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ブロッコリーはレンジなら栄養を守れる?正しいレンチン方法を解説

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ブロッコリーはレンジなら栄養を守れる?正しいレンチン方法を解説

ブロッコリーはレンジで加熱すると茹でたり蒸し器を使って加熱するよりも時短になりますが、栄養の変化はどうなのか気になったことがある方も多いのではないでしょうか。本記事ではブロッコリーをレンジ加熱したときの栄養について紹介します。

ブロッコリーに豊富な栄養素・成分

ブロッコリーに含まれる主な栄養素

特に多いのはビタミンC

ブロッコリーはビタミンCがとても豊富です。なんとレモンよりも豊富に含まれています。つぼみよりも茎の部分に豊富に含まれています。

ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。また、ビタミンCはシミのもとになるメラニン色素の生成を抑えたり、肌に弾力やハリをもたらすため、美肌づくりにも重要な栄養素です。

多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。また喫煙者はビタミンCの消費が激しいので、一般成人の2倍は摂ることをおすすめします。

ビタミンCは加熱に弱い?

ビタミンCはよく加熱に弱いといわれますが、「ビタミンCが熱に弱いという説は嘘!」という意見も見受けられます。どちらが正しいのでしょうか?

ビタミンCの熱への耐性に関して意見が割れているのは、ビタミンCには2種類あるからです。実はビタミンCには「還元型ビタミンC」と「酸化型ビタミンC」というものがあり、2つを合わせてビタミンC(または「総ビタミンC」)と言われています。

熱に弱いのが酸化型ビタミンCです。還元型ビタミンCはほとんど分解されることはないのですが、酸化型ビタミンCは一度分解してしまうとビタミンCには戻ることができず、この分解反応が加熱することで早く進むので「ビタミンCは加熱に弱い」と言われます。厳密には酸化型ビタミンCは熱に弱い、ですね。

新鮮な野菜や果物に含まれるビタミンCは大部分が還元型なので、基本的にビタミンCが加熱によって壊れることはありません。

しかし、切ったりすりおろすことで還元型ビタミンCの一部が酸化型ビタミンCに変換されてしまうので(つまり酸化するということ)、やや加熱に弱くなってしまいます。また、野菜に含まれる「アスコルビン酸(ビタミンC)酸化酵素」の作用でも、還元型ビタミンCの一部が酸化型ビタミンCに変換され、やや熱に弱くなってしまいます。

ブロッコリーはレンジで加熱すると栄養が減る?

栄養を守って加熱するならレンジ!

レンジでのブロッコリーの加熱は、栄養素が若干減少する可能性があります。これは、加熱処理によって一部のビタミンや酵素が破壊されることが原因です。しかし、ブロッコリーには多くの栄養成分が含まれており、大幅に栄養を残ってしまうわけではありません。

ブロッコリーに多く含まれているビタミンCは水溶性であるため水やお湯を使って加熱すると大きく流出してしまいますが、レンジであれば茹でるよりも水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができます。

電子レンジで加熱したブロッコリーは、ビタミンCだけでなく、他の栄養素も比較的多く残ります。特にビタミンKやビタミンB6、葉酸、カリウム、マグネシウムなどのミネラル類も、電子レンジでの調理により保持されやすいとされています。これらの栄養素は、骨の健康や免疫機能の維持に重要な役割を果たすため、電子レンジを使った調理法は栄養を保つ上で有益な方法と言えます。

レンジで加熱したブロッコリーはまずい?

レンジで加熱したブロッコリーはまずいといわれることが多いです。その理由は、ブロッコリーはレンジで加熱すると、お湯で茹でたブロッコリーと比較して苦味やエグみを感じやすいことにあります。

ブロッコリーにはもともとイソチオシアネートやシュウ酸といった苦味を感じさせる成分が含まれています。 イソチオシアネートとシュウ酸はどちらも水溶性なので、茹でることである程度苦味を軽減することができます。しかし、イソチオシアネートは熱に弱い成分なのでレンジで加熱をするだけでも落とすことはできますが、シュウ酸は熱に強い成分であるためレンジで加熱しただけでは落とすことができません。

そのためレンジで加熱したブロッコリーは苦味やエグみを感じやすくまずいと感じる人が多いです。

栄養守るブロッコリーのレンチン方法

ブロッコリーを切る

芯に切れ目を入れたら手で咲裂いてバラバラにする

まず、ブロッコリーを小房にわけます。

ブロッコリーを切る際は、茎を捨てないようにしましょう。茎にもビタミンCが豊富に含まれているためです。茎の周りの硬い部分(芯の白い部分を残す)はカットするようにしましょう。

茎は房よりも硬いので、火が通りやすいように小さめに切るのもポイントです。

ブロッコリーを洗う

切ったブロッコリーをボウルで洗う

カットしたブロッコリーはボウルにためた水に入れて洗います

カットしたブロッコリーは浮きやすいので、手で水の中に浸けるように揉みながら洗いましょう。この時、力を入れてしまうと蕾が潰れてしまいますので、やさしく扱ってください。蕾がつぶれてしまうと食感が悪くなってしまいます。

切り口からビタミンCやミネラルなどの水溶性成分が流れ出やすくなっているので、洗い時間は5分以内にしましょう。

おすすめの洗浄パウダー

ブロッコリーは特殊な形状をしており、虫や土汚れ、残留農薬などが付きやすいといわれています。効率良く落とすのにおすすめなのがホッキ貝です。ホッキ貝は他の貝殻と比較しても除菌効果が高いことが研究で立証されています。

ホタテ貝やホッキ貝のパウダーを溶かした水にブロッコリーを5分~10分漬けておくと水溶液が次第に濁ってきたり薬品が浮いてきたりします。目にみえて残留農薬が落ちていることがわかるので流水で洗い流したりするよりも安心できます。

耐熱皿に並べたら水・塩を入れてラップをする

ブロッコリーを電子レンジで茹でる際は、耐熱皿にブロッコリーと水、塩を加え、ラップをして加熱する

ブロッコリーを小房にわけて綺麗に洗ったら、耐熱皿に並べます。ブロッコリーを耐熱皿に並べたら水大さじ2、塩ひとつまみを入れ、ふわっとラップをして加熱します。

水を加えることで蒸す状態になるので、ブロッコリーの水分が飛びすぎて焦げてしまったりパサパサしてしまうのを防ぐことができます。また、塩を加えることで色が悪くなるのを防ぎ、さらにブロッコリーの甘さを引き立ててくれます。

加熱時間の目安は600wで3分程です。加熱時間はレンジのワット数によっても異なるので、3分を目安として様子を見ながら加熱してください。好みの固さになれば終了です。

柔らかくしようと加熱時間を長くしてしまうと焦げてしまったりパサパサとしてしまうので注意しましょう。

ブロッコリーの栄養を無駄にしない加熱方法

茹でるが最も栄養が減る

ブロッコリーを茹でて調理する

ブロッコリーの加熱法としては、鍋を使って茹でるが最も栄養が減ります。茹でるとビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうためです。

そのため、ブロッコリーは茹でて調理をすることも多いですが、栄養を減らしたくないのであればレンジ加熱がおすすめです。

レンジがない場合など茹でる場合は、長時間茹ですぎないようにするなどの工夫をするようにすると良いでしょう。

焼く・蒸す・蒸し焼きもおすすめ

ブロッコリーをせいろで蒸す

ブロッコリーの栄養を守るのであれば加熱するときはレンジがおすすめですが、焼く蒸す蒸し焼きも水溶性の栄養の流出を防げるのでおすすめです。

焼く・蒸す・蒸し焼きも茹でるのとは異なりたっぷりのお湯を使うわけではないので、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができますし、水っぽくなってしまったり味が薄くなってしまうこともないのでブロッコリーの旨味や風味をしっかり楽しむことができます。