られていることが多いので、手軽に購入することができます。
片栗粉の賞味期限は1年程です。ただし、これは未開封の状態や正しく保存できていた場合の賞味期限です。開封をすると片栗粉の性質上、水分を吸収してしまい痛みやすくなるので、できるだけ早めに使い切りましょう。
色が黄ばんでいたり、カビっぽい匂いがする場合は賞味期限内であっても片栗粉が劣化してしまっているので料理に使うのは避けたほうが良いです。また、痛みやすいだけではなく片栗粉などの粉製品はコナダニが発生する可能性があるため、開封前・開封後共に保存方法には注意をする必要があります。
基本的に片栗粉は常温保存することができます。開封前は、高温多湿な場所は避けて直射日光の当たらない乾燥している場所で保管をしましょう。コナダニ対策として、買ったまま置いておくのではなく袋ごとジップロックなどに入れておくと安心です。
開封後は、タッパーやジップロックなどに移し替えて密閉した状態で保存します。冷蔵庫に入れておくとダニの繁殖を防ぐことができます。冷蔵庫に入れて保管する場合は、他の食材のニオイ移りを防ぐためにしっかりと密閉できる容器を選びましょう。また、冷蔵庫から出し入れをすると温度差で湿気が溜まってしまいやすいので、一度冷蔵庫で保管をしたら、使用後はすぐに冷蔵庫に戻すなどできるだけ温度差が出ないようにしてください。
片栗粉を計量スプーン・計量カップで重さを測る目安は下記の通りです。
大さじ1杯...約9g
小さじ一杯...約3g
1カップ(200ml)...約120g
計量スプーンが自宅にない時は、これを目安にスケールで図ることができます。
小麦粉は、小麦を製粉した粉のことです。胚芽と外皮を取り除いてから製粉された小麦粉は色が白く、グルテン(麩質)の量によって、薄力粉、中力粉、強力粉に分けられます。小麦粉の種類は製粉方法ではなく、原料小麦の品種によって決まります。見た目はどれも白い粉で目視では判別できません。真っ白で無味無臭である片栗粉に対して小麦粉は、少し黄色がかった色をしていて独特の香りがあります。
片栗粉は小麦ではなくじゃが芋のでんぷんを原料にしているので、片栗粉は原料が違います。また、片栗粉にはグルテンが含まれませんが、小麦粉にはグルテンを含みます。
グルテンは、弾力に富むが伸びにくいグルテニンと、弾力は弱いが伸びやすいグリアジンの2種類のたんぱく質が、水分によって結びついたもので、グルテンの量によって生地の硬さが決まります。パンなどの「ふわふわ、モチモチ」という食感はこのグルテンによってもたらされます。
小麦粉の見た目も白色ですが、片栗粉と比較すると若干黄みがかっており、かすかに小麦の香りがします。また、片栗粉は、触るとギュっとした感触がありますが、小麦粉はサラッとしています
薄力粉(はくりきこ)は、粒が柔らかい軟質小麦(なんしつこむぎ)から製粉された小麦粉を指します。「粒が柔らかい」=「グルテン量が少ない」ことを意味し、薄力粉はグルテンの含有量が6.5~8%(原料小麦によって違いがあります)と最も少ない小麦粉です。
薄力粉は水でこねたとき、グルテン量が少ないため粘りが出にくく、ふんわりした生地になります。そのため、クッキーやスポンジケーキなどのお菓子作りに使われます。天ぷらや唐揚げの揚げ物にも薄力粉がよく使われます。
中力粉(ちゅうりきこ)は、粒の硬さが中くらいの中間質小麦から製粉された小麦粉を指します。中力粉の中には軟質小麦から作られているものもあります。中力粉はグルテンの含有量は8~9%です。
中力粉はほどよく弾力が出るのが特徴で、主にうどんに使われます。そのため、中力粉は「うどん粉」「うどん用粉」「うどん用小麦粉」という名称で売られている場合もあります。
強力粉(きょうりきこ)は、粒が最も硬い硬質小麦から製粉された小麦粉を指します。強力粉のグルテン含有量は11.5~13.5%です。粘りと弾力が最も強く、こねると生地がよく伸びモチモチふわふわの食感になります。強力粉と中力粉の中間の位置付けである準強力粉というものもあります。
強力粉は粒度が最も粗く、手で触るとサラサラしています。触れば薄力粉との違いがすぐわかります。強力粉は、主にパンを作るときに使われます。グルテンの量が多いほど基本的にパンは膨らみます。他にもピザ生地を作るときにも使われます。フランスパンなど硬めのパン(あまり膨らませないパン)は、準強力粉を使います。
片栗粉の代用品として最も適しているのは、薄力粉です。
料理にとろみをつけることもできますし、唐揚げなど揚げ物の衣にすることもできます。ただし、原材料が異なるのと、グルテンが含まれているので片栗粉を使用したときとは、食感などに違いが出ます。
薄力粉を使ってとろみをつけた場合、薄力粉はでんぷんの含有量が少ないため、片栗粉よりも弱いとろみになります。そのため、とろみをつける場合に片栗粉の代用品として薄力粉を使うと、とろみがうまくつかないと感じる人が多いです。また、片栗粉よりもダマになりやすいので注意が必要です。
また、薄力粉の衣で唐揚げを作った場合、外側はカリッと中はふわっと歯切れのよい食感に仕上がります。片栗粉だと歯ごたえがより強く仕上がります。片栗粉を衣にすると白っぽくなりますが、薄力粉を衣にするとキツネ色になります。中力粉や強力粉を使うこともできますが、グルテンの含有量が多ければ多いほどもったりとした食感になるので、サクッと揚げたい人は中力粉や強力粉よりも薄力粉を使うのがおすすめです。
薄力粉だけでは物足りないけど片栗粉では固すぎると感じる方は、片栗粉と小麦粉を合わせて衣をつけることで、ちょうどよい食感に仕上げることができます。また、薄力粉に片栗粉を混ぜて使うことでグルテンの量を抑えられます。
コーンスターチは片栗粉の代用品として料理にとろみをつけたり揚げ物の衣にすることができる他、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。
ただし、原料が異なるため性質や出来映えに違いがあります。例えばコーンスターチは片栗粉とは違い、温度が下がっても粘度が持続するという特徴があるので、冷まして食べるお菓子のとろみ付けに使われることが多く、カスタードクリームやチーズケーキ、パンナコッタなどの使用に適しています。しかし、片栗粉ほど透明にはなりません。また、揚げ物の衣として使うと片栗粉よりも粒子が細かいため衣が薄くつき、油切れがよくさっぱりした味わいになります。
コーンスターチの原料はトウモロコシです。コーンスターチのトウモロコシは、一般的によく食されるスイートコーン(甘味種)ではなく、デントコーン(馬歯種)という品種が使われます。スイートコーンは糖質が高くデンプンが少ないため、コーンスターチに向きません。
硬いトウモロコシをふやかすために薬品に漬け、機械で粉砕され、胚芽、皮、タンパク質、でん粉に分けられ、でん粉がコーンスターチとして販売されています。片栗粉は自宅でもじゃが芋から作ることができますが、コーンスターチを家庭でトウモロコシから作るのは不可能です。
コーンスターチは、すごく細かい粒子の白い粉で無臭です。指で触るとまとわりつく感覚があります。
コーンスターチも料理にとろみをつけたりお菓子作りをするときに使われることが多いです。
コーンスターチ100gあたりのカロリーは354kcalで、糖質量は86gです。カロリーは片栗粉よりも高いですが、糖質量はさほど大きな差はありません。
葛粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけたり揚げ物の衣にすることができる他、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。ただし、原料が異なるため味や食感、見た目に違いがでます。
例えば、葛粉で料理にとろみをつけると片栗粉よりもなめらかになり、色は茶色っぽくなります。また、苦味が出ることがあります。これは葛粉の原料である葛に苦味があるためです。
葛粉(くずこ)も、片栗粉と同じくでんぷん粉の一種です。片栗粉とは原料が違い、「クズ」というマメ科植物の根からとれるでんぷんから作られます。しかし、一般的に販売されている葛粉はさつま芋のでんぷん(甘藷澱粉)やじゃが芋のでんぷん(馬鈴薯澱粉)を合わせて作られているものが多いです。クズのみを使って作られているものは「本葛」と呼ばれます。クズは根を採取するのが難しく、また丁寧な精製により100㎏の葛根からは7㎏ほどしかとれないなどの理由からクズのみを使用した本葛は価格が高価です。
葛粉は、デンプン質が根に集まる冬のクズの根を掘り出して作ります。製造方法は片栗粉と同じで、泥を落とした根を繊維状に粉砕したあと真水で洗い、その絞り汁をためてデンプンを沈殿させ、アク抜きと沈殿を数回繰り返して不純物を取り除き、良質なデンプン部分だけを取り出し乾燥させて作ります。
葛粉の見た目は片栗粉と同じく白色ですが、細かな塊となっていてザクザクとしています。
葛粉には冷めにくく、冷えると固まるという性質があり、和菓子や洋菓子の生地や料理のとろみつけの材料などに使われます。また、葛粉には体を温め血行をよくする薬効があり、風邪のひきはじめや胃腸不良の時の栄養補給として古くから利用されています。
上新粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけたり、揚げ物の衣にすることができる他、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。
ただし、原料が異なるため食感などに違いがでます。上新粉は原料がうるち米であるため、片栗粉よりもサラっとしたとろみになります。揚げ物の衣にするとカリカリとした食感になり、片栗粉を衣にしたときのような粉っぽさがないので、竜田揚げの粉っぽさが苦手という方は上新粉を使うのがおすすめです。
上新粉(じょうしんこ)は、うるち米を原材料として作られる米粉の一種です。うるち米とは、一般的に食べられているお米のことです。でんぷん粉の一種である片栗粉とは、原材料や製造方法が異なります。
上新粉は、水洗いしたうるち米を5〜6時間寝かせたあとに、臼でひいて粉末状にして粉状にし、ふるいにかけて細かいものとやや粗いものとで分けて乾燥させます。この2つのうち、目の細かく上等なほうが上新粉となります。ちなみに、目の粗いほうは「並新粉(なみしんこ)」または「新粉(しんこ)」といいます。
片栗粉と同じく見た目は純白ですが、上新粉はさらさらとしています。
上新粉はまんじゅうの主原料として使われる他、お湯を加えてこねるとお餅のようになる特徴があるため団子やすあま、ういろうなどの和菓子を作る際に使われます。また、ちまきなどの料理に使われます。
上新粉のカロリーは100gあたり約362kcalで、糖質はおおよそ77gです。カロリーは上新粉のほうが高いですが、糖質量は片栗粉よりも低いです。
白玉粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけたり、揚げ物の衣にすることができる他、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。
ただし、片栗粉とは原料が異なるので食感などに違いがでます。白玉粉はもち米のでんぷんを乾燥させた粉であるため片栗粉よりももったりとした濃厚なとろみがつきます。揚げ物の衣にクッキーなどの焼き菓子を作るともちっとした食感に仕上がります。
白玉粉は、もち米を原材料として作られる米粉の一種です。古くは寒い冬の季節に作られていたため「寒晒粉」という別名があります。片栗粉とは原料が違います。
白玉粉は、もち米を水洗いして水に浸して吸水させ、原料に対して1〜2倍の水を加えながら石臼で水びきします。この時に出る乳液をふるいにかけて粗粒を分離して、再び粗粒を水びきしたら、沈殿したもの(でんぷん)を圧搾機で脱水し、脱水したものを賽の目切りにして乾燥させるという製造方法で作られています。
白玉粉も片栗粉と同じく白色です。細かいかたまりが多くありザクザクとしています。白玉粉の細かいかたまりは、触れるとすぐに崩れます。
白玉粉はもち米のでんぷんを乾燥させて作られているため、粉というよりはでんぷんに近く、独特の風味があります。白玉粉にはやわらかくなめらかな食感が出る他、冷めても固くならないという特徴があり、白玉団子や大福などの和菓子に使われることが多いです。
白玉粉のカロリーは100gあたり347kcalで、糖質はおおよそ80gです。カロリーは白玉粉のほうが高いですが糖質量は片栗粉とさほど差がありません。
米粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけたり、揚げ物の衣にすることができる他、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。
米粉は片栗粉よりも粒子が細かくダマになりにくいので簡単に料理にとろみをつけることができます。また、揚げ物や焼き菓子をサクッとした食感に仕上げます。
米粉とは、米を製粉した白い粉の総称です。
米粉は大別してもち米から作られるものと、うるち米から作られるものがあります。
もち米からなる代表的な米粉は白玉粉です。
うるち米からなる代表的な米粉は上新粉です。
スーパーなどで「米粉」や「米の粉」として売られているものには「製菓用米粉」とグルテンを添加した「製パン用米粉」の二種類があり、原料はうるち米なので、上新粉と同じですが上新粉とは製法が異なります。
一般的には、うるち米からロール製法で作られた粉が「上新粉」、胴搗き製法で作られた粉がスーパーなどで売られている米粉や米の粉に分類されます。
上新粉として売られているものよりも粒が細かいのが特徴で、主にクッキーなどを作る際の小麦粉の代用品として使われます。
天ぷら粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけたり、揚げ物の衣にすることができる他、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。
ただし、片栗粉とは原料が異なるため食感や見た目に違いがでます。天ぷら粉は小麦粉をベースとして作られているので、片栗粉でつけるとろみよりもやや弱く、見た目も白っぽくなります。揚げ物やクッキーなどの焼き菓子はサクっとした食感に仕上がります。
天ぷら粉は、誰でも簡単に天ぷらを揚げることができるように作られた粉です。商品を作っているメーカーなどによって配合している物には違いがありますが、主に薄力粉と卵粉(卵を粉状にしたもの)、ベーキングパウダー、でんぷんが配合して作られています。片栗粉はじゃが芋のでんぷんのみを使用していますが、天ぷら粉は様々なものを配合しているという点で片栗粉とは違います。
天ぷら粉の見た目は、片栗粉というよりは小麦粉に近いです。
天ぷら粉は、その名の通り天ぷらを揚げるとき使います。片栗粉や薄力粉を天ぷらの衣にする場合、卵を溶いていれなければいけませんが、天ぷら粉の場合は水で溶くだけで簡単に衣を作ることができ、サクサクの天ぷらを作ることができます。
天ぷら粉100gのカロリーは349kcalで、糖質はおおよそ83gです。天ぷら粉のほうがカロリーは高いですが、糖質量は片栗粉とさほど差がありません。
お好み焼き粉を片栗粉の代用品として使い料理にとろみをつけたり、揚げ物の衣にすることができる他、クッキーなどの焼き菓子を作ることもできます。
ただし、片栗粉とは原料が異なるので風味や食感に違いがでます。お好み焼き粉は天ぷら粉と同じように小麦粉をベースに作られているため、片栗粉よりもとろみは弱めです。唐揚げなどの揚げ物やクッキーなどの焼き菓子も問題なくサクサクに揚がります。しかし、お好み焼き粉はかつおや昆布などのエキス粉末が配合されているという点が無味無臭の片栗粉とは異なります。そのため、お好み焼き粉を使用することで味が変わってしまうことがあるので注意が必要です。
お好み焼き粉は、小麦粉をベースに糖類や食塩、かつおや昆布などのエキス粉末、ベーキングパウダー、増粘剤などを配合した粉です。
お好み焼き粉の見た目も、小麦粉に近いです。
お好み焼きもその名の通り、お好み焼きを作る際に使われます。お好み焼き粉は、水で溶くともったりとした液状になり、舌触りの良いふっくらとしたお好み焼きに焼き上げることができます。
お好み焼き粉100gのカロリーは335kcalで、糖質はおおよそ70gです。カロリーは片栗粉とさほど差がありませんが、糖質量はお好み焼き粉のほうが少ないです。
餅とり粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけることができる他、揚げ物の衣にしたりクッキーなどの焼き菓子を作ることができます。
餅とり粉は片栗粉と同じくでんぷんを粉にしたもので、原料はトウモロコシのでんぷん(コーンスターチ)の場合と、片栗粉と同じく馬鈴薯澱粉(ばれいしょでんぷん)の場合があります。
トウモロコシの場合は、とろみ付けとして使うと上述したように片栗粉ほど透明にはなりません。また、揚げ物の衣として使うと片栗粉よりも粒子が細かいため衣が薄くつき、油切れがよくさっぱりした味わいになります。
餅とり粉は、餅つきのときなどに餅が手や臼につかないために使用するので「もちとり粉」という名前がついており、別名「手粉(てごな)」ともいいます。
見た目は白く、片栗粉やコーンスターチに似ています。
打ち粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけることができる他、揚げ物の衣にしたりクッキーなどの焼き菓子を作ることができます。
打ち粉とは、そばやうどん、パイなどの生地を作る際に生地が手や調理器具、作業台につかないように振りかける粉の総称です。調味料として使われる「片栗粉」とは異なり「生地が手や調理器具などに付着しないように使われるという使用用途の違いがあります。
打ち粉として使われる粉には、薄力粉・中力粉・強力粉・片栗粉・そば粉などがあり、使用用途によって使い分けられます。例えば、うどんを作るときには中力粉が適していて、そばの麺を作るのであればそば粉が適しています。
きな粉は片栗粉の代用品として料理にとろみをつけることはできません。なぜなら、きな粉の原料が大豆であるためです。また、きな粉でクッキーなどの焼き菓子を作ることもできますが、米粉や薄力粉と合わせて使う必要があります。一方で、揚げ物の衣の代用品にはなります。きな粉を衣にするとサクサクに上がるだけではなく、片栗粉よりも糖質量が少ないためヘルシーになります。ただし、きな粉の味がつくので「味が苦手」という方もいます。
きな粉を衣にすると、サクサクに上がるだけではなく、片栗粉よりも糖質量が少ないためヘルシーになります。ただし、きな粉の味がつくので「味が苦手」という方もいます。
きな粉とは、炒って皮をむいた大豆を挽いた粉のことです。片栗粉とは原材料も製造方法も違います。
きな粉の見た目は黄土色で、白い片栗粉とは見た目も大きく違います。昔は、その見た目から「黄なる粉」とよばれており、次第に「る」を省略した「きな粉」とよばれるようになったといわれています。
大豆を炒って作られているため、無味無臭の片栗粉とは異なり香ばしい独特の香りと味がします。
きな粉は、お餅などにかけて食べることが多いです。
きな粉100gのカロリーは437kcalで、糖質はおおよそ14gです。カロリーは片栗粉よりも高いですが、糖質量は片栗粉よりも少ないです。
パン粉は片栗粉の代用品として料理にとろみを付けたりクッキーなどの焼き菓子を作ることはできません。なぜなら、パン粉はでんぷん粉や米粉とは違い、パンを乾燥させたものであるためです。一方で、揚げ物の衣として使うことができます。ただし、パン粉は揚げるときつね色に焼き色がつき、サクサクとした食感になり見た目も食感も片栗粉を衣にしたものとは全くの別物になります。また、パン粉はハンバーグを作るときのつなぎとしても使うことができます。
パン粉は、パンを粉状に砕いたものです。パンなので主原料は小麦粉であり、片栗粉とは原材料や製造方法が違います。
パン粉の主な製造方法には、一般のパンと同じくオーブンで焼く焙焼式と、生地に直接交流電流を流して焼く電極式、イーストの代わりに膨張剤を加えて平たく伸ばし高周波で焼いたブレダーがあり、食パンよりも砂糖を油脂を半分以下にし、脱脂粉乳を加えずに作ったパン生地を焼き、乾燥させて粉状に砕くことでできます。
どれぐらい乾燥させるかによって、生パン粉、ソフトパン粉、ドライパン粉と種類が別れます。
色は小麦粉に近く、粉というよりは小さく砕いたパンの集まりなので見た目も片栗粉と大きく異なります。
パン粉は、トンカツやコロッケ、エビフライ、白身魚フライを作る際の衣として使われることが多いです。
パン粉100gのカロリーは373kcalで、糖質はおおよそ59gです。カロリーはパン粉のほうが高いですが、糖質量はパン粉のほうが少ないです。
ゼラチンは片栗粉の代用品として料理にとろみをつけることはできません。なぜならゼラチンは、25℃以上になると溶解するという性質があり、温かい料理にとろみをつけることができないためです。揚げ物の衣にする場合は、片栗粉や薄力粉と合わせて使う必要があります。ゼラチンには高い保水力があるため、ゼラチンを使うことで外はサクサク、中はジューシーに仕上げることができます。
ゼラチンは、動物の皮膚や骨、腱(けん)などの結合組織の主成分であるコラーゲンを水とともに加熱して分解し、水溶性にしたものです。主にウシの骨やブタの皮などが使われており、片栗粉とは原料や製造方法が違います。
ゼラチンは、原料を石灰水に浸して脂肪を除去したあと、加熱してコラーゲンをゼラチン化し、不純物を除いて乾燥させるという製造方法で作られており、板状になっているものと粉末状のものがあります。
ゼラチンは冷水を入れると溶けずにゲル化し、温水を入れると溶け、さらに冷却するとゼリー化するという性質があります。ゼラチンが固まる温度は20℃以下で、25℃以上になると溶解します。そのため、ゼラチンはゼリーやプリンを作るときに使われることが多いです。また、冷製茶碗蒸しなどにも使われます。
ゼラチン100gのカロリーは344gで糖質量は0gです。
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