じゃがいもはフライパンを使って蒸し茹でにすると栄養素の流出を最小限に抑えられるなどのメリットがあります。本記事ではじゃがいもをフライパンを使って茹でる方法などを紹介します。
じゃがいもはフライパンを使って茹でることもできます。じゃがいもをフライパンで茹でるのには、下記のメリットがあります。
フライパンでじゃがいもを茹でると、鍋で茹でるのと比較して少量の水で茹でることができるので節水になります。さらに、フライパンの形状上吹きこぼれにくいというメリットもあります。
これはじゃがいもを茹でるときだではなくパスタを茹でるときなどにも当てはまることです。茹でる=鍋と思われがちですが、フライパンは炒めるだけではなく茹でるときに使うこともできるので覚えておくと良いでしょう。
フライパンを使えば少ない水の量で茹でることができるのに加えて、鍋よりも広い表面積を持つため沸騰までの時間が通常の鍋よりも速くなります。これにより、鍋で茹でるよりも短時間で調理を完了させることができます。
じゃがいもをフライパンで茹でた後にそのまま炒めたりすることもでき、多様な料理に対応できる利点もあります。
鍋で茹でると、じゃがいも全体がお湯に浸かる状態になります。そのため、水溶性の栄養素が流出してしまうデメリットがありますが、フライパンで蒸し茹でにすれば少ない量の水で茹でることができるので栄養を守ることができます。
じゃがいもは「畑のりんご」と呼ばれるほど、ビタミンCが豊富に含まれています。可食部100gあたりに含まれるビタミンCの量は28mg!そんなビタミンは水溶性です。また、水溶性成分はビタミンCだけではありません。体内の余分な塩分を排出し、バランスを調整してくれる「カリウム」も流出してしまいます。
栄養を無駄にしてしまわないためには蒸し茹でがおすすめです。
じゃがいもを茹でるときは皮を剥いたりカットしておくと調理をするときに便利ですが、皮付きのままのほうが栄養が流出しにくいのでおすすめです。
皮ごと茹でることで水溶性の栄養素を9割キープできるといわれています。皮付きのままでもカットしてあると断面から栄養素が流出してしまいますので、じゃがいもの栄養素を重視するのであれば「丸ごと皮付き」がベストです。しかし、フライパンを使う場合は丸ごとだと難しいので半分にカットして蒸し茹でが良いです。
じゃがいもに芽が生えていた場合は、しっかりと取り除きましょう。
じゃがいもの芽にはソラニンやチャコニンといった天然毒素が含まれており、一定量摂取すると吐き気やおう吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなど症状が出る可能性があります。
ソラニンとチャコニンは、グルコースやガラクトースなどの「糖」と、植物由来の窒素を含んだアルカリ性(塩基性)物質である「アルカロイド」からできているグリコアルカロイド(糖アルカロイド)と呼ばれる成分の一種です。育っていく中で外敵に食べられてしまわないようにソラニンやチャコニンといった有害物質をもつようになったといわれます。
ソラニンやチャコニンは特に芽の根元に多く存在していますので、表面に出ている部分だけではなく根元から身もえぐり取るようにすることが大切です。まだ小さな芽の出始めの部分にもチャコニンやソラニンが含まれています。まだ小さいから大丈夫と思ってしまいがちですが、小さな芽も必ず取り除きましょう。
出典:食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報(農林水産省)
じゃがいもを鍋で茹でる場合は、まずしっかりとじゃがいもを洗って汚れを落とします。土に埋まった状態で育っているじゃがいもは、土汚れがついていることが多いのでしっかりと洗いましょう。
あまり汚れていない場合は軽く水洗いするだけで大丈夫です。土汚れがひどい場合は流水にさらしながらたわしや硬めのスポンジでこすると綺麗に落とすことができます。
綺麗に洗ったら芽を取り除きます。
じゃがいもを綺麗に洗って芽を取り除いたら、皮つきのまま半分にカットします。
半分にカットしたら、カットした断面が上にくるようにしてフライパンに並べていきます。断面が水につかるように入れてしまうと水溶性の栄養素が流出してしまうので注意しましょう。
フライパンにじゃがいもを並べたら、じゃがいもの半分ぐらいの高さまで水を入れて蓋をします。水分量が少なすぎると加熱中に水分が蒸発して焦げてしまうので注意しましょう。
水を入れて蓋をしたら、中火にかけ、沸騰したら弱火にして15分ほど加熱します。
じゃがいもの大きさによっても加熱時間はかわってきます。竹串を通してかたさを確認し、かたければ柔らかくなるまで加熱時間を追加していきましょう。
じゃがいもをフライパンで茹でるときは、水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えるために蒸し茹でにするのがおすすめですが、フライパンを鍋の代わりにして茹でることもできます。
じゃがいも全体を水に浸かるようにしっかり茹でることで、均一に火を通すことができるので、しっかりと茹でて柔らかくしたいときにおすすめです。また、茹で汁にはじゃがいもから溶け出したでんぷんや風味成分が含まれているので、ソースやスープのベースとして活用することができます。
栄養素の流出を抑えるためには丸ごと茹でるのが望ましいですが、フライパンの場合は丸ごとだとじゃがいも全体がつからないので、綺麗に洗ったら皮を剥いてカットします。
大きさは均等になるようにしましょう。大きさに違いがあると加熱ムラができてしまいます。
じゃがいもをカットしたら、じゃがいもがしっかりつかるぐらいの水を入れたフライパンに入れます。じゃがいもを茹でるときは、水から茹でるのがポイントです。
水からゆっくり加熱することで、加熱ムラができたり煮崩れしてしまうことを防ぐことができます。
水を入れたフライパンにじゃがいもを入れたら加熱していきます。
茹で時間は大きさによっても異なりますが、中・Mサイズ(皮なしで108g)のじゃがいもを皮を剥いて、8等分にカットした状態で茹でた場合は8〜10分程です。
皮を剥いてカットしていることで火の通りが早くなります。皮を剥いてカットしている分、栄養素はかなり流出してしまうので茹ですぎないように注意しましょう。
じゃがいもはフライパンで茹でる以外にも、蒸したりレンジを使って加熱することも可能です。
じゃがいもは蒸しても美味しく食べることができます。蒸せば水溶性の栄養素の流出を最小限に抑えることができますし、味が薄くなってしまうこともありません。
じゃがいも丸ごと皮つきのまま蒸す場合は、よく洗った後に切り込みを入れます。鍋に水を入れて沸騰させたら、じゃがいもを入れた蒸し器を入れて蓋をします。
蒸し時間はじゃがいもの大きさにもよりますが、だいたい20分程です。竹串がすっと通るようになったら完了です。
圧力鍋を使うと、よりスピーディー(約10分程)で火を通すことができるので便利です。
じゃがいもをレンジで加熱すると時短になります。また、茹でるのとは異なりビタミンCなどの水溶性の栄養素の流出を防ぐことができます。
じゃがいもを丸ごとレンジで加熱する場合は、綺麗に洗い、芽を取ったら1個ずつラップに包みます。このときじゃがいもの皮に切り込みを入れておくと加熱後皮が剥きやすくなりますが、切り込みを入れなくても剥くことができるのでそのままラップに包んでも大丈夫です。
複数個のじゃがいもをまとめてラップに包んでしまうと、熱が均一に伝わらなくなってしまうのでNGです。必ず1個ずつ包み、加熱も1個ずつ行うのがおすすめです。
ラップで包んだら、1個につき600Wで3分を目安に竹串がすっと通るようになるまで加熱します。
じゃがいものレンジでの蒸し方はこちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【レンチンするとじゃがいもがパサパサになる?】
じゃがいもをレンジで加熱すると、パサパサになってしまうことがあります。
これは電子レンジが食材の水分を蒸発させてしまうためです。じゃがいもは元々水分量が少ない野菜であり、さらに火が通りづらいため長時間加熱をすることで水分が飛んでしまいパサパサになってしまいます。
湿らしたキッチンペーパーで包んでからラップすると、水分が飛んでパサパサになってしまうことを防ぎ、柔らかい仕上がりにすることができます。
カットをしてから加熱することも可能ですが、切り口から水分が飛んでしまうためパサパサになることを防ぎたい場合はカットより丸ごとがおすすめです
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