栄養価の高いことで知られるパプリカですが、美肌やアンチエイジングなどの効果は見込めるのでしょうか?本記事ではパプリカの美容効果について深堀りしていきます。
β-カロテンは、体内で必要量がビタミンAに変換されます。ビタミンAとしての働きを促すにはミネラルの亜鉛、ビタミンB群のナイアシンも必要になります。
ビタミンAは、皮膚や目、口、喉、内臓などの粘膜を正常に保つ働きがあります。肌の細胞の形成にも必要なビタミンで、肌のターンオーバーを促進します。正常化させ、乾燥肌やニキビ肌の改善が期待できます。ターンオーバーが正常化させることで、古い角質や毛穴の老廃物が排出され、シミやそばかす、くすみが改善され、ニキビ予防にも繋がります。また紫外線によりダメージを受けた肌細胞の修復と、紫外線の防御の効果もあります。
体内でビタミンAに変わったβ-カロテンは、体内で活性酸素の働きを抑え、活性酸素を取り除く抗酸化作用があり、体内の老化を防ぎます。ビタミンAは肌に限らず身体全体のアンチエイジングに関わります。
食事から摂取された糖質は、酵素の働きで分解されてエネルギーに変わります。この酵素を働かせるために必要な補酵素の役割をするのがビタミンB1です。日本人は昔から米を主食としているので、ビタミンB1が不足している人が多いです。ビタミンB1をしっかり摂取することで太りづらくなりダイエット効果が期待できます。
ビタミンCはたんぱく質からコラーゲンを合成するのに必要不可欠な栄養素です。身体を作っているたんぱく質の30%がコラーゲンで、細胞と細胞を繋ぐ接着剤のような役割を果たしており、皮膚や血管、筋肉、骨などを丈夫にします。コラーゲンは表皮の下層に位置する「真皮」の主成分で、肌のハリや弾力を保つ働きがあります。
ビタミンCの強い抗酸化力があり、細胞を酸化から守りアンチエイジングに繋がります。白血球を活性化させて免疫力を高める作用もあります。
さらには抗ストレスビタミンと言われているように、ストレス時に副腎に働きかけてアドレナリンの分泌を促す作用もあり、ストレスを撃退します。ストレスも美容にとって大敵ですので、ストレスを撃退してくれるビタミンCは美容を意識するうえで、とても大切な栄養素です。
日焼けは皮膚のアミノ酸の一種であるチロシンが酸化され、メラニン色素に変わるのが原因です。ビタミンCの抗酸化作用はメラニン色素の生成を抑え、日焼けの予防に役立つとされます。
多くの動物が体内でビタミンCを合成することができますが、人間は合成に必要な酵素がないため食品から摂取するしかありません。ビタミンCは吸収率が高いですが、一定量を超えると吸収されないまま排出されてしまいます。1日100〜200mg程度摂取すると吸収率は80〜90%と高いですが、1g以上摂取すると50%以下に低下します。
ビタミンEには強い抗酸化作用があります。
細胞膜にはビタミンEや不飽和脂肪酸が存在しています。不飽和脂肪酸は酸化されると過酸化脂質になり、細胞を破壊します。ビタミンEは自らが酸化されることで、過酸化脂質の生成を抑えます。この働きは老化の予防につながるといわれています。
ビタミンEは血液中のLDL(悪玉)コレステロールの酸化も抑える働きがあり、酸化によって進行する動脈硬化の予防にも役立つといわれています。
ビタミンEには末梢血管を拡張させて血行をよくする働きもあります。血行障害によって起こる肩こりや冷え性などを防ぎます。血行がよくなると肌も明るくなり、若々しい見た目になります。
カリウムは98%が細胞内液に存在し、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節など、様々な効果があります。腎臓でナトリウムが再吸収されるのを抑制し排泄を促進する働きがあるため、血圧を正常に保ちます。また、心臓や筋肉を動かし、熱中症やむくみの予防、また不要な老廃物を体外へ出す働きもあります。
赤いパプリカの赤色は、このカプサイシンの色です。カプサイシンは、体脂肪の分解を促進するアドレナリンがエネルギーの代謝をする作用を活発にする効果があるため、効率よく脂肪を燃焼させることができます。また、エネルギー代謝を活発にすることで体温が上昇して、発汗が促進されます。
また、カプサイシンには高い抗酸化作用があるのでアンチエイジング効果も期待できます。さらに上述したように代謝が促進するカプサイシンの効果は、皮脂の分泌を調整する作用もあります。そのため肌がきれいになる効果が期待できます。
ルテインは、目に良い成分として有名です。紫外線やブルーライトから目を守るので天然のサングラスとも呼ばれています。そんなルテインですが、目だけでなく皮膚にも含まれており、酸化や光のダメージから肌を守ってくれるので、美肌効果が期待できます。ルテインは肌を守ろうとすると消費されてしまうので、体内にしっかりと補うことが必要です。それによって目だけでなく肌の老化を防ぐことができます。
可食部100gあたり(赤いパプリカ)
エネルギー...28kcal
水分...91.1g
たんぱく質...1.0g
炭水化物...7.2g
脂質...0.2g
食物繊維...1.6g
糖質は(炭水化物から食物繊維を引いた値)5.6gです。
ピーマン:糖質2.8g、20kcal
トマト:糖質3.7g、20kcal
なす:糖質2.9g、22kcla
じゃがいも:糖質8.4g、59kcal
西洋かぼちゃ:糖質17.1g、78kcal
です。パプリカは低カロリーですが、やや糖質は高めであることが分かります。
ちなみにごはん(白米)の糖質は100gあたり35.6g、カロリーは156kcalとなっています。チョコレートの糖質は、ミルクチョコレートの場合100gあたり51.9gで550kcalにもなります。
出典:文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)
パプリカに含まれている「ビタミンA」は脂溶性なので、油脂と相性が良く、吸収を促進してくれます。例えば、にんにくと油で炒め物にしたり、マヨネーズや胡麻で和えて食べるなど工夫して食べてみましょう。ただし、油をとりすぎはニキビや肥満の原因になりますので、注意しましょう。
前述した通り、ビタミンCはたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。パプリカにはビタミンCも豊富に含まれているので、たんぱく質が豊富な食材と食べ合わせましょう。
また、カルシウムはたんぱく質が豊富な食材と一緒に取ることで、筋肉の修復や合成を促進しやすくなります。豚肉の薄切り肉で巻いて焼く、鶏ひき肉と一緒に炒め煮にする、などがおすすめです。
にんにくや玉ねぎに含まれるアリシンはビタミンB1と結びつき、効果を持続させる働きがあります。ビタミンB1には疲労回復を助ける効果があり、ビタミンB1が不足すると疲れやすくなってしまいます。
ビタミンB1は日本人に不足しがちな成分と言われています。多く摂取しても体外に排出されてしまうので、たくさん食べたところで効果アップが期待できるわけではありません。しかし、アリシンと結びつくことで体内に長く留まらせることができ、疲労回復の効果を持続させることができます。
ビタミンCは、鉄の吸収率をアップさせます。
鉄は、吸収率が低いと言われています。そのため鉄を含む食材を食べる際は、ビタミンCを豊富に含むピーマンを一緒に食べるようにするといいでしょう。鉄を多く含む食材にはレバーや赤身肉があります。他にもカツオや鶏卵、あさりや牡蠣、野菜では小松菜に多く含まれています。
パプリカは新鮮なものなら生でも食べられますが、繊維が硬いので生で食べる場合は刻んでサラダに入れるといいでしょう。しかし、加熱した方が繊維が軟化し、クセも抜けて食べやすくなります。
また、パプリカはピーマンと違って苦味がなく、甘みさえ感じられる食材です。そのためサラダやスムージーにしてもクセがありません。
加熱したり茹でることで減ってしまう栄養素もありますので、ぜひ生食もしてみましょう。
栄養成分にも色特有のものが加わり、赤パプリカはカプサンチン、黄パプリカはルテイン、紫パプリカはアントシアニンが含まれています。
カプサイシンは抗酸化作用を持ち、善玉(HDL)コレステロールを上昇させる働きがあるため老化や動脈硬化を予防する働きがあるといわれています。ルテインは紫外線やブルーライトから目を守るため「天然のサングラス」とも呼ばれています。アントシアニンはポリフェノールの一種で、視力・視覚機能の改善や眼精疲労の予防に効果があるとされています。
また、スイートタイプは辛味成分のカプサイシンはほとんど含まれません。
パプリカの色による栄養の違いについては、下記の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
パプリカと赤ピーマンの違い。見た目・味・使い方・栄養・旬を比較
一般的にピーマンと呼ばれるものは青ピーマンで実が未熟なものです。この青ピーマンが成長すると赤ピーマンになります。ちなみに赤ピーマンになるまで約7週間かかり、独自の青臭さが減り、甘みが増します。
赤ピーマンとパプリカはともにナス科トウガラシ属の野菜で、トウガラシの仲間ではありますが、同じ野菜ではありません。パプリカの方が大きく肉厚で、甘みが強く苦味が弱いので食べやすいのが特徴。ピーマンはトウガラシの辛味をなくし、果実を肉厚に改良されたものです。そしてパプリカもピーマンと同様に、とうがらしを品種改良したものです。
ピーマンの栄養や効能についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
パプリカの種やワタには多くの栄養が含まれています。
種にはカリウムが多く含まれていて、ワタにはパプリカ特有の栄養素であるピラジンが含まれています。なんとワタの栄養は皮の10倍にもなるんです!体に良い効果がたくさんの栄養素が詰まっているため、種やワタは一緒に調理して食べるといいでしょう。
最後にパプリカのおすすめレシピを紹介します。
Filyのレシピはすべて小麦粉・乳製品・白砂糖不使用です。
カレー粉でごはんが進む一品です。彩りも◎。簡単に作れますので、ぜひお試しください。
パプリカに含まれるβ-カロテンは油と炒めると吸収率がアップします。
パプリカとピーマンのカレー炒めのレシピ
いんげんとパプリカの食感が美味しいガパオライスです。ナンプラーを使った本格風味ですが、簡単に作れます。
パプリカに含まれるビタミンB1は糖質をエネルギーにする役割があるため、ごはんと一緒に食べるのがおすすめです。
いんげんとパプリカのガパオライスのレシピ
甘みのあるズッキーニとお肉がよく合い、ごはんが進みます。大きめに切った食材の食感がGOOD。
パプリカに含まれるビタミンCは、鶏肉に含まれるたんぱく質がコラーゲンになるのに必要不可欠な栄養素です。コラーゲンには美肌効果が期待できます。
ズッキーニとパプリカのそぼろのレシピ
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