冷凍した白菜がまずいと感じたり、臭いと感じたことがある方は多いのではないでしょうか。本記事では、冷凍した白菜がまずかったり臭い理由やまずくなりにくい冷凍方法などを詳しく解説します。
冷凍した白菜がまずいと感じる原因は、やはり食感の変化です。白菜は水分が多くみずみずしいシャキシャキとした食感を楽しむことができる野菜ですが、冷凍することでグニュっとした柔らかい食感になります。
冷凍することでシャキシャキとした食感が失われてしまう理由としては、白菜に含まれる水分が凍り解凍することで繊維が一緒に壊れてしまうためであると考えられます。
シャキシャキとした食感はなくなってしまいますが、繊維が壊れることで火が通りやすくなるというメリットもあります。
生の状態だとほぼ無臭なのに、冷凍した白菜は「漬物のような臭いがする」と感じたことがある方は多いのではないでしょうか。
冷凍した白菜が臭くなってしまうのは、解凍した際に水分と一緒に白菜に含まれているイソチオシアネートなどの成分が出てくるためであるといわれています。イソチオシアネートは白菜や大根などのアブラナ科の植物がもっている辛味成分です。イソチオシアネートは分解されると「ジメチルジスルフィド」と呼ばれる成分になり、漬物のような臭いが強くなります。
臭いがきつくなっても腐敗しているわけではないので漬物のような臭いがしても食べることができますが、臭いがきついせいで美味しく感じないという方は多くいます。
白菜は冷凍しても栄養に大きな変化はありません。
ちなみに、白菜には三大栄養素といわれるタンパク質や炭水化物、脂質の他にビタミンCやK、カリウム、葉酸、食物繊維などが含まれています。また、上述したようにイソチオシアネートやGABA(ギャバ)といった成分も含まれています。
カットした白菜は冷蔵保存だと2〜3日しかもちませんが、冷凍をすれば1ヶ月程保存しておくことが可能なので、すぐに使い切れない場合は冷凍保存しましょう。
白菜は生のまま冷凍するよりも、一度茹でてから保存したほうが食感も悪くなりづらいですし、変色しにくくなります。
冷凍する前に茹でたり蒸気をあてたりと必要最低限の加熱処理を行うことを「ブランチング」といいます。白菜以外の野菜でも使える方法で、加熱して野菜の持っている酵素を不活性化させることにより変色を防いだり、組織を軟化させることにより冷凍によって組織が破壊され食感を損なわれるのを防ぐことができます。また、食品表面に付着している微生物の殺菌にもなります。
茹でた白菜は軽く水気をきってから冷凍します。水気をそのままにして冷凍してしまうと、余計な水分まで凍ってしまい調理をするときに料理が水っぽくなってしまいます。
出典:冷凍食品Q&A冷凍食品の基礎知識(日本冷凍食品協会)
生の状態で冷凍する場合は、よく洗い塩もみをすれば色や食感がキープしやすく、また白菜の水分が抜け長持ちします。
白菜を塩(適量)もみしたら、水けを絞ってから小分けしてラップなどに包んでポリ袋にいれて冷凍庫に入れます。塩もみした後に水気を絞らずに冷凍してしまうと、余計な水分まで凍ってしまいビジャビジャになってしまいます。
<塩もみすると水分が出るのはなぜ?>
異なる物質同士の細胞の成分濃度が違うと、成分が薄い方から濃い方へと水が移動して、両方の濃さを揃えようとする力が働く。これを「浸透圧」という。白菜を塩でもむと、白菜の水分に塩が溶け濃い塩水ができ白菜の外側の塩分濃度が高くなるため、濃度を調整しようと浸透圧が働き、白菜の内側から水分が出てくる。
白菜を冷凍するときの切り方は、ざく切りやそぎ切り、細切りなど用途や好みに合わせて大丈夫です。
例えば、八宝菜などの炒めものに使う場合は大きめのざく切りにしておくと使いやすいです。特に葉の部分は凍るともろくなりやすいので、大きめに切ってもいいでしょう。塩もみをして冷凍する場合は、細切りがおすすめです。
ブランチングする場合は、切ってから茹でるとビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流失しやすいのでNGです。白菜をよく洗った後、少し硬めに茹でてザルなどに上げ、粗熱がとれた後に使いやすい大きさにカットしたら水気を切って冷凍します。
白菜の切り方についてはこちらの記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
ブランチングや塩もみをした白菜は一回分の使用量に小分けしてラップに包んでからポリ袋に入れます。小分けにするときは、なるべく薄く平らに包むことで、短時間で凍らせることができます。
ポリ袋に白菜をいれたら、しっかりと空気を抜いて密閉しましょう。しっかりと空気を抜いておくことで白菜が空気にふれることで酸化が起こり変色することを防いだり、味が落ちてしまうのを防ぐことができます。
白菜に限らず、野菜を冷凍する場合は急速冷凍をしたほうが旨みをぎゅっと閉じ込めることができます。冷蔵庫に急速冷凍機能がない場合は、金属トレイの上にのせて冷凍庫へ。
金属トレイは温度の伝達が早いため、急速冷凍と同じ効果を得ることができます。
冷凍庫の扉付近は開け閉めによる温度変化の影響を受けやすいため、できるだけ温度変化の少ない扉付近を避けた場所に置いたほうが早く冷凍することができます。
冷凍すれば永遠に保存できてしまうような気がしてしまいますが、どんなに長く保存しても1ヶ月を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍しても長く保存していると鮮度は落ちてしまうので、味や食感はどんどん悪くなってしまいます。冷凍しているからといっていつまでも入れておかず、なるべく早く食べきることが大切です。
冷凍した白菜は冷蔵庫に移して自然解凍することができます。
漬物にしたい場合などは、自然解凍が適しています。自然解凍して出てきた水分をキッチンペーパーなどで拭き取れば、それだけで漬物のような食感になるのでそのまま浅漬けにしたり、即席キムチにするのにおすすめです。
冷凍した白菜は流水解凍することもできます。
流水解凍とは冷凍した食材を水をためたボウルに入れて、水を流しながら解凍していく方法です。冷凍庫から取り出したら、そのまま水をためたボウルに入れて、水を流すだけです。
自然解凍より早く解凍できるので、すぐにサラダなどで食べたいときにおすすめです。
冷凍野菜を直接入れると水っぽくなってしまうので、ジッパー付きポリ袋のまま入れるのがおすすめです。それでも、自然解凍より水が出やすくなります。
冷凍した白菜は、凍ったまま調理に使用するのがベストです。
解凍してから使うこともできますが、全解凍してしまうと白菜の水分が流れ出てしまい食感や味が悪くなってしまいますし、上述したように水分と一緒にイソチオシアネートが出て臭いがきつくなることがあります。さらに、ビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養も流出してしまいます。
そのため、冷凍した白菜は解凍せずに直接料理に使うのがおすすめです。
それではどんな料理におすすめなのが、次に紹介していきます。
冷凍した白菜を使うのにおすすめの料理を紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
冷凍した白菜は、そのまま味噌汁やスープに入れるのがおすすめです。味噌汁やスープなどの汁物であれば、柔らかくなってしまった食感も気になりません。また、汁物であれば流れ出てしまうビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素もしっかりと摂取することができます。
白菜の味噌汁のレシピはこちら
鍋といえば白菜ですよね。冷凍した白菜もそのまま鍋に入れて大丈夫です。お鍋も食感が柔らかくなっても気になりませんし、冷凍することで味が染み込みやすくなっているので、美味しく食べることができます。
鍋でなくても煮物も同じく味が染み込みやすくおすすめです。
レンジで作る白菜とベーコンのスープ煮のレシピはこちら
普段の白菜と食感は異なりますが、炒め物や和え物などにすることもできます。特に塩もみをしてから冷凍した白菜は、塩の味がついているのでそのまま和え物にしたり、チャーハンなどの具材にするのがおすすめです。
炒めものや和え物にするときは、解凍せずにそのまま炒めると白菜から出る水分で料理が水っぽくなってしまったり味が薄くなってしまうので、冷蔵庫にうつしておくか電子レンジなどで軽く解凍し、水気を絞って使うと良いです。
白菜のおかかあえのレシピはこちら
冷凍した白菜は、解凍せずにそのまま漬物を作ることもできます。
漬物にする場合は、冷凍した状態の白菜を漬物液などに漬け込み、冷蔵庫などで自然解凍します。それだけでしっかりと味が染み込んだ美味しい漬物になります。
解凍したときに気になる漬物臭も、漬物にしてしまえば気にならなくなります。
白菜とパクチーの浅漬けのレシピはこちら
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