きゅうりをカットしたときに中が茶色く変色していると、食べられるのか心配になりますよね。本記事ではきゅうりが茶色く変色する原因や食べられるのかどうかを解説します。
きゅうりの中が茶色く変色してしまう原因として考えられるのは、低温の場所で保存することによって起こる低温障害です。
きゅうりは夏の野菜で低温に弱く、最適貯蔵温度は0~13度です。乾燥にも弱いため温度が低いチルド室などに入れてしまったり、長期間冷蔵庫で保存し続けてしまうと低温障害で茶色く変色してしまうことがあります。
ちなみにカットしたきゅうりが赤色やピンク色に変色している場合も原因は低温障害です。低温障害が起こると赤色やピンク色になり、きゅうりに含まれているポリフェノールが酸化することによってだんだん茶色く変色してくるのではないかと考えられます。
きゅうりの中が茶色く変色してしまうのは、低温障害だけが原因ではありません。きゅうりは熟しすぎても茶色くなってしまうことがあります。
実はスーパーなどで販売されているきゅうりは熟す前に収穫されています。そのため適切な収穫時期をすぎると熟していき表皮が黄色っぽく変色します。また、収穫後のきゅうりも追熟されることによって表面が黄色っぽく変色していくことがあります。
過熟のきゅうりはカットすると黄色っぽかったり、茶色っぽく変色していることが多いです。
腐敗が進んでいることが原因で茶色く変色することもあります。
きゅうりは水分量が多い野菜で、じゃがいもなどの根菜と比較して足が早いです。収穫してから時間が経ったり正しく保存できていないとすぐに傷んでしまい、変色してしまいます。
腐敗してしまっているきゅうりは、変色の他にも異臭や溶け出している箇所があるなどの異変が見られることもあります。この場合は腐敗していると判断して良いでしょう。
きゅうりが変色する原因はおわかりいただけたかと思います。続いて、茶色く変色したきゅうりは食べられるのかどうか解説します。
低温障害が原因で茶色く変色してしまったきゅうりは食べることができます。低温障害は生理障害であり、病気に感染しているわけでも腐敗しているわけでもありません。ただし、低温障害になってしまったきゅうりは新鮮なきゅうりと比較して食感が悪く味や風味も劣ります。
過熟が原因で茶色く変色している場合も腐敗しているわけではないので、食べることができます。この場合もやはり、食感や味、風味が悪いです。熟したきゅうりは苦味やエグみが強かったりすっぱいことがあります。種の部分をスープンなどですくって取り除いて食べると良いです。
低温障害や過熟が原因で茶色く変色しているきゅうりは、食べることができますが鮮度が落ちている状態ですので早めに食べきるようにしましょう。
腐敗が原因で茶色く変色している場合は、当たり前ですが食べることはできません。きゅうりに限らず腐敗してしまった食材は、細菌が分布していることも多く、細菌の種類によっては食べてしまうと食中毒を起こす可能性があります。
腐敗しているのか低温障害や過熟が原因で茶色く変色しているのか判断が難しい場合は、破棄するのが無難です。特に小さなお子様や高齢者の方が食べる場合は注意してください。
腐敗したきゅうりには下記の特徴があります。茶色く変色してしまっていたら、腐敗のサインが出ていないかきちんと確認してから判断することが大切です。
腐ったきゅうりの見た目の特徴は下記の通りです。
カビが生えている
全体的にシワシワ
溶け出している
白い液体がでている
表面に白いホコリのようなものがついているときは白カビ、黒い斑点が一箇所にまとまって黒く変色しているように見える箇所がある場合は黒カビが生えている可能性があります。ヘタの部分はとくにカビが生えやすく、ヘタのみであれば切り落とせば食べられることもありますが、全体的にカビが生えてしまっている場合は破棄しましょう。カビは、カビ毒を発生させて下痢や嘔吐などの中毒症状を起こす可能性があります。
新鮮なきゅうりの表面はハリがありますが、全体的にシワシワになっているものは水分が抜けて乾燥してしまっている状態です。少し水分が抜けてしまった程度であれば問題ありませんが、完全に抜けてシワシワになっていたり、溶け出している場合は腐敗しています。
また、白い液体が表面についている場合や全体的に茶色っぽくなっていたり黒っぽく変色している場合も破棄してください。
腐ったきゅうりの臭いや味の特徴は下記の通りです。
酸っぱい匂い・味
生ゴミ臭
カビ臭い
きゅうりは青臭さがある野菜ですが、そこまで臭いがきつい野菜ではありません。酸っぱい臭いや味がする場合や、生ゴミのような臭いがする場合は腐敗している可能性が高いです。
きゅうりに限らず食材は腐敗すると、多くのバクテリアが活動し酢酸発酵することが多いので酸っぱい臭いがしたり酸っぱい味がします。この現象は味噌や醤油といった発酵食品にも起きていますが、発酵とは異なり次第に味や臭い、形が崩れるなど食材が変化していく現象はあるときに「腐敗」とよばれます。あきらかにいつもとは異なる酸っぱい味や生ゴミのような異臭がする場合は食べずに破棄するようにしましょう。
また、カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。
腐ったきゅうりの触感の特徴は下記の通りです。
ぶにょぶにょしている
全体的にぬめりがある
糸をひいている
新鮮なきゅうりは上述したように張りがあり、ある程度硬さがありますが、腐敗が進んでいるとぶにょぶにょとした触感になります。また、全体的にぬめりが出ている場合や糸をひく場合も腐敗が進んでしまっている状態なので、残念ですが破棄しましょう。
きゅうりが変色したり味や食感を悪くなるのを防ぐためには、正しく保存することが大切です。正しく保存することで長く保存することができるだけではなく、鮮度を保ちより長く美味しく食べることができます。
下記でご紹介しているきゅうりの保存方法はこちらの記事で詳しく解説していますので併せてご覧ください。
きゅうりは1〜2日で食べるなら常温保存も可能です。
直射日光が当たる箇所は避けて、冷暗所で保存しましょう。ただし、保存の最適温度は10~15度程度なので、夏場は常温保存は避けるのが無難です。水分が多くあまり日持ちしないので、すぐに食べるようにしましょう。新聞紙かキッチンペーパーに包み、立てて保存します。
1〜2週間保存したいなら冷蔵保存しましょう。
きゅうり表面の水けをよく拭き取って、1〜2枚のキッチンペーパーで巻き、ポリ袋に入れ、へたを上にしてカップなどに立てて野菜室で冷蔵保存します。きゅうりは通常の野菜室やチルド室では低温障害を起こすので、温度が比較的高い野菜室を必ず利用するようにしましょう。
キッチンペーパーは寒さから守るだけではなく、保存中に染み出てくる水分で野菜が傷まないようにするためにも重要な役割を果たします。キッチンペーパーで包むというひと手間をするだけで、野菜の持ちが全く違います。
長く保存するほどビタミンCが減少する傾向にあるので、なるべく早く食べたいものです。
カット(小口切り)したきゅうりも冷蔵保存が可能。その場合はあまり重ならないようにジッパー付きポリ袋に入れて、空気を抜き封を閉じます。切ったものは傷みが早いので、なるべく早く食べきりましょう。カットしたきゅうりの冷蔵保存の期間の目安は2〜3日です。
半分だけ残った場合は、ラップできっちり包み、ジッパー付きポリ袋に入れて冷蔵保存しましょう。こちらも数日以内で食べ切るようにしましょう。
1ヶ月ほど長期保存したい場合は冷凍保存します。
前述の通り、きゅうりは水分量の多い野菜なので、丸ごと冷凍保存には向きません。冷却の過程できゅうりの中に大きな氷結晶ができてしまい組織を壊し、食感・風味を悪くします。
そのため、きゅうりを冷凍保存する際、小口切りにしボウルに入れ塩もみをし、しっかり水けを絞り、一度で食べる分だけラップで包み、ジッパー付きポリ袋に入れて保存します。塩の量はきゅうり1本に対して小さじ1/4が目安です。
塩もみしたものを冷蔵保存する場合は、その日のうちに食べるようにしましょう。手には雑菌がついているため、何日も保存するのは衛生上避けた方がよいでしょう。
常温で解凍するか、流水して解凍しましょう。きゅうりは半解凍くらいに留めるのがポイント。しばらく放置するとベチャベチャとした食感になってしまうためです。水分が多いので、半解凍したら水けをしっかり絞り調理に使いましょう。サラダや酢の物、混ぜ寿司など色々使えて便利です。
きゅうりは、天日干したりオーブンなどで水分を飛ばしてから乾燥保存したり、塩漬けや酢漬けにして漬け保存することも可能です。きゅうりの保存方法についてはこちらの記事を参考にしてください。
正しく保存することも大切ですが、ほとんどが水分で痛みやすいきゅうりは、購入するときになるべく新鮮なものを選ぶことも重要です。
新鮮なきゅうりの特徴は下記です。きゅうりを購入する際の参考にしてください。
イボがとがっている(イボがない品種もある)
肩が盛り上がっている
特有の香りがし、皮にハリと弾力があり、ずっしり重い
切り口が黒ずんでいない
また、きゅうりは時間が経ち肥大化するとビタミンCが減少する傾向にあります。栄養の観点からも早めに食べたいものです。
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