1. Fily
  2. Food
  3. Encyclopedia
  4. ブロッコリーをレンジで加熱するとまずい・苦い理由。対処法を解説

ブロッコリーをレンジで加熱するとまずい・苦い理由。対処法を解説

公開日

更新日

ブロッコリーをレンジで加熱するとまずい・苦い理由。対処法を解説

ブロッコリーはレンジで加熱することもできますが、レンジで加熱したブロッコリーはまずいと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事ではレンジで加熱したブロッコリーがまずい原因や、ブロッコリーを美味しくレンチンする方法を解説します。

レンジで加熱したブロッコリーがまずい原因

ブロッコリーをはじめとする多くの野菜はレンジ加熱をすることができますが、ブロッコリーをレンジで加熱するとまずくなると感じている方は多いのではないでしょうか。レンジで加熱したブロッコリーがまずいと感じる原因には下記があげられます。

苦味・エグみが残っている

ブロッコリーはレンジで加熱すると、お湯で茹でたブロッコリーと比較して苦味やエグみを感じやすいのが、まずいと感じる原因の一つです。 ブロッコリーにはもともとイソチオシアネートやシュウ酸といった苦味を感じさせる成分が含まれています。 イソチオシアネートとシュウ酸はどちらも水溶性なので、茹でることである程度苦味を軽減することができます。しかし、イソチオシアネートは熱に弱い成分なのでレンジで加熱をするだけでも落とすことはできますが、シュウ酸は熱に強い成分であるためレンジで加熱しただけでは落とすことができません。 そのためレンジで加熱したブロッコリーは苦味やエグみを感じやすくまずいと感じる人が多いです。

焦げる

お湯で茹でたり蒸す場合はお湯がなくならないかぎりは焦げるということはありませんが、レンジ加熱の場合は一気に加熱していくことでブロッコリーに含まれている水分が飛び、焦げてしまうことがあります。 焦げてしまっても食べることはできますが、焦げてしまった部分はやはり苦味があり、ブロッコリーの味が悪くなってしまいます。 また、茶色っぽくなったり黒っぽくなってしまうので見た目が悪くなるのもデメリットです。

加熱ムラがあり食感が悪い

レンジでの加熱はレンジの性質上どうしても加熱ムラができてしまいやすく、しっかり火が通っている部分と通っていない部分ができてしまうことがあります。加熱ムラができてしまうと、柔らかい部分と固い部分ができてしまい、食感の悪さに繋がります。 電子レンジは庫内に放出されるマイクロ波によって食材を加熱します。マイクロ波は食材の内部に進むにつれて分子運動を起こしながらもやがてエネルギーをなくして消えてしまうため、マイクロ波が奥深く進まず表面は温かいのに中は冷たいといった加熱ムラができやすいです。

水分が飛んでパサパサしている

お湯で茹でたり蒸したブロッコリーはみずみずしく、ふっくらと仕上がりますが、レンジでの加熱はパサパサしてしまいやすいです。これもレンジで加熱したブロッコリーがまずいと感じる原因の一つでしょう。 これは、上述したようにレンジで一気に加熱していくことでブロッコリーの水分が奪われて干からびた状態に近くなってしまうためです。ブロッコリー以外の野菜も、特に人参など水分量が比較的少ない野菜によくおこりがちな現象です。

色が悪くなることも

ブロッコリーをレンジで加熱すると、塩茹でと比べて色が悪くなってしまいやすいのもデメリットの一つです。レンジは一気に加熱していくのに加えて、マイクロ波が集中的に当たってしまう部分があると一部が茶色っぽくなってしまったり、黒っぽく変色してしまうこともあります。 レンジに限りませんが、加熱のしすぎはブロッコリーを変色させてしまう原因となりますので注意しましょう。

冷凍ブロッコリーは水分が出る

冷凍したブロッコリーをレンジで解凍する場合も、べちゃべちゃしていてまずいと感じる人が多いです。 冷凍したブロッコリーをレンジで解凍すると水っぽくべちゃっとしてしまうのは、冷凍する際に凍ったブロッコリーに含まれている水分が、一気に解凍されて水分としてそのまま出てきてしまうためです。特に洗ってから水分を取らずに冷凍するなど野菜に水分が残った状態で冷凍してしまうと、余計に水っぽくなってしまいます。

レンジで加熱するメリット

レンジで加熱したブロッコリーはまずくなってしまうなら、レンジ加熱しないほうが良いのではないかと思う方も多いかと思いますが、レンジで加熱することのメリットももちろんあります。

水溶性の栄養素を逃さない

ブロッコリーに限らず野菜は茹でると柔らかくなって食べやすくなりますが、水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうデメリットがあります。 ブロッコリーにはビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が含まれています。流出させてしまうのは非常にもったいないですよね。レンジで加熱することでお湯で茹でるよりも水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができるのは大きなメリットです。

時短になる

ブロッコリーは生食することもできる野菜ですが、基本的にはサラダにする場合でも茹でるなど加熱してから使われることが多いです。これは生のままだと茎の部分が固くて食べにくかったり、苦味を感じやすいためです。 茹でる場合はお湯を沸かすのに時間がかかりますが、レンジであればお湯を沸かす必要がありませんし茹でるよりも早く火が通るので時短になります。 例えばお弁当の彩りにブロッコリーを少量加えたいときでも、さっとレンジ加熱することができるので便利です。

味が薄まらない

ブロッコリーは茹でるとどうしても水っぽくなってしまい、味が薄くなってしまいます。レンジで加熱すれば水を大量に使うわけではないので、旨味成分や甘みもそのまま残り味が薄まってしまうことはありません。 味が薄まるどころか塩を振ってレンジで加熱すれば、甘みが引き立ちより美味しくなります。 ブロッコリーが水っぽくなってしまうと料理全体の味も薄まってしまいますが、レンジの加熱はサラダにしたいときや和え物にしたいときにもおすすめです。

レンジでブロッコリーを加熱するときのポイント

それでは、レンジで加熱したブロッコリーがまずくならないためにはどうしたら良いのでしょうか。レンジで上手にブロッコリーを加熱するポイントを紹介します。

丸ごとよりも小房にわけて

ブロッコリーは丸ごとレンジで加熱することもできます。小房にわけるのには手間がかかりますし、丸ごと洗ってそのままレンジで加熱したほうが時短になります。

しかし、丸ごと洗うと汚れが残ってしまったり虫がいることに気がつかないこともあります。そして何より加熱ムラができやすいデメリットがあります。

特に芯の部分は柔らかくなるのに時間がかかるので、丸ごとレンジで加熱するよりも小房に分けてから加熱するほうが加熱ムラを防ぎ食感が悪くなりにくいです。

ワット数

ブロッコリーに限らず、野菜をレンジで加熱するときはレンジのワット数によって加熱時間は異なります。そのため、家庭の電子レンジのワット数に合わせて加熱時間を調節することが大切です。

目安としては600wで3分程です。500wの場合は4分程と時間を長めにして様子を見ながら好みの固さになるまで加熱しましょう。

上述したように加熱しすぎは焦げる原因となり、味はもちろんのこと水分が飛びすぎてパサパサになってしまったり、色が悪くなってしまうため加熱しすぎないように調節することが大切です。

レンジで加熱するときに限ったことではありませんが、花蕾(からい)と呼ばれる一番上の部分は見えないところに土汚れがついていたり、虫が入り込んでいることもあります。そのため、しっかりと洗うことが大切です。しっかりと洗うことは残留農薬を落とすことにも繋がります。

ブロッコリーは丸ごと洗うこともできますが、小房に分けて洗ったほうが汚れを落としやすいです。上述したように、レンジで加熱するときは丸ごとよりも小房に分けてから加熱したほうが火が通りやすいので、小房にわけてからしっかりと洗うことをおすすめします。

アク抜き

ブロッコリーの苦味が気になる方は加熱する前に、水につけておくことで苦味となるイソチオシアネートやシュウ酸を落とすことができるためアク抜きになります。

そのためブロッコリーの苦味が気になる方は予めアク抜きをしておくと良いです。このとき塩を加えて塩水にすると色止めにもなります。ただし、ビタミンCなどの水溶性の栄養素も一緒に流出してしまうためアク抜きをするときは長時間つけないようにすることが大切です。

ブロッコリーを美味しくレンチンする方法【生】

まずはじめに生のブロッコリーを美味しくレンチンする方法を紹介します。

ブロッコリーを切る

芯に切れ目を入れたら手で咲裂いてバラバラにする

まず、ブロッコリーを小房にわけます。

ブロッコリーを切る際は、茎を捨てないようにしましょう。茎にもビタミンCが豊富に含まれているためです。茎の周りの硬い部分(芯の白い部分を残す)はカットするようにしましょう。

茎は房よりも硬いので、火が通りやすいように小さめに切るのもポイントです。

ブロッコリーを洗う

切ったブロッコリーをボウルで洗う

カットしたブロッコリーはボウルにためた水に入れて洗います

カットしたブロッコリーは浮きやすいので、手で水の中に浸けるように揉みながら洗いましょう。この時、力を入れてしまうと蕾が潰れてしまいますので、やさしく扱ってください。蕾がつぶれてしまうと食感が悪くなってしまいます。

切り口からビタミンCやミネラルなどの水溶性成分が流れ出やすくなっているので、洗い時間は5分以内にしましょう。

耐熱皿に並べたら水・塩を入れてラップをする

ブロッコリーを電子レンジで茹でる際は、耐熱皿にブロッコリーと水、塩を加え、ラップをして加熱する

ブロッコリーを小房にわけて綺麗に洗ったら、耐熱皿に並べます。ブロッコリーを耐熱皿に並べたら水大さじ2、塩ひとつまみを入れ、ふわっとラップをして加熱します。

水を加えることで蒸す状態になるので、ブロッコリーの水分が飛びすぎて焦げてしまったりパサパサパサしてしまうのを防ぐことができます。また、塩を加えることで色が悪くなるのを防ぎ、さらにブロッコリーの甘さを引き立ててくれます。

加熱時間の目安は600wで3分程です。加熱時間はレンジのワット数によっても異なるので、3分を目安として様子を見ながら加熱してください。好みの固さになれば終了です。

柔らかくしようと加熱時間を長くしてしまうと焦げてしまったりパサパサとしてしまうので注意しましょう。

ブロッコリーを美味しくレンチンする方法【冷凍】

次に冷凍したブロッコリーを美味しくレンチンする方法を紹介します。

氷や霜を取り除く

冷凍されているブロッコリーは表面に氷の塊がついていたり、霜がついていることがあります。市販の冷凍ブロッコリーは急速冷凍されているので、そこまで気にならないと思いますが、自宅で冷凍したブロッコリーは氷や霜がつきやすいです。 氷や霜がついている状態だと、火が均等に通らず加熱ムラの原因になります。また、解凍されたときに水分になるためべちゃべちゃしてしまいます。そのため、氷や霜はレンジで加熱する前にできるだけ取っておくと良いです。

キッチンペーパーに包んでから耐熱皿に乗せてラップをする

冷凍ブロッコリーはそのまま耐熱皿に乗せるのではなく、キッチンペーパーに包んでから耐熱皿に乗せて、ふんわりラップをかけて加熱します。 キッチンペーパーに包むことで、解凍されたときに出てくる水分が吸収されるためべっちゃっとせず食感を保つことができます。キッチンペーパーはエンボスタイプのものだと発火してしまう可能性があるため、フェルトタイプのものを使ってください。ただし、フェルトタイプでも加熱のしすぎは発火の原因となりますので注意しましょう。 ふんわりとラップをかけたら、600Wの電子レンジの場合は1分40秒程加熱します。加熱したら一度取り出し、ブロッコリーの上下をひっくり返して、30秒加熱します。上下をひっくり返すことで加熱ムラを防ぐことができます。

加熱調理するなら解凍せずに使うのが◎

炒めものやスープにする場合など、冷凍ブロッコリーを加熱調理するのであれば解凍せずにそのまま使いましょう。 全解凍してしから使うと、ブロッコリーの水分が流れ出てしまい食感や味が悪くなってしまいますし、水分と一緒にイソチオシアネートが出て苦味や臭いがきつくなることがあります。さらに、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養も流出してしまいます。 そのため、冷凍したブロッコリーは解凍せずに直接料理に使うのがおすすめです。