人参の正しい保存方法と保存期間について解説します。カットした人参の保存法やラップの使い方、新聞紙がない時の代用品など細かい紹介します。
人参は暑さと乾燥と湿気に弱いのが特徴です。
暑さに弱いので、冬は常温保存できますが、夏は避けるのが無難です。乾燥から守るために、新聞紙やキッチンペーパー、ポリ袋が活躍します。湿気にも弱いので、洗ったあとはしっかり水けをとってから保存する必要があります。保存中もこまめに水滴を取り除くようにします。新聞紙やキッチンペーパー、ポリ袋自体も交換するのがベターです。
上記の点を気をつければ、人参は比較的に保存しやすい野菜です。人参に豊富に含まれるβ-カロテンも脂溶性なので保存によって失われにくい栄養素です。特売のときなどにまとめ買いして保存するのがおすすめです。
葉の付いてる人参を入手した際は、葉と実(根)を切り分けます。葉を付けたまま保存してしまうと、根の水分が葉に移動してしまい、スカスカになってしまいます。ちなみに、かぶでも同じことがいえます。
葉は買ってきた日に使うのが理想ですが、保存する場合はラップできっちり包んで冷蔵庫へ。数日以内には食べるようにしましょう。β-カロテンは根の方が多いですが、カリウムやカルシウム、マグネシウム、鉄、ビタミンB・Cなどほとんどの栄養素は葉の方が豊富なので、無駄にせず消費しましょう。ふりかけや天ぷら、和え物などにするのがおすすめです。
ちなみに皮を切ってしまうと栄養は2割もダウンしてしまいます。人参は皮とその近くに、β-カロテンやポリフェノールがたっぷり含まれます。小ぶりな人参で皮が厚くなければ、そのまま食べましょう。
当たり前ですが、新鮮な人参を選び購入した方が、保存したときも日持ちします。人参を選ぶ際の注目すべきポイントは下記です。
なめらかな肌のもの、でこぼこのない
肩がはっている
ひげ根の少ないもの
ひげ根の跡の間隔が均一で真っ直ぐに並んでいる
オレンジ色が濃い
根の先まで太い
また、人参の旬は秋〜冬です。冬場の人参の方が糖度が高く実も柔らかいのが特徴。生で食べる場合は旬の時期に販売されている人参にしましょう。
下記の特徴のある人参は腐っている可能性が大です。食べずに捨てるようにしましょう。
ヌルヌルしている
酸っぱい臭いがする
にんじんのヘタの近くに生長点があり、保存期間が長くなると葉を生やそうと根の栄養分を消費してしまい、栄養価がどんどん下がってしまいます。一度ににんじんを食べ切れないときは、ヘタの部分を食べて、先の部分を保存するようにしましょう。
人参に限りませんが、野菜を保存するとき、エチレンガスを放出する野菜に要注意です。
野菜や果物はエチレンという植物ホルモンによって生長し熟しますが、収穫後もエチレンによるガスを放出します。エチレンガスをよく出す果物はりんごやメロン、バナナなどです。野菜だとブロッコリーがダントツです。
このガスを人参が吸収してしまうと、傷むのが早くなってしまいます。一緒に冷蔵庫に入れない、エチレンガスを出すものはジッパー付きポリ袋に入れるなどの工夫をしましょう。
人参は冬場ならば常温保存することができます。一本ずつ新聞紙に包みます。新聞紙がない場合は、キッチンペーパーでもOKです。暑さ・湿気を嫌うので、温度が低く一定に保たれており、直射日光が当たらず、風通しがよい冷暗所で保存するようにしましょう。
立てて保存するのもポイントです。野菜は育った状態に同じように保存するとストレスがかからず、長く保存できます。キッチンペーパーが湿気ったら、こまめに替えるようにしましょう。この方法で保存した人参は約1週間日持ちします。
土の中に埋める方法もあります。通常の常温保存よりも長持ちします。
カットした人参は傷みやすいので、常温保存はNGです。冷蔵庫で保存するようにしましょう。
人参は夏場は必ず冷蔵保存します。冬場でも2〜3週間保存したい場合は冷蔵庫の野菜室にいれましょう。このときもキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて、立てて保存します。買ってきた袋のまま冷蔵するのは厳禁です!
丸ごと冷蔵保存する人参の保存期間の目安は約2週間です。
2週間以上保存したい場合は、ヘタの部分は切ると長持ちします。にんじんのヘタの近くに生長点があり、保存期間が長くなると葉を生やそうと根の栄養分を消費してしまうためです。すぐ食べる場合はわざわざカットする必要ありません。かえって酸化が進みます。
カットした人参はラップできっちり包み、ポリ袋にいれて冷蔵保存できますが、切った野菜は傷みが早いので数日以内に使い切るようにしましょう。前述した通り、半分だけ保存する場合は先の方を保存用にします(へたの方を先に食べます)。
人参は冷凍保存することもできますが、丸ごと冷凍してしまうと使うときに不便なので、必ずカットしてから冷凍しましょう。冷凍した人参は約1ヶ月ほど保存することができます。
人参は生のまま冷凍してもOKです。使い勝手いいように、お好みでカットをしましょう。写真はいちょう切りと細切りです。切った後にキッチンペーパーで水けをしっかり拭き取って、冷凍用のジッパー付きポリ袋に入れて、空気をしっかり抜き、冷凍庫へ。
冷凍する前に茹でることをブランチングといいます。ブランチングすると使うときに火の通りが早くて使い勝手がよい、以外に、変色しにくい、食感が悪くなりにくい、風味が落ちにくい、というメリットがあります。家庭用の冷凍庫は温度が急速冷凍ができませんので、ダイレクトフリージング(茹でずに冷凍)は向きません。時間がある方はなるべくブランチングするようにしましょう。
調理するときに使う切り方にします。写真では輪切りにしています。
冷凍するときは硬めに下茹でします。竹串を強く刺してやっと刺さるくらいが目安です。解凍方法ですが、基本的に冷凍したまま調理に使ってOKです。冷凍した人参は直接料理に使うと水が出るので、炒め物などで水けを嫌う料理の場合は、前日に冷蔵庫に移し自然解凍しましょう。お急ぎの場合は電子レンジを使って解凍する方法もあります。
人参は乾燥させて保存することもできます。一番よい乾燥方法は天日干し。野菜は干すことで保存期間が伸びるのはもちろんですが、栄養価が高まる、甘みが増す、噛みごたえが増す(いつもとは違う食感が楽しめる)、かさが減るのでたくさん食べられる(その分栄養が取れる)などのメリットがあります。
乾燥させた人参は密閉容器に入れ、常温または冷蔵で約1ヶ月ほど保存することができます。
輪切りした人参をキッチンペーパーで水けをしっかり取り、ザルに並べ、2日ほど天日干しします。
天日干しするのは、晴天の午前10時から午後3時までの時間帯がおすすめです。
天日干しすることでビタミンDが増加します。旨みも増し生とは違う食感が美味しい!そのまま和え物や炒め物で加熱したり、スープや汁物に投入して使うのも◎。
天日干しができない方はオーブンで水分を抜くこともできます。
鉄板の上にクッキングシートを敷き、その上に人参を並べます。100〜110度で20〜30分程度でゆっくり加熱します。
乾燥が足りないようであれば、さらに加熱しましょう。
オーブンよりももっとお手軽なのがレンジで乾燥させる方法です。耐熱皿の上にキッチンペーパーを敷き、その上に人参を並べます。600Wで5〜8分ほど加熱します。
電子レンジでの乾燥は時短で便利ですが、焦げたり燃えたりする場合があるので、こまめに確認しながら乾燥させましょう。
野菜は塩や味噌、油などに漬けて保存することも可能です。そうすることで、食材を酸素から遮断し酸化を防ぎ、微生物の繁殖も防ぎます。保存用なので味は少し濃いですが、ご飯のお供にピッタリ。人参は味噌漬けと醤油漬け、酢漬けがおすすめです。人参の漬け保存は、冷蔵で2週間ほど日持ちします。
人参のみそ漬けは冷蔵で2週間ほど保存ができます。
縦4等分に切った人参を、みそ:酒:みりん=4:1:1の割合で混ぜて作った漬けタレを密閉容器の中で人参全体にからめて、冷蔵庫へ。
人参のしょうゆ漬けも冷蔵で2週間ほど保存できます。
固めに茹でてからいちょう切りし、しょうゆ:酒:みりん=1:1:1の割合で作った漬けだれを、人参がひたひたになるくらいまで漬けます。
人参の酢漬けも冷蔵で2週間ほど保存できます。
固めに茹でてからスティック状にカットし、密閉容器に入れ、酢150ml、塩小さじ1、てんさい糖大さじ1で作った漬けだれを、人参全体が漬かるほど注ぎます。
最後に人参の作り置きにおすすめのレシピを紹介します。作り置きの保存期間の目安は冷蔵で2〜3日です。Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
人参だけで作るシンプルきんぴらのレシピをご紹介します。シャキっと歯ごたえのあるきんぴらです。煮汁がほんの少し残るまで煮詰めましょう。煮詰めることで味が整います。
人参きんぴらのレシピはこちら
こちらも人参だけで作るシンプルナムルです。人参を茹でて切り、調味料と和えるだけの簡単レシピです。
人参のナムルのレシピはこちら
黒酢にメープルシロップを足してコクがアップ。人参のシャキシャキ食感が美味。
人参の黒酢しょうゆ漬けのレシピはこちら
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