茶色くなったカリフラワーは食べてOK？原因と対処法を解説

カリフラワーが茶色く変色する原因は？

表面の茶色いシミはポリフェノールの酸化

カリフラワーの花蕾（からい）と呼ばれる頭の部分が茶色に変色している部分があったり、茶色いシミができているように見える場合は、カリフラワーに含まれているポリフェノールが酸化したことが原因です。

ポリフェノールとは植物がもつ苦味や渋みとなる化合物の総称です。構造の違いによって様々な種類があり、カリフラワーにはフラボノイドやアントシアニンなどのポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールは空気中の酸素に触れることで酸化し、茶色っぽくなったり黒っぽく変色する性質があります。例えばカットしたりんごを置いておくと茶色く変色していくのもポリフェノールが酸化したことが原因です。

カリフラワーは実は繊細な野菜で、ちょっと強く触ってしまっただけでも細胞が破壊され、次の日には触った部分だけが茶色くなっているなんてこともよくあります。

汚れがついているだけの場合も

単に土汚れや流通する過程でついてしまった汚れがついてしまって、茶色く変色しているように見えることもあります。白い洋服に汚れがつくのと同じで、もともと白いカリフラワーは汚れがつくと目立ちます。

単に汚れがついただけであれば水で洗い流すことができるので、すぐにわかるでしょう。

茹でて茶色は化学反応

生の状態では綺麗な白色をしていたのに、茹でたら茶色く変色してしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。これはカリフラワーの色素となっているフラボノイドが茹でることで化学反応を起こしたためです。

フラボノイドは上述したようにポリフェノールの一種です。フラボノイドにはアルカリ性では濃黄色や褐色に変色する性質があり、水道水はpH7の弱アルカリ性であるため茹でることで茶色っぽく変色したり黒っぽく変色してしまいます。

これは同じくフラボノイド色素をもつごぼうやれんこんにも起こる現象です。

全体的に茶色は腐敗

一部が茶色く変色している場合は上述したように、ポリフェノールの酸化が原因であったり、汚れがついているだけのこともあるので腐敗しているとは言いきれませんが、全体的に茶色く変色してしまっている場合は腐敗している可能性が高いです。

全体的に茶色く変色してしまっている場合は、異臭がしたり柔らかくなっているなど腐敗のサインが見られることが多いです。腐敗しているカリフラワーの特徴は後述しますのでそちらを参考にしてください。

茶色く変色したカリフラワーの対処法

カリフラワーが茶色く変色してしまう原因はおわかりいただけたかと思います。それでは茶色く変色してしまったカリフラワーの対処法を解説します。

ポリフェノールの酸化は早めに食べる

ポリフェノールの酸化が原因で茶色く変色してしまっているカリフラワーは、食べることができます。変色の原因となっているポリフェノールは抗酸化作用があり、人間に害のある成分ではありません。

ただし、ポリフェノールが酸化して茶色く変色してしまっているということは鮮度が落ちている状態です。

苦味が出ていたり、食感が悪くなっていることもあります。気になる場合は変色している部分をカットして食べると良いです。

また、そのままにしておくとさらに酸化が進み黒っぽく変色し、腐敗していってしまいます。そのため、酸化によって茶色く変色してしまっているカリフラワーは早めに食べきるようにしましょう。

汚れはしっかり洗って落とす

単に汚れがついてしまっているだけの場合は、綺麗に洗って汚れを落とせば問題なく食べることができます。

そもそも、カリフラワーの花蕾には内側の部分にも土汚れがついていたり、虫がついていることがあるのでしっかりと洗ってから食べるべきです。洗って汚れを落とすことは、残留農薬を落とすことにも繋がるので、しっかりと洗ってから食べるようにしましょう。

カリフラワーを丸ごと洗う場合は、ボウルに水をたっぷり入れて、カリフラワーを反対向きにして蕾の方を水に漬けます。回したり、上下に動かしたりして、しっかり汚れを落とします。何度か水を変えながら洗うと綺麗に汚れを落とすことができます。

このとき冷水だとカリフラワーが弾いてしまうので、30〜40度のぬるま湯で洗うと良いです。

小房に分けてから洗う場合もボウルにためた水に入れて洗います。カットしたカリフラワーは浮きやすいので、手で水の中に浸けるように揉みながら洗います。この時、力を入れてしまうと蕾が潰れてしまいますので、やさしく扱ってください。

小房に分けて洗ったほうが花蕾の内側までしっかりと洗うことができますが、カットすることでビタミンCやカリウムなどの水溶性の栄養素が流出してしまうので、栄養素の流出を抑えたい場合は丸ごと洗うのが良いです。

茹でて茶色も食べることができる

茹でて茶色く変色してしまったカリフラワーも腐敗しているわけではないので、食べることができます。見た目は悪くなってしまいますが、味や食感の変化も特にありません。

そうはいってもサラダにしたい場合など、茶色く変色して見た目が悪くなってしまうのは分けたいですよね。カリフラワーを茹でたときの茶色く変色してしまう現象は、茹でるときの一工夫で防ぐことができます。

腐敗による変色は破棄

腐敗によって全体的に茶色く変色してしまっている場合は残念ながら食べることはできませんので破棄しましょう。

カリフラワーに限らず腐敗した食材は美味しく食べることができないだけではなく、細菌が分布していることが多く、細菌の種類によっては腹痛や嘔吐の症状が出ることがあります。そのため、腐敗したカリフラワーは破棄するのが無難です。

カリフラワーが茶色く変色するのを防ぐ方法

続いて購入したカリフラワーが茶色く変色してしまうのを防ぐ方法を紹介します。

茹でて茶色は酢またはレモン汁で防げる

茹でることによる変色は、カリフラワーを茹でるときに水に酢またはレモン汁を加えることで防ぐことができます。

上述したようにカリフラワーのフラボノイド色素は、アルカリ性では黄色になりますが、酸性では無色になる性質があります。そのため酢やレモン汁を加えて酸性にすることで白く仕上げる効果が期待できます。

しかし、酢を加えることで固くなってしまう難点があります。野菜の細胞壁はセルロースからできた繊維が重なっており、その間をペクチンが塗り固めて固い壁をつくっています。野菜を加熱すると軟らかくなるのは、固い壁を作っているペクチンが熱によって分解されるためです。ペクチンはpH5以上およびpH3以下で急速に軟化し、pHが下がると分解されにくくなることがわかっています。

そこで、促進効果がある塩を加えることで、カリフラワーが固くなってしまうことを防ぎ、柔らかく茹で上げることができます。

また、水で溶いた小麦粉を入れておくとカリフラワーから溶け出たポリフェノールなどを吸着してくれるためポリフェノールが酸化して変色するのを防ぐ効果が期待できます。

ポリフェノールの酸化・腐敗による変色は正しく保存することで防げる

ポリフェノールの酸化や腐敗による変色は、正しく保存することで防ぐことができます。正しく保存することは、変色を防ぐだけではなくより長く美味しく食べることに繋がりますので、カリフラワーを購入したら正しい保存方法で保存しましょう。

それでは、続いてカリフラワーの正しい保存方法を紹介します。

カリフラワーの正しい保存方法

次に、カリフラワーの正しい保存方法をご紹介します。カリフラワーは正しく保存することでより長く美味しく保存することができます。下記でご紹介している保存方法をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご確認ください。

常温保存

丸ごと（冬のみ1日）

カリフラワーは高温と乾燥に弱いため基本的に常温保存はおすすめしませんが、冬ならば冷暗所で1日程度保存可能です。その場合は新聞紙などで包むようにするとよいでしょう。常温保存はすぐに黄色くなってしまうこともあるので注意しましょう。

冷蔵保存

生を丸ごと（10〜12日）

すぐに使うなら、冷蔵保存がベストです。正しく保存すれば、カリフラワーの冷蔵保存の期間の目安は10〜12日程度です。

カリフラワーをみずみずしく鮮度を保って冷蔵保存するには、茎の根元を切りグラスなどに挿し、茎が数cm浸かる程度の水を入れ、ポリ袋をかぶせて輪ゴムで留めます。冷蔵室でも構いませんが、野菜室の方が湿度が高くベターです。

湿らせたキッチンペーパーでカリフラワーを包みジッパー付きポリ袋に入れて保存する方法もありますが、水につける方がはるかに鮮度が保たれます。

何もせずに冷蔵保存すると2〜3日で鮮度が落ちてしまうので、このひと手間の効果は絶大です！

茹でて（2〜3日）

塩茹でしたカリフラワーが余ってしまった場合は、保存容器で2〜3日、冷蔵保存することも可能です。カリフラワーから水が出てベチャベチャとした食感になってしまうのを避けるため、保存容器にキッチンペーパーを敷き、カリフラワーを立てて（蕾の部分を上にして）敷き詰めます。

生のまま冷蔵保存しているカリフラワーに比べて、茹でたカリフラワーの冷蔵保存は傷みが早いので、2〜3日を目安にすぐに食べ切るようにしましょう。

冷凍保存

長期保存するならば冷凍します。カリフラワーの冷凍保存の期間の目安は約1ヶ月です。

カリフラワーを冷凍保存するとき、茹でるか、生か、どっちがよいか迷う方が多いと思います。カリフラワーはどちらの方法も可能で、メリット・デメリットがあります。

ちなみに、直接冷凍する方法を「ダイレクトフリージング」、冷凍する前に茹でることを「ブランチング」といいます。

茹でて（1ヶ月）

小房に分けたカリフラワーを硬めに塩茹でし、自然に冷まし水けをしっかり切ったら、ジッパー付きポリ袋に入れ空気をしっかり抜き保存。茎も小さめに切っていれましょう。

家庭用冷凍庫では基本的にブランチングするのがおすすめです。家庭用の冷凍庫では、野菜を急激に冷やすことができないのでダイレクトフリージングに向きません。ブランチングしないと、変色し、風味が落ち、食感が損なわれてしまいます。茹でる以外に、カリフラワーを電子レンジで確認してから冷凍する方法もあります。

生のまま（1ヶ月）

生の場合も小房に分けたカリフラワーをジッパー付きポリ袋に入れ、空気をしっかり抜いて保存します。

ダイレクトフリージングでは栄養素が逃げづらい（特に水溶性のビタミンCやB群、カリウムなど）、茹でる面倒が省ける、解凍したときに柔らかい食感にならない（サラダなどに向く）というメリットがあります。

冷凍カリフラワーの解凍方法

サラダに使うならば前日に冷蔵室に移動させ自然解凍させます。炒め物や煮込み料理など加熱する場合は冷凍した状態のまま使うことができます。また、電子レンジを使って解凍することもできますが、やり方によってはべちゃべちゃとした仕上がりになってしまう場合もあります。

冷蔵保存や冷凍保存の他にも酢やオリーブオイルに漬けて保存する漬け保存や、天日干しやオーブンやレンジで水分を飛ばして保存する乾燥保存をすることもできます。

腐敗したカリフラワーの特徴

一部が茶色く変色しているだけであれば食べられることもありますが、下記のような特徴があるカリフラワーは腐敗しているので食べることはできません。

見た目

腐敗したカリフラワーの見た目の特徴は下記の通りです。

• カビが生えている

• 全体的に黒・茶色に変色している

• 溶け出している

カリフラワーに黒い斑点がある場合は黒カビが生えています。じゃがいものような根菜は表面のみにカビが生えていて中まで侵食していなければ、変色している箇所を取り除けば食べることができると言われていますが、カビはカビ毒を発生させ下痢や嘔吐などの中毒症状を起こすこともあるため注意が必要です。

カリフラワーは変色しているからといって必ずしも腐敗しているとは限りませんが、全体的に黒くなっている場合も腐敗している可能性が高いです。腐敗が進むと溶け出している箇所があることもあります。このような場合は破棄しましょう。

臭い・味

腐ったカリフラワーの臭いや味の特徴は下記の通りです。

• 生ゴミのような臭い

• カビ臭い

酸っぱい臭いや生ゴミの臭い、カビ臭いなどあきらかに普段感じないような臭いがするときは腐敗しています。

カビが生えていないように見えてもカビ臭さを感じる場合は、見えない部分にカビの胞子が入り込んでいる可能性があります。カビには様々な種類があり、墨汁のような臭いを感じさせる「2-メチルイソボルネオール」や土臭さや泥臭さを感じさせる「ジェオスミン」といった代表的な悪臭を放つ種類がいます。また、カビ自体は臭いを感じさせる成分を出さない種類もいますが、カビ自体が臭いを出さなくてもカビの餌になる物質がカビの作用によって変化することで発生する臭いなどで、人に「カビ臭い」と感じさせます。心配な方は破棄するのが無難です。

触感

腐ったカリフラワーの触感の特徴は下記の通りです。

• 柔らかい

• ぬめりがある

カリフラワーを触ったときにグニュッとした感触があったり全体的に柔らかくなってしまっている場合は、腐敗が進み溶け出してしまっている状態です。また、表面がぬめぬめしている場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。新鮮なカリフラワーにはぬめりがでることはありませんので、ぬめりが出ているカリフラワーは破棄しましょう。

新鮮なカリフラワーの選び方

当たり前ですが、購入する際に新鮮なカリフラワーを選んだ方が美味しく食べることができますし、保存期間が長くなります。鮮度が落ちているカリフラワーは味が落ちていることが多いので、購入する際は新鮮なカリフラワーを選びましょう。

新鮮なカリフラワーの特徴は下記です。

• 花蕾が密集しており締まっている

• 外側の葉がしおれていない

• ずっしりとした重みがある

• 茎に穴があいていない

茎に空洞ができるのは生長しすぎているためであり、腐敗しているわけではないので食べることはできますが、生長しすぎているものは水っぽく、鮮度の落ちが早いので注意です。あまりに大きな空洞があるものは傷みがかなり進んでいるので選ばないようにしましょう。