大根の皮はむかずに調理をしても良いですが、煮物にするときなどは厚めに剥いて調理をすると煮崩れ防止になり、味を短時間でしっかりと染み込ませるなどのメリットがあります。本記事では大根の皮むきのポイントや大根の皮の剥き方を詳しく解説します。
大根の皮はむかずに調理をすることもできますが、特に煮物に使う場合は皮は少し厚めに剥いて調理をするのがポイントです。
皮を厚めに剥いておくことで火の通りが均一になり、煮崩れを防ぐことができます。大根の皮付近には筋があり中の部分と比較して火が通りにくく、外側が柔らかくなるまで煮込もうとすると中の部分が煮崩れしてしまいます。また、皮を厚めに剥いておくことで短時間で味をしっかりと染み込ませることができます。
さらに、大根の皮付近の筋にはポリフェノールが含まれています。ポリフェノールとは、ほとんどの植物に存在する苦味や色素の成分です。大根の場合は皮付近の筋に集結しているため、皮を厚めに剥いて調理することで苦味を軽減することができ、小さなお子様でも食べやすくなります。
皮付近の筋は口当たりも悪くするため、煮物などの調理に使う場合は厚めに剥いておく方が口当たりをよくすることができます。
大根の皮は必ずしも剥かなくてはいけないわけではありません。例えば緑色に変色してしまったじゃがいもは、緑色の部分にソラニンやチャコニンといった天然毒素が多く含まれているため、剥かずに食べてしまうと吐き気や腹痛などの中毒症状が起こる可能性がありますが、大根にはソラニンやチャコニンのような天然毒素は含まれていないため、剥かずに食べても人体に害はありません。
大根の皮にも栄養が含まれているため、栄養価を下げないためにも生の大根をサラダにして食べる場合などは、皮を薄めに剥いて使っても良いです。皮を薄めに剥くことで皮の食感が残るので、栄養価を高めるだけではなく食感を楽しむことができます。
生で食べる場合だけではなく、きんぴらにする場合など皮の食感が残っても問題ない料理であれば薄めに剥いて調理をして皮の食感を活かすと食べごたえが出ます。
大根の皮にはビタミンCやカルシウム、葉酸などの栄養素が含まれています。特にビタミンCは普段私達が食べている大根の白い部分(根)よりも皮や皮付近の方が多く含まれています。
また、大根の皮には根と同じように
アミラーゼ(別名ジアスターゼ)
プロテアーゼ
グリコシダーゼ
アミダーゼ
オキシダーゼ
カタラーゼ
ベルオキシダーゼ
などの消化酵素が含まれており、たとえばアミラーゼはでんぷんを分解する酵素で、食べ物の消化をサポートし、さらに胸焼けや胃もたれを防ぐ効果があると言われています。
そのため、大根の皮を剥いたら捨てずに保存しておき、別で調理をして食べると大根の栄養素をしっかりと摂取することができます。大根の皮はきんぴらや漬物などにして食べると美味しいですよ。
大根おろしも皮ごとすりおろした方が、栄養価は高くなります。また、大根の皮にも辛味成分であるイソチオシアネートが含まれているため、皮ごとすりおろした方がピリっとした辛味を感じることができます。
しかし、上述したように大根の皮付近には苦味成分であるポリフェノールが多く含まれているため強い苦味を感じることがあります。
大根は一年中販売されている野菜ですが、特に「春大根」「夏大根」と呼ばれる3~8月に収穫される大根は、寒さに強い日差しを浴びて育っているためポリフェノールが多く生成されている傾向にあります。またイソチオシアネートと呼ばれる成分も多く生成されていて辛味も強いです。
そのため苦味や辛味が苦手な方は春や夏に収穫される大根は、皮を剥いてからすりおろした方が比較的食べやすいです。反対に冬に収穫される大根はポリフェノールの含有量が少なく、甘味が増しているため皮を剥かずにすりおろして食べると良いでしょう。
大根は上部(首部)・中部・下部と3つにわけることができ、それぞれ辛味成分の含有量や水分量など異なる特徴をもちます。そのため、それぞれの特徴に合わせた調理をするとよりおいしく大根を食べることができます。
大根の葉に近い上部の部分は、大根の部位の中で最も甘味が強く水分が多いのが特徴です。固めでみずみずしいシャキシャキとした食感を楽しむことができます。
甘味が強いのは大根の辛味成分の含有量が少ないためです。大根の辛味や苦味の元になっているのはイソチオシアネートと呼ばれる成分です。主に辛味となっているのが「アリルイソチオシアネート」というイソチオシアネートの一種です。
辛味成分の含有量が少ないため大根おろしにしてもマイルドな辛味になります。
大根の中部はややかための食感で、辛味成分の含有量は上部と下部の中間です。甘味と辛味のバランスがちょうどよいのが特徴で、生食にも加熱調理にも使える万能部位です。
辛味成分も上部より多く含まれ、大根らしい味わいを楽しむことができます。そのため大根おろしにしても美味しいです。上部では辛味が少なくて物足りないけれど、下部では辛すぎるという方におすすめです。
大根の下部は、最も辛味成分を多く含む部位で辛味が強く水分が少ないのが特徴です。辛味成分の含有量は最も少ない上部の約10倍と言われています。
つまり、大根は上部から下部にいくにつれて辛味成分の含有量が多くなるということです。下部に最も辛味成分が含まれている理由には諸説ありますが、下部で活発に細胞分裂を行い成長するため、害虫などの天敵を寄せ付けないよう辛味成分を多く含むようになったと考えられています。
ちなみに、大根は気温が高いほど辛味成分が多くなります。そのため、大根の上部や中部は冬に採られた大根と比較して初夏に採られた大根の方が基本的には辛味が強いです。しかし、下部は冬の時期に採られたものの方が辛いです。
大根の皮を包丁で剥く場合は、まず3~5cm幅の輪切りにします。
大根の幅は薄すぎても厚すぎても持ちにくくなってしまうので3cm〜5cmほどの持ちやすい厚さにカットすることが大切です。
大根を輪切りにしたら、大根を縦に持ちます。
包丁の刃を縦に当てて親指を添えたら、包丁を前後に動かしながら大根をまわしていき4〜5mm幅に皮を剥いていきます。
大根をカットした断面の皮の内側に入っている薄い線が大根の筋です。煮物に使う場合は、特に皮の内側に入っている薄い線まで厚めにしっかりと剥くのがポイントです。そうすることで苦味や辛味が軽減されるだけではなく火が均一に入りやすくなり煮崩れを防ぐことができます。
包丁ではなく大根をまわしていくと、皮を一定の厚さに剥くことができます。
大根の皮をピーラーを使って剥くときは、10cmほどの厚さの輪切りにします。厚めにカットしないとピーラーを動かして皮を剥くことが難しいので、包丁を使って皮を剥くときよりも厚めにカットするようにしましょう。
ピーラーを使って皮を剥くときも、大根は縦に持ちます。
大根を縦にもったら、ピーラーを縦方向に動かして皮を剥いていきます。
ピーラーを使って剥くときも、煮物料理などに使う大根は皮の内側の線までしっかりと厚めに剥くようにしましょう。サラダなど生食で食べる場合やきんぴらにするときなどは、ピーラーを使って薄く剥けばOKです。
つまようじを使う場合は、ピーラーを使って剥くのと同じように10cmほどの厚さに輪切りにします。
爪楊枝を使って剥く場合は、厚く輪切りにしすぎてしまうと剥くのが大変になってしまいます。薄すぎるのも剥きにくくなってしまいますので10cmほどの厚さにするようにしましょう。
大根を輪切りにしたら、爪楊枝を薄い線に到達するまでしっかりと刺し縦方向に切り込みを入れます。
一回で綺麗に切り込みが入らない場合は、爪楊枝を2〜3回動かしてしっかりと後をつけましょう。
切り込みを入れたら、切り込みにそって爪楊枝の頭側を刺しこみ、皮をはがすように根と皮の間に隙間を作ります。
作った隙間の両端に親指を差し込み、指を滑らせるようにして力を入れて皮を押し上げながら大根を回していくと、するすると皮がむけていきます。
大根の皮は市販の皮むき器を使ってむくこともできます。
りんごの皮むき器など様々な皮むき器がありますが、特定の野菜や果物だけではなく様々な種類の野菜や果物の皮を剥くことができる皮むき器もあります。スイッチを押すだけのタイプや手動でハンドルを回すタイプのものなどがあります。
皮むき機を使う場合もまずはじめに輪切りにします。厚さに関しては皮むき機の大きさなどにもよるので、メーカーの取り扱い説明書に従ってカットするようにしましょう。
輪切りにしたら皮むき機にセットして、自動であればボタンを押し、手動であればハンドルをまわしたりして皮を剥いていきます。
包丁を使うのが慣れていない人などは、皮むき機を使うと簡単に皮を剥くことができます。大根以外の野菜や果物にも使えることが多いので、非常に便利です。
例えばじゃがいもなど皮が薄い野菜はレンジで加熱すると包丁やピーラーを使わずとも手で剥けるようになりますが、大根の皮はじゃがいもなどと比較して皮が厚いためレンジで加熱をしても残念ながら柔らかくなって手でも簡単に剥けるようになるということはありません。
包丁やピーラーを使わずに大根の皮を剥きたい場合は、上記で紹介した爪楊枝を使って剥く方法がおすすめです。
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