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トマトが固い原因は?柔らかくする方法とは?甘さをアップさせるには?

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トマトが固い原因は?柔らかくする方法とは?甘さをアップさせるには?

トマトを食べてみたら固かったと感じたことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではトマトが固い原因や対処法などを紹介します。

トマトが固い原因

トマトが固い原因は下記の通りです。

未熟果

トマトが固い場合は、主に未熟果であることが原因であることが多いです。

トマトは基本的に一部が赤くなった未熟果の状態で収穫され、スーパーなどの店頭に並ぶ頃に成熟します。これは、成熟してから収穫するとすぐに傷んでしまうためです。

トマトは熟すと柔らかくなりますが、未熟果のときは皮が固い状態です。そのため、まだ熟していないトマトを食べると固く、食べにくいと感じる方が多いです。

生育環境の影響

しっかりと成熟しても生育環境に問題があったことが原因で固くなってしまうこともあります。

例えば、水やりを少なくしあえてストレスを与えることで甘く育ちます。しかし、水やりを少なめにすると、トマトの成長に必要な水分や栄養が不足し、果肉が十分に柔らかくならないことがあります。水やりを控えることで、根が十分に成長せず、根の浅い状態で栄養を吸収するため、果実に栄養が行き渡りにくくなり、固くて食べにくいトマトになる可能性が高まるのです。

また、肥料不足も固いトマトの原因となります。肥料はトマトの成長を促進し、栄養を豊富に供給する役割を果たします。肥料が不足すると、植物の成長スピードが遅くなり、十分な栄養を蓄えることができなくなります。結果として、果肉が十分に成熟せず、固くなってしまうことが考えられます。

皮が固い品種

トマトと一口にいっても様々な品種があり、皮が薄く柔らかいトマトもあれば皮が厚く固い品種もあります。

特に家庭菜園用に販売されているトマトは、皮が固い傾向があります。なぜなら、トマトは雨量が多かったりすると水分を含んで膨張し割れてしまうことがあるためです。スーパーなどで販売されているトマトはハウス栽培が多いので、皮が薄く柔らかい品種が多いのですが、家庭菜園で育てる場合は雨に濡れたり温度や日光の影響を大きく受けることを考慮し、割れたりすることなく育つよう皮が固い品種が多いのです。

そのため、家庭で育てたトマトやミニトマトが固いと感じたことがある方が多いでしょう。

固いトマトを柔らかくする方法

トマトが固くなってしまう原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、固いトマトを柔らかくする方法を紹介します。

追熟する

表面に緑色の部分がある場合など、明らかに未熟果の場合は固いだけではなく、甘さが少ないなど食べにくさを感じる方が多いです。

未熟果のトマトは、追熟することで柔らかくなり、美味しく食べることができます。

未熟果のトマトを追熟する方法は後述しますので、そちらを参考にしてください。

皮を剥く

トマトの皮を剥く

家庭菜園で育てたトマトなど、熟している状態なのにも関わらず皮や果肉が柔らかくならない場合は、工夫して調理をすると食べやすくなります。

例えば固いトマトは、皮が固く口当たりが悪い事が多いので、皮を剥いて調理をすると食べやすくなります。

トマトの皮を剥く方法には、例えば湯剥きがあります。湯剥きをするときは、まずトマトはへたをくり抜き反対側に浅く十字に切り込みを入れます。鍋にお湯を沸騰させたらお玉にトマトを乗せて20秒ほど熱湯につけて、皮がめくれてきたら水で晒しながら剥いていきます。

また、湯剥き以外には電子レンジで加熱してから皮を剥く方法もあります。お湯を沸かす時間が不要で、トマトの水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができます。

加熱調理する

トマトはサラダにして食べるなど生食することが多いですが、固いトマトは加熱調理するのがおすすめです。

野菜の細胞壁は、セルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁をつくっています。トマトに限らず野菜を加熱すると軟らかくなるのは、固い壁を作っているペクチンが熱によって分解されるためです。

加熱調理をすれば固いトマトも生の状態と比較すると、柔らかくなり食べやすくなります。サラダにしたい場合も一度レンジで加熱するかさっと茹でて温トマトにするのがおすすめです。

トマトの追熟方法

未熟果のトマトを追熟して柔らかくする基本的な方法は下記の通りです。

常温に置く

青い未成熟のトマトを追熟させるには、日当たりの良い場所で常温保存するという方法があります。低温では熟しにくいため、冷蔵庫に入れて保管するのはやめましょう。

青いトマトを成熟させるときは、ヘタごとザルなどにヘタを下にして置いて常温で保存します。ヘタを下にする理由は、接地面から腐敗していくのを防ぐためです。これはバナナを吊るして保存したほうが傷みにくくなるのと同じ原理です。

ただし、気温の高い季節は常温に置いておくと腐敗しやすいので注意が必要です。室温の温度上限が30℃程です。夏場に追熟させる場合も高くても30℃程度ということを頭に入れておきましょう。

温めるのはおすすめしない

例えばアボガドが固いとき柔らかくする方法として、電気毛布で包むなど温めると早く追熟することができますが、上述したようにトマトの場合は温度が高いと傷んでしまうため極端に温めることは避けたほうが良いでしょう。

夏などの暑い季節以外はやはり常温に置いて追熟するのが良いです。

エチレンガスを出す食品と一緒に

トマトをより早く追熟させたい場合は、エチレンガスを出す食品と一緒に保存しましょう。エチレンガスには野菜や果物の成熟を促進する作用があります。

エチレンガスを含む食品としては、りんごやバナナなどがあります。

ちなみにトマトのように熟していくタイプの野菜であればりんごやバナナなどと一緒に保存することで、熟成を早めて美味しく食べることができますが、きゅうりやにんじん、キャベツなど熟していくタイプではない食品に関しては単に早く痛めしまうため、別々で保存したほうが良いです。野菜や果物であれば必ずしもエチレンガスを出す食品と一緒に保存したほうが良いというわけではないので注意しましょう。

黒い布や新聞をかぶせると甘くなる?!

新聞紙を被せてトマトを追熟させる

黒い布や新聞をかぶせて追熟させる方法もあります。

上述したように基本的にトマトは日光に当てて追熟させることが多いですが、黒い布をかけて直射日光を遮断することで追熟するだけではなく甘味が増すといわれています。この方法に関しては科学的根拠は不明です。実際にやってみた方々の間でも賛否両論ありますが、実際にトマトを栽培している農家などでも実践されている方法ですので、試してみても良いでしょう。

梅雨など日光にあてるのが難しい季節や、自宅で日光が当たる場所が確保できないといった場合は、新聞紙に包んで追熟させるという方法がおすすめです。新聞紙を使って追熟する場合は、新聞紙に包んだままビニール袋などにいれて常温保存します。新聞紙に包むことで乾燥を防ぐこともできます。

トマトの完熟の目安

未成熟の青いトマトは常温に置いて追熟した場合、半分以上青い場合は4日程、少し青みがかっている状態であれば、2日ほどで赤くなり完熟の状態になります。

完熟すると青い部分がなくなり赤くなります。また、ぴんとはっていた皮が柔らかくなります。完熟した後も熟していき、次第に実が崩れてしまうほど柔らかくなってしまうので、完熟したら冷蔵保存をして早めに食べきるようにしましょう。そのままにしておくと腐敗してしまいます。

固いトマトにおすすめ調理法

固いトマトにおすすめの料理法を紹介します。

トマトの出汁びたし

トマトの出汁びたし

暑い夏に嬉しい冷製レシピです。トマトの中までだし汁が染み込んでいます。そのまま食べても、トマトを潰してそうめんのつゆとして食べても美味しくいただけます。見た目もかわいいのでおもてなし料理としても◎。

トマトの皮を剥くことで、固いトマトも食べやすくなりますし、中まで味が染み込みやすくなります。やけどに注意し、熱湯から冷水にとったらすぐに皮を剥きましょう。

トマトの出汁びたしのレシピはこちら

煮込み料理

鶏だんごとかぶのトマト煮

固いトマトもしっかり煮込めば柔らかくなるので、食べやすくなるのでおすすめです。

煮込む際には、トマトを切ってから加熱することで、内部の熱が均等に行き渡ります。また、トマトに含まれる天然の酵素が熱によって活性化され、果肉が柔らかくなるのを助けます。煮込み時間や火加減を調整することで、トマトが十分に柔らかくなるように工夫しましょう。

トマトを煮込む際には、さらに他の具材や調味料との相性を考えることも大切です。例えば、肉や野菜を一緒に煮込むことで、相互に味を引き出し合い、トマトの風味を一層豊かにします。また、ハーブやスパイスを使うことで、トマトの風味を引き立たせることができます。

鶏だんごとかぶのトマト煮のレシピはこちら

トマトソースにする

トマトソースにする

固いトマトはトマトソースにしても良いでしょう。トマトソースにすれば食べるときに固い食感は気にならなくなります。さらにトマトソースにすることで用途が広がるので、料理のバリエーションも楽しめます。

トマトソースにして冷凍保存すれば1ヶ月保存可能と、長持ちもするので日持ちさせたいときにもおすすめです。

トマトソースのレシピはこちら

こちらのトマトソースを使ったレシピには下記がありますので、参考にしてください。