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パプリカと赤ピーマンの違い。見た目・味・使い方・栄養・旬を比較

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パプリカと赤ピーマンの違い。見た目・味・使い方・栄養・旬を比較

パプリカと赤ピーマンの違いをご存知でしょうか。本記事ではパプリカと赤ピーマンの違いを解説します。

パプリカと赤ピーマンの違い①分類

パプリカと赤ピーマンはどちらもナス科トウガラシ属の野菜で、広くいえばどちらもピーマンの一種といえます。ピーマンは形状により、厚肉大果種、中肉中果種、薄肉中果種、薄肉小型種に分類されます。

パプリカ

パプリカは、厚肉大果種に分類されます。

ヨーロッパを中心に海外では厚肉大果種が主流です。「パプリカ」という名前は、ハンガリーで辛味のないピーマンを「パプリカ」と呼んでいたことに由来しています。

パプリカは完熟してから収穫される完熟果です。未熟ではピーマンのような緑色をしていて、熟していくにつれて黄色・オレンジ・赤と変色していきます。

赤ピーマン

赤ピーマンは、薄肉中果種に分類されます。

私達が普段食べている緑色のピーマンも薄肉中果種で、熟す前に収穫された未熟果です。熟していくにつれてパプリカと同様に黄色・オレンジ・赤と変色していきます。

緑色のピーマンを熟してから収穫した完熟果が赤ピーマンとして販売されています。

パプリカと赤ピーマンの違い②旬

パプリカ

パプリカの旬は6月〜8月です。

パプリカは市場に出回っている9割が輸入品であり、ハウス栽培されていることも多いので1年中手に入れることができますが、夏頃にもっとも多く出回り価格も安くなります。

そもそも旬って?

一般的にいわれる旬とは、野菜や果実が全国的に露地栽培でよく収穫され、味が美味しい時期を指します。露地栽培とは、ハウスなどの施設を使わず屋外の畑で栽培する方法のことです。

赤ピーマン

赤ピーマンの旬は6月〜9月です。

緑色のピーマン未熟果なので開花後、15~20日ほどして収穫されますが、赤ピーマンは開花後50~60日ほどして収穫しているため時間がかかります。

そのため旬の時期は若干ずれますが、近年ではハウス栽培も増えているので赤ピーマンも通年市場に出回っています。しかし、完熟してから収穫されているぶん日持ちしないため流通量はそこまで多くありません。

パプリカと赤ピーマンの違い③見た目・大きさ

パプリカ

パプリカは大きく皮が肉厚なのが特徴

パプリカはベルのような形をしていて、赤ピーマンよりもふっくらとしているのが特徴です。

また、厚肉大果種に分類されるパプリカは赤ピーマンよりも大きく重さはだいたい150g程です。

赤ピーマン

ピーマンは小さく皮が薄いのが特徴

赤ピーマンは緑色のピーマンと同じく細長い形をしているのが特徴です。

大きさはパプリカよりも小さく、重さはだいたい30g〜40g程です。

パプリカと赤ピーマンの④違い食感・味

パプリカ

パプリカは肉厚で、水分量が多いため噛むと柔らかくジューシーな食感が特徴です。肉厚であるぶん、赤ピーマンよりもしっかりとした食べごたえがあります。

パプリカは青臭さや苦味が少なく、ほのかな酸味と甘味があります。そのため青臭さや苦味が苦手な方でも食べやすいです。

赤ピーマン

赤ピーマンはシャキシャキっとした食感が特徴です。未熟果の緑色のピーマンと比較すると、若干柔らかさがあります。

赤ピーマンはパプリカと比較すると青臭さや苦味を感じやすいですが、緑色のピーマンと比較すると青臭さや苦味は少なく、ピーマンが食べられない方でも食べやすいです。

パプリカと赤ピーマンの栄養素・カロリーはほぼ同じ


パプリカと赤パプリカには「ビタミンエース」と呼ばれ、抗酸化作用があるビタミンA・C・Eの全てが豊富に含まれています。

また、パプリカと赤ピーマンの赤色は「カプサイシン」と呼ばれる成分によるもので、カプサイシンは末梢血管まで血流を良くする働きがあり体をあたためてくれるため、冷え性改善が期待できます。新陳代謝が活発になるため血行促進され老廃物の排出や疲労回復の効果が見込めます。さらに副腎からアドレナリンの分泌を促し、発汗や強心作用を促進してくれます。

上述したように赤ピーマンは緑色のピーマンが熟したものですが、緑色のピーマンと比較すると、β-カロテンやビタミンC、カリウムなどの含有用が増え、特にβ-カロテンの含有量は緑色のピーマンの約2.8倍です。熟したほうが栄養価が高くなります。

生のパプリカと赤ピーマン100gあたりのカロリーは28kcalです。

パプリカと赤ピーマンの食べ方も同じ

パプリカと赤ピーマンは、どちらも生食や炒めものなど幅広い用途で使うことができます。食感や味など好みによって使い分けると良いでしょう。

どちらも生食におすすめ

パプリカと赤ピーマンは、どちらも青臭さや苦味が少なく生食しやすいです。そのため、サラダにしたり酢の物にして食べるのがおすすめです。

野菜の生食は栄養素を無駄にすることなくしっかりと摂取することができるので、栄養価を差あげたくない方は生食するのが良いでしょう。赤ピーマンはパプリカよりも苦味を感じやすいので、小さなお子様などが食べる場合はパプリカを使うと良いでしょう。

油との相性が良い◎

パプリカと赤ピーマンはどちらも油との相性が良く、炒めものにするなど加熱調理にも向いています。

パプリカと赤ピーマンんに含まれているβ-カロテンは加熱することで吸収率が1.5〜2倍にアップします。また、脂溶性なので野菜炒めなど油と炒めることでβ-カロテンの吸収率は6倍にもなります。ちなみに生食の場合も油が入ったドレッシングと合わせるだけで生食の4倍の吸収率になるので、マヨネーズやドレッシングをかけて食べるのが良いです。

炒めものにする場合は火が通りやすい赤ピーマンがおすすめです。

パプリカと赤ピーマンはお互いに代用可能?

パプリカと赤ピーマンはお互いに代用することができます。例えば、ガパオライスに使うパプリカがないときは、赤ピーマンで代用可能です。

ただし、上記で紹介したようにパプリカと赤ピーマンは食感や味が異なります。そのため、全く同じように仕上がるわけではないので注意が必要です。